1 日時 令和7年9月22日(月曜日)19時から21時まで
2 場所 三重県伊賀庁舎 大会議室
3 概要
これまでの協議をふまえ、15年先を見据えた令和10年度に想定される学級減への具体的な対応案と当協議会のまとめ案について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
<15年先を見据えた令和10年度に想定される1学級減への具体的対応案について>
○ 定時制課程には、不登校経験や外国にルーツのある生徒、学び直しをしたい生徒など、多様な背景を持つ生徒が在籍しており、少人数のため一人ひとりをしっかり見守ることができている。また、通信制課程との併修により3年で卒業することも可能であり、セーフティネットとしての役割を十分果たしている。【松﨑委員】
○ 将来10~12学級となるのであれば、同規模の2校とするより8学級以上の大規模の総合高校と、定時制の機能を取り入れた2学級の小規模校とするほうが、その先の変化にも対応できるのではないか。ただし、その2校をどこに設置するか、集約までの過程をどうするかが難しい。【西垣委員】
○ 協議会では、通学を考えれば高校はどこに配置するとよいのか、普通科と職業系の学科を併設させるほうがよいのかどうかなどについて、理想を語りながらも、これだけの数が見えている中で、課題を整理しながら、早期に具体的な方向性を協議していきたい。【加藤会長】
○ 不登校の生徒や外国につながりのある生徒、特別な支援を必要とする生徒は、どの高校にも在籍しており、多様な子どもたちを受け入れる体制は整っている。今後は特に、通訳や日本語指導、特別支援教育などの専門家によるサポートの充実が必要になると感じている。【今髙委員】
○ 小中学校だけでなく、高校においても通級による指導が広がっているのであれば、伊賀地域の中でどのように保障していくのかを議論し、子どもたちや保護者の安心につなげていく必要があるのではないか。【西山委員】
○ 今後移民政策により、外国につながりのある子どもがさらに増えることも想定し、早期から準備を進めておく必要があるのではないか。【伊集委員】
○ 令和10年度に想定される1学級減への対応は、小手先の対応ではなく、 15年先を見据えた広い視野で考える必要がある。【水守委員】
○ 中学校段階では、将来就きたい職業が決まっておらず、高校で学んで選択肢を広げていきたいと考えている生徒が多い。また、不登校で学び直しを希望する生徒も多く、通信制高校がそのニーズに応えている。近隣府県や中勢地区、私立高校や高専も含めて、多様性に対応していく仕組みを考える必要がある。【山本委員】
○ アンケート結果を見ると、生徒も保護者も社会性やコミュニケーション能力、自ら学び続ける力、主体的に取り組む力が大切と答えている。自己肯定感や自己有用感を高めるためにもある一定の集団が必要である。【山本委員】
○ 今回、あけぼの学園高校の募集停止案が示されたが、美容の学びなどをどのように集約するのかという具体が示されていない。子どもたちや保護者の不安を払拭するためにも、総合学科や職業学科の学びをどのように整理していくのか、具体的な計画を早急に示す必要がある。【中川委員】
○ 奈良県の山辺高校山添分校(昼間定時制)が募集停止になると聞いている。多様な子どもたちへの対応という視点から、上野高校や名張高校の定時制課程に昼間部を設けることも考えられるのではないか。【中川委員】
○ よりよい教育環境の提供には、教員数が重要な要素となる。学級減となっても十分な教員が配置できるよう、国に対して粘り強く働きかけてもらいたい。【中道委員】
○ あけぼの学園高校の募集停止案の公表を受け、進学を希望する子どもたちの保護者から「募集停止はショックだ」、「行く学校がない」との声を聞いた。また、在校生や卒業生にとっても今後の人生で悩んだ時に母校に相談に行けなくなるなどの不安があるようだ。少子化の現実は理解しているが、なんとか1学級でも残してもらいたい。【岡田委員】
○ 多様な子どもたちへの対応については、どの学校でも取組が進んでいるとのことだが、令和10年度に想定される1学級減への具体的対応として、日本語指導や通級による指導などの整備があと2年で間に合うのか心配である。【加藤(幸)委員】
○ 子どもたちにとって部活動の選択肢が多いことは魅力で、近隣府県にはそうした学校も多い。伊賀地域にも学級数の多い学校をつくることで、地元の高校を選ぶ生徒が増えるのではないか。【上出委員】
○ あけぼの学園高校に通いながら専門学校に通うことで、最短3年で美容師になれるのは大きな魅力であり、こうした機能は、どこかの学校に残してもらいたい。【上出委員】
○ 15年先の完成形をイメージし、そこから逆算して早めに着手すべきと考えていたが、時代の移り変わりが激しい中、北部に1校、南部に1校となるというイメージも不透明である。今後のまとめが、将来の協議の制約とならないような表現にしてほしい。【伊集委員】
○ 地域の子どもたちが安心して学び、保護者、教員などの関係者が安心して育てられる教育環境をどう作っていくかが大切である。不安解消のためにも、具体的な内容で総意に近い案を次回の協議会で提示してもらいたい。【加藤会長】
<令和7年度伊賀地域高等学校活性化推進協議会のまとめ(案)について>
○ 15年先に2校とするのであれば、現在の5校から2校となる過程をどのように進めるかが重要である。次期「県立高等学校活性化計画」において、どのような学びをめざし、どのような形で進めるのかが今後の指針となると感じている。【西山委員】
○ 子どもたちは未来の姿を早く知りたいと考えていると思う。まとめには、校舎の新築・建替えなど、広い意味で協議していくことを書き加えたほうがよい。【水守委員】
○ 伊賀地域では、県外の中高一貫校に一定数が進学している。中学校入学段階においても地域外への流出を防ぐという視点から、県立の中高一貫校について議論してもよいのではないか。【米川委員】
○ 「今後の学びと配置のあり方(当協議会のまとめ)」について、誤解のないよう、できるだけ誰が見ても分かりやすい表現にした方がよい。【今髙委員】【加藤会長】
○ 少子化が進む中にあっても多様な子どもたちが伊賀地域の高校でしっかりと学べる環境をつくり、安心できるようにしてもらいたい。結論を出すまでに時間がないのもわかっているが、今後も地域の声を聴きながら丁寧な議論をお願いしたい。【澤田委員】
○ 基本的な内容については、大きな指摘はなかったので、今回提示された案をベースに、本日の意見を反映した形で、次回まとめ案を提示してもらいたい。【加藤会長】