1 日時 令和8年5月22日(金曜日)18時から20時5分まで
2 場所 三重県庁 講堂棟 講堂
3 概要
令和8年3月中学校卒業者の進路状況について、私立高校授業料の実質無償化の影響等の観点から検証を行った上で、令和9年度高等学校募集定員総数の策定について協議を行いました。
本協議会の「高等学校生徒募集定員に係る公私比率等検討部会」(以下、「部会」という。)の提言「令和9年度までの募集定員の公私比率等について」をふまえて策定するかなどについて意見が分かれたため、引き続き、第2回協議会で協議することとなりました。
主な意見は次のとおりです。
<全日制課程への進学率について>
○ 近年、全日制課程への進学率が低下し、通信制課程への進学率が上昇していたが、今春の結果を見る限り、その傾向が落ち着いてきたのではないか。(中西委員)
○ 全日制計画進学率を絞ることで実績進学率の低下を招かないか懸念している。今春の実績進学率は横ばいだったが、今後も引き続き検証が必要である。(辻委員)
<私立高校授業料の実質無償化の影響について>
○ 生徒募集の段階では国の予算がはっきり決まっておらず、無償化の話は前面に出せなかった。そうした中でも私立高校の充足率が上昇したのは、無償化の影響だけでなく、各私立高校の魅力が生徒や保護者に響いたからではないか。(寺本委員)
○ 受験者数については、私立高校全体では前年度と大きく変わらなかったが、歩留まり率は高まったように感じている。(高木委員)
○ オープンスクールにおいて保護者の参加が大幅に増加したのは、無償化への関心が高かったためではないかと捉えている。(神崎委員)
○ 今春は多くの私立高校で専願入試の受験者数が増加しており、単に入学者数が増えただけではなく、私立高校を第一志望として入学した生徒が増えたように感じている。(中西委員)
○ 無償化の影響は一定あったが、県立高校の後期選抜の志願倍率は1.03倍であり、新聞報道にあったように33道府県で1倍を切ったことを考えると、本県ではそこまで大きな影響はなかったのではないかと感じている。(德岡委員)
○ 県立高校は、志願倍率がかなり高い学校もあるが、入学定員以上に入学させることはできないため、充足率が100%を超えることはない。一方、私立高校は、入学者数が入学定員を超える場合があり、充足率が100%を超えることもある。資料では、定員を超過した学校と欠員のあった学校をおしなべて全体の充足率が計算されているため、各私立高校への入学状況がわからなければ、無償化の影響を深く議論するのは難しいのではないか。(山北委員、萬井委員)
〇 最近の中学生や保護者は、早く進路を決めて安心したいという傾向が強くなっており、このことも私立高校への入学者が増える要因となっているのではないか。(川原田委員)
○ 私立高校が無償化された一方で、国のネクストハイスクール構想では、公立高校の特色化・魅力化に取り組むこととされており、令和9年度以降の総募集定員を考えるにあたり大事な視点の一つとなる。(大屋会長)
〇 私立高校の無償化は始まったばかりであり、県立高校もこれから独自性を出していくこととなるので、現時点で今後の志望動向を予測することは難しい。(服部委員)
<私立高校の定員増による影響について>
○ 当該校の入学者数は前年度と大きく変わらなかったと聞いており、迷惑はかけたが、結果的に影響は小さかったのではないか。(高木委員)
○ 一旦公表した入学定員が年度途中で変わること自体が大問題で、私学全体に大きな影響があったと捉えている。北勢地域だけでなく隣接地域の私立高校の充足率にも影響があったと考えている。(寺本委員)
○ 実際の入試にどのような影響があったのかはわからないが、中学校現場での進路指導には、大きな混乱はなかったと聞いている。(川原田委員)
○ 受験する側から見ると、入学定員が増えれば合格しやすくなると考えるのが普通なので、少なからず影響があったのではないかと考えている。(萬井委員)
<令和9年度募集定員総数の策定について>
○ 昨年度の協議会では、私立高校の募集定員総数の維持についてご理解いただいたことに感謝している。にもかかわらず、協議結果を反故にして私立高校が募集定員を増加させたことについては、私学の設置者や校長も大変遺憾に思っており、大きな問題と捉えている。先日の設置者会議において、本協議会で話し合われた協議結果を尊重し、その趣旨を最大限踏まえることを確認したので、その前提で話を進めてもらいたい。(中西委員)
⇒(大屋会長)これ以降の協議では、私立高校の募集定員総数について、協議結果を115人超過した実際の定員3,680人ではなく、策定時の定員3,565人を基準に議論を始めることとしたい。
○ 昨年度は無償化の影響が読めなかったが、実際に私立高校を選択する生徒が増えた。こうした中で、私立高校の募集定員を減らすのは、経済的な理由で進路選択の幅が狭まることがあってはならないという制度の趣旨に沿わない。私学側としては、令和9年度も3,565人の定員を維持したい。(中西委員)
○ 私立高校の定員を3,565人に戻すと言うと、それ以上定員を減らさなくてもよいという確認にも聞こえる。昨年度の議論に戻るのではなく、部会の提言を尊重するというところにまで立ち返る必要があるのではないか。(萬井委員)
○ 他府県と比べて無償化の影響が限定的であったのに、中学校卒業者数が減少する中で、県立の定員だけを減らしてほしいというのでは協議にならない。令和9年度までは、提言をふまえて公私が協調してともに定員を減じ策定するのが筋ではないか。(德岡委員)
○ 現在の公私比率は、提言において令和9年度に見込まれるとされている数値を既に超えている。提言の考え方に基づいて、公私がよく議論し双方が協調して募集定員を定めるべきではないか。(山北委員)
○ 提言は尊重すべきであるが、提言が策定された当時、私立高校の授業料が無償化されるとは誰も予想していなかった。それが実現し結果も出ているので、是非とも3,565人の定員は維持したい。(寺本委員)
○ 提言には、中学生の進路保障と県民の理解という大前提がある。県立高校の募集定員だけがどんどん減り、私立高校の募集定員が減らない状況について、県民の理解を得られるのか。(萬井委員)
○ 県民の理解という点においては、今春の結果を見れば、県民の選択は私学にあったと考えている。中学生の選択肢を狭めることのないよう、私立高校の定員は、前年度と同数の3,565人を維持したい。また、計画進学率の計算方法は決まっているが、中学生がもう少し選択の幅を広げられるような募集定員の設定についても検討してほしい。(高木委員)
○ 本県は縦に長く地域差もあるので、中学校現場としては、全ての子どもたちに多様な進路を保障するために、提言を遵守するのは当然だと考えている。国の需給予測においても、2040年には理系人材が不足すると言われており、工業科や商業科など、私立高校にはない環境も整えて、子どもたちの選択肢を残してほしい。(川原田委員)
〇 国全体で理系人材の育成、特に女性の理系人材育成が大学にも要求されている中で、県立高校の理系人材育成に関わる定員が減っていくのはいかがなものか。また、県外の全日制高校へ進学する生徒がたくさんいる中で、その流れを助長することのないような募集定員の設定についても検討してもらいたい。(田中委員)
○ 中学校卒業者数の減少は統計的に見えているので、中学生の選択肢が減らないよう、提言の理念をふまえて、公私が互いに協調して検討していくべきである。(服部委員)
○ 提言にもあるように、公私が協調して協議していくことが、本県の特色である。今年度の協議会においても、公私で子どもたちの選択肢の維持・充実を図り、本県の高校が魅力ある学びの場であり続けられるよう議論していくことが大切である。(辻委員)
○ 提言の理念が大切であることについては、委員全員の共通理解が得られたが、具体的にどのように募集定員を策定するかについては、公私で意見の隔たりが大きいように感じている。一旦、会長・副会長預かりとし、本日の意見を整理した上で、次回引き続き協議することとしたい。(大屋会長)