平成２１年度公共用水域及び地下水の水質調査結果

１　発表事項
　　平成２１年度公共用水域及び地下水の水質調査結果

２　発表内容
　　県は安全・安心な水環境の確保に資するため、国土交通省近畿地方整備局・中部地方整備局、四日
　市市と協働し、河川・海域及び地下水の水質を継続的に監視しています。このたび、平成２１年度に
　実施した水質調査結果について取りまとめましたので公表します。

３　調査結果
(1) 公共用水域の水質調査結果
ア　生活環境の保全に関する環境基準について
【河川】
　　河川における有機汚濁の代表的な指標であるＢＯＤについては４７河川６２水域のうち５８水域で
　環境基準を達成し、達成率は９４％（前年度９８％）となりました（表１）。
　　なお、環境基準点における水質ランキングについては、表２及び３のとおりです。
【海域】
　　海域における有機汚濁の代表的な指標であるＣＯＤについては、４海域８水域のうち４水域で環境
　基準を達成し、達成率は５０％（前年度６３％）となりました（表４）。
　　また、富栄養化の原因物質である全窒素及び全燐（りん）については、４海域６水域のうち、全窒
　素が全６水域で環境基準を達成し、達成率は１００％（前年度１００％）、全燐は２水域で環境基準
　を達成し、達成率が３３％（前年度１００％）となりました（表５）。

イ　人の健康の保護に関する環境基準について
【河川】
　　４８河川でカドミウム等の有害物質に係る水質調査を実施したところ、５地点を除き環境基準を達
　成しました。志登茂川、勢田川、五十鈴川、笹笛川、岩田川でほう素が環境基準（１．０ｍｇ／L）
　未達成でしたが、これら５地点は汽水域であり、海水中に含まれるほう素の影響によるものと考えら
　れます。

　　　※ほう素の監視結果（年平均値）
　　　　　志登茂川（江戸橋）１．９ｍｇ／L
　　　　　勢田川（勢田大橋）１．６ｍｇ／L
　　　　　五十鈴川（堀割橋）１．５ｍｇ／L
　　　　　笹笛川（八木戸橋）２．１ｍｇ／L
　　　　　岩田川（観音橋）　２．２ｍｇ／L
【海域】
　　４海域８地点でカドミウム等の有害物質に係る水質調査を実施したところ、全地点で環境基準を達
　成しました。

(2) 地下水の水質調査結果
　　県及び中部地方整備局では、過去の概況調査等で環境基準を超過した２０地点で追跡調査を実施し
　ました。その結果、７地点において環境基準の超過があり、１３地点において環境基準を満足してい
　ました。環境基準を超過した地点の内訳は、ヒ素及びふっ素が１地点、トリクロロエチレンが１地点、
　テトラクロロエチレンが５地点でした（表６、８）。
　　また、四日市市では、地下水汚染の概況を把握するため井戸の水質調査を実施しており、平成２１
　年度は１０地点でカドミウム等の有害物質に係る水質調査を行いました。その結果、硝酸性窒素及び
　亜硝酸性窒素が２地点で環境基準を超過していました。その他の有害物質については全ての地点で環
　境基準を満足していました（表７、８）。

４　今後の対応
　　環境基準を達成し、維持していくため、引き続き工場・事業場の排水規制に係る指導監督を行うと
　ともに、生活排水対策を推進していきます。特に環境基準の達成率が低い伊勢湾については、第６次
　水質総量削減計画に基づく汚濁負荷の削減に取り組みます。
　　地下水汚染が確認された地点については、今後も定期モニタリング調査によって監視を継続します。
　なお、汚染井戸については飲用指導等を実施済みです。


　　※四日市市と同時発表になります。