県内の公立小中学校及び県立高等学校から抽出した小学校4年生から高校3年生までの児童生徒を対象に行った「スマートフォン等の使用に関する実態調査」の結果概要については、以下のとおりです。
1 調査目的
平成26年度「スマートフォンの危険から子どもを守る事業」を進めるにあたり、三重県内における
児童生徒のスマートフォン等の使用に関する実態・意識等を把握する。
2 調査対象
調査1 29市町各1公立小学校:4年生~6年生 各2クラス
調査2 29市町各1公立中学校:1年生~3年生 各2クラス
調査3 県立高等学校10校 :1年生~3年生 各2クラス
3 調査期間
平成26年10月20日(月)~11月14日(金)
4 備考
アンケート有効回答数(率) 全 体 11,716人(99.3%)
<内訳> 小学生 4,354人
中学生 5,093人
高校生 2,269人
※ この調査では、「ケータイ」は携帯電話やスマートフォンのことをいいます。
5 調査結果の概要
(1)ケータイの所持率について
ケータイの所持率は、小学生39.9%、中学生60.9%、高校生99.1%となり、高校生のほ
とんどが所持していることが分かりました。
(2)家で持っている機器及びインターネット接続機器について
家で持っている機器で、ケータイやパソコン以外で所持率が高いのは「ゲーム機」で、小学生
89.0%、中学生76.5%、高校生63.2%となっており、次いで「音楽プレーヤー」が、小学
生23.3%、中学生47.7%、高校生57.9%でした。
インターネット接続機器のうち、「ゲーム機」を利用しての接続は、小学生45.8%、中学生
22.9%、高校生10.4%で、「音楽プレーヤー」からの接続は、小学生6.2%、中学生
12.1%、高校生7.7%でした。
インターネット接続については、ケータイやパソコン以外からも行っている実態があることから、
「ゲーム機」や「音楽プレーヤー」からのインターネット接続について見守りや注意喚起が必要です。
(3)自分専用のケータイを持ち始めた時期について
自分専用のケータイを持ち始めるのは、中学校1年生及び高校1年生で多くなっています。また、持
ち始める時期が低年齢化しているため、小学校段階から児童への指導を行うとともに、フィルタリング
の重要性や、家庭でのルール作りなど、保護者への啓発が必要です。
(4)ケータイの利用状況について
中高生では「LINE等」が、中学生76.1%、高校生86.8%で最も多く、次いで「動画サイト」
が、中学生60.2%、高校生56.6%でした。
小学生については「メール」が53.8%と最も多く、次いで「動画サイト」で33.0%となって
います。
「LINE等」の不適切な利用から、いじめ等の問題につながる恐れがあるため、児童生徒に利用上のル
ールやマナーを指導していくことが重要です。
(5)フィルタリングの利用状況について
ケータイへのフィルタリングの利用状況で、「かけている」は、全体で41.2%であり、小学生
27.2%、中学生46.5%、高校生44.3%でした。また、「わからない」と回答している小学
生が、60.3%もあることから、保護者に対して、フィルタリングの必要性等について、より一層の
理解を得ることが必要です。
(6)「メール」、「Facebook、Twitter等」、「LINE等」の利用相手について
利用相手について、小学生は「家族・親戚」が65.0%で最も多く、次いで、「学校の友だち」
25.7%でした。中高生で最も多いのは「学校の友だち」で、中学生80.7%、高校生69.8%
で、次いで中学生は「家族・親戚」8.3%、高校生は「学校外の友だち」17.5%でした。
校種が上がるにつれて、「インターネットで知り合った人」の割合も増加し、交信相手に広がりがう
かがえることから、インターネットの危険性等について、各学校において指導を行うとともに、保護者
への啓発が必要です。
(7)インターネットの危険性を学ぶ機会について
インターネットの危険性を学ぶ機会が最も多いのは、小学生は「親(保護者)から」48.6%、次
いで「先生から」42.5%でした。
中高生については「先生から」が最も多く、中学生74.8%、高校生81.6%、次いで中学生は
「親(保護者)から」37.8%、高校生は「テレビやパンフレットなどから」23.8%となってお
り、学校・家庭での役割が大きいことから、保護者への啓発と、学校での指導の充実が重要です。
(8)困った時の相談相手について
相談相手として最も多いのは、「保護者・家族」で、小学生73.0%、中学生69.0%、高校生
62.7%であり、次いで「学校の友だち」が、小学生16.8%、中学生46.9%、高校生
53.9%でした。一方で「相談しない」児童生徒は、小学生6.2%、中学生8.1%、高校生
8.9%であったことから、学校と家庭が連携し、児童生徒が困った時にいつでも相談できるような環
境づくりが重要です。
6 今後の対応方針
(1) 本調査結果を市町教育委員会や県立学校に周知し、各種指導資料等を活用した指導を行うなど、児
童生徒のケータイ利用の現状を踏まえた取組を進めていきます。
(2) 本調査結果を基に、各学校において児童生徒の発達段階に応じた取組を進めます。とりわけ、中高
生については、ケータイ利用に係るルール作りなどの主体的な取組を行うとともに、県内において生
徒間で意見交換ができる場を設け、話し合った結果を周知し、各学校の取組に繋げていきます。
(3) 本調査結果を三重県PTA連合会や三重県高等学校PTA連合会等の協力を得て家庭に提供すると
ともに、各家庭に理解と協力を求めます。併せて、ネット啓発講座等を活用して保護者の見守りや監
視の大切さを伝えるなど、家庭での取組を支援していきます。