本日(10月30日)、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項の規定に基づき、土地所有者である中部不動産(三重県鈴鹿市長太旭町四丁目1番8号、村田将則(以下「事業者」という。))から旧中村鋳造所跡地(三重県桑名市大字江場字柳之町1768番他)においてテトラクロロエチレン並びにふっ素及びその化合物による土壌汚染が発見された旨の届出がありました。
1 内容
当該土地は鋳物工場が立地していたため、事業者が、自主的に当該土地において土壌及び地下水の調査を実施したところ、次のとおり同条例で規定する基準を超過していました。
【テトラクロロエチレン】
土壌:全調査地点(54区画、約3,770m2)のうち、2区画で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:0.048mg/L (最大)
(基準値0.01mg/Lの約5倍)
【ふっ素及びその化合物】
土壌:全調査地点(54区画、約3,770m2)のうち、15区画で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:12mg/L (最大)
(基準値0.8mg/Lの約15倍)
2 原因と対策
事業者によると当該土地では、昭和9年に中村鋳造所が創業し、平成26年まで約80年間、鋳物工場として土地利用されていましたが、原因については不明としています。
本日の届出を受け、桑名地域防災総合事務所が現場確認を行ったところ、汚染区画はコンクリートで覆われており、土壌の飛散流出防止措置及び雨水浸透防止措置が講じられていることを確認しました。
また、事業者が今回実施した地下水調査の結果は基準値未満であることから、直ちに周辺の生活環境への影響はないものと考えられます。
事業者は、当該土地の汚染土壌について、テトラクロロエチレンが発見された区画においては原位置での浄化を行い、ふっ素及びその化合物が発見された区画においては舗装による飛散流出防止措置及び雨水の浸透防止措置を講じるとともに地下水のモニタリングを実施していくとしています。
県は事業者に対して、土壌汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
3 届出内容の問い合わせ
中部不動産
電話番号 059-395-1236
【参考】
○三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の四
土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
○テトラクロロエチレン
テトラクロロエチレンは揮発性物質で、引火性が低く、容易に油を溶かすという性質があります。このため、ドライクリーニングの溶剤として洗濯業で使われたり、精密機器や部品の加工段階で用いた油の除去などに使われてきました。
テトラクロロエチレンは繰り返して摂取すると、発がん性が高まる可能性がありますが、揮発性が高いため煮沸により除去することができます。
○ふっ素及びその化合物
ふっ素及びその化合物は、ホタル石などの形態で自然界に広く分布しています。環境中においては、河川や地下水、土壌中に含まれており、海水中のふっ素は比較的高濃度となっています。
また、ふっ素化合物は、ガラス加工や電子工業等において使用されるほか、ふっ素樹脂等として広く用いられます。適量のふっ素は虫歯予防に有効であり、歯磨剤にも添加されています。
ふっ素による健康影響としては、飲料水として過剰な摂取による斑状歯の発生等が知られています。