訪問販売を行うにあたり、特定商取引に関する法律(特定商取引法)に違反し、役務提供契約を締結した事業者に対して、三重県は令和6年3月26日付けで特定商取引法に基づく行政処分(指示処分)を行いましたので、その内容を公表します。
1 事業者の概要
事業者名 三重県宅内下水事業協同組合
代表者 代表理事 髙森 友之
所在地 津市芸濃町椋本892番地の58
2 指示処分の内容
以下の事項について是正するよう指示しました。
(1)訪問販売による役務提供契約を締結するときは、法に定める事項を記載した書面を交付すること。
(2)訪問販売を行うにあたり、役務の提供を受ける者の判断に重要な影響を及ぼしている事実について、
不実の告知を行わないこと。
(3)役務提供契約を締結した事項について、契約どおり債務を履行すること。
3 主な手口
(1)同組合は、消費者に法定記載事項が不備な書面を交付していた。
(2)同組合は、リフォーム工事の見積の依頼を受け消費者の自宅を訪問した際、一級建築士事務所の登録
を受けていないにもかかわらず、一級建築士事務所と記載した名刺を渡し、不実の告知を行ってい
た。
(3)同組合は、請負契約の締結後、役務提供契約に基づく債務の履行を不当に遅延させていた。
4 特定商取引法における違反行為
(1)書面不備(同法第5条第1項第1号)
訪問販売による役務提供契約を締結した場合、工事内訳、税込み金額、支払方法、請負者の名称及び代表者の氏名について、正しく記載した書面を交付しなければならないところ、同組合はこれらについて不備の書面を交付していた。
(2)不実告知(同法第6条第1項第7号)
同組合役員は、消費者の自宅を訪問した際、一級建築士事務所の登録を受けていないにもかかわらず、「三重県宅内下水事業協同組合 一級建築士事務所」と記載のある名刺を手渡していた。
(3)不当な遅延行為(法第7条第1項第1号)
同組合は、請負契約の締結後、役務提供契約に基づく債務の履行を不当に遅延させた。
5 今後の対応方針
指示に従わない場合には、法人に対して同法第74条の規定に基づき、100万円以下の罰金を科す手続きを行うとともに、違反行為者に対して同法第71条の規定に基づき、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを行うことになります。