三重県で行っている感染症流行予測調査において、日本脳炎に注意が必要であると思われる結果がでましたのでお知らせします。
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを持つ豚などの動物を刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)などが人を刺すことによって感染します。今の時期、蚊の活動は低下してきていますが、蚊に刺されない等の感染予防を心がけてください。
なお、人から人への感染はありません。
【予防対策】
1.蚊に刺されないようにしましょう。(※乳幼児や高齢者は特に注意してください。)
・戸外へ出るときは、できる限り長袖、長ズボンを身に着けましょう。
・露出している皮膚には、虫除けスプレーなどを使いましょう。
・網戸を使用しましょう。(※コガタアカイエカは「夜間吸血性」です。)
2.過労をさけ、十分な睡眠と栄養をとりましょう。
3.蚊の発生を防ぐために、水たまり等をなくしましょう。
4.予防接種については、市町担当課またはかかりつけ医療機関にご相談ください。
三重県では、感染症流行予測調査を実施しており、日本脳炎ウイルスの活動状況を把握するため、毎年初夏から初秋にかけて、豚の抗体検査を実施しています。
日本脳炎ウイルスは特に豚の体内で増殖し、蚊(コガタアカイエカ等)が媒介して人に感染します。感染した豚は、血液中に日本脳炎に対する抗体が産生されることから、豚の抗体陽性率(抗体保有率)を日本脳炎ウイルスの活動の指標としています。
今回、平成29年9月1日(金)に採血した検査の結果、豚の抗体陽性率の上昇がみられました。
(過去の注意喚起時期)
平成27年(7月31日)、平成21年(8月24日)、平成20年(7月16日)、平成19年(9月5日)、
平成18年(9月6日)、平成17年(8月5日)、平成16年(8月13日)
【日本脳炎とは】
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患で、突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等を引き起こします。
日本脳炎ウイルスの潜伏期間は1週間から2週間で、感染してもほとんどの場合が気が付かない程度で済みますが、およそ1,000人に1人程度発病する場合があります。いったん脳炎症状を起こすと20%から40%が亡くなり、回復しても45%から70%は精神障害等の後遺症が残ってしまうと言われています。
なお、日本では、昭和40年代まで毎年数百人以上の患者が報告されていましたが、予防接種の普及により年間数例程度になりました。
【三重県・全国における日本脳炎患者発生状況】
別添資料をご確認ください。
※日本脳炎を含め、感染症に関する各種情報を「三重県感染症情報センター(保健環境研究所内)」ホームページで提供していますので、ご覧ください。