佐藤嘉平さん美江さんご夫妻(防災の星第4回)
このコーナーは、これから地域の防災活動に貢献していこうとお考えの方に、すでにご活躍されている方を紹介しようというものです。 4回目は、前回ご紹介した江上元一さんのご推薦で、長島防災支援ネットの佐藤嘉平(よしひら)さん、美江(よしえ)さんご夫妻をご紹介します。 |
いつも最初にお伺いしているのですが、活動に至るきっかけは何だったのですか?
(嘉平さん)平成16年に県の防災ボランティアコーディネーター養成講座(第1期)を受講したのですが、税金を投入していただいたので、社会に還元しなければと思い活動を始めました。
養成講座を受講されたということは、以前から防災に関心があったと・・・
(嘉平さん)元々道路関連の仕事をしていた関係で、道路防災、道路の耐震補強に関して多少の知識がありましたし、兵庫県南部地震の際には伊丹市や宝塚市に行ったこともあります。ただ、長島防災支援ネットの青写真を思い描いたのは平成10年頃のことではないかと思います。
その頃に何か始められたのですか?
(嘉平さん)国土交通省や中部地方の大学、三重県、愛知県、名古屋市で開催されていた防災関連の催し、講演会、シンポジウムなどに参加して知識を深めていったということです。
美江さんはいかがですか?
(美江さん)転勤族でしたので全国を転々としていたのですが、昭和62年に夫より一足早くこちらに帰ってくることになって、地域の事情に一日でも早く明るくなろうと様々な活動に挑戦したのがきっかけです。
嘉平さんより先に始められたと・・・
(美江さん)防災関係は夫が先ですね。私は平成3年頃に「婦人問題アドバイザー養成講座」を受講したのが最初で、平成6年に「三重県女性の海外研修員」としてドイツやデンマークに行って、環境とか福祉、教育などの課題について勉強しました。
何かすごいですね
(美江さん)その後、平成7年から10年間、婦人会長として敬老会のお世話をさせていただいた際に、敬老会の該当者が年々増加している現実を知りまして、今も独居高齢者への配食サービスをしているのですが、そうした方々と接する度に、近々発生するであろうと言われている災害時にはどうなるのだろうとの思いが募りました。
なるほど
(美江さん)それで、こうした要援護者の皆さんが無事に避難できるように手助けをするにはどのような方法があるかもっと勉強しなければと思い、防災関連で「自主防災女性リーダー講習会」を受講したのがはじまりですね。
夫婦揃って活動されているのは珍しくないですか?
(美江さん)うちの組織では4組ほどいらっしゃいますね。
ところで、どうやってメンバーを集められたのですか?
(美江さん)私たち夫婦が地元のテニスクラブに所属している関係で、そのつながりで参加していただいた方や、私が長島町の婦人会長や配食ボランティアをやっていた関係でお誘いした方などが集まりました。
メンバーは何名ほどいらっしゃいますか?
(嘉平さん)15名でスタートして現在17名でやっています。
男女構成が半々といった感じですね
(嘉平さん)たまたまですが、メンバーの中には消防士や看護師、薬剤師、介護士、教師OBなどがおりますので、防災に関する様々な知識が深まる環境にあると思います。
長島防災支援ネットの現在の活動状況を教えてください。
(美江さん)全ては紹介できませんが、春と秋に輪中の郷(輪中をテーマにした長島地区の歴史・文化・産業を紹介する複合施設)で開催されるフェスタなど各種イベントで、パネル展示や「ぶるる」(名古屋大学が開発した振動実験教材のこと)を使った耐震実験や模型による液状化の実演、防災アンケート調査を行っています。
それから、自治体が開催する防災教室のような催しにも協力しています。
(嘉平さん)それと、設置が義務づけられた住宅用火災警報器についての情報提供を重点的に実施しています。
防災アンケート調査とおっしゃいましたが、どういった調査なんですか?
(美江さん)災害時の要援護者を知っていますかとか、家具転倒防止対策・耐震診断はどうですかなど23問です。
(嘉平さん)防災アンケートの趣旨は集計・分析が主目的ではなく、アンケートに回答すること自体が啓発になると考えたからです。特に、私は地震の場合行き着くところは「耐震」だと思っていて、そういった啓発にもなると考えています。
長島防災支援ネット防災アンケート(PDF:50KB)
最後に何かメッセージをいただけますか?
(嘉平さん)地元の小学校で防災学習に協力する機会があり、桑名市が各戸配付した「防災マニュアルを持ってきてください」と先生から事前に言ってもらったところ、持っている人は46名中4名だけでした。
残念ながら、ご家庭の防災意識は高くないように感じます。状況を変えていくには、まず子どもから防災教育を始めなければと思いましたね。
美江さんはいかがですか?
(美江さん)メンバーの皆様は言うに及ばず、多数の方から心ある協力があってこそ活動が成り立っていますので、本当に有難い事といつも感謝しております。
この場を借りて改めて皆様に心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。
防災の星