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平成20年08月06日

災害伝承

このコーナーは、過去に起こった大災害についてその経験者に語っていただき、その教訓を伝承しようというものです。
今回も、先日「防災の星」で取り上げた佐藤嘉平さん美江さんご夫妻のご紹介で、桑名市長島町にお住まいの方々に桑名市長島防災コミュニティーセンターをお借りしてインタビューさせていただいた伊勢湾台風のお話です。
2人目は、当時長島町の下町(しもまち)にお住まいだった田中妙子さんのお話です。


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Q台風の話をお聴きする前に、何か変わった場所にお住まいだったとお伺いしたのですが?
Aそう、元々風俗関係の建物だった大きな一軒の家を部屋借りして住んでいました。厨房や風呂などは共同でしたね。
Q当時は何をされていたのですか?
A主婦です。子どもが2人いました。

 

Q台風が来る前と来た時の状況をお聴かせいただけませんか?
A台風が来るぞと思ったので、昼に買い出しに行きました。食べ物の他にロウソク10本とてんぷら油1升を買ったのを覚えています。

 

Q今までに聴いた話では、直前まで台風が来るとは思わなかったという方が多かったのですが?
A私は高知県の台風銀座と言われる場所に生まれ育ちましたので、台風が来る兆候がわかったのです。
あの日は間違いなく来る気配がありました。
Q天気予報はどうだったのですか?
Aテレビ自体それほど普及していませんし、今みたいな詳細な予報ではなかったですから、情報としてはほとんどありませんでした。

 

Q台風が来てどうなりましたか?
A2階でしたので大丈夫でしたが、大きな階段は流されてしまいました。1階の方は何とかして2階に上がってきたと思います。
Q浸水したけれども家は無事だったということですね。
ところで、てんぷら油は何のためにわざわざ買ったのですか?
Aおむつを破いて灯心にして、行灯の燃料に使ったのです。
一晩でちょうど半分使ったと思います。
Q一夜明けてどうでしたか?
A下町付近は長島川から溢れた水が入ってきたのだと思います。

 

Q外は水没していたと・・・
Aとにかく、建物には他の家の子どもたちも大勢おりましたので、食べ物を分けてあげました。
こうしたことも想定して、多めに買い出ししてありました。
Q救援物資はすぐきましたか?
A物資はもらえませんでした。2階に住んでいるものは、水に浸かっていないから、だめだということでした。
Q今だと考えられない話ですね。
A後片付けは手伝いましたが、生活物資は主人の実家から送ってもらってしのぎました。
困っている方もいらっしゃったと思います。おにぎりなどを作ってあげたりしたような気がします。
Q水はいつまで浸かっていたのですか?
A3ヶ月ぐらい続いたような気がします。
Qあと何か憶えていることがあれば?
A当時4歳だったうちの娘は、「スイカがプカプカ浮いていた。」と今でもよく言います。
近所の八百屋から流れてきたのだと思いますが、私もなぜか印象に残っています。
それから、当時私は夜間の電報配達をやっておりましたので大変でした。
Q配達先がなくなったということですか?
Aどこにいるのかわからないし道もわからない状況でしたが、使命感もあって探し回りました。
当時は、電話を引いていない家の方が多くて、何かあると電報だったのです。
Q教訓みたいなものはありませんか?
A浸水するとバケツが転がる音がします。
外に放り出してあるバケツが水の上を走り出すので、高知県にいた時からそれには気をつけています。

ありがとうございました。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 桑名地域防災総合事務所 地域調整防災室(県民防災課) 〒511-8567 
桑名市中央町5-71(桑名庁舎2階)
電話番号:0594-24-3821 
ファクス番号:0594-24-3795 
メールアドレス:wchiiki@pref.mie.lg.jp

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