新型コロナウイルスを取り巻く環境は刻一刻と変化しており、感染経路不明のクラスター(患者集団)の発生や国内の感染者数が1万人を超えるなど、予断を許さない状況が続く中、感染症対策の最前線でご尽力いただいている医療従事者の方々をはじめ、社会機能を維持するためにご尽力いただいている方々に心から感謝申し上げます。
本県では、昨日4月19日時点において36名の新型コロナウイルスの感染が確認されていますが、重症者は出ておらず、また陽性率も全国より低くなっています。
このことは、ひとえに県民の皆様が高い意識を持って感染防止対策に取り組んでいただいているおかげであり、あらためて感謝申し上げます。
一方、4月14日からの状況をみますと、昨日までの6日間で感染者が19名発生したことや、今まで未発生であった伊勢志摩地域、東紀州地域でも感染が確認され、県内全域に拡大していること、お亡くなりになられた方の感染事例を初めて確認したことなど、予断を許さない状況が続いています。
4月7日には、政府から7都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)に「緊急事態宣言」が発出され、本県においても、4月10日に“三重県新型コロナウイルス 「感染拡大阻止緊急宣言」”を宣言し、県民の皆様に移動自粛等についてお願いをさせていただいてきました。
また、4月16日に政府から全国に「緊急事態宣言」が発出され、7都府県に6道府県(北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府)を加えた13都道府県が、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく「特定警戒都道府県」に指定されました。
本県は、「特定警戒都道府県」には指定されていませんが、4月10日から4月17日までの人口1万人当たりの本県の感染者数の伸び幅が13都道府県を大きく上回るなど、早急に対策を講じていく必要があることから、さらなる感染拡大を阻止するため、
この度、新たに“新型コロナウイルス感染症拡大阻止に向けた「三重県緊急事態措置」”を取りまとめました。
今回の措置の内容としては、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、県外だけでなく、県内においても生活の維持に必要な場合を除き、外出の自粛を県民の皆様にお願いすることでさらなる接触機会の低減を図ります。
さらに、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき実施する施設等の休業要請の実施や法に基づかないものの休業の必要が認められる施設に協力を依頼するほか、やむを得ず外出や施設の営業を行う場合であっても適切な感染防止対策の徹底について協力をお願いするなど、感染予防の効果が最大限発揮されるよう、さまざまな対策を組み合わせて実施します。
一方、県民の皆様の生活を守るため、社会生活・経済機能を維持する上で必要となる、医療施設やスーパーマーケット、公共交通機関等については、適切な感染防止対策を講じたうえで事業の継続をお願いするとともに、施設の休業等にご協力いただいた皆様に対しては、県と市町が協調して協力金を準備するなど、生活を守るための支援もしっかりと実施してまいります。
また、既存の相談窓口に加え、新たに“新型コロナウイルス感染症拡大阻止にかかる休業要請相談窓口”を開設し、事業者の皆様が休業要請等に円滑に対応できるよう、相談体制の充実を図るなど、丁寧に対応してまいります。
加えて、本県は、伊勢神宮を有する国内有数の観光県であり、このGWにも県内外からの宿泊予約があることから、宿泊施設や地域の方々から多数の不安の声をいただいております。
三重県へお越しいただく皆様には、この間の来県自粛をお願いするとともに、宿泊事業者の皆様には、予約いただいている方々へ予約の延期を依頼するよう協力を求めます。
予約の延期については、観光県である本県独自の対策となりますが、協力いただいた宿泊事業者には、協力金を準備し、支援してまいりますので、ご協力をお願いいたします。
県民の皆様の生活を守るため、短期間にもかかわらず、協力金等の調整にご協力いただいた関係者の皆様におかれましては、あらためて感謝申し上げます。
三重県の措置の実施が他県より遅れることが感染拡大につながることを避けるため、短期間で策定を行っており、県民の皆様をはじめ関係機関・団体の皆様方には、十分な説明がなく、全ての皆様にご納得いただくことは難しいと考えていますが、県民の皆様の“命と健康”、そして“生活”を守るため、県としても最大限努力し、現時点で考えうる最善の対策を講じてまいる所存です。
新型コロナウイルスは未知のウイルスですが、三重県知事である私はもとより、県民の皆様をはじめ、県庁、市町、関係機関・団体の皆様が一丸となり、一致団結して“新型コロナウイルス感染症拡大阻止に向けた「三重県緊急事態措置」”で講じる対策に取り組むことにより、必ずこの困難な局面を克服できると信じています。
県民の皆様をはじめ、多くの皆様にご不便をおかけすることになりますが、何卒お力添えをいただき、今こそ「オール三重」で取り組んでいきたいと思いますので、ご理解・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
令和2年4月20日
三重県知事 鈴木 英敬
三重県知事 鈴木 英敬