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平成31年三重県議会定例会 知事提案説明

  定例会2月定例月会議の議案等の説明に先立ちまして、平成31年度における県政の展開方向について説明いたします。
 
(豚(とん)コレラへの対応)
 はじめに、先般愛知県で発生した豚(とん)()コレラに係る本県の対応状況について説明させていただきます。
 2月5日、愛知県内の養豚農場において豚(とん)()コレラの疑い事例が発生し、この農場から三重県内の1農場に子豚が出荷されていたことが判明しました。これを受け、本県では、発生農場から導入した子豚及び同居豚を対象に、血清抗体検査など国から指示された4項目の検査を実施し、翌6日に全ての豚が豚(とん)コレラに感染していないことを確認しました。
 この結果、国からは、当該農場について通常の衛生管理で良いとの指示がありましたが、三重県独自の対応として、当該農場に対し徹底した飼育豚の観察を実施し、毎日その状況を報告するよう求めるとともに、11日にあらためて立ち入り検査を行い、異状がないことを確認しました。
 引き続き、感染防止に向け、国や近隣府県との連携を密にした情報交換と関係者への迅速な情報提供に努めるとともに、防疫体制の一層の強化に取り組んでいきます。
 
(平成から次の時代に向けて)
 さて、私が平成23年4月に知事に就任して以来、平成27年には2期目の負託をいただき7年10か月が経過しました。この間、県議会をはじめ、市町、企業、関係団体の方々など、県民の皆様から温かい励ましと県政へのお力添えをいただき、あらためて深く感謝申し上げます。
 これまで職員とともに一丸となって「みえ県民力ビジョン」に掲げた「県民力による協創の三重づくり」を進めた結果、伊勢志摩サミットの開催や過去最高を記録した観光入込客数、一人当たり県民所得全国3位などの実績を生み出すことができました。県民の皆様の幸福実感をさらに高めていくため、県政の諸課題にしっかりと取り組み、任期を全うしたいと考えています。
 
 5月には元号が改められ、平成から次の時代への橋渡しが行われる歴史の節目を迎えます。
 平成の時代を振り返ると、私たちを取り巻く社会経済情勢は、人口増を前提とした右肩上がりの成長が見込めなくなる中で、人口減少や超高齢化の進展に伴う市場の縮小などにより、従来のモデルが通用しない時代に入っており、これまでの成功体験に頼らず、社会システム全体を考え直さなければならない転換点に来ています。
 また、平成は「災害の時代」ともいわれるように、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、近年の豪雨や地震等、「想定外」、「数十年に一度」の大規模自然災害が頻発し、私たちの命や暮らしの安全・安心が脅かされており、災害に対する備えがますます重要となってきています。
 さらに、パソコンやスマートフォンに象徴される情報通信技術の進歩により、私たちのライフスタイルやコミュニケーションの手段が大きく変化しています。
 三重県でも、平成19年をピークに総人口が減少に転じるとともに、紀伊半島大水害等県内に甚大な被害を及ぼす自然災害が発生しました。県内経済は、リーマンショックの影響を受け厳しい時期もありましたが、それを乗り越え、平成28年度の実質県内総生産は過去最高を記録しました。
 また、伊勢志摩サミットを通じて、先人が時代を超えて育んできた「自然と人との共生」や「伝統文化の継承」、「多様性への寛容」などの精神性や価値について、県民の皆様とともに、あらためて認識することができました。
 
 平成という時代の最後にあたり、今月24日で御在位30周年をお迎えになられる天皇陛下が、4月18日、伊勢神宮にお越しになられます。陛下として最後の御来県であり、地方への行幸啓の機会であることから、常に国民に寄り添って歩んでいただいた陛下に対し、感謝の気持ちと次の時代への思いを県民の皆様と共有できる機会となるよう、万全の態勢でお迎えします。

(平成31年度の県政運営)
 平成31年度は、新しい時代の始まりに際し、多様で包容力ある、持続可能な社会の実現に向けて、県民の皆様が夢や希望を持ち、明るく前向きに挑戦、活躍しつづけられるよう、次の世代に向けて、三重の未来を紡いでいかなければなりません。
 また、「みえ県民力ビジョン・第二次行動計画」の最終年度であり、これまで9割以上の施策がおおむね順調に推移しているものの、進展度が遅れている施策も一部残っていることから、危機感を持って行財政運営を進め、「幸福実感日本一の三重」の実現に向けて着実に取組を進めていく必要があります。
 「未来への希望を支える安全・安心」の観点から、県民の皆様の命と暮らしを守る取組をこれまで以上にしっかりと進めるとともに、未来を切り拓くための取組にも果敢に挑戦していくこととし、五つの柱に沿った取組に注力し県政を進めていきます。
 
(災害に強い地域社会をつくるために)
 一つ目の柱は「災害に強い地域社会をつくるために」です。
 昨年は、大規模自然災害が全国各地で頻発し、三重県においても台風による深刻な被害が発生しました。南海トラフ地震の30年以内の発生確率も引き上げられており、過去の災害を振り返りつつ、いつ発生してもおかしくない大規模自然災害に備えるとともに、新たに明らかになった課題に的確に対応する必要があります。

 平成30年度「防災に関する県民意識調査」結果(速報)では、災害時に「避難しない」と答えた方の割合が増加傾向にあり、適切な避難行動をとり、命を守る取組の重要性が高まっています。このため、適切な避難行動につなげる「共助」の取組を総合的・一体的に実施しようとする市町を支援します。
 本年は、伊勢湾台風から60年、昭和東南海地震から75年の節目を迎えます。こうした節目に「防災の日常化」の定着を図るため、自治体災害対策全国会議などを開催するとともに、「三重県防災対策推進条例」を見直します。また、全ての病院でBCP(事業継続計画)の考え方に基づく災害医療マニュアルの策定と定着化が促進されるよう支援します。
 危険性を把握する手段として重要性が再認識された土砂災害警戒区域について、その指定に必要な基礎調査を平成31年度中に完了するよう取組を進めます。また、伊勢湾沿岸を対象に高潮浸水想定区域図を作成し、市町に提供することにより高潮ハザードマップの作成を支援します。さらに、台風等への事前・事後対策をまとめた農業者・漁業者向けの防災技術マニュアルを新たに整備し周知を図るなど、現場における対策を強化します。
 ハード対策では、県立学校での屋内運動場の天井等の落下防止について、平成31年度中に全棟の対策が完了するよう計画的に取組を進めます。また、猛暑に備えるため、全ての県立学校普通教室で空調設備が整うよう取り組み、生徒の安全に万全を期します。本年夏には、空調未整備の高等学校に、レンタルによる臨時対応を講じます。
 河道掘削やダム、土砂災害防止施設の整備、河口や沿岸部の堤防耐震対策などを進めるとともに、ため池堤体の耐震対策や排水機場の長寿命化など、効果的な整備を加速させます。
国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に的確に対応するとともに、「自助」、「共助」、「公助」の力を結集しながら、ソフト、ハードの両面から防災・減災対策のさらなる進化をめざします。
 
(誰もが安心して暮らし続けられるために)
 二つ目の柱は「誰もが安心して暮らし続けられるために」です。
 「人生100年時代」を見据え、誰もが生涯にわたっていきいきと活躍できる社会を実現するため、健康づくりの推進や医療・介護・福祉分野における連携と質の高いサービスの充実、子どもたちや障がい者など社会的な支援を必要とする方々に寄り添った対策に取り組んでいきます。
 
 健康寿命の延伸や生活習慣病の予防に向けて、「三重とこわか県民健康会議(仮称)」を設置するとともに、三重とこわか健康マイレージ事業を推進し、県民の皆様の主体的な健康づくりや企業における健康経営の取組を支援します。また、地域における医療提供体制を確保するため、「三重県医師確保計画」を策定するとともに、引き続き、若手医師のキャリア形成の支援や看護職の求職者への就業斡旋、医療従事者の勤務環境改善に取り組みます。さらに、地域医療を担う次世代の医療人材を育成する「みえ地域医療メディカルスクール」を開催します。
 介護従事者の確保に向けて、引き続き、マッチング支援や介護職場の魅力発信などを進めるとともに、介護助手の導入を支援するなど、勤務環境の改善に取り組みます。
 認知症対策については、「パール宣言」に基づくさまざまな取組の調査分析を行い、今後の認知症施策の指針の検討を行います。また、認知症患者のレセプトデータを調査・分析し、早期からケアにつなげるモデル事業を実施するとともに、その成果が他市町にも波及するよう取り組みます。
 
 今年に入り、三重県内でも麻しん(はしか)患者が発生し、近年にはないほどの多くの患者が確認されています。現在、患者の発生については小康状態となっていますが、引き続き、流行の継続が懸念されるインフルエンザとあわせて、ワクチン接種の推奨をはじめとした情報提供や注意喚起を行い、医療機関等とも連携のうえ、感染拡大防止に取り組んでいきます。
 
 全ての子どもたちが夢や希望を持って健やかに育つことができるよう、さまざまな主体と連携し取組を進めていきます。
 子どもの最善の利益の実現に向けて、新たに「家庭養育優先の原則」を踏まえた「三重県社会的養育推進計画(仮称)」を策定し、里親等への委託のさらなる進展をめざすなど、社会的養護を必要とする子どもたちの養育環境を一層充実させます。
 児童虐待が依然として深刻な状況にあることから、4月に北勢児童相談所から鈴鹿・亀山地域担当を独立させ、39年ぶりの新設となる児童相談所を県鈴鹿庁舎内に設置するとともに、市町や施設等との連携を深めた相談体制を構築し、対策の強化を図ります。また、「子どもを虐待から守る条例」の改正に向けた調整を進めるとともに、人工知能(AI)技術を導入した児童虐待対応リスクアセスメントの可能性を検証する取組などを推進します。
 「三重県いじめ防止条例」の基本理念を踏まえ、「子どもLINE相談みえ」を引き続き実施するとともに、早期対応が必要な相談に対しては、臨床心理士等と連携し、継続的な支援を行います。また、「三重県いじめ防止サミット」を開催し、子どもたちやいじめ防止応援サポーターの主体的な取組を推進します。
 子育て支援については、平成31年度は「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」の最終年度にあたるため、これまでの成果や課題等を踏まえ、計画の改定を行います。また、県内の貧困家庭やひとり親家庭の実態を調査するとともに、三重県子どもの貧困対策推進会議等の意見を踏まえ、「三重県子どもの貧困対策計画」及び「三重県ひとり親家庭等自立促進計画」を改定します。
 待機児童の解消に向けて、保育所におけるイクボスの取組を推進するなど、潜在保育士の就労促進や保育士の処遇改善などに取り組みます。また、保育士・保育所支援センターにおいて、就労を希望する方が求めているきめ細かな求人情報等を一元的に発信するほか、保育士を補助する人材の確保を支援します。
 
 障がい者の活躍に向け、「障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例」に基づき普及啓発を進めるとともに、解決が困難な相談事案について調査・審議する諮問機関として「三重県障がい者差別解消調整委員会」を設置します。また、農林水産分野への福祉事業所の参入を促進する人材の育成を図るとともに、福祉事業所と経営体とのマッチングを行う仕組みづくりに取り組みます。
 障がい者虐待の未然防止、早期発見、迅速で適切な対応が行えるよう、市町や施設等職員に対し研修を行うとともに、専門家チームを活用しながら虐待事案の発生した施設等に対し指導を行います。
 また、地域共生社会の実現に向けて、新たな「地域福祉支援計画」を策定するとともに、地域生活課題の一つである再犯防止を進めるため、「地方再犯防止推進計画」を策定します。
 
 本年4月からの新たな在留資格制度の施行に伴い、在留外国人の増加が見込まれることから、外国人住民が暮らしやすい環境の整備を進めるため、国が進める総合的対応策も踏まえ、「三重県多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)」を整備します。また、多文化共生をめぐる社会情勢の大きな変化をとらえ、「三重県多文化共生社会づくり指針」を改定します。
 犯罪被害者等を支える社会づくりに向けて、新たに「三重県犯罪被害者等支援条例」を制定し、都道府県では初となる見舞金制度の創設や地域社会における理解の促進など、犯罪被害者等に寄り添った支援を総合的かつ計画的に行います。
 歩行者等の安全確保を図るため、摩耗した全ての横断歩道に加え、その直近の停止線について一体的に塗り替えを行うなど、交通安全施設の整備を進めます。
 
(若者の県内定着につなげるために)
 三つ目の柱は「若者の県内定着につなげるために」です。
 総務省統計局から公表された「住民基本台帳人口移動報告2018年結果」によると、2年連続で減少していた三重県への転入者数が2018年は増加に転じ、15歳から29歳までの若者の転出超過数が減少しています。一方で、三重県の転出超過数は2年続けて4,000人を超え、依然として若者がその約8割を占める状況は続いています。本県が他県との差別化を図りながら自立的に発展していくためには、若者の県内定着が重要となります。
 そのため、地域で活躍でき可能性がひろがる「働く場づくり」、一人ひとりが輝き地域から求められる「ひとづくり」、さまざまな「ひと」の思いをつなぎ三重に呼び込む「きっかけづくり」の三つの観点から、若者の県内定着に向けた取組を強力に進めていくこととし、「三重県まち・ひと・しごと創生総合戦略」について見直しを行います。
 
 「働く場づくり」として、若者が魅力を感じる働きやすい農林水産業の実現に向けて、ICT等の活用によるスマート化を促進し、生産技術の見える化や作業の自動化・効率化を進めます。
 若者の県内企業への就労促進を図り定着につなげるため、地域の関係機関が一体となり、若者・子育て世代にとって魅力ある働く場づくりや地域が求める産業人材の育成、女性の就労支援、若者の早期離職の防止、外国人材の受け入れ態勢の整備などの取組を総合的に進めます。
 子育てしやすい職場風土の醸成に向け、「みえのイクボス同盟」加盟企業における中間マネジメント層のイクボス理解を促進するなど、「みえのイクボス伝道師」と連携し取組を進めます。
 
 「ひとづくり」では、高校生に他者と協働する力や自己と社会の関わりを深く考える力など、社会の変化に対応できる力が育まれるよう、地域課題解決型の新しいキャリア教育モデルを構築します。
熊野古道世界遺産登録15周年を契機として、熊野古道や周辺地域の豊かな自然、歴史、文化の価値が次世代に継承されるよう、小中学生、高校生の郷土への愛着心と誇りを育み、地域の担い手となる「ひとづくり」を進めます。
 教育・人づくりを進める「三重県教育施策大綱」及び「三重県教育ビジョン」については、平成31年度に最終年度を迎えることから、これまでの取組の成果と課題を検証し、それぞれ見直しを行います。
 
 「きっかけづくり」では、三重県への移住を促進するため、「ええとこやんか三重 移住相談センター」を中心に、きめ細かな相談対応を行うとともに、市町等さまざまな主体と連携・協力し、仕事を通じた自己実現を重視する若者と地域の思いをつなぐ機会の創出に取り組みます。
 後継者を求める県内の事業者と「起業」、「継業」に関心のある移住希望の若者等とのマッチングを進めるため、ニーズの掘り起こしから、企業・人材の紹介等に取り組み、地域に必要とされる価値ある企業の創出・存続を促進します。
 
(強みを生かし国内外から選ばれ続けるために)
 四つ目の柱は「強みを生かし国内外から選ばれ続けるために」です。
 県内経済は、実質県内総生産が過去最高を記録し、有効求人倍率が高水準で推移するなど、雇用経済情勢は着実に改善しています。一方で、県内企業における深刻な労働力不足が続いています。また、国においては、AIやIoT等の革新的な技術に牽引される第4次産業革命の社会実装による「Society 5.0」の実現を進めることとしています。
 
 こうした中で、三重県が国内外から選ばれ続けるため、概ね10年先を見据え、新しい産業政策の方向性を示した「みえ産業振興ビジョン」に基づき、知恵や知識、技術を組み合わせ、あるいは繋ぎ直していく、「(KUMINAOSHI(くみなおし))」の産業政策で、共感と協創による新しい三重の産業創出に取り組んでいきます。
 三重の強みである「ものづくり産業」のスマート化を促進し、持続的な発展につなげるため、次世代自動車産業や航空宇宙産業等の振興、ものづくり中小企業の高付加価値化などに取り組みます。また、産業政策を通じて地域課題の解決にも貢献していくため、「三重県事業承継支援方針」に基づき中小企業・小規模企業の円滑な事業承継に取り組むとともに、空の移動革命に向けた「空飛ぶクルマ」の実証実験などを促進し、県内事業者による新たなサービス産業の創出を図ります。さらに、伊勢志摩サミット関係国や産業連携に関する覚書(MOU)締結国・地域との行政間ネットワークの強化に努めるとともに、引き続き、外資系企業の誘致に取り組みます。
 農林水産業の競争力強化に向けて、東京2020(にーぜろにーぜろ)オリンピック・パラリンピックに関連するさまざまな場面において県産食材が一品でも多く活用され、大会後の恒常的な取引へと発展するよう、国際水準GAP等の認証取得促進の取組をさらに加速させるとともに、戦略的なプロモーションを実施します。
 森林経営管理法の施行や「森林環境譲与税(仮称)」の導入など、森林・林業施策の大きな転換点を迎えるにあたり、今回、新たに提案している「三重の森林づくり基本計画」に基づき、森林・林業のあるべき姿の実現に向け、「みえ森林・林業アカデミー」を本格開講させるなど三重の森林づくりを新たにスタートします。
 水産資源の適切な管理と水産業の成長化の両立をめざし、国の水産政策の改革を踏まえ、資源の増大やより効果的な資源管理の実践に向けて、漁業者による資源管理計画の策定などに取り組みます。また、競争力ある水産業をめざして「三重県水産業・漁村振興指針」の改定に取り組みます。
 観光を稼げる産業とするため、デジタルツールを活用した観光マーケティング活動の仕組みを確立し、より戦略的な観光コンテンツの開発やサービスの提供につなげていきます。SNSを活用し、インスタグラム等による情報発信を充実するとともに、近隣自治体等と連携したインバウンド誘致を進めます。あわせて、地域に大きな経済波及効果を生み出す国際会議等MICE誘致も進めます。
 本年は、熊野古道世界遺産登録15周年を迎えることから、インバウンドも含めた情報発信を地域一体となって行うなど、国内外から熊野古道への来訪を促進する取組を進めます。また、奈良県、和歌山県や中部各県等と連携し、個人の外国人旅行者を主なターゲットに、東紀州地域の戦略的な情報発信・誘客促進に取り組みます。
 
 広域交通ネットワークの形成については、念願であった新名神高速道路の新四日市ジャンクションから亀山西ジャンクション間の完成による県内区間全線、及び東海環状自動車道の東員インターチェンジから大安インターチェンジ間の開通が、3月17日に決定しました。これまで、市町、関係者の方々と一体となって、その早期整備に取り組んできた成果であり、引き続き、東海環状自動車道の県内区間の延伸、紀伊半島のミッシングリンクの解消など、高規格幹線道路の整備を着実に進めます。
 リニア中央新幹線について、東京・名古屋間事業の情報共有や波及効果を高める取組を東海三県一市が連携して進めます。また、名古屋・大阪間のルート・駅位置の早期確定や、その前提となる環境アセスメントの着手に向けて、関係府県、JR東海等との連携体制のもと強力に取組を進めます。
 
(スポーツを通じて元気な地域社会をつくるために)
 五つ目の柱は「スポーツを通じて元気な地域社会をつくるために」です。
 東京2020(にーぜろにーぜろ)オリンピック・パラリンピックの開催が来年の夏に、本県での開催が正式決定した三重とこわか国体・三重とこわか大会の開催が再来年に迫り、スポーツへの関心や県出身選手の活躍への期待が高まる絶好の機会となります。
 成功裏に終わったインターハイの成果を三重とこわか国体・三重とこわか大会につなげるとともに、東京2020(にーぜろにーぜろ))大会に向けて、多くの県民の皆様がさまざまな形で参画していただくことで、スポーツを通じた元気な三重づくりを進めます。
 
 三重とこわか国体・三重とこわか大会の開催に向けて、引き続き、会場地市町や各競技団体等と緊密に連携し、県民の皆様とともに、「オール三重」で開催準備に取り組んでいきます。
 「三重県競技力向上対策基本方針」で位置付けた目標である、三重とこわか国体での天皇杯・皇后杯獲得のため、各競技団体の現状に即した効果的な強化対策に着実に取り組みます。また、国体において少年種別の選手となる年齢層が、平成31年度から順次高校生となることから、その年齢層を中心にジュニア・少年選手の育成・強化を図ります。さらに、指導者を養成・確保し、三重とこわか国体後も継続して三重県の競技スポーツを担う人材育成につなげるため、チームみえ・コーチアカデミーセンターの取組を充実します。
 三重とこわか大会に向けて、選手、競技団体の育成や練習環境の整備を進めます。また、障がい者スポーツを支える関係者を養成するなど、障がいのある人が安心してスポーツに参加できる環境づくりを進め、障がい者スポーツの裾野の拡大を図ります。
 こうした本格化する三重とこわか国体・三重とこわか大会の準備・運営業務に的確に対応できるよう、スポーツ施策の推進体制もあわせて強化します。
 誘致が実現した東京2020(にーぜろにーぜろ))大会の事前キャンプの受け入れ準備を進めるとともに、引き続き、新たな誘致の実現に向けて取り組みます。また、聖火リレーについて、ランナー選定や各種行事の計画立案等、本格的な運営準備を進めます。
 
 ここで、これまで三重県のスポーツ振興に多大なる貢献をされ、1月8日に引退を表明されました女子レスリングの吉田沙保里さんに対し、その輝かしい功績に敬意を表すとともに、感謝の気持ちを申し述べたいと思います。吉田さんは、平成時代の女子レスリング界の第一人者として活躍し、3大会連続オリンピックで金メダル獲得、世界大会16連覇、個人戦206連勝と数々の大記録を打ち立てられました。吉田さんの「努力は、裏切らない。」という言葉を体現されたその姿には、三重県民のみならず国民の多くの人たちが勇気をもらいました。引退されることは非常に残念に思いますが、今後も競技生活時代と同様に、沙保里スマイル全開でご活躍されることを願うとともに、引き続き、ふるさと三重から第二、第三の吉田沙保里が誕生するよう、お力添えをいただきたいと思います。
 県としては、これまでの輝かしい功績を讃え、新たに「三重県民栄誉特別功労賞」を創設し、授与させていただくこととしています。
 
(行財政改革取組)
 平成31年度は第二次三重県行財政改革取組の最終年度となります。取組の三つの柱である「協創・現場重視の推進」、「機動的で柔軟かつ弾力的な行財政運営」、「残された課題への的確な対応」において設定した全ての具体的目標の達成に向け全力で取り組みます。
 「三重県財政の健全化に向けた集中取組」において、これまでの取組により、公債費や総人件費の抑制などについて、一定の成果が現れてきたところであり、引き続き、財政健全化に向けた道筋を確実につけるという強い使命感を持って、歳出構造の抜本的な見直しと、より一層の歳入確保に取り組んでいきます。
 
(県民の皆様からの信頼回復に向けて)
 最後に、コンプライアンスの徹底については、継続して取り組んできたにも関わらず、今年度も不適切な事務処理事案や職員の不祥事が連続して発生したことを深くお詫び申し上げます。こうした事態を全ての職員が重く受けとめ、その信頼回復に向けて、覚悟を持って取り組んでいきます。
 再発防止に向けた取組として、コンプライアンス懇話会等において取組の検証や評価を行うなど、外部視点の導入を行うとともに、職員一人ひとりにコンプライアンスに取り組む目的等が十分に浸透していなかったことを反省し、新たに「コンプライアンス総括監」を設置するなど、全庁的な推進体制の強化を図ります。また、コンプライアンスを「自分事」とできる仕組みの構築など、職員一人ひとりの意識の向上に取り組むほか、職員の事務処理能力の向上、的確な業務の進め方の徹底、組織の仕組みや体制の見直しをあわせて行います。加えて、県行政の諸活動に対する県民の皆様への説明責任をより一層果たすため、公文書等管理条例(仮称)の制定を通して職員の意識を高め、公文書の適正管理のさらなる徹底に取り組んでいきます。
 これらの取組については、可能なものから直ちに着手するとともに、重点化を図りながら、計画的な実施により、全庁をあげてコンプライアンスの推進に邁進していきます。
 
(平成31年度予算のポイント)
 このような平成31年度における県政の展開方向を踏まえた上で、平成31年度当初予算は、次の点を重視した予算としました。
 まず、「みえ県民力ビジョン・第二次行動計画」の最終年度であるため、目標達成に向けて県政の諸課題の解決を着実に推進することを基本方針とし、統一地方選挙を踏まえ、通常分の公共事業費を前年度当初予算の80%程度として機械的に計上するなど「骨格的予算」として編成しつつ、県民生活の安全・安心を守るための取組など喫緊の課題への対応については、新規事業も含めて計上しています。
 また、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」への対応については、公共事業費を別途所要額で計上し、防災・減災対策に万全を期す一方で、持続可能な行財政運営に向けて、「三重県財政の健全化に向けた集中取組」に基づき、事務事業を徹底的に見直すなど、歳出構造を見直しています。
 さらに、「平成31年度三重県経営方針(最終案)(暫定版)」で「平成31年度に注力する取組」に位置付けた五つの柱については、重点的な資源配分としています。
 
(予算の規模)
 以上のような考え方に基づき予算編成を行った結果、当初予算の額は、一般会計で、前年度当初予算額と比べ0.5%増の7,005億8,413万1千円、特別会計で、1.4%増の3,601億5,874万6千円、企業会計で、1.7%増の402億7,919万1千円となり、三会計を合わせた予算額は、0.8%増の1兆1,010億2,206万8千円となっています。
 
 このうち、一般会計の歳入予算のうち主なものについて説明いたします。
 県税収入について、法人二税で企業業績の好調による増、及び地方消費税で国内取引における消費の回復基調による譲渡割の増や国際的な原油価格の高水準に伴う貨物割の増が見込まれることなどから、県税収入全体としては、対前年度7.0%増の2,646億2,600万円を計上しています。
 地方交付税について、国の平成31年度地方財政対策を踏まえ、対前年度7.1%減の1,294億5,200万円を計上しています。
 県債について、臨時財政対策債の減などにより、前年度当初予算額と比べ9.5%減の901億8,600万円を計上しています。
 基金繰入金について、財政調整基金からの繰入の増などにより、前年度当初予算額と比べ10.9%増の116億1,348万1千円を計上しています。
 
 次に、議案第1号から第2号までの補正予算は、国の平成30年度補正予算(第2号)に対応し、緊急に防災・減災対策に取り組むための公共事業の追加などに係る経費についてそれぞれ補正を行うもので、各会計の補正額は、一般会計で154億3,716万2千円、特別会計で9,610万円、それぞれ増額するものです。
 
 それでは、一般会計についてその概要を説明いたします。
 歳入の主なものとして、国庫支出金について、公共事業関係で68億4,998万円を、経営体育成事業費補助金で1億2,025万6千円を、それぞれ増額するなど、合わせて72億4,058万1千円を増額しています。また、県債について、補正予算債で71億4,600万円を増額するとともに、基金繰入金について、財政調整基金繰入金で1億1,483万2千円を増額するなど、合わせて1億1,557万6千円を増額しています。
 歳出の主なものとして、国の補正予算に伴い、公共事業について、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に応じた防災・減災対策等を行うため、国補公共事業を99億6,920万7千円、国直轄事業を12億5,540万円、それぞれ増額するほか、第1次産業における競争力強化に向けた生産基盤の整備等を行うため、農業農村事業で36億164万4千円を増額するなど、合わせて国補公共事業で36億3,614万4千円を増額しています。
 平成30年台風第21号及び第24号により被災した農業者に対して、農産物の生産・加工に必要な施設等の復旧を緊急的に支援するため、1億2,025万6千円を、障がい者の地域移行を進めるために社会福祉法人等が設置する障がい者施設の整備を支援するため、9,823万2千円を、それぞれ増額しています。また、国立・国定公園内及び長距離自然歩道の施設整備を行うため、5,198万5千円を追加しています。
 また、特別会計では、流域下水道事業特別会計について9,610万円を増額しています。
 
(予算以外の議案等の概要)
 次に、今回提案しています予算以外の議案は、条例案50件、その他議案9件の合計59件でありますが、その概要について説明いたします。
 議案第20号は、三重県林業研究所が実施するみえ森林・林業アカデミーにおける講座の受講手数料についての規定を整備するものです。
 議案第21号は、県立学校の体育施設を学校教育に支障のない範囲で一般のスポーツ活動に使用する際の使用料についての規定を整備するものです。
 議案第22号は、犯罪被害者等が受けた被害の早期の回復または軽減、及び犯罪被害者等の生活の再建に対する支援を行うとともに、犯罪被害者等を支える社会の形成を促進するための条例を制定するものです。
 議案第23号は、住民基本台帳法に基づく本人確認情報を利用及び提供できる事務について改正するものです。
 議案第24号は、関係法律に基づき、知事の権限に属する事務の一部を市町が処理することについて改正を行うものです。 
 議案第25号は、新たに児童相談所を設置することに伴い、行政機関の設置に係る規定の改正を行うものです。
 消費税法等の一部改正等に鑑み、議案第26号は、県有施設等の利用に係る料金の額を改定するとともに、新たに貸付対象とする場所の利用に係る料金の額について定めるもの、議案第27号、第31号、第36号、第52号及び第53号は、都市公園の施設等の使用料等の額を、それぞれ改定するもの、議案第35号は、手数料の額を改定するとともに、家畜伝染病予防法施行規則の一部改正等に鑑み、規定を整備するもの、議案第37号は、占用料の額を、議案第38号は、流水占用料等の額を、議案第39号から第41号までは、占用料及び土石採取料等の額を、議案第43号、第45号、第47号、第48号、第56号、第57号及び第59号から第66号までは、県有施設等の利用に係る料金の額を、それぞれ改定するもの、議案第49号は、卸売金額等の算定に用いる率を改定するもの、議案第50号は、漁港施設利用料等の額を、議案第68号は、給水に係る料金の額を、議案第69号は、工業用水の料金の額を、それぞれ改定するもの、議案第51号は、入港料及び港湾施設使用料の額を改定するとともに、納付期限の規定等を整備するもの、議案第58号は、三重県立美術館の施設等の利用に係る料金の額を改定するとともに、指定管理者制度に係る利用料金制の導入に鑑み、規定を整備するもの、議案第67号は、使用料及び手数料の額を改定するとともに、三重県立志摩病院の診療科目の名称を変更するものです。
 議案第28号及び第55号は、定数の見直し等に伴い、職員の定数について、それぞれ改正するものです。
 議案第29号は、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による労働基準法の一部改正等に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第30号は、基金の設置目的を達成するための一部の事業の実施期間の延長に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第32号は、建築基準法の一部改正等に鑑み、手数料についての規定を整備するもの、議案第34号は、試験等に要する費用及び消費税法等の一部改正に鑑み、試験等の手数料の額を改定するものです。
 議案第33号及び第46号は、工業標準化法の一部改正に伴い、規定を整理するものです。
 議案第42号は、介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準の一部改正に鑑み、規定を整備するものです。
 議案第44号は、関係法律の一部改正に鑑み、土壌汚染対策に係る意見の聴取についての規定を整備するものです。
 議案第54号は、住生活基本法の趣旨を踏まえ、子どもを育成する世帯の優先入居の要件についての規定を整備するものです。
 議案第70号は、包括外部監査契約を締結しようとするものです。
 議案第71号及び第72号は、県の行う建設事業の経費に関し、関係市町に負担を求めようとするものです。
 議案第73号及び第74号は、工事請負契約を締結又は変更しようとするものです。
 議案第75号及び第76号は、議会の議決を要する計画について、策定し、または変更しようとするものです。
 消費税法等の一部改正に伴い、議案第77号は、地方独立行政法人三重県立総合医療センター第二期中期計画の変更を認可しようとするもので、議案第78号は、公立大学法人三重県立看護大学が徴収する料金の上限の変更を認可しようとするものです。
 
 以上で諸議案の説明を終わり、次に、報告事項について説明いたします。
 報告第1号から第18号までは、議会の委任による専決処分をしましたので、報告するものです。
 報告第19号は、地方独立行政法人三重県立総合医療センターの常勤職員の数について、関係法律に基づき、報告するものです。
 報告第20号は、議会の議決すべき事件以外の契約等について、条例に基づき、報告するものです。
 
 以上をもちまして提案の説明を終わります。
 なにとぞ、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 

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