海岸漂着物対策の推進
美しい海岸を取り戻そう
私たちに多くの恵みをもたらしてくれる伊勢湾。しかし、沿岸では海岸漂着ごみによるさまざまな問題が発生しています。美しい海岸の景観や自然環境を守るため、現状を「知り」、原因を「考え」、そして積極的に「行動」しましょう。
さまざま”ごみ”が漂着しています (2012.11.2) |
”ごみ”が無ければきれいな海岸です (2012.9.8) |
その1 知る ~”海岸漂着ごみ”の現状~
三重県の海岸線は1,000kmを超える長さがあり、砂浜やリアス海岸など変化に富んだ美しい景観となっています。しかし、多くの海岸では、川を経由して海に流れ込んだプラスチックごみなどが堆積・散乱しており、景観や自然環境だけでなく、漁業活動にも影響を及ぼしています。
このような海岸漂着ごみの対策として海岸を管理する県、市町のほか民間団体や県民の皆さんのボランティアによる清掃活動が行われていますが、一度きれいにした海岸も短期間で再びごみが漂着することから、問題の解消にはいたっていません。
また、県が行った調査をもとに、伊勢湾内に漂着するごみの量を推計したところ、年間約1万2千トンであり、このうち外海から流入するごみを除いても約1万トンのごみが伊勢湾流域から流出しています。
海岸10mあたりの漂着ごみの量 |
海岸漂着ごみの種類と重量割合 |
その2 考える ~ごみはごこから流れてくるの?~
県や環境省の調査では、ごみは三重県だけでなく、愛知県や岐阜県からも川の流れによって伊勢湾へ流出し、海岸漂着ごみになることが確認されています。そして、風向きや潮の流れにより、そのうちの多くが伊勢湾口部の鳥羽市や志摩市の海岸に漂着することが分かっています。
海岸漂着ごみの種類は、流木等の自然物が約8割を占めるものの、ペットボトルや食品トレーなどの生活系のごみも多く見られます。
こうした生活系のごみは、私たちの日常生活の中で発生して流れついたものであり、私たち一人ひとりも海岸漂着ごみに関係しているという意識を持つことが大切ではないでしょうか。
伊勢湾における漂流ごみの流れ GPS機能付漂流ボトルによる調査。河川部から3本ずつ計18本のボトルを流したところ、6本が答志島に漂着しました。(平成20年1月 環境省) |
その3 行動する ~私たちにできること~
三重県では、愛知県、岐阜県、名古屋市とともに、三県一市で「海岸漂着物対策検討会」を設置し、伊勢湾流域圏で連携した対策を進めています。また、県内だけでなく愛知県や岐阜県からお越しいただいたボタンティアの方々により、鳥羽市答志島で海岸清掃が行われるなど、広域で連携した活動も始まっています。
このような活動の広がりは、海岸漂着ごみで苦労している皆さんの負担を軽減するだけでなく、私たちの身近な場所でのごみの散乱を減らしていくことにもつながります。
私たちに多くの恵みをもたらしてくれる美しく健全で豊かな伊勢湾を取り戻すため、みんなで取り組んで行きましょう。
東海三県一市知事市長会議 (2012.1.16) 海岸漂着物対策検討会の設置が合意されました |
さまざまな主体の連携による清掃活動 (2012.9.8) 愛知や岐阜からも清掃に参加してもらいました |
関連情報
参考資料
- 海岸漂着物処理推進法(環境省webページへリンク)
- 「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針について」(PDF 272kb)
- 「基本方針(概要)」(PDF 243KB)(環境省)
- 漂流・漂着ゴミ対策(環境省webページへリンク)
- 「三重県海岸漂着物実態調査」 H21調査結果(概要)(PDF 2,836KB)H22調査結果(概要)(PDF 2,041KB)(三重県)
- 「伊勢湾内海底ゴミ調査結果(概要)」(PDF 3,424KB)(環境省、三重県)
- 「海岸清掃の手引き」(PDF 591KB)(三重県)
- 「美しい海岸を取り戻そう -海岸漂着物対策の推進」パンフレット(三重県)
1(PDF 1,419KB) / 2(PDF 1,419KB) / 3(PDF 1,419KB) / 4(PDF 2,622KB)
5(PDF 2,622KB) / 6(PDF 2,622KB) / 7(PDF 2,622KB) / 8(PDF 1,419KB) - 「海岸漂着物対策啓発DVD」(三重県)