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令和07年10月20日

令和7年度三重県保健環境研究所調査研究評価委員会(衛生分野):研究課題の概要

 

研究課題の目的

事前評価

新型コロナウイルス感染症等の注意喚起基準値の設定

   県民への注意喚起情報発令は、現在は国の感染症発生動向調査事業における警報・注意報発生システムで示された基準を参考に実施されていますが、その値は全国の過去5年間の患者報告状況を基に定められているため、当該システム導入後に定点把握対象疾患に指定されたRSウイルス感染症や新興の新型コロナウイルス感染症の基準値は示されていません。そこで、三重県で設定している定点配置から得られる患者情報を基に、新型コロナウイルス感染症について流行開始または警報・注意報レベルの目安となる定点当たり患者数を求め、注意喚起のタイミングを客観的に捉える県独自の基準値を設定する手法を検討します。基準値は感染症情報センターホームページ等における情報発信に活用するほか、報道発表実施時期を判断する一助に使用されることで、感染症の流行拡大防止に寄与することを目指します。

麻痺性貝毒検査におけるマウス使用数低減に資する研究

 麻痺性貝毒(paralytic shellfish poisoning:以下「PSP」)は、Alexandrium属やGymnodinium属などの有毒渦鞭毛藻が産生する強力な毒成分であり、二枚貝の毒化を引き起こす。高濃度のPSPを含む二枚貝をヒトが摂食すると、30分程でフグ毒中毒に似た麻痺症状が現れ始め、劇症の場合、呼吸麻痺によって死に至ることもある。
 国内における二枚貝中のPSP検査には、公定法であるマウスを用いる方法(Mouse Bioassay以下「MBA法」)が採用されるが、毒力判定のエンドポイントは、毒成分の投与後、呼吸麻痺によりマウスが死亡するまでの経過時間であり、MBA法は最大以上の苦痛(Eランク)を与える動物実験である。PSPの規制値を超過した二枚貝は、3週連続で規制値未満となるまで、毎週MBA法で検査することになり、使用マウス数も多く、毒力が未知の検体には1検体あたり10匹以上は使用することから、MBA法では安定したマウスの流通も必要である。MBA法では、マウスの中央致死時間を5-7分の間になるよう試験溶液を希釈する必要があることから、予め毒力を予測した上で試験溶液の希釈を行い、マウス使用数を低減させることも求められる。
 PSP検査の動物実験代替法として、機器分析法、ELISA法またはイムノクロマト法を活用した検査法があるが、機器分析法は標準物質が高価で、かつ「化学兵器の禁止及び特定物質の規制に関する法律」の規制を受けるPSPもあることから、国内のPSP検査に機器分析法は未だ導入できていない。一方、ELISA法またはイムノクロマト法を利用したPSP検査については、スクリーニング法としての利用が認められており(農林水産省消費・安全局長通知、2015)、マウスの流通に依存せず、かつ簡易にPSP検査ができるメリットもある。
 そこで、本研究では三重県でPSPが検出された二枚貝について、PSPの減退予測式を作成し、MBA法における試験溶液の希釈倍率設定時に活用することで、余分なマウス使用の低減を目指す。また、ELISA法またはイムノクロマト法を活用した簡易検査システムを構築することにより、MBA法によるマウス使用数の低減を図るとともに、効果的な食中毒未然防止を目指す。

蚊媒介感染症の調査手法に関する研究

 蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことで、デング熱、ジカ熱、チクングニア熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、マラリアなどがある。日本では日本脳炎以外は海外からの輸入感染症とされているが、2014年にデング熱の国内感染例が報告されている。
 本研究では、蚊媒介感染症調査の一環として実施される蚊の生息状況の調査について、当研究所で実施可能な基本的な蚊の捕獲および分類法を構築し、今後の調査に備えることとする。また、毎年7~9月にかけて感染症流行予測調査事業で実施している日本脳炎感染源調査(ブタの日本脳炎ウイルスに対する血中抗体価の測定)について、調査期間を延長して抗体測定を行い、10月以降の日本脳炎ウイルスの蔓延状況および活動状況を明らかにする。さらに秋~冬における日本脳炎の感染リスクを評価し、現在の感染症流行予測調査事業の調査期間延長の必要性を検討する。

事後評価

結核サーベイランスによる薬剤耐性結核に関する研究

 薬剤耐性のある結核患者情報を調査研究することで、臨床医が確実な治療等の取り組みを進めるための情報を提供します。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 保健環境研究所 〒512-1211 
四日市市桜町3684-11
電話番号:059-329-3800 
ファクス番号:059-329-3004 
メールアドレス:hokan@pref.mie.lg.jp

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