特に、弥生時代中期や古墳時代前期の土器がまとまって出土しており、三河地域との関係を示すものもみられます。海上交通の要衝として、海を介した交流に関わっていたことがうかがえます。
また、平成16年度に行われた第5次調査では、飛鳥時代から奈良時代にかけての建物跡が複数検出されました。その中には、倉庫とみられる小型の掘立柱建物や、大量の貝殻や鉄製刀子(ナイフ)が出土した竪穴建物もあります。
平城京出土の木簡からは、志摩国答志郡和具郷から海産物が貢納されたことが知られています。おばたけ遺跡はこの和具郷に比定でき、朝廷に貢納する海産物の加工や保管を行っていたと推定されます。

第5次調査 調査区

カマドの検出状況
おもな時代:弥生時代中期から奈良時代
遺跡の所在地:鳥羽市答志町
発掘調査報告書のリンク:『おばたけ遺跡(第5次)発掘調査報告』(2006年)
『おばたけ遺跡(第5次)現地説明会資料』(2004年)