おさかな雑録
No.20 カツオ 2010年4月28日
遠い漁場
平成22年4月27日撮影
昨日27日は大荒れの天候で、ほとんどの定置網が操業できない状況でした。人影も少なくひっそりとした市場でしたが、少ないながらもぴかりと光るカツオが水揚げされていました。今の時期のカツオはいわゆる初ガツオと呼ばれる身質で、脂はそれほどのっていませんが、もっちりとした歯ごたえとさわやかな旨み、何ともいえない香りを楽しめます。例年、この時期はケンケンとよばれる小型漁船のひき縄漁法でにぎわうのですが、今年は熊野灘の水温が上がらず、漁場ははるか南方の黒潮近くだそうです。
平成22年4月26日の海況図
平成22年3月25日の海況図
上は4月末、下は3月末の海況図です。うっかりすると3月と4月を取り違えそうなほど水温が上昇していません。温度を示す色の付け方が若干異なるのですが、それでも今は温かい水が流れ込んでいないということが良くおわかりいただけるのではないでしょうか。ちなみに3月末には志摩半島のすぐ近くでカツオの水揚げがありました。今後のカツオの水揚げ動向も、黒潮からの温かい水に左右されると考えられます。
(2010年4月28日掲載 資源開発管理研究課)