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おさかな雑録

No.54 トビウオ 2011年9月21日

飛ぶ魚にもいろいろあります

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トビウオ(上)、ホソトビウオ(下) 南伊勢町贄浦産 平成23年8月20日撮影

  ご存じ飛ぶ魚、トビウオ類。じつはトビウオ類には数多くの種があり、熊野灘の定置網においても季節とともに数種が入れ替わっています。今はちょうどトビウオが主体となる時期です。

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トビウオ(上)、ホソトビウオ(下) 南伊勢町贄浦産 平成23年8月20日撮影

  上の二つの写真、いずれも上の魚はトビウオ、下の魚はホソトビウオです。市場ではいろいろなトビウオ類がすべて「とびうお」と呼ばれるためややこしいのですが、標準和名でいうトビウオは夏から秋にかけて熊野灘沿岸の定置網でよく見られます。トビウオの特徴は胸鰭の鰭条のうち、第1、第2軟条が分枝しないことです。

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トビウオ 南伊勢町贄浦産 平成22年8月20日撮影

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トビウオ 胸鰭拡大(矢印は不分枝の第2軟条) 南伊勢町贄浦産 平成22年8月20日撮影

  そしてホソトビウオは、春から夏にかけて、つまりトビウオが現れるまで、熊野灘の定置網でトビウオ類の主体となっています。ホソトビウオは沿岸よりに生活する傾向が強いのか、伊勢湾の小型定置網でもしばしば見られます。ホソトビウオの特徴は、胸鰭の鰭条のうち、第1軟条のみが分枝しないこと、臀鰭が背鰭より後方に位置し、それぞれ12前後、9前後の鰭条数であることなどです。

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ホソ トビウオ 南伊勢町奈屋産 平成21年4月23日撮影

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ホソ トビウオ 胸びれ拡大(矢印は分枝する第2軟条) 南伊勢町奈屋産

 平成21年4月23日撮影

 トビウオ類の区別には、胸鰭の模様や鰭条の分枝状態、背鰭と臀鰭の鰭条数や相対的な位置、鱗の数など、かなり専門的な視点が必要になります。裏を返せば、普通に眺めていてはほとんど同じに見えるということです。市場通い3年目の筆者も、 定置網のものだと比較的種数も少なく、現場で見当をつけることができますが、沖合いでは種数が多く、しかも区別が難しい種類が増えるため、ぱっと見ただけではそれこそ「とびうお」という認識にならざるをえません。また、幼魚は沖合種でも接岸することがありますので、定置網で獲れたものであっても同定はかなり困難です。トビウオ類は飛ぶ魚として知名度は高いのですが、しっかり見ようとすると種の区別も難しい、手ごわい連中ともいえます。

 (2011年9月21日掲載 資源開発管理研究課)

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