今回ご紹介するのは、まちかど博物館 古民家コミュニティー「ゆずり葉」です。
三重県ホームページでのご紹介はこちらで行っています。
先日、中日新聞の三重版で紹介されたので、ご覧になった方もおられるのではないでしょうか。
紹介されたのは、記事掲載時に同施設で開催されていた「着物リメイク作品展」です。こちらは2019年5月30日までの開催でした。6月からは「鞄&リメイク作品展」に替わっています。こちらの博物館では、展示内容と出展者が月ごとに替わります。開館以来、2019年5月現在で、109回もの別々の手作り作品を展示しています。
多くの「まちかど博物館」では、館長さんが得意とされるテーマについて恒常的に展示される形をとるのが普通ですから、それに比べると、少し珍しいタイプの「まちかど博物館」といえます。展示内容を固定しないのは、同館の西村淑子館長が「多くの人が集まり、つながっていく中で、文化を発信していきたい」というお考えをお持ちであることに理由があります。
特に、元小学校教師である西村館長は、子どもたちへの文化の継承を大事にされています。そんな同館には、いろんな形で行われる展示やイベントを通じて、様々な世代の人が訪れます。このように人が集まる場所では、多くの場合で世代が集中してしまうものです。それに対して、子どもから高齢の方まで、幅広い世代が集まることも「ゆずり葉」の特色です。
そんな館長の思いは館名に込められています。ゆずり葉とは、全ての葉が落ちてから新しい葉が生えることから、世代交代の象徴とされる植物です。有名な河井酔茗の詩から館長が命名しました。館長ご自身も、酔茗の詩「ゆずり葉」のオマージュとして、「ゆずり葉によせて」という詩を作られ、館に掲げておられます。
館長は小学校の先生でしたから、基本的に全部の科目を教えておられたのですが、その中でとくに国語が大事だとお考えです。そのため、博物館の隣の建物で、今も書道、短歌などを教え、また、ともに学びあっておられます。それは、美しい日本語や伝統文化を通して、日本人としての変わらぬ心を次世代につないでいきたいという願いがあるからです。この館名はそんな館長らしいネーミングだといえるでしょう。
また、立派な梁と柱の木造古民家を改装した建物も一見の価値があります。何より、開館時間なら予約不要なのも魅力です。
古民家、手作りの服飾、詩や国語教育、人と人とのつながり、そんなフレーズに関心をお持ちの方は、一度「ゆずり葉」を訪れてみてはいかがでしょうか。展示内容はお電話等で直接「ゆずり葉」にお問い合わせください。
古民家コミュニティー「ゆずり葉」
津市安東町1270 (三交バス櫛形下車徒歩20分) 駐車場 有
開館時間 10:00~17:00 予約不要
月曜・金曜休館
電話 059-227-3523 FAX 059-227-3523
※ご見学等の際は、十分な感染症対策をお願いいたします。