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令和02年11月27日

久留倍官衙遺跡公園 体験レポート
掲載日:2020.11.27


<目次>
・2020年11月「くるべ古代歴史公園」オープン
・そもそも、「久留倍官衙遺跡」とは?
・先にオープンした「くるべ古代歴史館」
・ボランティアガイドさん

・現在の展示

・お問い合わせ先
 

 

2020年11月「くるべ古代歴史公園」オープン


 四日市市に「久留倍官衙(くるべかんが)遺跡」という国指定史跡があります。
 
 2020年11月1日、同史跡を整備した「くるべ古代歴史公園」が開園しました。
 
 市街地を見下ろす小高い丘に立地していて、とても見晴らしのいい場所です。

 


  遺跡の時代にちなみ、公園内では「万葉植物」(万葉集の中で詠まれた草花)が植えられています。これから春にかけて花が咲いていき、どんどん見ごろになっていくというお話でした。

 


 幸いなことに、私が訪れた日は冷たい風もおさまった見事な秋晴れでした。
 
 小さなお子さんを連れたお母さんなど、ご近所の方と思われる人たちがたくさん散歩に訪れていました。芝生や「万葉植物エリア」の小径などが明るい陽の光に照らされていて、とても気持ちよかったです。
 
 こんな小春日和の日などに、プチ行楽として訪れるのにも適した公園だと思いました。
 
 


  もちろん、こちらは文化施設ですので、学ぶことがメインになっています。
 
 遺跡の発掘調査で明らかになった建物跡が示してあり、また、古代に建物があった場所に当時の建物である「八脚門」が復元されているなど、古代の歴史を思いながら散策することができます。
 
 


 

そもそも、「久留倍官衙遺跡」とは?


 この遺跡は、飛鳥時代から平安時代初期まで、当時の行政単位である「郡(ぐん・こおり)」の役所の建物があったと目される場所です。律令制度における国郡里制のもと、この辺りは「伊勢国」の「朝明(あさけ)郡」に属していました。朝明郡は、明治に三重郡と合併するまで存在した地名です。飛鳥時代から平安時代にかけて、郡には「郡衙(ぐんが)」と呼ばれる郡を治める役所が置かれていました。この遺跡こそがその場所であると考えられています。
 
 江戸時代以降の郡域を参考にすると、この辺りが朝明郡であったことは確かです。ならばどこかに郡衙があるはずですが、その正確な場所がわかっていませんでした。それは全国のどこの郡衙でも同じで、近年ようやく発掘調査で確認される例が増えている状況です。三重県でも、現在では2カ所しか場所が判明している郡衙がなく、こちらの他には、伊勢国河曲(かわわ)郡衙跡と目されている狐塚遺跡(鈴鹿市)しかありません。
 
 この公園の周囲は、もともと土器がよく見つかる場所でした。そして1999年に北勢バイパスを建設するため調査が開始されると、単なる集落とは明らかに異なる特徴を示す痕跡が多く発見されました。その結果、ここが役所の建物跡だと考えられるに至りました。
 
 古代史解明における重要性の高さから、四日市市内では唯一の国指定史跡となっています。
 



 

先にオープンした「くるべ古代歴史館」

 
 2011年から同史跡の保存整備が開始され、公園とする事業が動き出します。
 
 その整備が進む中、公園の一般公開に先がけて、2018年に「くるべ古代歴史館」がオープンしました。同館で史跡の歴史的意義などを詳しく解説しています。
 
 その解説の中心にあるのは、「壬申の乱に勝利した大海人皇子(天武天皇)」と「大仏建立で知られる聖武天皇」という、飛鳥・奈良時代の2人の大人物です。その二つの名前に反応してしまう古代史好きの方には、とくにお勧めの施設です。
 
 


 そして、2020年11月の「くるべ古代歴史公園」一般公開により、「くるべ古代歴史公園」と「くるべ古代歴史館」を併せて、「久留倍官衙遺跡公園」としてのグランドオープンとなりました。
 
 歴史館の解説はとても詳しくわかりやすいのですが、やはり資料と説明だけでは、実感が伴わない部分があります。また、公園はとても良い場所ですが、「ここにこういうものがありました」と教えてもらっただけでは、その意味を理解するのは難しい部分がありました。
 
 公園を先に見てから、歴史館で「あの建物にはこういう意味があったのか」と学んだことで、実感を伴った理解をすることができました。逆に、歴史館で学んでから公園を見に行くのもいいかもしれません。いずれにせよ、現場と解説を併せると、より遺跡の意義を深く学ぶことができると思います。

 


 

ボランティアガイドさん


 とはいえ、古代史のことを理解するのは簡単ではなく、何かのガイダンスが欲しいと思うのが普通ではないでしょうか。
 
 歴史館には学芸員さんが常駐していて、施設と展示を管理・運営する他に、団体見学への対応などをしていますが、それに加えて、歴史館に約20人のボランティアさんが登録されています。歴史等の講習を受け、遺跡の解説や公園の植栽の管理などを担当する方たちです。ガイドは歴史館で行うのが原則ですが、余裕があれば公園も回ります。
 
 緑の上着が目印です。見かけたら是非声をかけてください。色々教えてくれます。私も、この記事を書くのに有益な情報をたくさん教えてもらいました。




 なお、公園も歴史館も入場無料です。バスも停められる広い駐車場も、無料で利用できます。学芸員さんやボランティアさんのお話を聞くのにも、ガイド料などは不要です。すべて無料にもかかわらず、大変充実した施設だと思いました。
 
 公園の散歩がてら気軽にお出かけになってみたら、思った以上の収穫があるかもしれませんよ?


 

現在の展示


 2020年11月現在、歴史館では、公園の開園を記念して、以下の企画展を開催中です。
 
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 くるべ古代歴史公園開園記念企画展
「聖武天皇と久留倍~再現された正倉院の品々~」
  2020年10月28日(水)~12月6日(日) 祝日以外の月・火 休館
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 ※現時点で開催中のイベント等についてはこちらでご確認ください。
 
 聖武天皇とゆかりの深い東大寺正倉院宝物の再現品(奈良女子大学所蔵)を、期間限定で展示しています。 




 

お問い合わせ先


久留倍官衙遺跡公園 (公式サイト
 住所   四日市市大矢知町2323-1
 アクセス 鉄道 :三岐鉄道大矢知駅より徒歩約15分、近鉄富田駅より徒歩約25分
      自動車:東名阪自動車道四日市東ICより約5分
 駐車場  バス3台、乗用車20台
おもいやり駐車場2カ所・計4台
 
 くるべ古代歴史公園
  開園時間 4月~9月 午前6時~午後8時
       10月~3月 午前7時~午後6時
  休園日  無休
  入園料  無料
 
 くるべ古代歴史館
  開館時間 午前9時~午後5時
  休館日  月曜日・火曜日(休日の場合は翌平日)
       年末年始(12/29~1/3)、臨時休館日あり
  入館料  無料

  電話   059-365-2277
  E-mail   kurube@city.yokkaichi.mie.jp

   ※現在、体験プログラムを休止しています。
 
歴史館では、入館時に検温等を行っています。感染症対策を万全にお訪ねください。

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

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