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令和04年11月18日

玄甲舎 体験レポート
2022.11.18公開


 今回ご紹介するのは、玉城町の玄甲舎です。

 こちらは、紀州藩田丸城主の家老で、表千家の免許皆伝を受けた茶人・金森得水(かなもりとくすい)の茶室兼別邸だった建物です。建設されたのは1847年(弘化4年)で、2013年(平成25年)に玉城町により文化財に指定されました。2017年(平成29年)に建物の大改修が完了し、2019年(令和元年)の庭園の整備を経て、2020年(令和2年)から一般に公開され、茶室や展示スペース等の利用に供されています。


<目次> 
金森得水について
玄甲舎について
 1)茶室
 2)庭園
 3)住居部
建物の改修について

館の概要


 

金森得水について                       


 金森得水は、松平定信が老中になり寛政の改革が始まる1787年(天明7年)の前年1786年に生まれ、大政奉還の1867年(慶応3年)を2年後に控える1865年まで生き、田丸城主・久野丹波守(くのたんばのかみ)に家老として仕えました。

 久野家は、紀州徳川藩に御附家老(おつけがろう・御三家に対し将軍家が付した家老)として仕えた家系です。家老ではありますが、田丸城主として約一万石を拝領し、大名としての格式を得ていました。久野家は田丸領一万石に加え、紀州藩の田丸領五万石の管理もしています。

 得水は、その久野家の家老として、田丸領の政務を執りました。幕末の動乱を間近に控えた時代、各藩財政が大変厳しく、田丸領も例外ではありませんでした。そんな中、得水は、新田を開墾し、茶や桑などを田丸の物産として振興するなど、経済政策に辣腕を振るって、領内の人々に感謝されたといいます。

 得水は同時に、国学、書道、和歌などを学び、陶器類の鑑定に秀でた文人でもありました。また、日本古来の泳法である小池流泳法の師範として、外城田川の水練場で、久野家家臣の子弟を指導したことが、現在の玉城町田丸で語り継がれています。
※小池流泳法については、三重県ホームページ内の、「三重県南勢地域の伝統行事:小池流古式泳法:玉城町」をご覧ください。

 そして、表千家の免許皆伝を受けた茶人としても活動し、得水が60歳のときに建築したこの玄甲舎でしばしば茶会を催して、当代一流の名士を招き交流を深めたと伝えられます。

 
   金森得水(1786~1865)

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玄甲舎について                       

 
1)茶室
 迎賓用の「玄関」をくぐると、まず、客が衣服を整え白湯を飲みながら、全員が揃って案内されるのを待つ「寄付(よりつき)」があり、茶室への畳の通路である「西入側」を通って、床の間を配し広間となっている茶室と、小間となっている茶室へと導かれます。

 茶室には、茶会で台所となる「水屋(みずや)」が付属し、表千家の作法に則って作られた趣ある茶室になっています。この茶室をゆっくり見学することができるとともに、茶室として借りて、茶会を催すこともできます。

 
玄関                                                                       寄付
 
西入側                                                           茶室(広間)
 
茶室(広間)の釜                                                    茶室(小間)

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2)庭園
 茶室といえば、やはり庭です。茶室に訪れる道のりの各段階で、趣をこらした庭園を見て楽しむことができます。
 
 まず、外から茶室の玄関へ向かう入り口で、手入れされた緑が出迎えてくれます。私が訪れた6月には、アジサイが見事に咲いていました。

 また、建物の端にある寄付、西入側、小間の茶室からも庭を楽しむことができます。私が訪れた日は梅雨時であいにくの雨でしたが、庭石が美しく輝き、どんな天候でも楽しむことができる日本庭園の良さを感じることができました。

 茶会に参加するのではなく、ただ見学するだけでも、落ち着いた気持ちになれて楽しいです。
 
 
茶室までの道の途中の庭                 玄甲舎の外観
 
西入側で見える庭                                                   茶室(小間)で見える庭

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3)住居部
 得水の茶室兼別邸だった玄甲舎には、客を迎える茶室と建物の中で連続して、住居部分があります。そちらに足を踏み入れると、建物の造りが急に簡素になって驚きました。その対比で、迎賓部の建物の華やかさがわかります。ぜひ見比べてみてください。

 玄甲舎では、茶室だけではなく、住居部分も貸しスペースとして一般の利用に提供されていて、会議室や展示場所などとして利用することができます。私が訪れた2022年(令和4年)6月には、写真展が開催されていました。

 
普通のお家に見える場所もあります。                      貸しスペースで写真展

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建物の改修について                        

 
 玄甲舎は、江戸時代に建てられた建物でありながら、今でも利用することができます。そうできるように、玉城町による一大プロジェクトがありました。当時の雰囲気を残したまま、新しい木造建築と同じように快適に利用できるための苦心は、町ホームページの動画や、館での画像展示で見ることができます。そちらも是非ご覧ください。



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館の概要                                    

 
玄甲舎

三重県度会郡玉城町佐田151-22
JR参宮線田丸駅下車、徒歩5分
駐車場 15台

開館時間 開館時間 9時~16時
休館日:火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
※文化財保護のため、入館時には靴下の着用をお願いいたします。
電話 0596-58-8050
E-mail t-geneki@za.ztv.ne.jp

同館の公式サイトはこちらから
県HPでのご紹介はこちらから




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本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

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