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平成26年01月06日

県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(津・伊賀地域)の概要

1.開催日時

平成18年7月4日(火)
14:30~17:00

2.開催場所

プラザ洞津

3.出席者

津市長、名張市長、伊賀市長、知事 ほか

津・伊賀地域の「膝づめミーティング」
津・伊賀地域の「膝づめミーティング」

4.知事挨拶

まずは、ご出席いただきましてありがとうございます。知事に就任しましてから毎年膝づめミーティングを実施しまして、ちょうど今年は4回目ということです。就任しましたときには69ありました市町村が今29市町になり、短いこの3年間に大変な変化がありました。それぞれ地域におきまして、いろいろな展開をなされておられることに、まずは敬意を表しながら、是非また県政のパートナーとして一層しっかりと協働させていただきたいと思います。

津地区につきましては人口約29万、面積は琵琶湖よりも大きい約710平方km、大変広い市として誕生したわけです。「元気な津市づくり」、或いは「動く市長室」、「元気づくり事業」といった精力的な事業をなされているということです。「環境と共生し、心豊かで、元気あふれる美しい県都」の理念が実現されることを期待しています。

それから、伊賀地域におきましても伊賀市で「住民自治協議会」とか、名張市では「地域づくり協議会」が設立されて地域づくりに対して住民とともに自己決定、自己責任に基づいての動きがあります。総合計画も先般できたということで、市民が主体となって地域の個性が生きた自治の形成という基本理念に向けて市民活動をより明確にされているところです。

名張市におきましては「市民公益活動実践事業」というのが展開されて、条例もでき、更には市民活動保険制度を創設、こういう動きにつきましては「新しい時代の公」の実現に向けた取組みであり、パートナーとして共に地域のより主体的な市民との活動に向けた取り組みなど、一生懸命協働させていただきたいと思います。

さて、資料について私の方から説明させていただきます。資料の1ページを見ていただくと三重県政の新しいステージがございます。今、三重県では地域主権の社会を是非確立、実現しようということで、そのためにいろいろな展開が必要であり、下の方に色付けしてあります「文化力」、「新しい時代の公」を二つの大きな柱として取組みを進めているところです。

まず、この展開図ですが、県政をこのようにとらえています。県政はまさに県民の人生の舞台づくりだと思っており、その舞台の主人公である県民が主役であり、県民のための舞台づくりですから、「県民の皆さんにも一緒にやってください」、そして、そのためにより感性を磨きながら県政の運営をして、そのうえで三重県をこのようにということで、展開しています。県の総合計画「県民しあわせプラン」の中には3年間の実施計画である戦略計画がありますが、今年はその最終年度ということになります。来年から次期戦略計画が必要になってまいりますので、その考え方をあとで申し上げたいと思いますが、プランの実現に向かってどのように展開していくかというのが右側の方です。県の立場からですが、下に書いてあるみえ行政経営体系というものに従ってやっているということです。地域主権の社会確立のためには、今、分権化の推進が必要でありますから、国に対してしっかりそれについても議論をしていかなければなりません。行政能力の向上というのは、県の立場で書きましたが、市町でも同じ立場だと思っています。それから地域主権の社会にはあくまで一人ひとりの県民の皆さんにできることをしていただくという「個の確立」というのが極めて重要だと思います。その上で個人でできないことを家族で、家族でできないことを地域が、地域でできないことを市町が、市町ができないことを県が補完し、県ができないことを国が補完する。こういう関係になっています。そういう意味で補完性の原理というのは非常に大事なことであります。

みえの行政経営体系については、特徴的なことを書いてありますが、継続的な全体最適化、全体をベースに環境マネジメントシステムや経営品質向上活動をおいており、実際にそれをどのように行っていくかということで、率先実行取組を行っています。それから人材育成ということが非常に今大事です。そのような特色を今あげています。そのうえで実はどのように行うということのベースに、「新しい時代の公」というものをおいているところです。ようやく今、「新しい時代の公」は浸透しつつあり、他の自治体でも、或いは国でも「新しい公」とか「新しい空間公共事業」とかいろいろな表現が使われていますけれども、私共の三重県の「新しい時代の公」ニューパブリックガバナンスと良く似た考え方や表現になってきており、国全体でガバナンスへ向けた動きが、着実に始まってきているというふうに感じています。

「文化力」についてですが、次の頁を見ていただきますと文化力指針のポイントがあります。今の情勢については、今おこっている社会のひずみとか、そういったことになかなか行政が対応できていないのではないか、そういう難しさをとみに感じています。そこで実は県では「文化」ということに着目しました。文化は生活の質を高めるための人々のさまざまな活動及びその成果と広く定義したうえで、「文化の持つ、人や地域を元気にし、暮らしをより良くしていく力及び人や地域が持っている人々を引きつけ魅了する力」を「文化力」ととらえて政策に生かしていくことにしたところです。その文化力には一人ひとりの「人間力」、地域の魅力や価値を高める「地域力」、或いは新しい知恵や仕組みを生み出す「創造力」、三つの側面があるのではないかと考えています。これを政策のベースに位置付け、これまでどちらかというと効率性やスピード、こういったことを含めた経済的な側面ばかりが強調されたことを転換し、もっとバランスをもって文化という側面を政策に反映していこうと思っています。そういう意味では「文化力」は「新しい時代の公」に結びつく地域主権の社会を構築するために大事な政策の基本ではないかと思っています。

3ページを御覧いただきますと、この考え方についてはあくまでも職員が発想を転換していくということが大事であり、そういうツールとしてできないかということで取り組んだ結果、ここにありますような九つのヒントという形でまとめたものです。さきほどの三つの側面にプラスして真中の枠の中あるように三つの「わ」という視点を整備してマトリックス状にまとめたのが下の表です。ここには、ことわざを一つずつあてはめて、こういう考え方をヒントにしながら文化力の考え方を政策のベースに反映していきたいと考えているところです。この文化力につきましては、次期戦略を策定する際に活かしていきたいと思っています。この文化力というものは社会全体の体質を改善し健康さをとり戻すという、漢方薬的なものではないかと考えています。最近の改革という部分の中で、少し別の表現をつかうならば、制度や仕組みの改革ということではなく、むしろ質的な行政改革という意味では「新しい持代の公」はまさに質の改革にあたることではないかと思っています。そういう意味では仕組みや財政的なコストダウンを図るだけの行政改革では、旧来手法が通じなくなってきています。そのときに補完していくものが「新しい時代の公」、或いは「文化力」という考え方ではないかと思っています。

4頁目の次期戦略計画の策定方針についてですが、「新しい時代の公」と「文化力」を考え方の二本柱とし、より広域的な観点から県土づくりの方向を明らかにし、そしてそれぞれの地域については、本編の施策・事業を地域ごとに取りまとめた地域編というものをつくっていきます。計画期間については第一次の実施計画は3年でしたが、次は4年間にしようということです。今後のスケジュールについては、9月に計画の素案を出しまして11月に中間案をお示ししたいと考えています。パブリックコメントもこのときにかけます。最終的には来年の知事選が終った上での新知事での決定ということで考えています。5頁に具体的なスケジュールが書いてあります。

最後に、若干今の分権改革をめぐる動向について申し上げたいと思います。既に今の国の分権改革であるとか財政改革については、三位一体改革が先般からの報告でいろいろな議論がされおり、地方が描く分権改革のイメージと大きくかけ離れているのではないかと危惧しています。そういうことで共に国に対して提言を行ったり、6月26日の「歳入・歳出一体改革」の最終方針、これで今日原案が示されたそうですが、ほぼこれと同じ中身で示されているということです。一方的に交付税の削減ということの明記はさけられたということでありますが、具体的な中身はあいまいで全く安心できない状況だと思っています。今後、是非、皆さんと一緒に注目しながら必要な行動をとっていかなければならないと思っています。また最近、人員削減の問題等、厳しくなされてきているところです。三重県は市町村平均で昨年6.3%、全国平均が6.2%ですから、それぞれ市町において努力されてるということでございます。県も一段と努力しなければならないと思っています。

道州制についてですが、今年2月に第28次の地方制度調査会が答申し、道州制の導入が適当という内容でまとめられているところです。今国会の方でいろいろ議論されているところですが、道州制の議論については、まず目指すべき国の形というものをしっかり描いていく必要があると思っています。ところが、そういう議論が十分なされていないように強く感じています。道州制については、やはりあるべき将来の地方政府の選択肢の一つであると考えていますが、国の形を、国それから地方一体的に中身をかえていくものであると思っています。道州制の導入が国民にもたらす長所短所、地方から見た長所短所、そのような観点からまだまだ議論が十分でありません。道州制の導入は国のあり方を含めて検討しなければならないにもかかわらず、地方制度の調査審議のために設けられている地方制度調査会に諮問したことは、その議論に限界があったのではないかと思っているところです。道州制の議論はまだこれからのものだと思っています。いろいろと分権の問題もありますけれども、是非三重県という地域の中で市町の皆さんと思いをできるだけ共有するというような中で意見交換をしていきたいと思います。是非そういう意味でいろいろと意見交換をさせていただいたらありがたいと思います。

5.意見交換

(1)県の政策課題について

津市長

今日はこういう場をもっていただきまして知事はじめ関係者の皆さん方に厚くお礼申しあげます。

まずは、「新しい時代の公」「文化力指針」を説明いただきました。以前から質問させていただいたこともありますが、今説明をいただいた「新しいステージ」ですが、県民の方からみてシンプルなのかな、と思います。一つのキーワードにして進めいくんだと、もちろんそうだと思います。あらゆる文化力というのは、一つの物差しとして、この新しい時代の県民と県との役割の見直しということはわかりますが、私は一つずつ、これをベースにということでなく、「新しい時代の公」がどんなものであるか、もう少しわかりやすく県民の皆さんにわかっていただいてから、そこへ「文化力」というものを、どうあるべきかということをしてはどうかと思います。あらゆるベースになっているということはわかりますが、そこのところを一つずつされた方がわかりやすいのではないかという気がしています。これがまず一つです。率直な意見を申し上げました。

最後に言われた道州制について、三位一体や歳入歳出の改革を見てみると、国が今、本気になって地方分権を考えているのかということは、私共大きなクエスチョンマークを持っています。当初の三位一体の改革について、この間お聞きしましたら、財源移譲という言葉が旧の財務省からなくなったというふうに聞きました。道州制というのは、地方が強くなくてはもたないだろうと考えます。地方は地方で道州制というベースをつくるべきでないかと、待っているだけでいいのかなと、逆にいえば国のあり方を示してからの道州制はわかるのですが、地方は地方で道州制はいろいろな切り口で進めるべきではないかと思っています。率直な知事のお考えなどを聞かせていただければありがたいです。

知事

今、改革の方向を少し触れたのですが、多分、お金はない、人は減らせ、そうなると最後はどうしても行政サービスを切らざるを得ないという状況になります。従って今までの手法でなんとかやりくりしようと思ってもそんなものは出来ない。そんな厳しいところにきているのではないかと思います。行政そのものの質的変化をどうしていくか、必要なサービスは確保していかなければならない、ということからいきますと、やはり旧来の行政というイメージから変わっていかなければならない。それの求めるところの一つのあり方というのは「新しい時代の公」であろうと思っています。

国民、県民からみると、何故この仕事が私らのために大事なのかというのが、お茶の間の視点、県民の視点と行政が今までやってきた視点とズレるところがありました。そのズレを正していくということも大変大事なことで、その意味からいきますと人の生き方の相対みたいな広い意味での文化という捉え方から政策の立案の視点を迫っていく、このことは非常に大事ではないかと考えています。従ってどのようにやるかというベースでは「新しい時代の公」であり、どういう三重をつくるのかの視点のベースには「文化力」であり、全くそういう意味で考えたわけではありません。

道州制の議論については確かにおっしゃるような議論の仕方も一つはあるのかなと思います。なかなか今の状況ではよくわからない。しかし、私は逆にいえばあくまでも道州制ありきという形のままいってしまうのは危険ではないかと思います。第一に県民の視点から道州制がなぜ三重県にとって、この地域にとっていいのかということは、今までの議論の中で見えてきていないわけです。そういう議論を十分に行った上で選択肢として道州制というものをイメージしていくというのが大事ではないかと思っています。今の状況でいいますと三位一体の改革において、地方の自主自立ということが強くうたわれている。しかしその言葉に引っ張られて三位一体といっていたことが、結局は国の財政再建に協力させられているだけだという、いわゆるだましの三位一体改革になったわけです。そういうふうに考えると、道州制も結論ありきで入ってしまったときに、場合によっては国が考えている道州制とあまりにも違う。結局はやる気のない、分権する気のない、国が結果として、都道府県合併みたいな、単に合併したような形のものになってしまい、或いは、それぞれの地域で、いわゆる東京一極集中がいくつかの中心都市に分散されただけで、同じ道州の中で地域間格差がより広がる。一極に集中しているということがあるような、私らの期待するような地域主権とは違う。そういう意味で議論をもっともっとしていくべきではないかと思います。

津市長

「新しい時代の公」と「文化力」のすみわけと考え方はわかりましたが、まさしく今、財源が見込めないというか、そういうなかで我々地方を預かっている者にすれば将来の財源等を考えると、おのずとこれからする行政サービスは新しい時代のすみわけをしていかないとだめだと思います。その中で、地方、県があって、県がそれを先に示していただくということも大事であると思っています。そうなったときに、いいところまで「新しい時代の公」という形で、新しいサービスといった議論が今からといったところで、そこで文化力指針という形が組み合わさってきたものですから、私が勝手に理解ができないのか、整理ができないのかわかりません。それを先にすみわけていただいたほうがわかりやすくて、サービスを「新しい時代の公」ですから県民や市民の皆さんに「考えましょう」と、その中でいろいろ議論したときにそのベースとして、「文化力」が出てきたほうがわかりやすかったのではないかと思っています。

知事

例えば具体的なことでいうと、子どもの問題。子どもたちが犯罪を犯したり非行に走ったり、これも時代とともにより良くなっているとは思えません。ただ、この問題が教育現場の問題なのか家庭の問題なのか、或いは限定された地域の問題かというと、社会全体が子どもに鏡として写っているわけです。そういうことからいうと、やはりニートの問題だとかいろいろな課題に我々がどのように対応していくのかといった場合に、これまでの政策のあれもやるこれもやるではなかなか実際に進まない。そういう意味で社会全体が体質改善していかないといけない。あるいは健康さを取り戻していくのが大事ではないか、そう考えた時にあらゆる政策の中に、もう一度私達の生き方をきちっとどう高めていくかという舞台づくりですから、そういう素晴らしい舞台にするために我々の生き方の観点をもっていくべきでないか。それが「文化力」という視点であり、あてがう方向が全く別のところからなのです。これだけ社会のひずみが多くなってきたら、ただ単に県民と一緒にやりますという部分でなくて、政策そのものについても価値観がかわってくる。そういう社会の中で現実にはひずみが起こっており、政策の物差しも変化していくべきだと思います。

伊賀市長

二つ三つ質問もかねて。まずは一つ目です。滋賀県知事選で国松さんが負けました。新しい大学の先生、女性の知事が誕生しました。昨日甲賀へ行って聞きますと、いかに現職の知事は人気がなかったか、それに比べて新しい知事さんは、腰も低いし、にこにこ。そういうことが結局票につながったみたいです。争点は新幹線の新駅とダムが大きな話であったみたいですけど、知事としてはどんな感想ですか。

知事

今日午前中に定例記者会見で、同じように聞かれました。あまり滋賀県のことはよく知りませんし、新聞を見ていてどの新聞も圧倒的に強い、そんな風に読める記事ばかりでしたので、まさか国松さんが負けるとは思ってもみませんでした。結果を聞いてびっくりしました。そのうえで新幹線のこととか、財政問題がテーマだったと知ったようなことです。滋賀の県民の皆さんが選択されたことで、それをこちらが論評することはないと思います。これから新聞でもいろいろ報道されるでしょうから、そういうのを見ながら受けとめていったらいいと思います。

伊賀市長

まんなか共和国などでいっしょに文化の創造みたいなことをやってきましたが、今後も三重県としてのスタンスは知事がかわっても変りませんか。

知事

今度の新しい知事さんには会ったこともないし、どんな方かも知りません。実際には20日に知事に就任される。そういう話ですからそれ以降新知事としての発言が出てこないとわからないです。今まで県同士でやってきたことについては、私としては大いにいいところはよりよくしながらやっていくことが大事だと思います。

伊賀市長

伊賀市の場合は隣が甲賀市で、忍者道路を今進めて三重県側もスタートし、滋賀県側も知事選がすんだらすぐにという話でした。そこのところ、県同士でもよろしくお願いします。

知事

三重県との交流、近県との交流、まだ全然ご存知ないと思います。おってゆっくりまた話合いたいと思います。

伊賀市長

従来から、よく県の方々が県の政策なんかを新しく作るときとか、作ったときは説明にきてくれました。それはいいのですが、出来あがってから説明に来てくれます。野呂知事は、市町村が最大のパートナーというスタンスで、この3年間仕事をしていただいて、最近あまりそういう意味では苦にならないのですが、特に保健福祉なんかの制度、細かいのがたくさんありますから、しかもお金の伴うこともあり、そういう制度もある日突然県が決めてくる。そうすると市民の側からいきますと、多くなる場合よりは減る場合が多いですから、そうすると県の制度がなくなったからその分市町村で補填してくれみたいなことが過去ありました。そういう、特に個人制度に関わるような保険制度を作っていただくようなときは、事前に市長会なり町村会、そういう場所で担当の方々から、説明するとともにこう思っていますけどどうでしょうかみたいなことを、事前に意見をすい上げていただくとありがたい。これをお願いしておきたいと思います。

もう一つ、「文化力」の話ですが、私は「文化力」という、この現代社会で地域の文化力が昔よりも低下しているという思いを強く持っています。いろいろな要因があると思いますが、一つは、モータリーゼーションの急激な発達です。30、40年ぐらいの間に非常に発達しました。要するに車での移動が早く出来るようになり、そのおかげで経済成長が、日本全体が著しく伸び、その反面、人々が長年かかって積み上げてきた、例えば端的な例でいいますと、農村文化の一つとして、田植えで「結(ユイ)」という制度がありました。自分の家族だけで自分の田圃を植えるのではなく、隣の人や親戚の人に田植えを手伝ってもらい、その人の田圃も手伝いに行くとか、そういうことによって人々の絆が深まってくるとか、農村の古き良き文化がありましたが、そういうのが消えてしまった。こういうのが続いて今、高齢化社会がきまして、高齢者福祉についても同じようなことが言える。隣に老人がいてもヘルパーさんに任せておけばいい、声のひとつもかけなくても、それが当たり前の社会になってしまいました。この間、能代で豪憲君が殺されたニュース見ていまして、新しい20数戸の団地で、2軒隣で普段交流がなかったのかなと思います。普段から家族が行き来していればあんな大きな事件にはならなかったかなと考えた時に、せわしない社会が文化力を低下させてしまっているのかなという思いがしています。ですから地域の文化力、個人・人間としての文化力に目をつけられたというのは、今のこういう時代でこそ大事なことだというふうに感じています。

今日は、文化力と鉄道の問題を話します。今言いましたように古き良きものが減っていった。モータリーゼーションが非常に発達し、道路の整備もできてきた。新しい文化も生み出しますからそれでいいと思いますけど、そのために逆にいえば、鉄軌道はおろそかにされてきた。そこへ国鉄の時代から今は民間会社になって、三重県の電化率が非常に悪い。電車が必ずしもいいわけではないが、少なくとも県内の紀州も含めてもう少し鉄道に注目すべき時代に入っているのではないかと、最近強く感じています。おりしも遷宮が近々ありますし、紀勢本線なんか和歌山から亀山まで、ずい分と長い鉄道ですが、和歌山側が和歌山から西大阪までは複線、和歌山から新宮は単線。橋を渡ったとたんにディーゼルで乗り継ぎをする。こういうふうな状況になっており、そういう意味では、松阪からの名松線なんかも存続できないのかという危機に入っている。或いは参宮線、これなんかもこのままではいけないのでしょうし、私の地元の関西線なんかも、亀山から加茂までは単線の非電化、亀山から名古屋までは単線の電化が出来ています。この大きな要因は三重県のなかにJR東海とJR西日本とが入っているということが、お互い両会社が牽制しあって両方とも投資しないという感じがしています。そんなこともありまして、市町会でJRに関係のあるそれぞれの市長、町長さんを含めて、複線化を知事の方に今回のしあわせプランの戦略計画の中にこの問題をとりいれて下さいというお話を何回もさせていただきました。これがまさに今後の21世紀のこの地域の文化力の向上の、大変大きな基盤整備になるのかと感じています。特に団塊の世代が帰ってきます。皆が車というわけになかなかいかないので、鉄道の利便性が高ければ鉄道で移動すると思います。今、県も観光局ができて、観光客を導入しようとしたときに全て車では無理だと思います。特に外国からのお客さん、遠方からのお客さんは、鉄道を利用して、鉄道での観光にスポットをあてないといけないのではないでしょうか。文化は人がつくるもので人が運んでくるものですから、人の交流のないところ、過疎化していくところは段々と文化力が低下してしまいます。総合的に今日や明日の話ではありませんが、県自体として取り組みをいただきたい。

この2点、制度をつくるときに事前に意見を聞いていただきたい、文化力向上のために鉄道に対する、特に西日本、東海、一回三重県に両社長を呼んで、その見解をたずねてもらうような機会を、これは知事さんしか出来ないものですからご検討いただけたらと思います。

知事

第1点目の政策についての廃止や新しい事業の件ですが、私も就任した当時にうかがっております。それについては県庁内でもよく注意して市町村との信頼関係をそこなうことのないように取り組むように言っております。至らない点がありましたら、御指摘いただいたらと思います。ただし、国がかえてくる場合もあります。たとえば老人の関係とか、最近は障害者の関係。これは国の制度がかわり、かなり影響しています。たとえば老人でいきますと、いろいろな施設へ入っているご老人、約1%負担料があがり、施設を出る、或いは利用を止める、あるいは利用回数を少なくするなど、そのような影響がある。1%だって百数十人の話ですからばかにならない。障害者においては更に深刻です。いろいろな施設の利用について退所したり、あるいは利用する者もやめてきているというような人たちが4%ぐらい影響がある。また、そのほかにもそういうことを今心配し、検討している人がまだ4%ぐらいですから、かなりのパーセントで影響があるみたいです。今調査をしているので川崎大臣と老人福祉のことだとか、子どもの問題、ちょうど三重県出身の大臣でありますから状況について報告しながら国でのいろいろな今後の検討の中へいかしてもらいたいと思っています。

文化力についてのお考え方がそのあとありました。いろんな御指摘のところそれもあるのだろうと思います。いろいろ言われていることがあるのかな、こう思います。そういう意味では日本が戦後、経済成長していく中で、東京規格というのが全国に価値観、生活の仕方、ライフスタイル、考え方なども全国に蔓延しました。それにあわせるために伝統文化だとか風習が軽んじられたというようなこともあり、地域ちいきを大事にしようという雰囲気よりも、東京ナイズされたそういったものがまさる状況で今日ができた。もう一度そういう意味では見直さなければならないと思います。道州制でも同じですけど、道州制をとったことで例えば三重県が大阪の方へ行ったら、大阪から見た伊賀なり大阪から見た伊勢なりという考え方を押し付けられたり、東海に入ったとき名古屋から見た三重県なりということがされると、私達伊勢に住む者、東紀州や伊賀に住む者、住んでいるのでなくて押し付け視点で、しかもそのなかでの地域間格差ということが起こり得ます。非常に文化、文化力を考えるといろんなことが絡んでくる。こういうふうに思います。ただ文化庁がこのあいだ話を聞いてくれました。経済産業省が新しい経済成長戦略を6月に打ち出しましたが、その中に文化力が出てきました。その文化力が文化庁の言っている文化力でなく三重県のいっている文化力で、そういう観点から入りましたので、そういう意味ではこの考え方はこれから多分2、3年で、国でもいろいろなところにベースに入ってくるのではないかと期待しています。

より具体的に文化力から鉄道の問題ですが、私自身も促進連盟とか同盟会の会長でして、公益性については一緒に考えながらそうなってほしいという思いはありますが、12年に鉄道事業法が改正されて鉄道事業者の採算があわないとかそういうことになった場合は届出制で廃止できることになったわけです。そういう意味では一時代一時代たつと、昔は松電とかありましたが、それが地域の期待を担ってできたのですが、できたあと50年にはなくなった。時代の変遷で状況は変化していると思います。そういう中で鉄道についても利用していかないと思います。市長さんも皆さんと一緒に取り組んでおられますが、毎年利用者が減ってきている。そういう厳しい状況です。公共交通機関は非常に大事であり、勿論道路の問題も絡んできますけど全体から利便性を増していくことがきわめて大事だと思います。今後も是非知恵を使いながら実現に向けた取り組みをさせていただきたいと思います。

伊賀市長

東紀州なんかでは無視しているのです、鉄道を。地元の人も振り返るように、鉄道会社も考えてもらわなければならない。せめて車と同じくらいの時間で目的地に着けるなら利用者も増える。

知事

電化も今はJRが国有鉄道でなくて民営化しました。近鉄も三岐鉄道も入れた三重県の電化率、そういう比較にならなければならない。国有鉄道の電化が進められていればよかったのですけど。

名張市長

次期戦略計画ですが、平成19年から22年。これをつくろうかと申されたその知事の意欲に敬意を表させていただきます。

だましの改革の話ですが、真綿で首をしめる感じになってきている。サッチャーがやったように中央集権でしてしまったらいい。この手法は、小さい自治体つぶれてくれといわんばかり、そんな感じするわけです。ちょっときつい感じがします。

1ページのフローを見せていただきました。県民が主役、県民との協働、感性を磨く、今まで言われながらきちんとした仕組みが示されていなかったですが、ここで輪郭みたいなものが示めされた、ということについては評価させていただきます。

ここで意見を一つ申し上げます。市町という中にも補完性の原理というのが書かれていますけれども、こういうことをご認識ならば戦略計画の中で「地域編」はもうさほど県につくっていただかなくていいのではないか。県はもっとほかにやっていただかないといけないことありますので、これはまさに基礎的自治体にゆだねていただいたらスキッとしていいのではないかと思います。

文化力というのは生活の営みすべてが文化ですから、われわれ自治体が総合力、名張力みたいなイメージを持っています。戦後このかたより多く、より安く、より便利ということで、この60年の間にしてきましたが、そんな部分をこれから呼びさまそうと、この発想は非常にいいと思います。なぜかといいますと成長社会の仕組みから成熟社会の仕組みにパラダイムも大転換していこうという時であり、ここに着眼されたのはこれも評価しますし、我々も行っているわけです。要するに財政規模を縮小しつつもサービスを落とさないことで行っていこうと思えば、まさに「文化力」や「新しい時代の公」とか「新しい公共」など、そういう風な発想で行っていかなければならない。どんどん進めていただきたい。要するに、市町村のそういうことに対してパートナーということであれば市町村に対するそういうことでの支援をしていただいたほうがいいのかなと思っています。

知事

行政改革の手法の問題ですけど、一連の動きの根底にあるのはなにかと言えば、財政政策の失敗が結果的にあれだけの借金大国になってしまったわけです。これが根本には一番大きなことだと思います。それがためにつけがどっときているわけです。そういう失敗の反省のないまま借金をぬぐいさってしまおうというしたたかな国の陰謀に我々は振りまわされたという感じがします。ただそうかといって体制を立て直す能力が疑問視されるようなところがあります。従ってそういう意味では地方も国の財政の責任の一旦を出していかなければならないと思いますけど、今のだましのことで、まわたで首をしめるようなことで、そうなっていく心配をしています。

地域編については、若干誤解がありますので、政策部長の方からお話をさせていただきたいと思います。

文化力については、共通した思いと感じたところです。

政策部長

資料1の4頁を御覧いただけますでしょうか。この中で(2)のところが地域編について書いているものですが、名張市長さんの言われた、従来は市町をこえた区域に県の役割あるんだろうということでいろいろ進めてきたんですが、そういったことも含めてこれまでの生活創造圏のエリアは市町を中心とした地域で担っていただくこととし、県はこれを支援する役割を担います。名張市長さんが言われたことと同じです。県としては県境を越えた中部圏、近畿圏などを含めた観点からの県土づくりが県として必要なのだろうと考えています。そういう意味ではそれぞれの地域づくりについて県が県土づくりの方向から、県として何をやるのか、ある程度地域におとしておかないと地域づくりを担う市町においても、県が何をやるのかよくわからないとパートナーシップとしてうまくいかないだろう。逆にそういう考え方から県がやるものを県はこの4年間にいくつかの地域でわけるとこんなことやります。そういうものを地域編と呼ばせていただいております。決してそれぞれの地域をどのようにしていくのかということではありません。

知事

県の行う事業を地域ごとに振り分けた方がわかりやすい。その地域で県が果たしている役割、事業、そういうのがわかりやすく見える。そのうえでパートナーとしての支援をするのが県の役割だと思っています。

名張市長

先ほどの高齢者と障害の問題ですが、今、大改革をしたのですけども、社会保障というのは84兆円で国家予算より多いわけです。特に社会保険分、医療保険だったり、年金、介護の部分。77兆円ぐらいあって90%ぐらいそれで占めている。これをいかに持続可能なものにしていくかということが最大の課題であったわけです。昨年からいよいよ我が国の人口が減少に転じました。昭和22年から24年に生まれた団塊の世代の方が来年からまた3年かけて500万人リタイアしますが、人口減少して生産年令人口が減少する社会の中でこれをいかに支えるか。支える人口が減ってくるわけですから。大きな課題であるので、サービスを落とすのか、サービスをそのままにして税金をもらうのか、直接税はきついので間接税にしていくのかという議論がこれから2、3年の間に方向性が出てくると思います。非常に苦しいところでもあったわけです。社会保障をあまりあげなくてもいいような社会をつくっていくのはしょうがない。今岡市長さんがおっしゃった結(ユイ)。そういう社会を作らないといけない。そのためにはコミュニティも再生していかないと。今そのようなことを基礎的自治体でやっているところです。地域と目的別団体と協働して自治体がやっているわけですから、そういうことに対して、県もいろいろ支援をしていただけたらありがたい。

伊賀市長

国の財政再建の取組を見ているとちょっと看板をかえただけの感じがする。

知事

地方の方がもっとまじめにやっている。人の削減といったって看板をつけかえるばかり。カウントしないようにしただけ。その純減でも今言う数字の真水の部分は40何%が独立法人化であり、これが各省庁の取り組みになっている。

伊賀市長

行財政改革といって地方にどちらかといえば財政再建をおしつけている。

津市長

市を預かっている立場で言わないとだめなのですけど、この69の市町村が29になって三重県から村がなくなりました。各県民局もこの合併には尽力していただいた。というかかなり力をいれていただいて、10市町村が合併しました。津の県民センターの地域は一緒であります。10市町村が合併することによって予想できていたことと予想できなかったことをかかえてきたと思います。県もいろいろ意味で、この合併を推進してきた立場はある。地方もそれを受けてがんばった。予想ができなかったことが出てきた。県として市町村合併に対する支援は考えていただいた。しかしここにきて、もう一回支援体制を、もう一回あらゆる面で少し見直しをしていただき、たとえばインフラ整備もそうですけど、救急医療問題、そういう面でのもう一回現状に合わせた見直しを考えていただきたい。

知事

救急体制とかそういうことについては、三次救急については幸い三重大学がつくりかえるということになってきましたから、その中にぜひ組み込んでほしいと申し上げて、三重大もそういう方向であるわけです。我々も従って具体的に今後救急体制について構築を支援しようとしている。問題は一次救急、二次救急という体制がどうなるか。たぶん医師会など関係者で協議会を作り、市の行政、県も入って三重大も入って。医師会だけでなくて二次救急。二次救急も松阪と比べて数は多いです。ここは市の行政の中でももう一度、一次や二次のあり方を市からももっと強めて要請を出していただいて、県の方も議論も活発に進めていくというのが大事だと思うんです。将来的な展望としては三重大学の方へ、一番早くそれが三次救急のセンターにできるように県としては要請していきます。

津市長

救急の問題はそうですけど、たとえば県も北勢、中勢、南勢とあって、北勢は大分景気がよくなってきている。中勢、南勢はというと、例えば津市では、美杉から河芸まで2時間くらいかかります。そのへんのところ、県も地域間についてのインフラ整備は合併前に支援体制を考えていただいた。現に合併をするとそれ以上になかなか大変である。そういうところの見直しもあわせて考えていただいたらどうかと思います。

医療も四日市にも医療の救急センター、南勢は日赤山田など県も役割を果たしていただいているが、中勢の場合はいったいどうなのだろう。

産業の場合においても伊賀、名張、三重県の真中の中勢がもう少し元気でなければ南勢へ波及もしていきませんし、考えていただいているだろうけど、お考え直し、見直しをお願いしたい。

知事

中勢といったときは、津地域は1本になってしまった。南勢志摩だとか伊賀だとか東紀州だとか、津市という1つの行政体にまとまったので、いろいろと県の方に言っていただいたらまた支援させていただく。今後つくる新市の総合計画の中でどういうふうに市として将来構想を描いていくかということもある。

(2)今後の国の財政構造改革について

市町行財政室長

資料2に基づいて最新の動向の説明をさせていただきます。

国の財政改革の状況でございます。これはすでに本県においては5月26日に、総決起大会を行い、31日に国に緊急提言を行っております。三位一体の改革決着後、18年度は地方交付税が改革の焦点です。特に地方交付税の総額を削減するという議論が国においてなされています。具体的には交付税の法定率が引き下げられるとか、交付税総額の据え置きが問題にされています。先般竹中総務大臣のほうから、新たな地方分権改革が提唱されており、人口、面積で算定する新型交付税とか、地方債発行の自由化とか、或いは再生型破綻法制の整備が具体的に検討される状況になっています。また、行革推進法というものが今回成立しておりまして、公営企業金融公庫が平成20年度に廃止されます。それをうけて地方6団体につきましては「地方分権の推進に関する意見書」を6月7日付で出しておりまして、今後の分権改革についていくつかの提言をしています。今の動向としましては、7月7日に骨太の方針が閣議決定される予定でございまして、ここで政府の方針が決まるという状況です。

続きまして2ページです。直近の動きといたしまして、4点ほど報告させていただきます。1つは、知事からも報告ありましたが、6月26日に政府与党の最終方針が出ておりまして、ポイントとしましては人件費、地方単独事業を中心とする歳出削減努力の継続を要請したいということです。交付税につきましては、総額に関して現行の法定率は堅持する。また、交付税総額については予見可能性のある財政運営ができるよう地方の財政収支の状況等を踏まえ適切に対処することが言及されております。交付税の配分については、行革努力を行っている団体でありますとか、あるいは地方税収の伸びが期待できない団体に特段の配慮という記述があります。地方税については、今後税源移譲を含めた税源配分の見直しについても言及されている状況です。今後の更なる地方分権について、新分権一括法を早期に制定して国の関与の廃止・縮小を図るといったものも取組方針の中に明記されており、お手元の資料の5頁、6頁が政府与党の最終方針でございます。これがこのまま骨太方針の原案として出されているという状況です。また2ページに戻りまして、人口、面積による新型交付税につきまして、いろいろな地方からの危惧を受けまして6月16日に総務省が見解を出しております。1つは新型交付税については、交付税の機能や交付税総額に影響を与えるような体制にしないということを決定しています。新型交付税は算定方式の簡素化ということです。次の3ページですが、特に具体の制度設計にあたっては離島や過疎市町村など真に配慮が必要な地方公共団体に対応できる仕組みを確保するということを言及しております。また、過疎債や過去の景気対策で措置をしていたさまざまな地方債の交付税措置についてはこれまでの措置で継続するという方針を示しております。新型交付税につきましては今後のスケジュールとして今後3年間で5兆円規模、今の交付税の3分の1ぐらいですけれども拡大していく。具体的な制度設計はこの秋から取り組んでいきまして地方団体の来年度の予算編成スケジュールを念頭におきながら現実の財政運営に支障が生じないような具体的な制度設計を行うような状況でございます。

公営企業金融公庫でございますが、平成20年度に廃止をされるということが決まりまして現在廃止後の地方の資金調達の仕組みというものが検討されております。地方6団体から全国ベースの共同資金調達機関の設立が提案されておりまして政府の方でも現在、共同資金調達機関を設立する方向で法制度の整備が検討されている状況でございます。今の公営企業金融公庫が保有する財政基盤につきましては引き続き新しい組織に継承する方向で検討されておりますが、具体的な金額についてはまだ未決着の状況でございます。

最後に再生型破綻法制でございますけれども、26日の先ほどの最終答申には再建法制の見直しということが明記されておりまして、今後破綻回避のための早期是正の仕組みでありますとか、債務調整の可能性とか様々な諸課題を総務省にて検討しまして、この秋に制度の方向性が、3年以内に法の整備がされると、そのような状況でございます。以上4点でございます。

津県民センター所長

ただいまご説明申し上げたとおり市町にとっては非常に厳しい改革が進められています。あらゆる機関を通じまして、声を届けて、この機会をお借りしましてこれに対するご意見を頂戴できるかと思いますのでよろしくお願いします。

津市長

地方が力をあわせて国に申し出ていく。

伊賀市長

交付税は単年度で交渉できるので、そこのところを注目し、地方もおまかせではいけない。

知事

地方を入れて議論してくれない。本音はどこにあるのか。相当牙をむき出してきていますけど、財政再建ばかり思っている財務省と、どこまで地方のことを引っ張ろうとしているのか、総務省も、大臣もどっちがどっちなのかよくわからない。

津市長

基本的には消費税に向けてくるのか。

総務部長

税目については明記されていません。

知事

例えば完全に年金に対する信頼性がない。とてもじゃないけど、厚生労働省が信頼感をとりもどしてやるのが難しい。前々から消費税でも、税制度を変えるべきだと。多分これから保険料が払えない、サービスが受けられない、そういう人たちをどうするか、生活保護と社会保障の制度とぶつかると思うんです。国の制度設計が間違っている。

税金を取ることを何もしないでサービスだけ一生懸命しようとしている。結局実力以上の行政サービスをしてきたわけ。特に公共事業、景気対策といって。そういうことをしっかり反省して、まずはすみませんでしたと頭下げて制度の一つ一つ変えていきましょというのがスタート。自分ら間違ったという顔を全然しない。公共事業も国から押しつけてきた公共事業であるのに地方が全く無節操に借金をしたみたいな、公共事業したみたいなことをいう。怒らなければいけない。

名張市長

ようするに1980年代に中曽根さんがやってきたことが続いていたらここまではならなかった。その後に政治がちょっと不安定になったときがあり、それで小渕さんがまた景気対策という古いやり方でもっと使えと、森さんも景気刺激策。ようやく今の総理が市場原理に委ねるとやって、ちょっと遅きに失した感があるんです。

津市長

結果的には地方が切り捨てになるんです。

知事

国の改革議論も本来どこまでのサービスを国民に対してするのか、それに見合う税のとり方があって、過去のつけまわしである借金をどのように返済するのか、分けてやってもらわないと。ごまかしごまかしでなんとか借金ぬぐいしていこうという格好になっている。

名張市長

年金も人口が減っていくわけですから、この制度で持つわけはないです。賦課制度ですから。どこかで積金制に切り替えていったらいいのではないか。積金制に変えようと思ったら何百兆円、600兆円や700兆円必要と思うので、非常に難しくなっていくけど。そういう計算はできていないのか。

総務部長

社会保障そのものも、賦課方式か徴収方式か、今の厚生労働省の説明は中間的な仕組みです。すべて賦課方式に変えるか長年議論されています。そのときに2つ問題があって、切り替えるときにどれほど金がいるのか、それから恒常的にいくらいるのか、あまり数字をハッキリさせた議論はなされていません。

知事

ようやく基礎年金を半分国庫負担という話がでており、いろいろな議論もしたはずだと思います。

津県民センター所長

5月26日の総決起大会で決議を行ったように今後も力強く訴えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

(3)市町の地域課題

名張市長

松田市長さんと重複するところありますが、医療の全体の問題ですが、今こういう状況になってきましたけど、地域内のミスマッチも起こってくるわけです。ですから効率よく病院を運営しようとすれば、アメリカで6000ぐらいしかないのに、日本で9000ぐらいあるらしいです。自治体病院の今までの累積赤字、2兆円くらいになっているらしい。各自治体ごとに頑張っているということになってきますと、医療の質が低下していくことは明らかですから、やはり集中して。一つは自治体病院の使命は二次医療を担うことになります。二次救急です。もう一つは、このA病院は何が得意か、B病院は何が得意か。こういうことをやっていかなければならないと思うのですが、それは基礎自治体では無理なのです。市民のニーズはみんなあれもこれもとなりますから、それを基礎的自治体の中で決めていくのは非常に難しい問題です。今タイミング的に、老人医療の問題が連合でいわれています。これは国保会計もそうなっていくと思いますし、なれば保険者の責任において、特色化というか医療圏ごとのそういうものを作っていくべきでないか。そうでないと基礎的自治体では競争の中でミスマッチすることは明らかですし、また全てオールラウンドというか総合的な病院化を目指さなければ市民ニーズにあわないということですから、それは医療の質を落とすということにつながることになります。やはり、分担、そういうことがかなうように、医療の連合化を含めて保険者としてそういうことを考えていかなくてはと思います。

そのときは県もかなりイニシアチブをとっていただかないと。連合化ですから県も入っていただくことになりますから。

知事

今の話、新しい制度がどうのという前に、医療圏ごとに限られた資源をどういうふうに生かしていくかということ。現実は医師不足の問題であり、三重県内で医療供給する側の三重大そのものがそういうことの役割を果たせなくなっている。そして国全体としては、医師は余っているけれど、地方へは行かないという、いわゆる地域偏在の話。もう一つは産婦人科など訴えられるそういうことに対するリスクが多い科目は一挙に減ってしまうということもあり、婦人科や小児科、麻酔科こういったところで少なくなってしまって、科目の偏在化もおこってきている。これは国でもう少し制度をきちんとしなければいけないと思います。特に国に対して社会保障制度審議会の医療部会で、供給体制と配置体制をきちんとつりあいのとれた制度にしてくれないかと思います。従って今年の国に対する要望活動の中でも、それについては、一つは自治医科大学、この定数を増やしてくれたらいい。今医者全体を減らさなければならない。だから総務省も厚生労働省へいうのも非常に難しい議論部分があると聞いています。もう一つは、過疎地域の一定の診療経験をしてこなければ病院の管理者になれない、という強い制約をかかげるという議論もあります。これもなかなか職業の自由の選択だとかとの関係で難しい。そうとはいえ、大学の医師の養成機関には国の税金も随分使っているわけですから、そういう制約はつけられないことはないのではないかと、議論がまとまらないけれども残っている。私はそういうこともやってもらうなり、ちょっと思いきって配置の方へ、しっかり田舎にも医者が行ける制度を構築してもらえる議論をしてもらわないといけない。そういう前提があるのですけど、そうかといって議論だけで国がやってくれたらいいが、地方でなかなか医師の獲得は難しい状況の中では、やはりより効果を出すためには、役割分担を考えていかなければならない。ただし、それを小さな地域で役割分担というとそれがもう今はできない。産婦人科の、例えば志摩の方でもいろいろあったが、非常に高度な医療体制というものも一方で要求される。しかし身近にいてほしい。そういう意味ではどちらも同じように満たしていくというのは、なかなか限られた資源、より少なくなっていく資源の中では難しいところです。自治体病院のありかたはどうか。これもなかなか難しいところがある。我々もそのことについては、県立病院でも県議会でも随分議論しています。これについては今、検討会をつくってその中でのご努力をしていただいてるわけであります。我々の広域自治体にマッチした病院、本当に必要なのか、いろいろ議論がでてくると思います。

名張市長

この研修医制度の中で、都市部があふれて、地方へというのがいつになってくるのか、よめませんし、それがないかもわかりません。ですから、非常に深刻な最低限の安全安心のセーフティネットでもあるわけですから、これはきちんと基礎的自治体同士の中で調整していくことが非常に難しい問題です。福祉は基礎的自治体、医療は県というのはヨーロッパなんかでもよくあるケースですが、なるほど、今思ってきたのはこういうことで、ある程度の規模の自治体でないとそんな調整はできていきませんから、やるんだというふうに思います。何とかそんな中で今後自治体病院の設置者の協議会ができているわけですから、私も去年度で使命果たせていただいて、今は田中市長さん、そういうテーマで私共も市長会としてはお願いしていきます。

伊賀保健福祉事務所長

おっしゃられるように医師自体の確保は、どこの地域をみましても非常に大変な状態になっていると思います。国のレベルで、もう少しきちんと偏在をただしてしていくような制度がないと根本的にはなかなか難しいだろうと思います。ただ地域の中では、そうは言いましても、毎日患者さんが出るわけですので、地域それぞれの中で今ある資源をどのように有効に使っていくかということを真剣に、もうあとがないという状況で検討せざるを得ないだろうということで、私も4月に行かせていただいてから、伊賀の地域におきましても救急体制について両市の方々の努力をいただきまして動いておりますので、伊賀地域の中でよりよい医療のあり方がどんなだろうということを関係の方々と真剣に議論していきたいし、今ある資源をこれ以上枯渇していく危険性もはらみながらという、あとのない崖っぷちだと思いますので県としては調整ということしかできないんですけれども、先を見通した形で一生懸命議論をさせていただきたいなと思っております。

知事

結局、地域から見れば自分のところの近くに相当な機能をもった病院が欲しいのは誰しもそうなんです。しかしそうだけれども、例えば癌対策でも癌の拠点病院、なかなか高度な対応をしてくれといわれてもそれは限りがあるし、しかも資源が限られている。そうなると、旧来のものをまだ更に集中させないと対応できない。ですから交通機関やそういうものが発達する中で、県内でこれ以上高度な病院が何処と何処に必要なのか。医療圏ごとに全部作らないと対応できないとかいうことについては、これは地元からみるといろいろと議論はあるでしょうけれど、限られた資源をどうするかというと、どこかで選択しなければということがおこってくる。

名張市長

ある程度集中していかないと。あそこで1人出し、あそこで2人出し、専門で2人出した。こういうことでは医療の質が低下せざるを得ない。ですから最低5、6人はそれぞれの分野の方がいらっしゃる。ここは産科です、ここは小児科です、こんなことにしていかないと非常に難しい状況である。

知事

松阪市長のときに、病院が松阪市に3つもあって、なんでもかんでも競争するより役割分担でいったらどうだろうか。そうすれば特色ある、三重県全体からも集まってくるような病院にできるんではないか。その話合いを持とうと思って、私と3病院長と企画をしていたのです。なかなか病院同士で、厚生病院がいくつかある中で、その中で自分たちで役割分担を考えています。だから市の意向で役割分担、地域の意向で役割分担というわけにはいきません。いろいろそういう意見がでてきます。

名張市長

だから自治体病院でという、保険者としてという、そういう切り口でやっていかないと、やっぱり不採算部分はあまりやりたくない。しかしその部分こそ自治体病院が担っていかなくてはならない。

知事

しかし、名張市と松阪市が役割分担しても、松阪の市民が名張へ行くなんてできない。名張の市民が松阪市へ来ることもできない。

名張市長

医療圏域の中で医療法人に協力いただける、ある程度の集約がそういうものをしていかないと。三重大学は三重県民が30%しかいないわけですから。それは将来的には地元でやっていくのは難しい。

知事

医療も東京一極集中を起こしている。独立法人化したから大学も今後さらに東京一極集中型になる。我々は冗談だけではないような、三重大学がもしなくなったらということも考える。今の国の動きはそうなりかねない。

名張市長

市民の生命・健康を守っていく責任を我々は負っているわけだから、その中で今ある資源を有効に活用していく。これからの県政にとって、私共市政の大きな課題ですから。これは自治体病院の協議会をこれからそういうことの協議、今までしてなかった。これから頻繁にテーマを持ってしていただきたい。

知事

自治体の関係としては、今回の老人保険制度については、国が目指しているのは県側へ出しているのは医療費が増大する。とにかく財政難、こういう現象。財政論で医療制度がゆれまくるんです。それで、それをもってきているものであり、我々は保険制度について今回色々と県の方としては支援する。財政的なものだとか簡単に言うわけにはいかない。我々としてはそういうものをやっていくためにお手伝いはする。しかし保険者はそれぞれ地域で担っていきただきたい。そこは責任の主体として、市町村主体でやっていただきたい。

名張市長

県庁所在地の自治体は病院が集中していると言われて、二次救急の受入がないということですが。

知事

規模が小さいので市民病院もない。今度、合併したから津国立病院が入っています。

津市長

一次と二次、ごっちゃになってしまった。一次の人でも二次に行ってしまう。

名張市長

二次のドクターが火を吹いてしまう。

知事

津当たりは今でも救急患者の一部は松阪へ搬送しているでしょう。鈴鹿へも。そういう状況です。二次救急をどう充実させるかが大切。

津市長

二次救急を振り分けるというか、言葉悪いですけど、どういう形がいいか議論が必要。

伊賀市長

小児救急は入院をなくしたんです、ドクターがいないから。

名張市長

これから小児科を充実していこうと思っている。

伊賀市長

名張は高度医療を目指すでしょう。

名張市長

小児医療センターで療育医療も兼ねたものです。

津県民センター所長

津の方は三重大もあり、小児医療につきましては三重中央は高度化しましたので、非常にいいですけど、ただ大人の救急は厳しい状況です。

小児機関としては三重病院もあります。これ県下の基幹病院で、ここが強みです。今後、津市が夜間休日応急診療所の建設を予定しています。

津市長

観光局ができましたので、三重県全体をどのような感じで、市町と三重県とが協働していくのか

知事

観光の新しいプランができていますよね。地域編もあり地域での取組も掲載しています。

津市長

観光の政策で広域へということではなかったですか。

知事

東紀州、伊賀、南勢志摩、北勢、中勢の5つ。中勢は津から松阪にかけてのところが入っています。

伊賀市長

障害者の自立支援法の件ですが。

知事

障害者の自立支援について、老人でランク分けしたようにしようとするわけです。それが一次障害とか二次障害とか、なかなか見ていてわからない。一定の時間のときはいいんだけれど、少し時が変ると症状がかわってくるものだから。

名張市長

自立支援法の特色は3障害を一元化している。精神だけおいていかれていたが、認定が一番難しい。

伊賀健康福祉事務所長

精神も今の制度的には3障害一緒という形になったと理解しておりますが。精神の場合は福祉サービスがもともと出遅れていてサービスの基盤がないというところで、各地域で在宅支援を精神障害の基盤がないという意味ではこれからの部分が多いのかなと理解しております。

知事

今まで利用できなかった精神障害も逆に利用できるようになったのではないのか。

伊賀健康福祉事務所長

今まで医療費については先んじていたんですけれども、福祉サービスについては遅れていた部分も一緒になったというふうに理解しております。

名張市長

障害者手帳の申込が少ない分野。ですからそれを促すための政策的なことが上乗せなされた。

津県民センター所長

今日は本当にありがとうございました。膝づめらしくいろいろな貴重なご意見をいただきありがとうございました。

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