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平成26年01月06日

県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(東紀州地域)の概要

1 開催日時

平成19年8月30日(木)
15:30~17:30

2 開催場所

熊野市保健福祉センター

3 出席者

尾鷲市長、熊野市長、紀北町長、御浜町長、紀宝町長、知事 ほか

東紀州地域の「膝づめミーティング」
東紀州地域の「膝づめミーティング」

4 知事挨拶

それでは、座ったままで失礼します。 まず、今日は東紀州にまいりまして、膝詰めミーティングを開催をさせていただきました。平素、皆さんには大変、県政にご理解、ご協力をいただいておりますことをお礼申し上げますと同時に、今日、またご出席いただきましたことをお礼を申し上げるところであります。

今、話がありましたように、平成15年、私が知事になりましてすぐから毎年開催をしておりまして、今年で5回目ということになります。皆さんとのこういう膝詰めミーティングという三重県全体でやるときとは違って、その地域、地域で、その地域の特色を生かしながらまちづくり等に大変一生懸命ご努力いただいている皆さんと、当然、県は県土づくりという形で、これは切り離しできないものでございますから、ともにやはり同じ思いを共有しながら、しっかり取り組まさせていただきたいなと。特に、県政におきましては、最大のパートナーは、いつも申し上げておりますように市・町であると、こう思っておるところでございます。今日も、忌憚のない意見交換をさせていただき、有効なものとなるよう、まずはお願いを申し上げるところでございます。

さて、東紀州地域の最近の状況でございますけれども、世界遺産に登録をされました「紀伊山地の霊場と参詣道」ですが、ちょうど3年目を迎えておるところでございます。そして、その後、今年の2月には、熊野古道センターが尾鷲の方にできました。あわせて4月からは、「夢古道おわせ」という民間の皆さんが中心となって、集客・交流の要という形でいろいろ機能をしていただいています。尾鷲においては、深層水、これにつきましてもさらに活用が広がって、展開がなされておるというところでございます。

交通アクセスにつきましても、今、近畿自動車道紀勢線、だんだんと東紀州に近づいてきておるところでありますし、また、紀伊長島・海山間におきましては、用地買収がもう始まっておる、まずは、新直轄の区間では、海山と尾鷲間、これを優先的にできるようにしていきたいなということで、国にもお願いしておるところであります。

それから、熊野・尾鷲道路につきましても尾鷲南から三木里間、これは19年度末に供用開始となるということになっておりまして、いずれにしましても、熊野までの間の道路につきましては、かなり急展開に進展をしておる、こう思っておるところでございます。

それから、実は、私オファーではないんでありますけれども、熊野の方におきましては、御浜町と舞台が一緒でありますが、第41回のサイクルロードレース大会、これは経済産業大臣旗を出すということで、全日本実業団対抗サイクルロードレース大会として開催をされるということでございます。ちょうど防災の日で、私がこちらへ来ることができないので、本当は副知事も一緒に防災の日に参加の予定だったんですが、副知事にこちらに来てもらうという予定をしております。毎年、これまで「ツールド熊野」というのが開催をされておりました。関係の皆さんの、本当に熱心な取組、そして、やはり地元を地域を愛するがゆえにまたいろんな形で工夫もされてきました。その実績が認められたということにおいては、今、まちづくりやいろんなことに取り組んでおるこれからの大きなモデルにもなるような取組だと思って敬意を表しておるところでございます。

それから、紀州犬サミットも12月に開催を予定をしておるということでございますけれども、紀州犬も熊野古道を使った熊野古道ウォークですか、こういったものとか、いろいろ地域一丸となって取組がされておるというところでございます。

いずれにいたしましても東紀州につきましては、今後、この熊野に予定をしております集客交流施設の開設や、それから、あわせて高速道路を含めたアクセスの進展、こういったことでかなり取り巻く環境が変化してくるんではないかと思っておりまして、ともにその方へ向けて努力をさせていただきたいと思っております。

さて、少し、県の政策課題あるいは「美し国 三重」イベント等について申し上げていきたいと思います。

今日は、皆さんのお手元に、地域政策の冊子が配られておるかと思います。実は、今、県では、県政のステージとしまして、地域主権の社会を実現するために、「文化力」と「新しい時代の公」、この2つ柱を中心にして取組を進めておるところでございますが、実は、その観点で、今日、お持ちをいたしましたのは、34ページを開いていただきますと、特集としまして、地域文化の力というのがございますけれども、東京大学の神野先生にご講演をいただいたところでございまして、「感性を欠いた経済大国」という基調講演をいただきました。そして、そのあと、40ページ以降では、パネルディスカッションの記録が書かれております。「地域文化の力は今こそ文化力の時だ」と、こういうことでございますが、実は、この文化力ということについては、今年からの第二次戦略計画の政策のベースにしておるものでございます。この第二次戦略計画におきましては、文化力に基づく政策を、新しい時代の公にふさわしい、そういう展開をしていこうと考えておるところでございまして、ぜひ皆さん方にはこの文化力の考え方をご理解をいただくのに、少しでも資するんじゃないかということでお持ちいたしましたので、また、後ほどお読みいただければさいわいでございます。

さて、今日、意見交換の議題とさせていただいております「心のふるさと三重づくり」これを進める一環として実施をいたします「美し国 三重」イベントについてでございますけれども、これにつきましては、これまでにも少し皆さんに開催趣旨、あるいはスケジュール等について、お話をさせていただいてきた機会があろうかと思います。

現在、このイベントにつきまして目指すべき方向、それから基本的な枠組、それに伴います基本構想につきまして有識者の皆さん、あるいは市町の職員の代表の方にも入っていただきまして、委員会を設置をしまして検討を進めさせていただいているところでございます。

これまでの委員会でのご議論を踏まえまして、基本構想のたたき台がまとめられておるところでございます。その後の議論も今、まだ進んでおるところでございますけれども、今日はそのたたき台をお示しをいたしまして、皆さんとの意見交換をさせていただきたいと思っております。

このたたき台の詳細につきましては、後ほど担当部長の方から説明をさせますけれども、それに先立ちまして今回のこのイベントについての私の思うところを少し申し上げたいと、このように思います。

私は、県民の皆さんに21世紀にふさわしい“豊かさ”、そして“しあわせ”を感じていただけるそういう地域やあるいは三重県、こういうものを県民の人生の舞台としてつくってまいりたいとこう考えておりまして、今回、イベントもそのために行うものであると考えております。ここ、三重の地は、いにしえより「美し国」と呼ばれ、また、日本人が世界に誇る文化的資源に恵まれておるところでございます。

2013年(平成25年)に伊勢神宮の式年遷宮がとり行われるわけでございます。そういう意味では、それに向けた諸行事も今、始まっておりますし、三重県の魅力、これを広く発信をしていく、そして県内外の交流を活性化していくという、そういう好機を迎えておるんではないかと思います。

それから、イベントというとらえ方についてでありますが、地域のさまざまな資源を活用しましたイベントというのは、ただ単に観光のみならず地域への誇り、あるいは愛着を深めていく力があると思っております。また、それを持って多様な交流を創出しまして、自立、持続的な地域づくりにつなげていく、そういう力もこのイベントというのはもっておる、こう考えております。

今回のイベントを通じまして、私としてはそれぞれの地域があるべき姿を共有しながらオンリーワンの地域づくりに取り組んでいただきまして、三重ならではの21世紀にふさわしい理想の地域づくり、この「美し国」というものに磨きをかけていただけたら、一緒にそういう磨きを掛けていきたいと思っておるところでございます。このことにつきましても文化力を生かして「新しい時代の公」の手法で取り組んでいく、それこそが自立・持続的な地域づくりになるんではないかと思っておるところでございます。ぜひ、今日は、皆さんにおかれては、地域の皆さんが主体となった地域づくり、これをベースとしたイベントを実施をして、その成果を生かして、自立・持続的な地域づくりを進めて行くものであると思っておりますので、今回のこのイベントにつきましては、ぜひ、いろんな意見交換をさせていただけたらと思っておるところでございます。

今後とも文化力に基づいた新しい時代の公にふさわしい進め方で県政全般を進めてまいりたいと思っております。どうぞ、そのことをお願い申し上げて私のごあいさつを兼ねた説明、そして、今日はよろしくお願いします。

5.県の政策課題

美し国イベント(仮称)について

政策部長

失礼します。政策部長の戸神でございます。どうぞよろしくお願いいたします。失礼して座らせていただきます。

知事からお話がございましたように、基本構想を現在策定中でございますが、その策定につきましては、23名で構成されます策定委員会の方に取りまとめをお願いしているところでございます。

実は、8月1日の日に委員会を開催いたしまして、これまで検討をいただいてきました事項をベースにしたお手元にございますたたき台をお示しして議論をお願いしたところでございます。その議論の中では特に基本理念の部分について、やはり抽象的でわかりにくいということで、さまざまなご意見を頂戴しておるところでございます。例えば、「メッセージ性がない」ですとか、「美し国」の持つ意味や、「文化を生かす」ということについてもっともっと掘り下げた議論が必要ではないかと。また、「人づくりの視点が欠かせない」等々の内容を頂戴いたしました。

そして、事務局に任すのではなくて、委員さん我々でもっと議論をしようということで、10名の方で小委員会を構成していただきまして、現在、さらに議論を深めていただいているところでございます。本日の皆様方からのご意見も頂戴しながら、基本構想を取りまとめてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、たたき台の内容につきましてご説明申し上げますと、このたたき台では、まず、なぜイベントを行うのかという開催の趣旨、それからイベントの哲学とも言えます基本理念、それを端的に言いあらわします「コンセプト」「テーマ」、また本イベントの特徴とも言えます基本方針、それから、平成21年から26年の間のイベントの構成など、現段階のたたき台として10の項目を記載してございます。

まずは、1ページからご覧いただきたいと思いますけれども、1番に書いてございます開催の趣旨でございますが、この部分につきましては、先ほど知事から知事の思いとしてご説明がありましたので、私からは省略させていただきまして、下の方の2番の基本理念から入りたいと思います。

今回のイベントは、「地域が抱える課題を解決し、住民が望む未来を構築するものである」という課題解決型の地域づくりイベントであるということ、そして、地域の取組をサポートして新しい価値を創造する環境づくりを行うという行政の役割について記載してございます。大きく2つないし3つの点を申し述べますけれども、最初に申し上げましたように、この部分、特に小委員会の方で議論を深めていただいていますので、さらに充実した定義が行われるというふうに考えております。

次に、2ページをお願いいたします。2ページは、名称、コンセプト、テーマ等の案が書いてございますが、まず、イベントの「名称」でございますけれども、名称につきましては、端的に三重の魅力を表す言葉として広く認知されております「美し国」を使ったものとしておりまして、先人の弛まぬ努力により営々と築きあげた「美し国」をさらに磨き上げ、21世紀にふさわしい「美し国 三重」にしていきたいという思いを込めたものにしていきたいと考えております。

次に、「コンセプト」でございますが、コンセプトは基本理念を端的に表して、今回のイベントに携わる者が常に念頭に置くものという位置づけをしてございます。「テーマ」はそれをよりわかりやすく表現したキャッチフレーズ的なものという考え方でございます。いずれもここには複数案を記載してございますけれども、これらにつきましても基本理念の議論を深化できまして、さらに検討が深まるものというふうに考えてございます。

それから、2ページの中ほどの6.「イベントの基本方針」でございます。今回のイベントの特徴を4つに整理して記載してございます。

まず、1つ目ですが、「新たなイベントのスタイルを創造する」ということで、景観形成ですとか植林、環境問題に向けたムーブメントを含めまして、2009年から2014年まで続く「美し国 三重」をめざす取組すべてがイベントであると位置づけてございます。

2つ目は、イベントの会場の考え方でございます。今回のイベントは、県内全域を対象に考えておりますが、地域づくりの成果を生かすことを基本にしたいと考えておりますので1カ所の会場で行う、いわゆる“囲い込み型”のイベントではなく、「“まち”そのものをパビリオン」と捉えまして、地域の皆さんの日常の暮らしの舞台そのものを会場にすることを基本にしてはどうかというのが考え方でございます。

3つ目でございます。地域資源の持つ多面的な価値に着目するという「地域の個性や文化へのこだわり」についてでございます。

3ページになりますが4つ目でございます。「イベントの担い手」ですけれども、行政が主導するのではなく、住む人、訪れる人、地域の多様な主体が率先して参画し、主体的に取り組むものであるというふうに考えてございます。

(1)といたしまして、イベントの展開方向でございます。2つの展開方向に沿ってやっていきたいというふうに考えてございます。展開方向1につきましては、「美し国」に磨きをかけていくためには、まずもって地域への誇り・愛着を取り戻すことが重要でありますので、自分たちの地域を見つめ直す取組を展開するということ。2つ目には、情報発信の観点でございますが、日本人ならではの感性や新しい豊かさを国内外へ発信する取組を展開しようと考えてございます。

次に、(2)イベント展開の視点でございます。下の方に図もございますけれども、「美し国」づくりにつながる地域それぞれの取組をカテゴリー化して展開するA案もございますし、あるいは、「美し国三重」の取組を、例えば食、街道、技、木などに分類してイベントを展開するB案のような考え方もございます。また、年度別に重点地域を決めてイベントを展開するC案など、そしてさらにはこれらの複合案などさまざまな形態が考えられると思っております。

次に、4ページをお願いいたします。7番のイベントの展開期間についてでございます。今回のイベントは、単年度ではなく、2009年のオープニングイベントから始まり、2010年から2013年の地域でのイベント、そして2014年の集大成イベント、ひいてはその成果を生かしてその後の自立・持続的な地域づくりにつなげる長期にわたるものでございまして、その間の展開スケジュールについて記載してございます。

次に、5ページをお願いいたします。8番のイベントの構成でございます。

まず、イベントの種類として、期間中に開催される多様なイベントの形態につきまして、①から④に整理してございます。そして、(2)で「情報発信の対象」でございますけれども、まず、地域づくりの担い手であり、また、イベントの参加者である県民を主たる情報発信先と位置づけますとともに、イベント全体の情報発信は国内外に幅広く行う必要があると考えてございます。そして、「構成するイベントの具体例」といたしまして2009年のオープニングイベント、6ページにありますけれども、2010年~2013年の地域でのイベント、2014年の集大成イベントについて記載してございます。

6ページの下の方になりますけれども、イベント全体の推進組織でございます。県が主導するのではなく、市・町をはじめ地域の多様な主体が参画し、一体となってイベントを推進していくための組織体制を考えてございます。ぜひとも市・町の皆様にもご協力をお願いしたいと思います。

たたき台については以上でございますけれども、関連いたしまして、お手元にチラシを1枚お配りしてございます。文化力フォーラムのチラシがお手元にまいっておると思いますけれども、よろしいでしょうか。

県の方では、文化力フォーラムを開催してございますが、今回は9月29日に、伊勢市の二見にございます賓日館におきまして「美し国 三重」の地域づくりにつきまして基調講演とパネルディスカッションを開催いたすもので、ぜひともご参加の方、よろしくお願いしたいと思います。

私からは、以上でございます。

野呂知事

今の、この三重の文化力フォーラムのことですが、基調講演をしていただく宮本倫明さん、この方は、今現在、三重県の「美し国 三重」イベント基本構想策定につきましてアドバイザーをお願いしておりますが、今後、この後、年明け以降は、基本計画、そして実施計画、これを来年の夏までにずっと仕上げていくわけであります。そのときに、そういった作業についてもいろいろと宮本さんと発想を生かしていくということになろうかと思います。「えひめ町並博」等でも、三重県で今、やろうとしておることに非常に共通したいろんなまちおこしの仕掛けを展開されてきたので、ぜひこれは皆さんにも直接聞いていただくと、後の取組の非常に参考になると思っています。

熊野市長

まず、膝詰めミーティングミーティング、毎年機会をつくっていただいて、なおかつ今年は熊野でやっていただきましたことに対して、御礼を申し上げます。

「美し国 三重」イベントについては、私は、結論から言って大賛成でございます。これほど長い期間、しかも全県的に県を揚げて三重県のよさを情報発信するということは、やはり県が音頭を取ってくれない限りできないことでありますし、基本的に大賛成であります。伊勢神宮は、三重県で最も情報発信のあるところでございますし、その20年に1回の式年遷宮を活用するというのももっともな話じゃないかと、この地域にとっても、「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉がありますので、我々もこういう機会を与えていただければ、一生懸命取り組んでいきたいなと思っております。

知事が日頃から言っておられますまちづくりのキーワード「文化力」「新しい時代の公」という考えに沿って仕組まれるイベントだと、ある意味、そのことが分かりづらいという面につながっているのかもしれませんけれども、逆に分かりやすいイベントになれば、画一的なものになるということがあるので、やっぱり、まさに文化力、それぞれの地域の資源をどうやって生かすか、それによっていろんな取組や運動が出てくるのではないかというふうに思いますので、分かりやすいことがかえって私はいろんなアイデアを出す、いろんな創意工夫を出すという意味では、いいことじゃないかと、ある意味抽象的で分かりにくいというのは、こういうイベントの場合は好ましいことではないかと思っておりますので、むしろそういう言葉が出てきたときには、もっと考えろというふうに知事がきつく言わないと思いますけれども、基本的に大賛成で、こういう取組を通じて、それぞれの地域が分かり合うということにもなるでしょうし、分かり合うことがある意味では切磋琢磨という意味での競争ということにもつながると、それが県全体の発展につながると思いますので、分かりにくいといういろんな声があるでしょうけども、ぜひしっかりと進めていただければありがたいなというふうに思います。

細かいことで1つ言うと、コンセプトの中に、せっかく「新しい時代の公」と「文化力」という言葉があるんであれば、コンセプトにそれを入れたらどうかなと。ですから、コンセプトに文化力を生かした「美し国」づくりというふうに2つ目に書いていますけれども、新しい時代の公による文化力を生かした「美し国」づくりという、もう、それぞれまちづくりのキーワードを入れたイベントにすべきじゃないかなと思います。

トップバッターで簡単でございますけれども、これぐらいにさせていただきます。

古川御浜町長

御浜町の古川でございます。

今、河上市長が言われたことの繰り返しになります。「美し国」のこれからのあり方として、我々行政として、地域への誇りづくり、多様な交流を創出しているということがうたわれておりますが、そのとおりだと思いますし、「美し国」ということで、あるいは「新しい時代の公」という、今、市長が言われましたように、具体的な肉づけを期待するぞということを言っていると思います。それが、地域がみずから自分たちを鍛えていくと。そのためには、やっぱり多様な交流が必要でありますし、三重県内といっても南北の交流を盛んにするというだけでも、大変な動きが生じるだろうと思います。そのためにも式年遷宮までの高速道路の熊野までの開通というのは我々から見ますと、松阪から北の方の三重県の圧倒的な住民を抱えております地域の方々は、東紀州は背中だと思います。それをぐるっと後ろ向きに見てくれて、日帰り1泊で東紀州に行こうかというふうな動きが出るだけでも、県内で大きな動きが生じると思いますし、それが日本各地、世界への発信にもつながっていくというふうなことが言えると思っておりますので、細かなことでありますが、このイベントが本当に我々が自分たちのことなんだと、自分の課題だというふうなそういうふうなとらえ方をされるように頑張っていきたいなと思っております。

紀宝町長

今日は、知事さんにおかれましては、熊野までおいでいただきましてありがとうございます。

私も市長さん、それから御浜の古川町長さん言われたこととほとんど同じでありますけれども、まず、感謝申し上げたいのは、本当にこの地域に知事さんのご英断いただいて、高速道路が着々と進んでいる、これが私どもの地域にとってそれぞれの文化力を発信するにおいても一番の核となる大事な問題であろうというように思っているところでございます。大変ありがたいと思っております。一日も早く完成できるように、地元としても努力をしてまいりたいと思っております。

この「美し国」の部分で、非常に私も全体の中でわかりにくいという部分は確かにあるわけでございますけれども、地域の中で取組をしていく上において、知事さんがおっしゃるように、やはり地元で考えていくということが大事ではないかなと、そんな思いを、自分自身も常に思っているわけでありますけれども、そういった機会をなかなかつくることができなかったという意味では、今回、いい提案をいただいたのではないかなと、そういった形のあたりでしっかりと地域としてもこれからの取組を進めていく必要があるのではないかなと思っております。

ただ、お伊勢さんの御遷宮、これにあわせてやはりイベントについても県民の皆さんが発信されている、先ほどご説明もございましたが、国内外に向けてということでございますけれども、やはりお伊勢さんの文化力といいますか、日本人の心のふるさととして発信力というものは、大変なものがあると思いますし、御遷宮ということでちょっと話が外れるかも分かりませんけれども、私どもの地域でも、どこの地域においても同じだと思うんですけれども、伊勢神宮の御遷宮にあわせて神社を通じて、やはり御遷宮に協力しようということで、いろんな取組がそれぞれの地域でされていると思います。そういった意味でこの伊勢神宮の御遷宮ということで、大変大きなインパクトになるだろうと思いますし、それに含めて附随して、私どもの地域も、日本国民も一緒になって取り組んでいける大変大きな機会ではないかなと思っておりますので、それらを含めてこれから大いに地元としても取り組んでいきたいと思っております。

尾鷲市長

私も、熊野市長さん初め、3人の首長さんのご意見と同じなんでが、基本的には賛成です。ただ、各市町によって、年間のイベントスケジュールというのはございます。ですから、三重県としての共通のイメージ、「美し国 三重」イベントという名称については、1つは、国の観光立国の新しいスタートということもあって全国の都道府県が観光をテーマに競争に入っていきます。先行しているところもあれば、これからというところもございますが、いずれにしても国内の各都道府県が競争相手でありますので、三重県らしさを出してほしい、切り口を変えてほしいというふうに思いますし、また、アジアから人を呼べるような趣向を出してほしいというのが、全体的な要望であります。

後は、各市町によって財政状況も違いますし、イベントも長期にわたりますので、ある程度温度差ができてもしようがないだろうと思うんですね。私どもの尾鷲市を言うならば、年間スケジュールのイベントがありますので、それをいかにお金をかけないで知恵を使ってこのキャンペーンに乗っていきたいということで、それぞれの取組方に格差があってもそれは許容してほしいなと、こういうふうに思っております。以上です。

紀北町長

皆さん同様、「美し国 三重」のイベントは、賛成させていただきます。平成11年のときのイベントがありまして、予想以上にたくさんの人が集ったという記憶、それからそれを目視した結果、このように人が出てくるのは、このまま放置していいのかというそのような発想、考え方が出たので、そこで両協同組合の組合長といろいろ商工会も入れて、そこから港市構想が出てきました。それがいまだに続いているような町です。ですから、イベントのそれは1つのメリットでありますね。それははっきりと私は覚えております。

それから、期待したいのは、6番のイベントの基本方針として、新たなイベントのスタイルを想像していくということでして、このことは、非常に着想としては面白いんじゃないかなと、どんなスタイル、このコンセプトは「文化力を生かした」とか、「新しい時代の公」なんですが、河上市長がおっしゃったように大き過ぎるので、その中の何かコンセプトの具体的なものが要ってくるだろうと、あえて広すぎますけれども、その中でもう少し具体性のあるものをつけ加えるということは必要ではないかなと、そんな気がいたします。

だれかも言われましたけども、今、近畿自動車道紀勢線の建設がおかげで進捗しておりますが、そのときに我々が一番危惧することは、通過地点なんですね。通過地点にならないように努力をいたしておりますが、その魅力の中で、例えば尾鷲市、熊野市、何々町というそういう自治体単位の売り方、それも大事なんですけれども、これまでやってきたのが東紀州地域ですね。それで、今回の人たちも分かってくれるんかいという議論が出てきております。そして出てきたのは、南三重なんですね。地域全体の呼称ですね。そういうことにもご配慮いただいて、これは県全体で三重県を全国、あるいは国内外に売っていくのはよく分かるんですが、この東紀州の一員としては、特に地域振興していかなくてはいけない必要性が非常に高い、その中で、全体的な地域をくるめた、一まとめにした売り方、情報発信の仕方というものを考えていただきたいなと、そのように思います。

既存の、郷土の持っているイベントの数々を集約しただけではつまらないなと思っておりますので、それぞれの実行委員長とか代表者については、新しい創造性のあるものをということで、今後、情報を提供しなきゃいかんかなと考えています。

野呂知事

ごもっともな意見なり、あるいは今後の参考になるようなご意見もいろいろ言っていただいたかと思います。

少し、コメントをはさませていただけますならば、まず、このイベントについてのスケジュールでございますけれども、今年、年内いっぱいかかって、この基本構想をまとめるということにいたしております。それまでの間に、県議会の方のいろんなご意見、ご要望もありますし、それから県民の皆さんからもご意見もいただいていこうと思っております。もちろん、先般から膝詰めミーティングを実施しておりますので、皆さんからいただきました意見も、細かい意見はまた先のことになりますが、基本構想の中へいろいろと活かさせていただきたいと思っております。

12月に、大体、基本構想案が決まってまいりましたならば、年明けから、実は推進組織を早速立ち上げをさせていただきたいと思っております。この推進組織は、いろんな主体が「美し国 三重」のイベントには関わっていただきますので、そういった方々になるべく入っていただくような形で、もちろん市町の関係の皆さんにも入っていただく、そういう形でこの基本構想に基づいた基本計画づくりに取りかかっていただく予定です。

そして、その基本計画とあわせて具体的に、じゃ、どういうものをやっていくのかというような実施計画を策定をしてまいります。大体、基本計画といたしまして、年明けて5月、6月ごろまでにそれを発信していくような形に策定作業を進めていただきたいなと思っています。

その後、大体、夏、ちょうど1年ぐらい先までにかかって実施計画をつくってまいりまして、9月にはそれがお示しできるような形にしていきたい、こう思っておるところであります。それに向けて、各町、今の段階でこのイベントについてどう受け止め、どう取り組んでいくのか、それぞれのお立場でおっしゃっていただきました。私としては、自分たちの町のまちづくりそのものがこのイベントにもなるし、その成果を情報発信として出せるならば、全くそれが一番のねらいでもありますから、今までのイベントとは少しまた違った角度から挑んでいただいたらいいと思っております。もちろん、各町では、尾鷲市の市長さんがおっしゃったように、既存のいろんなイベントが、既存のイベントを活かしていただくということも非常に大事な観点でもあるかと思います。

それから、奥山さんがおっしゃったように、各町それぞれのそういう展開の仕方だけではなくて、むしろ東紀州なり、南三重なり、地域全体で1つのイベントに向けてのイベントのあり方を模索して、そして共同の実施の仕方、こういったものがあってももちろんいいのではないかなと思っております。

いずれにしましても、まだこれから具体的な肉づけはやっていくということでございますので、地域のそれこそ御浜町さんや紀北町さんもおっしゃったように、やはり自分たちの町をどういう町にしていくんだというその思いを、このイベントに向けて発表していただくならば、それぞれ地域の方々のそれこそ文化力というところの人間力も増していくし、そして地域全体のそういった力も増していくんではないかなと、こう思っております。

熊野市長さんの方から、「文化力」あるいは「新しい時代の公」という言葉を、コンセプトの中に入れたらどうかというご意見ですが、そういったご意見も委員会の中で引き続きご議論をいただいていきたいと思います。

知事

最初から総務部長おりますので、幾らぐらい金つけられるのか……。

熊野市長

そこは関心ありますけどね。しかし、お金の問題じゃないようなきがするんですけれど。まちづくりはそれぞれの地域の考えることですので……。

知事

今まで余り発言させてなかったので…

総務部長

うちの方も、政策部長には非常に大きな話だし、ある程度それがないとイメージもわかないじゃないかということですけれども、やはり金のないときは、知恵とかで工夫していただいて、必要な効果が上がるようにこれから検討していくことになるかと思います。

知事

実際の作業として、今は、どれぐらいかという想定まで行っていませんけれども、少なくとも基本構想ができ上がっていく中で、大体どれぐらいのイメージの計画を立て、具体的な実施計画そのものまで含めて、その中で、もちろん役割分担もありますし、私どもとしては県が一番中心となってやらんならんオープニングのイベントであるとか、あるいは最終の総仕上げのイベントがありますね、こういったこともちょっと想定しながら、おいおい提起できるようにしていきたいと思います。それから、もう一つ、できたら、民間の方々、例えば企業とかそういうところも積極的に自らこういったイベントを展開できるようにしたいと、そういう展開の仕方もぜひお願いしていけたらなと思っております。

紀北町長

東紀州は特に、海と山が非常に接近しているんです。そんな中で考え方として、山に関したイベント、海に関したイベント等の考え方で、今までのものではないものを発想するのも面白いかなと思いますけどね。

知事

また、具体的ないい提案ができるようだったら、まだ、多分、来年1月以降の話になりますのでね。

紀北町長

まだ漠然としておりますから。

御浜町長

先ほど奥山町長から南三重という呼称についてのお話がございました。これについては、知事さんもおいでのところで各首長さんたちも積極的に話が出ていたかと思います。河上市長も盛んにそのことを言っておられましたが、私はそういう意味で熊野古道も今、和歌山県の中辺路が先行していると思います、実際には。我々の三重県の熊野古道は、ある意味でこれからの未知の魅力を秘めているということでの大きな可能性があるわけですし、このことは「美し国 三重」を売り出す上で、1つの大きな柱であるに違いないというふうには思っておるんです。

それで、三重県は、伊勢と熊野を抱えているその間の道ということで、熊野古道伊勢路という言い方を、熊野古道伊勢熊野路とそういうふうな言い方をしたらどうでしょうということを、提案申し上げておりますので、面としては南三重、道としては伊勢熊野路というふうな、そういう名称が持つ発進力というのは、世界に向けて位置関係としても分かりやすいのではないかと、そのようなことを思っております。

知事

これはどうかな、関連。「南三重」と言った場合に、旧来の県政の中では使ってきた言葉かな、それとも、あるいは南三重と言ったときに、イメージの上がるものとして、今使っている東紀州だけで納まるんだろうか。そこら辺のところは。

政策部理事

私の記憶では、「南三重」という言葉は、最近使われ出してきているかなと思っています。松阪から42号線沿いで……。

知事

松阪とか、途中の多気郡あたりも入る言葉になっているのかな。

熊野市長

その辺の仕分けは、正直いるのです。奧伊勢、東紀州で、今高速道路を中心にして活性化を図る検討会であるとか、実はそこで最初に、私は使ったんで、我々の認識では、奧伊勢、東紀州だという認識なんですけども。、ちょうど松阪の下村市長さんも同じタイミングのときに言い始めて、ちょっとその辺が混線をしてしまうわけです。ただ、南三重の中には、少なくとも伊勢志摩は、名古屋とか東京の人たちからすれば、イメージがされていないと思うんです。伊勢志摩は多分、独立しているんです。要は、松阪、多気、この辺が入るか、入らないかというところです。ただ、大雑把に考えて、南三重というのは、南の方というイメージでとらえられるかもしれない。東紀州という言葉は本来、ないものですから、要するに、平成5年に東紀州活性化協議会をつくるときに、地域を生かして表す言葉は、どういう言葉があるかということで造語ですから、そういう意味では、この地域を都市の人にイメージしていただくための場所とエリアが1つになった言葉というのは、多分、非常に必要だというふうに思っています。

さっきの奥山町長さんのお話で、連携しなきゃいけないという話は、我々のところが、熊野市だけでも全く情報発信力は全国的なレベルでは非常に乏しい、多分同じ状況だと思うので、やっぱりそのことを考えると、この「美し国」のイベントについても、この地域全体でどういうことができるか、たまたま奧伊勢、東紀州もその取組になっていますので、ちょうどあれは平成25年度までにいろんなことを仕掛けようということですから、ちょうど重なってくるんではないかなとは思っていますけれども。南三重という言葉についてはもう少し議論が要ると思うんですけれども。

知事

今、東紀州対策局という組織にしても東紀州というのを使っているわけですね。南三重というのは、それできちっと売り出そうというのなら、県庁の組織でも南三重対策局といえばいいんだけど、それが、いや、多気や松阪まで含まれるとなると、またここで問題になりますし、じゃ、今の東紀州地域だけだよと、さしあたって、いや、南三重といったときに、南三重という表現をどこかで旧来使っているところがあれば、これもまた問題になります。言葉の使い方を整理したいので、1回、検討してくれるかな。

東紀州対策局長

苦肉の策で、南三重(奧伊勢東紀州)と付いたら。

知事

奧伊勢とやると、もう今度は度会郡の山部地域はほとんど入ってきますね。それから大台あたりも。

熊野市長

大台、大紀町、南伊勢町とこの3つ加えて。

知事

東紀州対策局はあそこの地域は入ってないわな。対象としては、正式には。

東紀州対策局長

おっしゃっていただきましたけど、紀勢道沿線の活性化検討委員会の中で、4部会を設けまして、統一イメージブランディング委員会というのがございまして、そこで一応、検討させていただこうかと思っています。

( 休 憩 )

6.市町の地域課題

内容

尾鷲市長

尾鷲市の尾鷲市総合計画前期5カ年を終わりまして、19年度からは後期5カ年計画に今入っているんですが、私ども、知事もご承知のように、今年の2月には三重県立熊野古道センターをオープンさせていただきました。また、少し遅れましたけれども、私どもの尾鷲市が担当している地域振興ゾーンである「夢古道おわせ」が4月28日、そして夢古道おわせの温浴施設の今月入札が終わりまして発注いたしましたので、来年の春、予定どおり温浴施設のオープンになると、これでやっととりあえず県立施設も含めて当初の予定している3つの施設がそろうということで、今まで比較的尾鷲市は力を入れてこなかったんですが、余りそういう観光という面には非常に弱い部分だったんですが、観光交流元年ということで、今年の年間キーワードに位置づけまして、新たなスタートを切ったわけです。先ほど知事も言われたように、三重県のイベントの「美し国」というのがありますけれども、尾鷲市もこの観光立国推進基本法の施行をもとに、今年から観光というものを尾鷲市の産業の1つに位置づけていこうということで取り組んでいる状況でございます。

また、昨年は海洋深層水も三重県さんの多大なご支援をいただいて、水産庁補助事業でスタートいたしました。そして、その入り口にあります古江小学校というところの跡地には、今年7月16日の海の日に「おわせ深層水しお学舎」という廃校利用の、これは新しい文部科学省の、私は全国のモデルになるんじゃないかと思っておりますけれども、廃校の有効活用ということでしお学舎が開校いたしまして、そこにはまた新たにJAMSTECの陸上局施設も21年度にできるということが正式に決まりました。先般、横須賀のを例にお邪魔をした状況でございます。

そういう中で、我々が知事にぜひとも要望したいのは、海洋深層水やあるいは古道センター等々で公的な施設も含めて企業誘致もしてまいりました。しかし、私たちの地域で、尾鷲市で企業誘致をするということは、本当に「言うはやすし、行うはがたし」でありまして、大変な血のにじむような努力をして、やっと2つ来てくれた状況でありますので、もちろん鳥羽市さんでも企業誘致をしているけれども、なかなか来ない。ですから、ぜひ知事にお願いしたいのは、三重県型のデカップリング補助制度は、実は18年度で終了したわけでありますけれども、尾鷲市は特にデカップリングを使わせていただいて、私が市長になってから6件使わせていただきました。一番最近では、この深層水しお学舎が手掛けている18年度に使わせていただいて、尾鷲市だけで6件使わせていただいて、この制度があったからこそ企業誘致ができたと言っても過言じゃないと思います。ですから、これの復活を東紀州だけとは言いませんが、私たちの地域は特にこういう制度がないと企業が来ないと言っても言い過ぎではありませんので、特別、特段のそういう復活をお願いしたいと思います。

尾鷲市はおかげさまで6件、今まで制度を使わせていただきまして、特に海洋深層水関係では、全国初のクエの陸上養殖、それから、食の安全のHACCP対応の製作加工施設2カ所、そしてしお学舎と、深層水関係ではこんな4つの施設がこれを使わせていただいたわけであります。

もう一点でございますが、今年の7月5日から8日まで中国大連へ行ってまいりました。尾鷲市と中国大連市の金州区と友好都市協定を7月6日に提携をさせていただきました。観光局長にも同行いただきまして、知事の方にもしっかりと報告が上がっていると思うんですが、私どもは友好都市の提携を結んだわけでありますが、今までのような本当に友好都市を結んで仲良くしましょうということでは、今の時代は全く通用しないと思うので、我々が中国を選んだ理由もそうですし、やっぱり、経済交流や観光交流や実のあることの交流が始まらないと、市民の方にも説明責任がつかないということを私は思っておりますので、我々はできるだけ早く、まずは1つは水産加工品でスタートできないかなと、実はジェトロの大連局長とも連絡を取り合いながら、1つのアイデアを出しているわけです。

今日は、坂野東紀州対策局長にその一端を申し述べたんですが、そんなことで経済交流あるいは観光交流。観光交流というのは、時を同じくして鳥羽市さんが静岡県の浜松と岐阜県の高山と中部縦断都市ということで、大連と瀋陽に行くみたいでありますけれども、やっぱり東海圏は、特に中国の観光誘致というのは遅れております。今までの首都圏と京阪神圏、東海道のこの辺のラインで、首都圏と大阪、京阪神が主体になっておりましたけれども、ぜひ、中部国際空港のりっぱな施設ができましたので、ぜひ、三重県においてもあるいは愛知県においても、東海4県おいては、中国からの観光客誘致というのをぜひ前向きにとらまえていただきたいなと。

それから、経済交流ですね。単に観光交流だけではなくて、やはり、この中部圏は自動車では冠たるものがあるんですが、それ以外の一次産品等々においては、やはり輸出というものはまだまだ弱いと思っておりますので、ぜひ三重県においては、そういう三重県の第一次産品を中国やアメリカに輸出するということに対して、ぜひ積極的な取組をしてほしいということを、知事にお願い申し上げたいと思っております。

とりあえず、そういうことで2つお願いをしておきたいと思います。

紀北町長

ご承知のとおり、東海地震、東南海地震、南海地震の同時発生、それによる町の心配。それは紀北町の町民の危惧するところでありまして、その中で特に本日は学校改築というところにお願いを絞りたいと思います。つまり、当町においては中学校が4校、小学校が11校、幼稚園が3校、計18校があるわけなんですね。一応、耐震調査はいたしまして、耐力度調査もいたしております。その結果、中学校1校と小学校2校が改築の数値となってきております。しかも、その中では一番危険度が高い相賀小学校については、生徒数が約260名ぐらいあります。ここは、時代的にも古いんですけれども、総工費約9億ぐらいまで圧縮しました。最初は10億を超えていたんですが、圧縮して補助金あるいは教育施設の借金、教育債を使ったりなんかをいたしましても、約2分の1が一般財源でなければできないということになってきております。4億5,000万円の年内の支出は、紀北町にとってはとても財政課の方からオーケーは出ない、そのような状況であります。

これは、県の教育委員会で聞きますと、「いや、そんな補助率じゃありませんよ」とおっしゃいますけれども、文科省の補助単価、平米14万7,000円の単価、その単価が実勢単価とは違います。今、どう見積もってもこれは地域住民の避難場所ともなっておりますので、鉄筋コンクリートでやります。そうすると、最低限、平米20万円はいくだろうということになります。平米5万3,000円のそこに差額が出てくるわけですね。それは県を通して文科省に上げたいと思っておりますが、県で一応、情報を取ったところ、これは全国平均的な単価でありますから、大変難しいのではないかというような予想が出てきております。

そういうわけで、どうしても3校の改築がぜひとも必要ということであります。後の15校については補強でやっていけるということなんですが、そうしますと、これは県下でも整備率が非常に下の方に低迷しているわけで、教育委員会としてはぜひとも何とか皆様と一緒ぐらいの肩を並べるぐらいの耐震化率まで引き上げたいということで、今なお議論をしてやっていますが、決定しておりませんので、これは県の特段の、この避難所ともなる学校改築をサポートしていただかないと、できないことになってまいりますので、そして、いろいろと知恵を出しながら、今、最も財政が厳しいときだから、先に補強の方をやろうかということも考えています。補強すべき学校の補強を先にやろう、改築は後回しにしようかという議論もありますけれども、大変住民も関心が高くて、厳しいご批判をいただいておるわけでございます。

そういうわけで、県としても制度上、何ら不備はないんですけれども、その状況を踏まえて、もし改築する前までに大きな地震で崩壊と、学校が崩壊して、いろんな尊い命が亡くなったとすると、これはある人に言わせれば、経済力とか財政力格差ではなく、社会上の格差というより命の格差なんだよと、それが歴然と言われるようになってきております。どうか、ひとつ、知事におかれてはその辺の状況をよろしくおくみ取り願いたいと、何かいい支援策を考えてもらえんかなということでございます。

以上でございます。

知事

大変重い課題だなと思いまして、尾鷲市の市長さんからは、今の取組をいろいろとお話がありました。本当に尾鷲の方も皆さん、頑張っていただいていて、徐々にそういった効果が出ており、大変そのことは敬意を表して喜びたいと思います。

観光振興については、ぜひ、今後いろんな受け入れ態勢の整備だとか、そういうことも含めて取り組みいただきたいなと思います。特に、観光につきましては、観光による経済効果というのは三重県で調べまして、それにつきましても以前、県で調べた数字について申し上げたことがあろうかと思いますけれども、最近、県の方で、昨年18年度に新しい数字を試算をしました。そしたら、実は、最近の経済効果の数字は、3年ほど前よりもはるかに大きくなっておるんですね。

ところがその中でちょっと問題があります。例えば、三重県全体で観光客が100万人増えたとすると、100万という単位は非常に大きいですが、県全体で取ったことですので、100万人で。そうすると、県全体で290億円の経済効果があり、そして、雇用効果としては3,016人の雇用効果がありますということです。ところが、これを地域別にその効果を見てみますと、伊勢志摩においては100万人増えると、333億の効果がある。そして雇用効果としては3,500人を超えるんですね。ところが、これを東紀州に持っていきますと、同じもし100万人が東紀州に来てくれても240億、伊勢志摩と比べますと100億近く差が出るんですね。雇用効果も2,500人と。したがって、1,000人ほど雇用が違ってくるということなんですね。こういう格差が出てまいりますのは、どういうことかというと、結局は観光客1人当たりの観光消費なんです。これが、多いか少ないかということですね。特に、これに影響をもたらしますのが、宿泊客が多いかどうかということなんです。

したがって、この宿泊が多いということは、取りも直さず観光の効果を、経済効果を非常に高めるんですね。したがって、観光振興については、ただ単に来てくれ、来てくれというキャンペーンだけではなくて、実は受け入れる方の側の宿泊施設であるとか、民宿関係であるとか、こういったものが体制として整っていかないとだめなんだと、こういうことがありますので、これは民間の方々にもお願いしていかなきゃいかんし、私ども何か可能性はないのかというので、県内の企業等でも東紀州あたりでどうなんですかということを時々言うんですが、なかなか簡単な話ではないんでありますけれども、そういったことと連携しながら整備をしていくということが大事だと思っております。

それから、地元資源を生かした観光交流というようなこと、これについてはいろいろと今までの取組もございますけれども、私どもとしては観光プロデューサーを置いておりますので、これを市町に訪問させまして、いろんなノウハウであるとか観光商品づくり、そういった支援をやっておるところでございます。中国の大連との友好提携については、市長自らトップで訪問されて、いろいろと展開をされてきておると、喜ばしいことだと思います。その成果を今後得ていきたいということでございますが、その中で観光交流についておっしゃったわけでございますけれども、今、東紀州への外国人の観光客の来訪については、例えば、私もここへ、こっちの方へ来ますと、ドライブイン等で少し休憩をしましたときに、エバーグリーンのバスが入ってくるんですね。要するに、台湾のお客さん、これがかなりこの東紀州ルートを活用して1周回ってくるんですね。勝浦泊まりが多いのかなと思いますが、かなり台湾には東紀州一周ルートというのは受けておるようで、ただ、中国は今、日本へ来る場合にはゴールデンルートといういわゆる東京、大阪、それを結ぶ東海道の沿線の中で動くということが多いようであります。

それでも、先般も私どもの副知事も確か伊勢志摩の鳥羽の商工会議所会頭だとか、ああいったところも一緒でしたが、台湾にも行っておりますし、それから中国の方も観光局長が一緒に行ったりということで、いろいろ展開を図ろうとしております。ぜひ、大連関係についても観光等提携させていただいて、ぜひ、より有効な展開ができればと思います。

それから、企業誘致についてお話がございました。これはなかなか、確かにご苦労をいただいて、重い課題だと思います。東紀州地域については、企業支援につきましては、本当に条件不利地だというふうに思っております。従前から、いろんな支援整備をやってきたんですけれど、19年度からこの制度についてはリニューアルをしたという経緯がございます。

ただ、これには、地域資源を活用した事業を行う企業、そういったものを新たに対象として広げたり、あるいは補助率を引き上げたり、あるいは雇用条件といったものもより緩和をするということで、企業が活用しやすい制度にしようということでやっておるところでございます。いろいろと皆さんから使い勝手についてあるのかも分かりません。これについては、後で東紀州対策局長の方からもちょっと補足して説明をさせたいと思っています。

それから、紀北町の学校の件につきましては、なんか重くてお答えしようがないなというような感じですね。県としては、今までの状況の中で申し上げるならば、こういった地域間での財政力の格差が非常に出てきたそういう状況の中で、差し迫った地震対策として、特に子どもたち、あるいは地域の人が避難先にもなるような学校の耐震化、あるいは改築はこれは本当に大変重要な話でございまして、県としては引き続き国に対して、より有効な補助のあり方、支援のあり方、制度についての見直しを求めていくということかなと思っております。今日は、教育委員会の者がおりますので、教育委員会の方からちょっと補足をさせて苦しい答弁をさせていただきます。

東紀州対策局長

それでは、3件の関係につきまして、若干補足をさせていただきます。 この4月から東紀州観光まちづくり公社ということで、その中に産業支援部門を設置いたしまして、こういったことは非常に専門的な知識も要るということで、農林水産部の産業集積、産業支援の仕事をしておりました職員、それから農林水産からもう一人ということで2人配置をさせていただきまして、この地域の産業振興について、今までそういった機能が不足しておりましたので、そういう観点から取り組んでおります。

そういうことで、現在、この地域にございます企業についてできるだけそういったバックアップ、現状のそういういろんなスキームがございます。特に地域資源活用のスキーム等についてつなげるような形で生かしていきたいというふうに考えております。

ただ、企業立地については非常に難しいところがございまして、そこについては地域でもやはり地域の強みを生かしながら、地域の資源であるとか強味を生かしながら誘致してくるという戦略を持てるか、持てないかがということが非常に大事なところになりますので、今年度補助金の制度も19年度から改善をいたしましたけれども、それとあわせて、そういう戦略をちゃんと持って進めていけるように、公社の中の体制もさらに充実をさせていく必要があると思っております。その上で、現在ある企業をパワーアップしていく、現在の企業が地域外へ抜けていくことにないようにするということ、それから、地域の資源、地域の強みを生かせるような企業にターゲットを絞って、そういう企業が起業を起こす、または企業を誘致するというようなところへさらに踏み込んでいけるようなことになればいいなと思って、そういう方向性を強くしながら進めていきたいと考えております。

観光について、知事が指示なかったんですけれど、私ども観光まちづくり公社の中で、当初、観光プロデューサーを配置しようと考えておりましたが、その中でいろいろなことを考えました上で、三重県観光販売システムズというところでその業務の委託をいたしました。そこで、県の観光プロデューサーと連携をしていただきまして、この地域の隠れた魅力であるとか、そういうものを掘りおこすということも大事ですし、それから、それを商品化をしていくということで、従来、大手のエージェントが東紀州の場合は商品化をしていただけなかったですが、観光販売システムズであればそれが可能でございますので、例えば、尾鷲市さんの場合ですと、しお学舎とそれからJAMSTECさんのああいう学ぶ観光みたいなところが、ポイントがありますし、古道センターもございますので、そういう体験を学ぶ観光のような形で商品化することもできますし、また、古道センター自体も高速道路の整備に伴いまして、ちょうど昼食の休憩場所としてふさわしいところということで、エージェントも見方を変えてきていただいておりますので、そういったところを生かせるように進めていきたいと考えております。以上でございます。

教育委員会総括室長

教育委員会から補足させていただきます。 先ほど知事からございましたように、本当に苦しい答弁で国の方へ要望という話になるのですけれども、まず現行制度について少しご説明申し上げたいと思います。

それで、通常の要するに「支援措置3分の1」なんですけれども、東海地震の地震防災対策強化地域という指定がございますので、紀北町さんの場合は、10分の1の補助率嵩上げがされているということでございます。

また、これは、いろんな状況によっては3分の2というのも実はありますので、この辺ついては個々の事例について、またご相談申し上げたいと思います。それの補助に、プラスαで、といいますか、起債が90%ぐらい義務教育施設整備事業費という起債が実はされるわけなんでございます。その起債も3分の2が交付税措置されるというようなことになると思います。実質的に、補助単価の問題がございますので、実質的には大体2割ぐらいのご負担でやっていただけるのではないかと思っています。

ただ、補助単価の場合とかその辺につきましては、引き続き国の方へ、もちろん今までも施設協議会等を通じて要望しておるんですけれども、今後そういうのを続けていきたいと思います。

それと、昨今、新聞等で、要するに小学校等の耐震化の予算倍増というような文科省の来年度概算要求の記事が出ておりますが、これにつきましてもそういうような要求がされるというふうな方向で検討されているということを聞いております。こんな中でもぜひそういった要望をしていきたいと思います。

以上でございます。いずれにしても引き続き、耐震補強は、ひとえに学校の耐震補強は、我々も最重点課題と考えておりますので、積極的にお取組、お願いを申し上げます。ありがとうございました。

尾鷲市長

せっかく知事からいただいたので、もう一つ、私、突っ込んで申しわけないんですけれども、せっかくこの「美し国三重」のイベントをやるわけですね。私は冒頭にも申し上げましたけれども、アジアからも観光客が来てくれるようなイベントをしてほしいと申し上げたと思うんですが、三重県というのは本当に食で豊かな県ですよ。これは全国でも三重県とか兵庫県とか、数少ない海の幸、山の幸、これだけお肉もおいしい、松阪牛も伊賀牛もあるわけですね。こういう一次産品をぜひ輸出することを本当に真剣に考えていただきたい。

と言いますのは、もちろん知事は全国での工業出荷高、あるいはIT産業、シャープさんや東芝さんやそれは大いに結構です。大いに結構ですけれども、それは当然サイクルがありますから、ああいうIT産業というのは釈迦に説法ですけれども、必ずサイクルがありますから、亀山工場の次には堺に行くわけですね。ですから、そのサイクルが終わった後に三重県にまた、それをカバーするのが地元の地場の基本的な業種だと思うんです。地場産業。ですから、私は今から知事がやっぱり一次産品の輸出を、本当に中国やアメリカに対する輸出を真剣にこれだけのネタを持っている県ですから、前向きに取り組んでいただきたいと、それが私たちの地域にも必ずプラスになると思っておりますので、よろしくお願いします。

知事

今の件について少し申し上げますと、もちろんそのことは大変大事なことだと思います。ただ、これまでにいろんな業種間の交流、マッチング、こういうものをやっております。海外と言わずに国内の大マーケットを持っているスーパー等を含めたそういうマッチングを、東京あたりで県が実施をしておるんですね。そのときに東紀州も含め、実は非常に注目されるものがあるんですよ。ところが、そういうものがせっかくあっても、実は、向こうの要求するロットに全く合わない。したがって、そういう意味ではビジネスチャンスをそれでつぶしておるのがありまして、そういう対応も何とかできないものか。輸出ということになりますと、全くいわゆる採算ベースに乗らない形のものをどこまで支援できるのかというような、非常に苦しいやり方を追及していくということだけでは、これは続かないものですね。

したがって、僕は、今、せっかくそういうふうなビジネスチャンスがかなりあるのに、相当対応できそうなところだと思っていても、向こうから言うとロットが合わないというようなことがあって、もっともっとやっぱりそういう工夫が我々行政も入って何かできるようにしていかなければならないのかなと思いますね。

尾鷲市長

すぐ終わります。ジェトロの独立行政法人の廃止等にともなって、特に小さいところの都道府県のジェトロが引き上げる可能性がありますね。ですから、仮にジェトロの身内の人が引き上げた場合には、三重県からそういう出先がなくなるということになるので、その場合にはぜひ県でそういう部分を補えるようにしてほしいなと思います。もし、そういうようなことがなった場合ですけどね。老婆心です。

紀北町長

ありがとうございました。確かにおっしゃるとおりなんですよ。しかし、今日の教育委員会で平米一四七で計算して、トータル勘定すると、今おっしゃった2割以上負担でなくて、5割負担になるんです。ですから、言われたように、文科省の補助額を上げていただきたい。以上です。ありがとうございました。

熊野市長

今の紀北のいろいろな話は、僕の地域、恐らく耐震化は遅れているんで、共通する課題ですし、伊藤市長さんが言われた話も、私が今から言う話の一部になっていますので、回答をいただいているところもあるんですが、この地域の市町の地域課題ということで熊野市の課題を言わせていただければ、それはもう間違いなく働く場所、雇用の場の創出だというふうに思っています。多分、ご存じと思いますけれども、この紀南地域におけるこの有効求人倍率、先日0.47、一番低いところになると0.44だそうですから、全国の中でも最も低い地域になっています。大体、800人の求職に対して、400人弱の求人しかないということで、いかにして働く場所もしくは雇用をつくり出せるか、これは一番大きな課題だというふうに思っています。

合併したので新しく総合計画を策定中なんですが、その総合計画の中でも働く場所をどうやってつくっていくかというのが、もう、一番重要課題と位置づけております。それから、高速道路も知事の大英断で25年度まで熊野まで完成するということなんですが、今のままだと高速道路はプラスとマイナスの面があって、マイナスの面を克服して、プラスの可能性を確実に実現しなければ、このまま過疎高齢化が続き、衰退してしまうという、そういう認識を持っておりまして、この五、六年の間の取組が今後の市政の先行きを左右する、そういうものだという思いで産業振興を進めておると思っています。

行政もリスクを取らなければいけないのだという考えでおりまして、一方で、多数の雇用とか働く場所を一度につくるのは難しい地域なんで、1人、2人の雇用の場、働く場をつくって着実に進めていく方がいいのではないかというふうに思っています。旧紀和町にふるさと公社、三セクでありましたので、メインがみそと梅という高々3,000万ぐらいの売り上げしかなかったんですが、これに東紀州地鶏、今、熊野地鶏と名前を変えさせていただいたんですが、これに今年から取り組み始めて5年の間に3万から5万羽にしようと、5万羽いけば1億円以上の売り上げになるので、1億あれば七、八人の雇用はできるのかなというふうに思っていますし、それと「新姫」を、こういう小さな、熊野市が種苗登録をしているかんきつがありまして、シークヮーサーよりも健康にいい成分が入っているということなんで、今、これを市が中心となって苗木を増やしています。

知事

何という?

熊野市長

新しい姫様と書いて、新姫(にいひめ)と言うんですね。これは多分タチバナの亜種だと思うんですけれども、突然変異でできた。熊野市が種苗登録しているので、今、生産する権利は熊野市にしかないということなので、これの苗木を増やしています。これがやっぱり最低でも1億、2億のものにしていけないかなということで、準備を進めております。

それから、細かい点ですね。魚を使ったしょうゆなんかを、今、実験的にやっていまして、ナンプラーとかですね。あとは、紀和に「きらずの森」という森がありまして、きらずの森条例というのがありまして、ここの水を使ったミネラルウォーターを販売することとか、どぶろく祭りがありますが、税務署で許されているどぶろく、昔からやっているのは白川と伊勢神宮とこの熊野市の大森神社にしかない、東海では。そのどぶろくを商品化できないか、そういうことも、要するに市としてリスクを負う取組もしていかなければ、雇用は増えないだろうという思いでやっているところです。

お願いということになるんですけれども、雇用の場をつくるのは難しい面もあるので、働く場所をつくりたいという思いもあります。一次産品、一次産業には可能性はあるだろう。特に、農業についたら、非常に先行き、世界的な食糧受給がタイトになってくるのは自明になってきているので、可能性が大きく出てきているんじゃないかなというふうに思っています。それで、地元からだけではなくて、Iターン、Jターンを含めて、新規就農者の受け入れをやっていきたいなと。農地でありますとか、施設でありますとか、機械でありますとか、こういうものは当然市として支援をして用意をすると。しかし、素人さんが新規に就農する場合には、栽培技術とか、経営に関する知識、こういったものが必要になるので、残念ながら市ではこういったものに関する指導能力があまりないということがあります。

ですから、こういう面での市ができない面への県の支援をお願いできないかなということです。その2つ目が、やっぱり、先ほど伊藤市長さんのお話にも、企業誘致をぜひしたい。ポイントは、デカップリングも含めて、この地域に対する支援策、リニューアルしていただいたというお話がありますけれども、もう少し条件を緩和していただくようなことも引き続いてご検討いただきたいなと。

それと、我々自身がやはり企業誘致の努力をしたいという思いも強くありますので、いろんな情報をいただければ、当然トップセールスということも含めて市を揚げて、企業誘致に努力をしたいと。前向きにぜひ情報をいただければありがたいなという思いでございます。

それと、ちょっと多くて申しわけないんですが、スポーツの集客で非常に伸びています。平成12年に6,000人ぐらいの宿泊だったのが、18年度には1万6,000人、これも関連する宿泊を考えれば、2万人ぐらいは増えていますから、このおかげで新しく新規宿泊施設を始めたところとか、やめていたのを新たに再開したとか、そういう効果が現実に出てきております。市としては、今、2万人弱のスポーツ集客が5年以内には、5年から10年たった状況には5万人にはしたいなというふうに思えて、努力ではして、そこで言われるのは、雨の日の合宿、キャンプで来る人たちのトレーニング場所が必要だということを強く言われていまして、集客のための屋内運動場について、市が中心となって取り込まなければいけないんですけれども、十分な施設をできない面について、県からの支援を今後、ご検討いただければありがたいなということでございます。

以上でございます。

それと、言わなきゃいけないのは、紀南中核的交流拠点施設について、事業が進み始めておりまして、知事の英断に心から感謝を申し上げる次第でございまして、完成後の地域連携という地域への経済的な波及効果を大きくする。これについては、今から一生懸命知恵を出して、取り組んでいきたいなと思っています。

御浜町長

最初に、知事さん、紀州犬サミットのことをちょっと触れてくださいましたが、熊野古道等を展開したイベントを考えております。その該当地域が御浜町には熊野古道は、横垣峠と風伝峠と浜街道とございます。その横垣峠が先般地滑りを起こしまして、早速県にも迅速な対応をしていただきました。県当局も調査していただきましたし、先般、県会議長さんも視察してくださったりして、大変感謝しております。ありがとうございます。

それで、今日は、そこのところの話ではなくて、我々の計画と申しますか、ぜひ進めたいと思っておりますのは、熊野古道の浜街道でございます。浜街道をバリアフリーの熊野古道がありますよ、ユニバーサルデザインの熊野古道がありますよ、車いすで歩ける熊野古道があるんですよというふうな、そういうことを売り出したいというようなことを考えております。たまたま、御浜町の浜街道の部分に遊歩道として整備されている部分がございます。この部分をバリアフリー化することで、関連づけるわけではございませんが、「美し国」というのは、癒しの国でもあろうかと思います。観光という概念の中には、そういう癒しとか、そういうことがこれからクローズアップされるだろうというふうに思っております。

それで、紀南中核交流施設が地域連携をしっかりとやっていくんだということがうたわれております。そういった紀南中核交流施設が、紀南熊野のいろんなところと提携・連携していくためにも、例えば、「車いすで歩ける熊野古道」というふうなそういうものというのは、私は世界への発信力としては、相当なものがあるというふうに思っております。

費用の面で、陸上競技場のアンツーカーに敷いてある部分とか、合成樹脂のああいうものを、例えば、1間幅で置いていただくと、そういうようなことが簡単には考えられますが、そういうふうなユニバーサルデザインの熊野古道、21世紀、あるいは西暦3000年、1000年後をイメージしたときの熊野古道というのは、こういうこともあるよというふうなそういう発信力というところも考えまして、このことを進めたいと思っておりますが、現在そこはしかし、吉野熊野国立公園内でありますし、土地の所有が営林署であります。いろんな意味で御浜町単独でというふうなことはとてもできません。県のあるいは国の力を借りて、あるいは県や国の事業として採択されるようなそういうことに向けて、提案と頑張りをしたいと思っております。 本日は、その件について、提案をさせていただきます。

紀宝町長

紀宝町の地域課題ということでございますけれども、いろいろな地域課題はあるわけでございますが、まず冒頭に、やはり先ほど熊野市長さんからもお話をされていましたけれども、中核交流拠点につきましては、ご英断いただきましてありがとうございました。これにつきましては、私ども地域もしっかりと連携をしながら地域の浮上に向けてふるっていきたいというふうに思っておるところでございます。それにあわせて、雇用問題も考えていきたいなというように思っているところでございます。

そういった中で私のところの1つの課題として、安全・安心ということと、地域の誇りというような形の中でお願いを申し上げたいというふうに思っております。

七里御浜でございますけれども、ご案内のとおり、七里御浜につきましてはなぎさ100選にも選ばれておりまして、また、2004年の7月には世界遺産に登録されたということでございまして、地域の本当に大きな財産でもあるわけでございます。長さが熊野市まで、私どものところから熊野市さんまで20キロあるわけでございますけれども、そのうちの3.6キロの区間がちょうど私どもの町の町域でございまして、ここの町域につきましては、「ウミガメが産卵に来る町・紀宝町」としてこれまでも町の情報提供を内外に出て、発信をしてきたところでありますし、ウミガメの町として知られてきたところでもございます。

しかし、昭和50年ごろを境にして、今まで200メートル以上あったと言われております浜がだんだん、だんだんと減少してまいりまして、最近ではこの3.6キロ区間につきましては、もうほとんど浜がないという状況になっております。いろいろな台風とか、波浪の状況によって被害も出てきたところでございまして、県の方にも大変なご尽力をいただきまして、平成3年から現在までも高潮対策事業とか、災害復旧事業、また、災害関連事業等において堤防復旧等、また人工リーフの設置、また、養浜工による対策を講じてきていただいたところでありますけれども、波は消波できるようになったんですけれども、やはりなかなか前浜については、復元をしてこないという状況でございます。この海岸につきましては、私どもの地域と住民にとって、これまでの長い年月にわたって生活に深く密着をしてきたところでございまして、大変親しまれていた海岸でもございます。

そういった中で、今後、東海、東南海、南海地震の発生後によって津波の被害等が懸念をされているところでございまして、背後地で生活をしております井田地区の住民にとっては日々不安な生活を送っているというのが現状でございます。

今年もそういった状況の中で、私どもの町でもウミガメ保護条例というのを制定いたしまして、ウミガメ監視員5名の方が毎年監視をしていただいて、パトロールしていただいて、産卵をされておれば、見つけてふ化場に持っていって、ふ化をさせて、そして子どもたちの手によって海へ帰している、そういった形で毎年取組をしているわけでありますけども、それを私ども地域の住民あげて、大変な誇りに思っているところでございます。ところが、残念なことに、今年は私どもの地域では、上陸して産卵された形跡が一度もなかったということで、大変残念に思っているところであります。

ただ、今回を含めて隣町の御浜町さんとも連携をしながら、ウミガメ保護の監視活動させていただいているというところでございまして、御浜町さんの町域の中で5頭ほど上がったということで、私どもの町の方でふ化をして御浜町の町民の皆さんと一緒に放流をさせていただいたというような状況でございまして、どうも、最近の状況を見ておりますと、ウミガメも生まれたところに帰ってくるという習性があるそうでございますけれども、なかなか私どもも家なし子というとおかしいですけれども、なかなか帰るところがないような状況になって、本当に寂しい思いをしておりますし、また、これまで活動を続けてきた監視員の先生方も大変、自分たちの方向性が失われているんではないかと、そんなふうな大変危惧をいたしておりますし、懸念いたしているところでございますので、この海岸について、回復を図る手だてを考えていく必要があるんではないかということを思っております。

そういった状況の中で、今回、今日まで長い時間、皆さんに大変ご心配をおかけしたわけでありますけれども、一般国道42号の紀宝バイパスにつきましては、地権者の皆さん方、そしてまた国土交通省関係者の皆さん方にご理解いただいて、いよいよ工事の方も着工ができるというような段取りになってまいりまして、今も現在もトンネルの抗口までの工事が着々と進められているところでありますけれども、いよいよ今年度から主要構造物でありますトンネル工事に着手をされるというふうにお聞きをいたしております。延長は680メーターほどあるわけでございますけれども、ご案内のとおりトンネルを掘ると排出土が出てくるということでございますし、そういった中で約半分以上か残りぐらいが恐らく岩が出てくるんじゃないかなということが予想されております。

そういった中で、やはりこういった地域の工事によって発生する破砕岩、建設発生土というんですか、これを有効利用をしながら井田海岸の養浜等に役立てることができないんだろうかということを思っておりまして、ぜひとも地域住民の安心・安全を確保するという意味で、やはり浜街道にふさわしい白砂青松の海岸がよみがえるということを期待をいたしているところでございますし、国土交通省さんにおきましてもいろいろとお願いをしておるわけでありますけれども、それについて十分対応していただけるというお話も私もお聞きをしているようなところでございますので、後は県さんの方で受け入れ、海岸監視されます県さんの方で受け入れ体制を取っていただきたいというお話しもお聞きをしているところでございます。

このように、タイミングというものが非常に大事な問題でございますので、せっかくの海岸を復元する意味において最小の経費で最大の効果ができるんではないかなというふうにも思っておりますので、今日はお願いしながら、しっかりと県の知事さん初め、私どものこの思いを受け取っていただければ、大変ありがたいというふうに思っているところでございます。

それから、一方、この海岸侵食につきましては、やはり砂利の流下というのが大変大きな問題ではないかなというふうに思っております。私どもは和歌山県の新宮市さんと新宮川改修促進という期成同盟会というような会も作っておりまして、先日も河川整備計画のお願いをさせていただいたところですけれども、近畿整備局管内で10河川、10水系の中で5水系が最近、今年ですか、できたというふうにお聞きをいたしております。今までは、1水系ができておって、今年、4水系ですかね、5水系できたというふうにお聞きをしておりますけども、熊野川水系につきましては、今年度中に整備方針を策定をして、来年度中ぐらいには整備計画が策定されるという動きをいたしておるところでございますけども、ぜひともこれらについて3県、特に奈良県、和歌山県、三重県、3県等からんでくる河川でございますので、十分協議をしていただきまして、この河川の整備計画の早期策定についてお願いをしたいと思います。

と申しますのは、やはり熊野川につきましては、延長183kmという長い距離もございますし、これまで吉野熊野開発というような形な中で、ダム湖もたくさんつくられております。そういった状況で特に天川村とか、十津川村さんの方では、ダム湖の中に逆に土砂が堆積をして、水力発電の機能もなかなか難しくなってきて、堰堤のような状況になってきているようなことで、その早期排出をお願いをしているということをお聞きをいたしております。私どもの水系の中でも一緒に要望させていただいているところでございます。

そういったように、人工的にいろいろと手を加えられております。まだ中流では砂利の採取もまだ行われているところもあるということでございます。この海岸侵食も今の状況で行きますと、私どもの町を越えて、もう御浜町さんのところまで浸食が始まってきているんではないかと、そんなような状況ですので、行く行くは熊野市さんまで進んでいくというような形でございますので、やはり、自然体系といいますか、自然形態というのですか、そういったものもやはり一方的に疎外されている部分というのは、これは否めないと思いますので、そういった部分についてしっかり整備計画を立てて、そしてまた流下する土量も10万立米ぐらいなければ、海岸が維持できないというようなこともお聞きをしておりますので、こういったことを踏まえて、これからの持続、特に先ほどの話じゃございませんけれども、「美し国」のイベントの中でも自立・持続可能な部分というのは、大変大事だろうと思いますし、私どもにとっては一番大事なフィールドでもあります。そういった意味で、これからも自分たちの地区の人も、町民初め、紀宝町のウミガメの町としての誇りを持って推進できるような、そういったような海岸の復元についてまたご努力を、ご尽力を賜ると、よろしくお願い申し上げたいと思います。

知事

ちょっと時間もオーバーしてきましたので、かいつまんで。それから、担当部長も来ておりますので補足説明をさせていただきたいと思います。 まず、雇用、働く場のお話が出ました。これは東紀州共通の課題でもあるんだろうと、こういうふうに思います。地元でもいろんなお取組を熱心にやっておられることについて、敬意を表したいと思います。

特に農業等の新規就農についての支援の仕方ということについてのお話がございました。今年度から、例えば、ミカン、かんきつ類では就農希望者に対する新しい事業展開をしておるところでありまして、県としてもそういうふうな取組もやりながら、特に農業といいますけれど、やっぱりこちらの方ではミカン、かんきつが特に大きいのかなと思います。これについて、少し関係部長の方からも説明をいたさせたいと思います。

企業誘致につきましては、これは先ほど尾鷲市の市長さんからのご発言もございまして、共通した課題であると思っております。

それから、スポーツの雨天用の屋内運動場ということについてのお話がございました。これも何かいい知恵があるのかなと。スポーツをとにかくまちおこしの非常に大きな眼目において取り組んできた熊野市としては、何かさらに努力を、さらに効果的につなげていける、そういうものとして考えられておるということでございます。

合併債の活用であるとか、いろんな観点に対してさらに県でこういったことに対する単独の財政支援等というと、制度としてやっぱりちょっと難しいと思います。熊野市だけの特例でこうでという別扱いはなかなかできないと考えますので、そうしますと、どういう考え方があるのかなと。既存の制度を利用してさらに振興資金、ああいったようなことを限度があれも今はきつくなっておりますけれども、いろんな活用をしながら、そういう枠の中で何かできる方法をお取り組みいただくということが、現実的には今、言えることなのかなと思います。また、何かいい知恵があればと思っておるところでございます。

それから、御浜町さんの方から浜街道についての車いすでのユニバーサルデザイン化、バリアフリー化についてお話がありました。国立公園内ということもありますし、それから、世界遺産に登録されていますので、実はこの管理ということが大事なことであります。紀宝町さんからのお話も共通しておることなんですが、井田海岸については、あれは海に沈んでいる状態で世界遺産に登録されたのでありますけれども、しかしそういう意味では、それ以上、それがダメージを受けるということ、これはもちろん問題がありますし、それからそれ以外のこの浜街道全体につきましても、これをどうやって維持・保存していくのかということがございます。そういったことと、また新たに加工していく、手を加えるという、バリアフリー化による遊歩道の改築とか、手を加えることについて、そういったところをどう対応できるのかとか、ぜひ、御浜町さんにおいてはこれからこれについての計画案を、構想案をまず立てられて、具体的にどういくのか、詰めて行かれようとしているのかと。そういう意味では県の方も十分いろんな情報を、あるいは関係のところも含めた相談にものらさせていただけるのではないかなと思います。

今後のそういったお取組について、できるだけ県としても支援をできるようにしていきたいと思います。

それから、紀宝町さんのお話については、井田海岸の回復ということは、これは私も知事になりましたときから、以前からよく状況は知っておりましただけに、何とかならんのかと思っております。予算案の検討をするたびに、あそこでいろんな砂利を持っていったりとか、それから消波のテトラを入れたりとか、未来永劫こんなことをやるのかと言って、担当部とやりあったことがあります。そんな中で、私たちはやはり港にしろ、あるいはダムにしろ、ああいったことに手を付けたことが、今日の状況をもたらしていると。完全に復旧させるというためには、そういったものを取り除かなきゃいかんということに議論がなります。

ただし、現実的にダムをつくったことによって地域の活性化はもたらされたし、その恩恵も大きく、必要であるからこそ港もああいう形でできましたね。私たちはしかし、それでもあえてあの港を取り外したらどうかとそういったこと含めて検討させたことがございます。しかし、港だけでは何ともならないというのが出てきた1つの結論でもございました。

そこで、42号のトンネルの排出土の利用ということのお話がありましたので、これについては県の方でもよく検討して、それこそ有効に使えるなら、使った方がいいと思います。これは、担当の方と十分すり合わせをしてもらったらと思いますが、これとても一時的な話でございます。

今、継続的に土砂を供給していく必要がある。そのためにはご指摘があったような河川の整備計画について、そういう中で全体、環境保全を含めた整備のあり方ということを追究して行く、これも1つの方法だと思います。しかし、それもその中で多分、ダムを壊すとかそんなことはできない話でありましょうから、現実的にはふだんいろんな全国で行われている例も調査・検討もしているでしょうし、私は最近聞いたのでは、サンドバイパスであったり、これは砂のたまりやすいところから、自動的に砂を運び出して、そして継続的に必要な浜へ入れていく、こういうふうな、これも大変お金のかかる話ではありますが、そういった手法もとられているところ、計画されているところもあるやに聞いておりますので、そういった事例も含めて今後検討させていただいていく問題だと、こういうふうに思っております。

いずれにしましても、ウミガメというそういった紀宝町さんが本当に誇りに思える中、売り出してきたそういった状況にも今、大きく影響を受けたということでもありますし、それから、熊野古道という認定を受けたということからいきますと、そのことで実は文化財保護というような、そういう側面も実はつけ加わっておるということでございます。そういった中で対応していきたいとこういうふうに思います。 ちょっと農業のことについて。

農水商工部長

農水商工部長の中尾でございます。よろしくお願いいたします。 先ほど、河上市長さんの農業のIターン、Jターンの受け入れの話でございますけれども、先ほど知事が申し上げましたように、今年から新しい事業を実施しておるということの中で、やっぱり就農希望者、せっかく来ていただける方を何が何でも後継者としていたい。こんなことの中で、それぞれの希望、条件に合わせまして、それの研修、カリキュラムをきっちりと我々が提供していこうと、つくって提供していこうと、このようなことを考えております。また、もう一つは、関係のプロの農家の方をご厄介いただいたり、あるいは専門家、そういった方を来ていただきながら、相談にのっていただきながらとにかくせっかく就いていただくんですから、そこで立派に育てた農業を継いでいただくようだということで、やっていただくということで、定着していくためのさまざまな政策は当然頑張ってやらせていただく、こんなことでございます。

それと、農業以外に少しだけ企業誘致の関係で、補足をさせていただきますけれども、情報提供の話があります。企業の方が進出を希望する市町と情報共有をしながらやっていこうと、一番大事なこんなことの中で、情報の提供はさせていただきたいなと思っておりますし、企業立地支援策の充実につきましては、先ほど知事の申しましたように、大分緩和されています。例えば、補助対象業種、これは農業につきましては、例えば、高度な施設をつくられた、こういったものも対象にしたいと思っていますし、補助率も引き上げということ、10から15まで補助、あるいは雇用要件の話、先ほどもございましたが、正社員数を今まで5名という形でしていました。それではかなりきついなということで、パートを含んで従業員10人、そういったことで緩和させていただいておるということであります。そういうことも含めながら、先ほどありました中小企業地域資源活用プログラムの活用なり、あるいは地域コミュニティー応援ファンド等々も活用していただきながら、何とか産業をつくっていただきたいなと、このような思いでございます。 以上でございます。

熊野市長

今、お答えいただいたこと以外の話で、知事が常々市町は県政にとっての最大のパートナーだということで、我々感じるのは、県の職員の皆さんの市町に対する対応の仕方が変わっていっているんだというのは、感じております。大変ありがたいというふうに思っていますが、やはり、まだ知事の言う本当のパートナーとしての取り扱いを受けるかというと、そうでないことも残っていると。

いろんな事業の、新しい事業の仕掛けをやるときに、ぜひ、予算を決めてからこうやるよというようなことじゃなくて、予算の編成段階で多少なりとも我々に対して情報提供いただければ、役割分担で、我々は常に何でもかんでも県にお願いをするという考えじゃなくて、我々自身がやらなきゃいけないことはちゃんとあると思うんですね。

ところがあらかじめもう予算の方が決まっているから、もう市はこれをやれとか、町はこれをやれという話も実際にはまだ、細かい話で言うとまだあるわけです。そうはあってもいい事業であれば、やらないといけないというふうに思っていますが、市町の職員も知事の言葉は大分響いていますので、同じ対等として扱ってもらえるべきであるというふうに、そうでないと、上から下へというものがまだ残っているというのはありますので、引き続いて非常に変わってきたというのは実感として感じておりますけれども、引き続いてぜひそういう面で知事の職員の皆さんに対する働きかけをお願いしたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

知事

総務部長おりますけれども、予算案に関してはしめて、しめて、しめまくるわけなんです。ですから、各部ともなかなか背に腹は代えられん格好の対応もなきにしもあらず、しかしそれも県会対策だとか、外部への影響から考えるとなかなか事前の情報を相談してということも非常に何か、聞いてみますと、僕はきつく言っても、しかし何か同情してやりたいところがあるんです。かといって、総務部長を怒っていてもいかんので、大もとがなかなか厳しいところがあるんではないか。しかし、お話としては、ご忠告は今日はきちんと承っておきたいと思います。

知事

今日は、非常に重い課題が多かったんですけれど、もともと重い地区で頑張っておられる皆さんなんで、かなり鍛えられておられる皆さんのさらにその頑張りと、それから、私は思うんですね、一緒になってその重みを感じながら、しっかり取組をさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いをします。

今日はありがとうございました。

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