知事定例会見録
平 成30年11月8日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・「みえ産業振興ビジョン」の策定(発表)
質疑項目
・発表項目等に関する質疑
・国の第1次補正予算成立
・入管法の改正
・移民政策
・国道166号の通行止め
・外国人労働者
・漁業権に関する水産改革関連法案の閣議決定
・知事の出処進退
・全国知事会
・産業支援センター
・幼保無償化への反発
発表項目
(知事)今日は、議会とかでもよく議論になりましたので、「みえ産業振興ビジョン」について、策定しましたのでご説明をしたいと思います。平成24年に策定しました、現在の「みえ産業振興戦略」をこの度、全面改訂し、新たに「みえ産業振興ビジョン」を策定しました。このビジョンをまとめるにあたりましては、これまでも大切にしてまいりましたが、現場の声をしっかりとお聞きするため、県内外の企業5,000社に対してアンケートを実施するとともに、約1,000社を訪問させていただきました。また、これまで7回にわたり、県内中小企業の経営者や我が国を代表する有識者、グローバルな企業経営を行っている経営者の方々などを委員とする検討会議を開催し、めざすべき産業の姿や産業政策の方向性について議論を重ねてまいりました。アンケートにご協力いただいた企業の皆様、委員の皆様には、この場をお借りしまして心から感謝を申し上げたいと思います。それでは、ビジョンの概要を説明させていただきますが、お手元に本冊と概要資料をお配りしておりまして、概要資料に沿って説明をさせていただきます。このカラーのポンチ絵みたいなやつですね。まず、ビジョンを策定した背景について1ページ目をご覧ください。21世紀初頭の今、私たちは過去からの延長線上で未来を描くことができない時代環境の大きな変革期を迎えています。人口減少・超高齢社会の到来、IoTやビッグデータ、AIなどに代表される第4次産業革命による産業・就業構造の大転換、技術開発等を巡るグローバル競争の激化、そして世界経済の重心のアジアシフトなど、本県経済を取り巻く環境の変化を意識し、産業政策を進めていかなければなりません。こうした中で、おおむね10年先を見据えた産業政策のあるべき方向性を示すため、新たに「みえ産業振興ビジョン」を策定しました。次のページ、2ページは、2030年ごろの産業とかのイメージと、その他の課題とかを書いてありますが、後ほどご覧いただければと思います。次にビジョンに掲げます「めざすべき産業の姿」、今後の産業政策を進めるうえで特に大切にしなければならない3つの視点について、3ページで説明をしたいと思います。1つ目は、産業だけでなく社会全体に大きなインパクトをもたらすであろう第4次産業革命への適応です。世界の産業の主戦場は、ビッグデータを取得し、IoT、AIと組み合わせて市場を獲得していくような領域にシフトしつつあります。産業・就業構造さえもが激変すると予想されており、県内産業のスマート化を促進するなど、こうした状況変化に迅速に対応していくことが重要と考えています。2つ目は、将来の地域社会の担い手である若者が活躍できる魅力あるしごとの創出です。人口減少と超高齢社会の到来を踏まえると、あらゆる人々が活躍できる環境づくりが必要となります。とりわけ産業を支え、活力を与える若者の活躍が不可欠であり、若者がいきいきと働けるよう、これまで以上に柔軟性のある多様な働き方を実現し、若者にとって魅力あるしごとを創出していくことが重要と考えます。3つ目は、今回のキーワードでもありますけども、KUMINAOSHI(組み直し)の産業政策による新たな価値の創出です。本県には、先人から受け継がれてきた伝統や文化に加えて、それらをベースに磨き上げてきたものづくり産業の技術や製品・サービス、地場産業などがあります。これらの価値を再認識しつつ、これまでにない発想や手法で組み直して、新たな価値の創出に挑戦していくことが必要です。こうした姿を実現するために、「既存価値を超え、KUMINAOSHIの産業政策で若者が躍動する三重」というのを基本理念として掲げ、知恵や知識、技術を国内外から積極的に取り込み、それらを組み合わせ、あるいは繋ぎ直していくことで、新しい価値を生み出し、若者が躍動していけるような産業を育成・振興していきたいと考えています。最後に、基本理念を具現化し、めざすべき姿を実現するための4つの取組方向について説明します。1つ目は、「ものづくり産業の第4次産業革命への適応」で、本県の強みであり、地域経済をけん引している「ものづくり産業」のスマート化やICTの人材育成などを進めます。例えば、次世代自動車などの成長産業をしっかりと振興していくとともに、全国初となったマイレージ制の企業投資促進制度を拡充させ、ものづくり産業のスマート化などを促進します。2つ目は、「多様な魅力を生かした付加価値の創出」で、世界にも誇れる県産食材や県産品、県内観光資源など、多様な三重県の魅力を再認識し、これらの活用を一層促進していきます。例えば、食関連産業の振興に加え、県内総生産の約3パーセントをも占める観光産業の稼ぐ力を強化していきます。3つ目は、「人口減少社会での地域課題の解決への貢献」で、人口減少や高齢化が進展し、さらには若者の県外への流出が続く中、都市地域や農山漁村地域それぞれが課題を抱えており、産業政策を通じて、そうした地域課題の解決を進めます。例えば、地域住民の生活を支える中小企業・小規模企業の円滑な事業承継の促進、次世代ヘルスケア産業や生活関連サービス産業の振興、さらには地域課題の解決について、東京大学と連携して考えていくことも検討していきたいと考えています。4つ目は、「産業プラットフォームの強化」で、これら3つの取組方向に沿って力強く施策を推進していくため、特に中小企業・小規模企業の振興、多様な人材の育成や確保、クリエイティブな視点による新たな価値の創出、さらには産業インフラの整備・活用など、産業基盤やネットワークを強化していきます。こうした方向性のもと、時代環境の大きな変革期においても、三重県経済が持続的に発展していけるよう、企業や経済団体はもとより、県民の皆さんと共に新しい産業政策に取り組んでいきたいと考えています。
発表項目等に関する質疑
○「みえ産業振興ビジョン」の策定(発表)
(質)では幹事社から質問させていただきますが、何を質問していいのか分からないくらい観念的で困っているんですけど、最後におっしゃった4つの取組方向については、ある程度具体的に見えるので、それぞれが、県がこれまで目指してきたこととも分かりますし、なんですけど、前段の部分ですよね、最近知事も講演でSociety5.0(ソサイエティ5.0)とかおっしゃってますけど、要はSociety5.0って、狩猟社会から始まって、農耕、工業ってくるわけですよね。で、情報化社会の次くらいの言葉かなってイメージしてるんですけど、要するにIoTとかビッグデータを活用するということと考えていいんでしょうか。
(答)それはSociety5.0についてということでいいですか。
(質)はい。
(答)前の定例記者会見で確か記者さんからの質問で答えたと思うんですけど、産業の変化が激しいので、今までのように具体的な予算事業をみたいなのをいっぱい盛り込むというよりは、長めのスパンでのビジョンという形にしたので、少し抽象的な文言が並ぶのはそういう要因です。あえて毎年度の予算の細かい事業みたいなのを書くというよりは、10年でどんな方向性がいいかということに力をおいたビジョンなので、少し抽象的な表現が多いと思いますけども、Society5.0との関係でいけば、まさに先ほど申し上げましたような、取組方向の「ものづくり産業の第4次産業革命への適応」という、AIとかIoTとかビッグデータを活用するというようなこと、それがものづくりだけじゃなくて、農業とか、あるいは、これもどこかで書いてあるかもしれないですけど、三重県でいうと内宮のところにある「ゑびや」さんとか、AIを活用して食堂をやってる話とか、あとは、ロボットととかも含めてですけども、ロボットというか、自動運転とか、本冊の中にありますけども空飛ぶクルマとか、そういうようなことなんかも、いろんなこれまでに無い新しいテクノロジーを活用してやっていく超スマート社会がSociety5.0ということですね。
(質)KUMINAOSHIっていうのも、その「ゑびや」さんとか、例に挙げていただくと確かに分かるんですけど、他業種の連携みたいな次元とやっぱりもう一つ違うんですか。
(答)今までの他業種の連携というだけではなくて、例えば「ゑびや」は業種が連携したわけじゃないですよね。今まで使ってなかったテクノロジーと食堂というものを繋ぎ直した、新たに繋いだって言ってもいいのかな、そういうものなので、新しい価値を創出するためにいろんな組み合わせを考えてみましょうっていう、そういうことですね。
(質)このKUMINAOSHIというワードは三重県のオリジナルですか。
(答)そうですね。これ非常に、検討小委員会、西村副学長に座長になっていただいて議論した中で、1つの大きなキーワードとして出てきたものであります。ゼロから何かを生み出すというのも、もちろんいいんですけども、それもさることながら、今あるものをもう一回繋ぎ直したり、組み直したり、そこに新たな要素を加えてみることで、価値を生み出すというほうが、共感を得たり理解ができたりするんじゃないかなという、そういうことで、無いものねだりしなくても、いろんな潜在的な可能性が地域にはあるはずじゃないかと、特に西村先生なんかは全県中まわって、若者とかに対しいろんな塾みたいなのをやっている中で、ご自身も現南伊勢町出身で、三重県内にはいろんなポテンシャルがあると、そういうのをもっと繋ぎ直してみることで、あるいは新しい価値を加えてみることで良いものができるんじゃないか、そんな思いが強い、こういうKUMINAOSHIという言葉が出てきたという感じですかね。
(質)まさにこれ長期のビジョンなんですけども、これの具体的な予算とか、そういうこととはどのように関わってくるんでしょうか。
(答)特に一番最後の4つの取組方向に従って予算を毎年度つくっていくということだと思いますし、例えば、取組方向1の「ものづくり産業の第4次産業革命への適応」というところでは、例えば今やっている企業誘致の制度なんかももっとスマートファクトリーにするための投資のインセンティブを新しく制度をつくってみようとか、そういうことになってくるので、基本的には4つの取組方向というところにひっかけて毎年度事業を構築していくということになりますね。
(質)誰に向けたメッセージ、県民の機運を醸成するというような気もするんですけど、県民の皆さんの意識を高めていくというようなことも位置付けのところに書いてあるんですけど、その中で例えば8階の皆さんがこれに基づいて政策をしていくというのは分かりやすいんですけど、県民の皆さんにバンと、こういうのをやってきますというのには少し総花的というか、アドバルーン的なものに欠けるのかなという気もするんですけど、これ誰に向けたメッセージと考えたらいいんでしょうか。
(答)両方ですよね。まず1つは貴方もおっしゃったように県が産業政策をやっていく時の1つのよりどころという意味がまず1つあるのと、もう1つは結局この産業政策って事業者の人たちとか企業の人たちが動いていただかないと、行政だけでは何ともしようがないので、そういう意味ではステイクホルダーたる企業の人とか、事業所の皆さんとか県民の皆さんにも、こういう方向性で行きたいよということをお伝えしているということで、KUMINAOSHIとか、基本的なコンセプトのところがうまく伝わっていけばいいかなと、あと、さっき説明飛ばしましたけど、2030年ごろにはこんな産業とかもね、イメージされるので、こういうのに備えて皆でアイデアや力を出し合って協力していきましょうと、そういう感じですので、誰に向けてということにおいては、今も、貴方がおっしゃった両方に向けて、行政と事業者の人たちとか両方ということです。
(質)10年後まで知事が知事でいらっしゃるか分からないですけど、例えばこのビジョンは今回、何年までのものを何年に改訂するとか、何年に何か目標を設けるとか、そういうことは考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)今回は、あえてそういう目標を設けるというよりは、おおむね10年先こういう方向でやっていこうというふうにしています。例えば観光とかだと、条例に基づく観光振興基本計画という4年ごとにつくる計画があって、そこには具体的な事業とかを書きこんで目標を設定してやっていきますけども、ガチっと産業の姿、特にAIとかⅠoTとか分かりにくく不透明な状況もあるので、ガチっと固めすぎてというよりは、こういうことを予見しながら前に進んでいこうという性質のものなので、年限があるとか、次大きく産業状況とか変わって例えばリーマンショックみたいなのがあったりとか、新しいテクノロジーとかが出てきたりとか、そうしたらやっぱり改訂を順次していかないといけないと思いますけど、一方で取組方向に基づいた各予算の事業については、それぞれ目標も設けるでしょうし、三重県全体としては県民力ビジョンの行動計画で進捗管理を図っていっているので、次に行動計画ができるかどうか分かりませんけど、そこでPDCAをまわして目標を設定して進捗管理していくということになると思いますけど。
(質)じゃあ、これに合わせてPDCAのサイクルに入っていくようなものをちゃんと用意していくと。
(答)もちろんそうです。というか、今ある県民力ビジョン、全体の全分野を網羅しているやつの中に雇用経済の分野もあるので、そこに目標が設定されていますから、あれを使って進捗管理をしていくことになります。議会とかに成果レポートとか出していますよね。
(質)県民力ビジョンにこれを反映すると。
(答)具体的な施策はそっちで進捗管理するということで、このビジョンから出てきた事業は県民力ビジョンの目標に基づいてやっていくことになると思いますね。
(質)基本的にこれまで県が目指したところから大転換ということではないのかなと、全くこれまで知事が目指した方向性と、これによって何が一番変わるかなというのを一応お願いします。
(答)大転換というのではないですけども、例えばこの、概要資料の2ページのところに、企業・現場の声となってて、一番上に、重点的に取り組みたい経営戦略はIoT・AIの導入・利活用と答えたのは、県外の企業は16.4パーセントもあるのに、県内の企業の方々は5.2パーセントしかないという状況の中で、確実にこういうビッグデータとかAIとかについて、やれるところが勝っていくのが間違いないので、こういう認識をしてほしいということが大きくあると思います。大転換というよりは、今後の状況をより知ってこれに備えてほしいということが大きいと思いますね。大転換というよりは、こういう社会が到来するよと、例えば、観光産業なんかでもほとんど今、デジタルマーケティングで個人旅行化していて、そういうものも活用しないといいお客さんをとってこれないし、お客さんの満足度も高まってこないので、そういうのに備えれているところはお客さんが来るし、そうじゃないところはなかなか難しくなってくるので、そういう認識を皆でもっていこうとそんな感じですかね。ビジョンというものの性質上、行政がこういう掲げるものは大体今申し上げたような、当然、具体的な事業がいっぱい書きこまれるというよりはこういう性質のものだというふうに理解していただくと有り難いですけどね。
(質)KUMINAOSHIのことなんですが、何でアルファベット表記なんでしょうか。ちょっと突飛な印象を受けてしまうんですが。
(答)検討委員会の皆さんとかで議論していただいて、例えば例は違いますけど、TSUNAMIとかOMOTENASHIとか、そういうアルファベットになることで、僕らが産業振興ビジョンで視野に入れていくのは、競争相手とかは国内の人だけじゃなくて海外の人たちもいらっしゃるので、こういうアルファベット表記にして、こういう言葉、キーワードがもっと、組み直すパートナーとして海外の人たちも含めて取り込んでいければいいなあというそういう思いがあるんだと思いますけどね。最後、僕がさっきの口述の時にも申し上げましたとおり、基本理念を説明した「知恵や知識、技術を国内外から積極的に取り込み、それらを組み合わせ、あるいは繋ぎ直していくことで」というふうに申し上げましたので、この取り込んでいく先が国外でもありますので、それでアルファベットにしているという思いがあると思います。
(質)三重県のほうから新たにKUMINAOSHIという概念を国内外に発信していって、それを共通の理念、価値認識として出していこうという受け止めでよろしいでしょうか。
(答)いいですよ。
(質)日本語に直訳するとどう表記したらいいんですか。
(答)えっ?
(質)漢字、ひらがなで書くとき、カッコをつけますね。レガシー、資産とか遺産とか。
(答)ああ、日本語、直訳、一言でってことですか?
(質)表記。レガシーは資産・遺産といわれましたけども。
(答)KUMINAOSHIですから、例えば、資料にある「組み直す」って、KUMINAOSHIとはって吹き出しになってて、その下に「組み直す」って書いてあるので、それそのまま書いてもらったらええんちゃいますか。例えばTSUNAMIだったら、(つなみ)って書くでしょ。レガシーは英語だから資産と直すわけであって、KUMINAOSHIは日本語ですから。
(質)「組み直す」という言葉は、動詞ですね。
(答)じゃあ「組み直し」ってしてもらったらいいんじゃないですか。
(質)前回は「みえ産業振興戦略」という名称でしたね。これを今回、改訂するという形でできたわけですけども、名前がビジョンに変更になった。この戦略がビジョンに変更されたという思いはどこにあるのでしょうか。
(答)まあレンジ、レンジというか、これをよりどころとする視野の期間が広がったということですね。戦略はさっきも言いましたように、前の時はいろんな予算事業とか具体的な事業とかがいっぱい書いてあったんで、単年度の事業とかも書いてありましたんで、視野がもうちょっと、期間が短かかったけれども、おおむね10年先ということで長いスパンで物事を見ようということで、戦略よりはビジョンっていうほうがいいんじゃないかと。もともと改訂の議論の時も、「みえ産業振興戦略」をそのままで同じような単年度事業とかもいっぱい書くような、そういうふうにするかっていう議論もあったんですけど、この変化が激しい中で、細かく事業を書きこむよりは、方向性を示すようなもののほうがいいんじゃないかというご意見がありましたので、こういう形でさせてもらうということですね。
(質)じゃあ、委員からの意見ということですか。
(答)あとまあ、うちの雇用経済部で出した素案としても一応ビジョンという形で出して、それでいいんじゃないということでしたね。
(質)そのビジョンに基づいて、例えばここで触れられているものについての詳細な計画であったりとか、またこれに基づく新たな方針が示されるという見通しはどうですか。
(答)これに基づいては2つのアウトプットがあると思っていて、1つは毎年毎年の予算ですね。予算の事業。で、今、県民力ビジョンの第2次行動計画と全分野網羅しているやつがあります。そこにも、あれは4年間の計画ですけども、そこにそれぞれ施策ごとに、施策とか基本事業ごとに目標が設定されているので、行動計画が普通に次も改訂されると考えると、そこに4年間の、これに基づく事業を実施したことによる目標が出てきて、それで進捗管理するということになると思いますけどね。
(質)基本的なところで恐縮なんですけど、このビジョンはいつから策定に向けて動き始めたんですか。
(答)これはいつからやったけか。
(答:雇用経済部)去年の1月のアドバイザリーボードで、方向性について議論いただいたと。はい。
(質)以前あったみえ産業振興戦略の改訂が28年の3月で、わりと1年経たないぐらいで動き始めていて、結構刻んで動いているのかなと思うんですけど、何かそこの背景というのをあらためて伺えますか。
(答)刻んで、そうですね。それは何かあったっけか。
(答:雇用経済部)すいません。まず、訂正させてください。去年の1月でなく今年の30年の1月からがスタートの議論でした。すいません。昨年度ということです。
(答)例えば、前の産業振興戦略に基づく国際展開の基本方針みたいなやつも2年ぐらいでどんどん変えたりしていますので、いずれにしろ産業振興戦略が平成28年に作った時のと比べて、今やそのビッグデータとかAIとかの進展がすごい早いので、そういうのに基づく産業政策のよりどころになるものを早く策定したほうがいいんじゃないかということで、それを作ったということですね。そういう感じかな。あとその後、だからあれ28年に作った時は、サミットのことを書いてなかったよな。伊勢志摩サミットのことを書いてなかった。状況の変化が大きく起きているということで改訂しています。
(質)策定月はこの11月で良いんですね。
(答)11月で良いと思います。
(質)おおむね10年後というのは、2030年というイメージというんだったら、2020年スタートですけども、スタート年はいつと設定するんですか。
(答)おおむね10年なので、今年からスタートしていただいて良いと思いますけど。
(質)2018年、今年からスタート、11月からスタートで12年後をおおむね10年というイメージで。
(答)はい。2030年頃って書いてますから。2029年も2028年も2030年ごろですから。
(質)これは来年度予算にも反映させていくんですか。雇用経済部は。
(答)これをよりどころにした予算事業が出てくると思いますけどね。僕はまだ予算を査定してませんので分かりませんが。
(質)この文言を利用した予算案になっていくと。
(答)はい。と思いますけど。
その他の項目に関する質疑
○国の第1次補正予算成立
(質)それではそれ以外のことでお伺いします。1つは、災害復旧が柱の国の補正予算成立しましたけど、前後して知事は国のほうに防災・減災、国土強靭化も含めて要望に行ってらっしゃいましたが、その時の閣僚の方々の発言なんかも含めて、手応えのほうはいかがでしたでしょうか。
(答)まず今回第1次補正予算で、約9,400億円に及ぶ災害復旧などを中心とした補正予算が成立したことは良かったと思います。とりわけブロック塀、それからエアコン、そういう今年の災害に基づいたものでしたので、非常に良かったというふうに思ってます。さらに総理がおっしゃって政府として今、例えば重要インフラの緊急点検をやっているわけですが、それに基づいて3年間、防災・減災、国土強靭化を集中的にやるというふうにおっしゃっておられましたので、それに基づいて作業が進捗しているというふうに感じましたし、私が一定、この6日7日行く前日の参議院予算委員会でも、総理のほうからその3年間しっかりやるために臨時的、特例的な措置を取るというふうにおっしゃっていただいておりましたので、非常に、例えば山本防災担当大臣もそうですし、あと国土交通省の関係の皆さんなども、それに基づいてしっかりやっていくんだということで、非常に手応えはあったと思います。併せて僕らがお願いしているのは、国で予算を確保するのも、もちろんですけども、地方も一定負担する中でついていかないといけませんから、やりきるためには地方の財政負担の軽減、地方負担分の起債の充当とかあるいは交付税算入とか、そういうところもしっかりやってほしいということを申し上げまして、それについても重く受け止めて検討するということでしたので、基本的には災害についての議論は一定手応えがあったと思いますし、また明日の全国知事会で私のほうから総理に対して防災の関係のことをお話させていただきますので、さらにしっかり受け止めてもらえるように発言をしたいと思います。明日の総理に発言する前段で、被災者生活再建支援制度について全国知事会として取りまとめを行いますので、そこにおいても国にしっかり話をしていきたいと思います。
○漁業権に関する水産改革関連法案の閣議決定
(質)あともう1点ですけど、漁業に関してですが、漁業関連法案が閣議決定されたという報道がありました。それでちょっと驚いたのが、漁業権の地元優先を廃止するという考え方が盛り込まれてまして、都道府県の判断で企業の参入を促したりとかそういう面もあるんですけど、やはり地元の漁業の今やってらっしゃる方たちにはそれなりの反論というか、影響が出てくるかと思うんですけども、その辺の、この間は農業関係者でしたけど、そういう県内漁業者の声って知事のところへもう届いてきたり何かありますか。
(答)この前、貴方も来てもうた農業団体のやつの、あれ1カ月前ぐらいやったかな、漁業版もやってまして、その時にも漁業団体の皆さんからも、今の国が進めようとしている水産改革について、漁業者の意見をよく聞いて丁寧に進めてほしいというご要望もありましたし、我々も国にもそういうことをお伝えしていますし、我々としてはそういうスタンスに立ってます。さっきの漁業権のところはもちろん我々として、何か運用が大きく変わるというふうには想定していないですけども、例えば漁業権がありながら、そこに担い手がいなくて全く動いていない漁業権とか、そういうのを、だから農業でいう耕作放棄地みたいなやつですね、そういうものを活用して、だから既存の地元の人たちに影響を与えることなく、そこに参入してくる人たちとか、三重県だったら尾鷲市とかでもいらっしゃいますので、そういうところは漁業全体の活性化として、地元の皆さんのご理解をいただける範囲で進めていくというのは良いのかなと思いますけど、基本的にはやっぱり今頑張っていただいている、例えば鳥羽の答志島とか、菅島なんかも漁師の高齢化率は全国平均と比べても極めて低い、若者たちが非常に頑張ってくれている。桑名市の赤須賀漁協のはまぐりとかもそうですね。そういう人たちがいるので、そういう人たちのモチベーションとかは、絶対に落とさないというのは大前提だと我々は思ってますから、よくよく国の性急な制度改革があったとしても、地元の皆さんと手を携えてやっていくというのが我々三重県のスタンスです。
○入管法の改正
(質)産業振興ビジョンと国会のほうでやっている入管法の改正のことでちょっと伺いたいんですけども、今後労働力不足がなってくるということで、おそらくその産業の政策を考えるうえでも、どうやってその労働力不足を解消していくかと。国のほうでは、外国人の労働力を生かそうということで、いろいろ議論がされている中でなかなか政府のほうは移民については消極的というような状況が続いていますが、それについて知事はどのようにお考えでしょうか。
(答)まだ昨日かおとといですか、法務大臣もその入ってきた外国人の方々との共生に関する総合計画みたいなのを年内に取りまとめるというふうにおっしゃっていて、要は全貌がまだ分からない状況なので、自治体としては早くそういうのを示してほしいですし、例えば我々だと医療とか福祉の側面、あるいは学校で、三重県は人口10万人あたりの外国人登録者数が全国で4位というような状況で、各学校にも日本語教育が必要な子どもたちとかたくさんいますから、そういうところのケアって自治体でやらないといけませんので、じゃあそれに教員を配置するための予算がちゃんと計上されるのかとか、そういうことも含めて早く全体像を示してほしいというのが私の思いです。加えて私は例えば農福連携のネットワークの会長もやらせていただいていますから、外国人の方々にお手伝いいただくというのも一つの方法かもしれませんけども、我々としては例えば農業の分野で障がい者の人たちが働きやすい環境をしっかり作っていってもらうと、作っていくということに努力をしたうえで、なお足りないところを外国人の方々に共生しながらお手伝いいただくということであればいいんですけど、そういうこう、働きたいという女性や障がい者や高齢者の人たちの雇用が奪われるようなことになっては、困るなというのは会長としての立場としては思いますけどね。いずれにしても自治体として地域で外国人の皆さんに来ていただいて、何かこう排除するというのではなくて、しっかり共生していくための全体像というのを早く示してほしいなというふうに思います。外国人の方々に来ていただいて、そういう人たちは働くだけではないので、生活がちゃんと、暮らしがありますから、その人たちの暮らしを守っていくっていうことがしっかり大前提として無いと良い共生社会を作れないと思いますので、そういうところをしっかり視野に入れた制度設計とか、アナウンスをしてほしいなと思いますね。
○移民政策
(質)踏み込んでしまうと、知事は移民についてはどのようにお考えですか。
(答)「移民」ということの定義とかにもよりますので、それは制度とかによってもいろいろ考え方が違ってきますので、例えばうちでいうと今、鈴鹿市にミャンマーの少数民族のカレン族の方々が難民で2名ぐらい来て、一家族来ていただいてますけども、やっぱりそういうのは人道的見地からお受けするというのはあると思いますし、なので一言で移民について丸かバツかみたいなのは答えは控えたいと思いますけども。その制度の前提、例えば道州制について丸かバツかって言われて、道州制って何を道州制って言うねんというのがあると思いますので、そういうところは、さっき言った鈴鹿のような事例とかは大事だと思いますけどね。
○国道166号の通行止め
(質)台風24号で国道166が通行止め、松阪市の飯南町粥見でありますが通行止めになってます。市民の方々または商売されている方々から結構大変というお声を聞きますし、県が目途を、開通・復旧の目途を示されないということで不満になっているような状況でございます。この点知事いかがお考えでしょうか。
(答)本当に地元の皆さんにご不便をおかけしているということについては、大変申し訳なく思いますし、併せて、いろいろ自治会の皆さん、地区の皆さんとかへは説明しているようですが、県の説明も十分でないということについても申し訳なく思います。いずれにしても早期復旧に向けて全力を挙げたいと思っていますが、現状は法面が崩壊した所が、非常に傾斜が強い所なので、普通法面の復旧って例えばそこに重機を乗せてって、そこで作業したりできるんですけど、あそこ斜面が急すぎてそういうのができなくて、下から遠隔で直さないといけないのと、この二次災害を防止するためにこの法面の不安定土砂が動くか動かないかというのを、ちゃんと調査しないと作業に入っていけないというちょっと特殊事情があってですけども、仮設の防護柵、その不安定土砂がぱっぱっと落ちてこないような防護柵の設置を11月1日にやりましたので、その後、今言いましたような特殊機械を使っての不安定土砂、土砂が安定しているかどうかというのをこの3週間ぐらいで確認をして、それが終わりましたら早ければ12月頭ぐらいだと思いますけども、片側交互通行のための安全確認をやって、片側交互通行にいけるようにしたいと思いますが、でも先ほどの土砂が安定しているかどうかをちゃんとチェックしないといけませんので、我々としては、うまくいけばそこで片側通行いきたいですけども、土砂の、技術的に難しいのがあるので、そこは安全性、結局片側通行してみたはいいけれども、土砂がぱっぱっぱっと落ちてきて、結局また後戻りして住民の皆さんにご負担をかけることがあってはいけませんので、そこを慎重に見極める必要がありますけども、その今言いましたような特殊機械の不安定土砂のやつを約3週間ぐらいやって、それが終わって片側通行の安全確認ができれば、早ければ12月の頭ぐらいにという形になるんじゃないかと思います。そういうことで、そういうのをもうちょっとちゃんと説明するようにということを、だからその不安定土砂のことは楽観視できないけれども、スムーズにいけばこうだというその両方ちゃんと説明するようにということで、おとといかな、それこそ、あっそうか、5日の日に夕刊三重さんが記事で書いていただいたその日に、私のところにもいろんな声が届いてまいりましたので、県土整備部長に指示したところです。
(質)今日は、その日にちが12月、いろいろ条件あるけども12月頭というのが出たもんですから、今日は貴重なお話をいただいたと思います。説明責任、いわゆる病気の方にインフォームドコンセントですかね、亡くなりましたよでは納得しないわけです。こうこうで亡くなりましたということを付けるということは必要だと思いますもんですから、よろしくお願いします。まだ届いてないような話を聞きますもんですからお願いします。
(答)そういう条件、その不安定土砂というすごい難しい条件があるということと、だからといってそこがあるので全く見通しを全然示せないというのは、また別物なのでこれがうまくいけば、こういう可能性はあるということはお伝えしながら、でも不安定土砂の作業とは難しいということはしっかりお伝えして、何ら情報がもたらされないということに住民の皆さんも不安を感じられると思いますので、難しい条件もあるけどもこういうことを目指して今頑張っているということをしっかり申し上げるように、また再度あらためて指示を徹底したいと思います。
○外国人労働者
(質)先ほどの入管難民法の問題で、知事からもご発言あったとおり、三重県はすでに日系ブラジルの方であるとかご家族としてとか、かなり外国人の方がもう今はいるんですけど、現実には、飲み屋で知り合うのか周りほとんど外国人みたいな工場がいっぱいあるというふうに伺うんですよね。そういう状況がある中で、三重県経済にとって外国人労働者の方というのはどういう役割を果たしているというように思われるでしょうか。
(答)現状においては本当に、いろんな制度のあり方はありますけれども、三重県経済を支えるにあたって貢献をしていただいているというように思いますし、今回、今は僕たちがちょっと風景が変わるかもしれないなと思っているのは、現時点においては製造業などが中心ですけども、サービス業のいろんなところにも外国人の方々が入ってこれるという制度であるということなので、そこが風景変わってきますからしっかり、サービス業とか1次産業ですね、そういうところの対応をしっかりやっていかないといけないなというふうに思いますけどね。
(質)ちょっとこれは国会での水掛け論みたいな感じですけども、日本は既に移民社会なのに、それをあたかもそうでないかのように言っているだけじゃないか、三重県の一部の現場の状況を見ていると、そういう印象も受けなくもなくて、むしろ今も小学校にいっぱい外国のお子さんがいて、県が苦労して日本語教室をしてたりしていたら、きっと制度を作って移民、移民という言い方がいいか分かんないですけども、受け入れる基盤がもっときちっとしたらむしろそのほうがいいんじゃないかという気もするんですけど、そういった移民社会、既にそうでないかということについての見方と、それから制度をきちっと作っていくうえで、むしろいいんじゃないかという気もするんですけど、それについてはいかがでしょうか。
(答)移民社会か否かということの、何か水掛け論みたいな言葉のやつは、僕は議論も詳細を承知してないんでコメントを控えたいと思いますが、今貴方がおっしゃった、例えば三重県なんかは、特に鈴鹿市とかなんかはですね、働いていただいて、気に入って定住して、お家も建てて、地域で溶け込んでいらっしゃる皆さんとかがたくさんいらっしゃいまして、そういう状況を見るにつけ、ちゃんと地域社会としてやっていけば、受け入れちゃんとできると思いますから、我々は、制度とか予算とかそういうのはもちろんしっかり整えていただいたうえではありますけども、一緒に共生していくということが可能だと思うし、大事だと思いますけどね。
○漁業権に関する水産改革関連法案の閣議決定
(質)漁業権の件なんですけれども、漁業者の方々が不安に思われるのは当然だと思うんですけども、一方で、今回船ごとで新規参入ということで漁業権ということになると思うんですけども、確かに漁業権というのは古い制度でなかなかこう、問題点もあると思うんですけども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
(答)先ほど言いましたような、実際に漁業権が動いていないのに更新がとか、あるいは、何て言うかな、地元の人でも新しい分野でうまくできないところとかもあったりとかで、確かにそれは制度の問題なのか運用の問題なのか、そこはいろいろあると思いますけども、本来的、地域の漁業の振興や活性化にとって、完全な完璧な制度かっていったら、もちろん課題は多くあるんじゃないかなとは思いますけどね。
(質)都道府県知事が基本的に、最終的に認可だと伺ってますけど、要するに地元が適切に漁場の利用をしているかどうかを知事が判断して、それで、そうじゃないと判断すれば、新規参入とフェアに優先順位を付けていくというお話だと思うんですけども、そうすると政府に対しては、三重県が三重県の地域事情をきちっと反映できるような新しい、三重県として主体的に判断できるようなものを求めたいとか、そういうのはあるでしょうか。
(答)今後の議論なんで詳細あれですけども、両方あると思うんですね。地域の実情に応じてやれるような範囲も必要だし、一方で、あまりに地域でバラバラ過ぎて、例えば海って県境ありません、県境ないというか繋がってますから、愛知県とうちとで全然やり方が違って現場に混乱があってはいけませんから、一定の、国で指針は示しつつも、地域の実情に応じてできる範囲というのも両方あってほしいと思いますけどね。ちょっと種類は違いますけども例えば、今回の7月豪雨で安否不明者の氏名を公表するか否かという、岡山と広島で対応が分かれて、岡山はたくさん人が来たけどというのがあったけど、それはもう国の、我々今回要望もしましたけども、国のスタンスとしては「各自治体が判断すること」一点張りなんで、でもそれでは、南海トラフのような大きい地震が来たら、安否不明者が大量に出た時にみんなが地域で対応がバラバラだったらダメだから、やっぱり指針は一定示してもらったほうがいいんじゃないですかというようなことのように、一定の、やっぱり大きく制度にバラつきがないように一定指針は示しつつ、地域の実情を勘案できる範囲というのはあってほしいと思いますけどね。
○知事の出処進退
(質)知事の任期が4月20日でしたっけ。ということで、もう半年切りましたけれども、現段階で4月以降何をしているかというのは。
(答)4月以降何をしているか?
(質)単刀直入に言うと、次に向けての、もう考えてはいらっしゃいますか。
(答)今は、毎回同じで申し訳ないんですけど、日々、残り任期半年の中でいかに成果を出していくか、それから先般、障害者雇用の算定誤りなどもありましたように、県民の皆さんの信頼を回復するために日々努力をするというようなことにおいて、頭がいっぱいですので、あんまりまだそういう、私の去就をどうするかというのを考えるような状態にはないんじゃないかというように思いますけどね。
(質)前の前の北川元知事であったり、野呂前知事であったり、大体11月議会の中で進退を表明されるということが多いのかなと思うんで、今度11月21日に11月定例月会議が始まると思いますけど、その中で何らかの意思を表明されるとかは。
(答)それは、まだ今日11月8日ですから、先ほど言いましたように、そもそも表明というのは進退をどうするかというのがあって、それをいつ表明するかなので、こっちことを、まだまだ今全然考えている状態にはないので、まあどうでしょうかね。何とも、表明の時期などについては申し上げることはないと思いますけどね。
(質)現段階で、どなたかに相談されたりもしていない?
(答)相談というか、私は現在知事をやらせていただいて8年目ですので、自分が相談をするというよりは、県民の皆さん、もちろん相談、相談というか、県民の皆さんからいろんなお声を聞くというのは大事なことだというふうに思っていますけどね。
(質)声はある程度届いてます?
(答)ある程度というのが、どれくらいがある程度かは分かりませんが、いろんなご意見は賜ります。
(質)第二さんよろしくお願いします。
○「みえ産業振興ビジョン」の策定(発表)
(質)みえ産業振興ビジョンについてなんですけども、冊子のほうに、取組方向1のところで、四日市コンビナートが競争力を今後も維持・強化できるように、スマートコンビナート化による生産向上を進めるとあるんですけども、こちら何か具体的にありましたら教えていただきたいです。
(答)今おっしゃっていただいたのは、18ページから19ページとかですね。
(質)はい。
(答)四日市のコンビナートは、三重県の産業においても大変重要な場所でありますので、そこが非常に激しい世界の競争にさらされていますので、そこの活性化というのは三重県経済全体の発展に大変重要ですので、そのコンビナートの各企業が新しい、生産性を高めたり競争力を高めたり、そういうことを応援していく制度、それは研究開発とかかもしれないし、あるいは生産のプロセスをスマート化していく応援であるかもしれないし、そういうことはよく四日市さんとも一緒になって議論して対応していきたいと思います。
○「みえ産業振興ビジョン」の策定(発表)
(質)みえ産業振興ビジョンですけど、KUMINOSHIですけどね、もともと西村理論というのは人口減少OK、上等というふうなところで組み立てられてて、漁業者が減れば逆に1人あたりの魚の量が増えると。そういう形で西村さんはずっと押されてきてますけど、基本的に、かと言って、県南部の人口減少は止まったかといったら止まらないし、国内に発信できるような産業が生まれているかといったらそうでもないし、そこの部分で、結局長屋の花見じゃないですか。そういう中で、KUMINAOSHIというところに今回着目されてるというのは、これは「坂の上の雲」の時代には出ない発想ですよね。つまり閉塞されている部分があるから、そこの中で何とかやろうという知恵を絞ったという感じがするんだけど、知事はそのお考えでいらっしゃるということですか。
(答)西村先生がどう考えているかということがベースにあって、そこの解釈はいろいろあると思うんですけども、KUMINAOSHIの中には、例えば浅井農園の浅井君の、デンソーのセンサー技術とか新しい技術を入れてきたりというのがあるので、もちろん何と言うんですか、全ての組み直しのリソースを県内に求めるということではないと思いますけどね。県内の中で組み合わすことでいろんないいものがあると思うし、一方で外の、国内外の技術とか人材とかを組み直すことで成果が、新しい価値が出るとも思いますけどね。だから今貴方がおっしゃった西村理論が、全て県内のもの、リソースでと解釈するなら、そうではないということですね。
(質)西村理論は置くにしても、知事自身がさっき言ったような、産業革命期のような、そういう組み直し理論というのは力強さがある意味感じないんで、そういうお考えに立つのか、それともIoTとか使った新しい形の産業革命期で、なおかつそれで押していくんだというならば、もうちょっと書き込みの仕方というのが、力強さというのが出てくるじゃないですか。今回そういうことではなかったわけですか。
(答)どうだろうな。書き込みが力弱いというのだったら何ともあれですけども、例えばそうですね、今回空飛ぶクルマとかそういうのも、新しいのも入れたりしてますんでね。だから何と言うのかな、例えば新しく蒸気機関車が生まれたとか、そういうようなものをバンバン作っていきましょうというビジョンになっていないのは確かかもしれませんけど、KUMINAOSHIとか、あるいは先ほど言ったような、新しい革命的な変化はどんどん取り込んでいこうというふうにしてますけどね。だからどうだろうな、文章の問題なのか、僕自身はそういう新しいものが生まれてきたり新しいものを取り込んだりするということについて、否定的に立つとかいうことではないですけどね。
(質)成熟国家で閉塞されてる状況だから組み直しという発想なのか、それとも、KUMINAOSHIという言葉は置くにしても、本来なら再構築とか再生であるとか、何かそういう力強い言葉を使う方向で向いてるのか、という感じなんですけどね。
(答)再生だとどうですかね、現状を否定的に捉えてそれを直すというふうなことの、立脚点として、もちろん課題はあるけれども、いろんな組み直すことでのいい面も出てきているので、現状を完全否定してというよりは、課題はあるけどそこをもう一度伸ばしたいということなので、その再生とか再構築というような、ちょっと振りかぶった言葉ではないということかもしれませんね。
(質)もう少し具体的に言うと、この前、立命館のアジア太平洋大学の学長の、総長か、出口さんの話があったじゃないですか。その時に、バブルの頃に世界トップ20社のうちに14社日本企業が入っていると。現在では、20社の中に日本企業は1社もないと。トヨタでさえ34位だと。この差がなぜ出たかというと、結局その、グーグルであるとかアップルであるとか、そういう関係の人材の育成とか採用とかを含めて、日本企業は立ち遅れたということをおっしゃってたじゃないですか。そういう視点に立つならば、少なくともそこを取り入れた部分というのは、この産業振興ビジョンのベースにはある程度あるということですか。
(答)それはあるんじゃないですか。書きぶり、ちょっと僕も細かいところは見てませんけども、例えば本冊の、人材育成みたいなところの、産業プラットフォームの強化みたいなところもそうですし、あと産学連携みたいな、そういうところもそうですけども、そういうこの、新しいイノベーションを起こす人たちが出てくることを否定するようなものではないですけどね。むしろそういう人はどんどん出てきてほしいという考え方ですけどね。
(質)じゃあさっきの移民の問題と絡むなら、少なくともそういう特殊技能とか才能とか技術を持ってる人たちの受け入れはある程度OKで、一般労働に関してはちょっとそこはっていう感じなんですか。
(答)それは議論全然違うと思いますよ。それは、だって今、それは入管法の議論をすればいいですか。
(質)いや、入管法じゃなくて。出口さんがおっしゃったのも、つまりそのアップルであるとか、アメリカのIT関係が。
(答)それは議論の俎上(そじょう)が違うじゃないですか。こっちは、今はイノベーションを起こす人材をどうかということと、単純的な労働というか今の新しいやつやと特定技能みたいなところは、その労働力不足の対応どうするかっていうことなので、そもそもの何の課題を解決するかっていうことの出発点が違うので、それは議論一緒じゃないと思いますけどね。
(質)じゃあちょっと質問変えて、イノベーションを起こすために、その外国人の方をある程度入れていくと。アメリカにみたいに例えばインドの方であるとか、あるいは中国であるとか、そういうことに関しては比較的この産業振興ビジョンでも人材育成の中には図っていくということですか。
(答)高度な技術を持った人材が、三重県に呼び込まれるということは良いことだと思いますけどね。
(質)それはOKなんですね。
(答)それはOKって何を否定してるのか分かりませんけど。それはOKって何が分かりませんけど、はい。だからその、ちょっとよく分かんないな、高度な技術を持った人材が来て、日本の人たちと組み直されて新たなイノベーションが生まれるのは良いんじゃないですか。例えばさっきの浅井農園でもヨーロッパとか中国から高度な技術を持った人材が来てイノベーション生まれてますからね。
(質)それではまた。
○全国知事会
(質)明日の全国知事会ですけど、さっきちらっと防災の関係おっしゃられましたけど、明日は争点になるのは何なんですか。
(答)明日は、僕は危機管理防災特別委員長の範囲しかちょっとよく分かりませんけども、僕からは防災・減災国土強靭化の予算の確保、地方負担の軽減、それから被災者生活再建支援制度、総理等のやつですよね。明日3階建てなので。全国知事会、知事だけの会議と閣僚とのセッション、閣僚懇と総理懇という3階建てなんで。
(質)全国知事会のほう。
(答)全国知事会の、知事会だけでいいですか。「健康立国宣言」っていうのをこの前の北海道知事会でやってるので、夏、それに基づく取組をどうするかっていうような議論とか、あとは今議論いろいろなってる地方の税財政に関わるところの理論ですね。ああいう地方法人課税の話とか車体課税とか、そういうところは議論されるんじゃないかなと思いますけどね。
(質)東京五輪・パラの、中部圏では東京五輪・パラの連携うんぬんっていうことは話されたじゃないですか、そういうのも出るんですか。
(答)今回それ議題あったっけ。多分無いですね。
(質)無い?今おっしゃったようなことで知事も一応主張される?
(答)全国知事会ですか。
(質)はい。
(答)そうですね。あと全国知事会では、今回の7月豪雨とか北海道胆振東部地震を踏まえての全国知事会としての災害対策本部みたいなのの立ち上げの基準とか参集基準みたいなのとか、そういうのをみんなで協定結んでるので、それの改訂をしてもらうのを僕はちょっと提案しますけどね。
(質)改訂?
(答)改訂。協定を締結し直すっていうんですかね。
(質)それは予算措置が伴う?
(答)全然全然。全国知事会同士のやつなんで。要は例えば、災害対策本部の設置も地震のことだけを想定した設置基準とかになってたりするんで、豪雨の場合どうするかとか、極めて実務的な話ですけど。
○産業支援センター
(質)あとあの、産業支援センターですけど、県の。今回もちょっとメールの誤送信とかですが、今こう見てるとですね、どっちかっていうと産業支援センターが第2県庁化してる感じがあって、そこのところへまとまった補助金が付いて、あとの使い勝手については割と支援センター任せで、なおかつ監査もほとんど入らないじゃないですか。その形でいくと、向こうさんの100人余りの職員っていうのは、6割7割は民間出身者なので、逆にいったら県庁職員よりも民間の気心とか仕事のやり方とかが優れてて、あっちのほうがレベルが高いっていう話も自画自賛的に産業支援センターの中にありますけど、この二重行政的なものというのは、できてもう10年以上経つけど、何らかのやっぱり今回の本庁におけるコンプライアンス推進会議に含めてですね、あそこも巻き込んでとかいう話はあるんですか。
(答)今のはあれですか。
(質)ちょっと広がりましたね。産業支援センター、今のまま置くのかそれともある程度こちらからもチェックを入れて整備するのかっていうことです。
(答)なるほど。僕が知事になってから、産業支援センターとうちの雇用経済部のあり方について、うちの雇用経済部は企画立案や調整を中心とし、産業支援センターでしっかり事業の実施をするという役割分担を整理をしたんですけども、今貴方がおっしゃったように実態として少しかぶっているところとかそういうのがあるとするならば、そこはきっちり役割分担を一定する必要があると思いますし、役割分担した上での連携っていうのをしないといけないと思うんで、そこは虚心坦懐にしっかり見直していかないといけないと思います。一方税金使ってますから、全てお任せっていうわけにはいかないので、そこはしっかりチェックをする、その役割としては雇用経済部がしっかりやるんだと思いますので、チェックしていかないといけないと思います。
(質)ただですね、センターの責任者であるとかその辺みると、初代雇用経済部長であるとかが行ってるじゃないですか、前副知事も行かれてると。この組織に対して、今の本庁における雇用経済部長っていうのは誰がやろうと結構やりにくい面も出るでしょ。逆にいったら雇用経済で落ちた事業政策が割と産業支援センターで実施されたりするんですよね。これがちょっと二重行政的じゃないかと。そういうのは整備はされていくんですか。
(答)仕組みを思いっきり変えて、何か整備をするっていうものなのか、実態の進め方の話なのかは両方あるのか分かりませんけれども、今あったような何ていうか過去の人事とかがあるので物が言いにくいということとかで何かを躊躇(ちゅうちょ)するということとかは原則としてはあってはならないですよね。だからそこをもし何か雇用経済部が何か躊躇するようなことがあったとしたら、それは雇用経済部も姿勢をあらためてほしいし、産業支援センターもそういう何か過去の人事をもって何か言うということがあったとしたら、それは良くないことですね。それはお互いあらためないといけないことですね。
(質)まだセンターの役割っていうのはあるんですか。もうそろそろ統合するとか。
(答)統合?
(質)だからちょっと事例が違うかもしれんけど、研修センター一応人事課の中に入れたじゃないですか。出先はある程度右肩上がりの時はいくつも作ってたけど、それをそろそろ再構築してくっていう時期かもしれないし。
(答)少なくとも今何か産業支援センターの再編についての議論があるというのは、今は全く無いので、そういう団体などについては不断の見直しが必要ですから、今後そういう議論があればしっかりしていかないといけないと思いますし、そういう組織の再編の議論があってもなくても、今貴方の指摘のあったような何か外からみて誤解を招くような、あるいはお互いに仕事がやりにくいようなことがあってはならないので、それは組織の再編の議論があろうがなかろうが、あらためるようにしていかないといけないと思いますけどね。
○漁業権に関する水産改革関連法案の閣議決定
(質)あと漁業権。もともと漁業権は有するけど、実際税金は払ってないわけで、農業における耕作地とは訳違うじゃないですか。もともと海は全て公海っていう考え方が基本だし、それからいくと税金払ってない海に関して、いざ例えば中空の時もそうでしたけど、できるとなるとその漁業補償が発生すると。漁業権を返上する、まあ無くすということやね。そこのところの漁業権の今までのあり方っていうのについては、知事はどういうふうにお考えなんですか。
(答)すごい広い話ですね。漁業権のあり方ですか。
(質)はい。
(答)漁業権のあり方。今の税金を払ってない、払ってるとかいうこととの関係でですか。
(質)うん。
(答)何を答えて良いのかちょっと分からないんですけども、その更に言えば漁業補償、いろいろ言ってあれなんですけど、適正に漁業がなされるように権利が配分されていますので、それに基づいた対応してもらうってことしかないですよね。何を答えて良いのかちょっと分かりませんけど。
(質)だから今回国がある程度メス入れてきているっていうのは、新しい農業における民間会社の参入であるとかあれと同じように、まあそれの水産業版だと思いますけど、その新しいイノベーション起きるっていう期待性がありますが、逆に言ったら今までの漁業権の部分っていうのも見直しが図られたというふうには考えられないですか。
(答)さっき記者に答えた時に申し上げましたとおり、そういう課題が全然無いとは思わないからこういうことが出てきたという。
(質)その中にはそれも含むと。
(答)ということじゃないですかね。刷新して全てを、何ていうか、今の貴方の質問の仕方だとゼロか100かみたいな、イエスかノーかみたいなんだったら、それは違いますけど、課題があった部分を手直ししていくようなことを考えているというようなことなら、そういう方法でもあるんじゃないですか。
(質)だとしたら今後伊勢湾架橋はやりやすくなる?ある程度漁業権っていうのが見直されると。
(答)それは個別のこととの関係では、因果関係や相関関係が分からないのであれですけどね。ちょっと言及できないですねそれは。だからどうっていうことではないと思いますけどね。
○幼保無償化への反発
(質)1点短くいいですか。
(答)どうぞ。
(質)明日知事会もあるんで。市長会が幼保無償化でちょっと反発の声が出てるって聞きました。ていうのは来年10月から無償化するんですけど、最初の半年は全額国が出すんだけど、それ以降は今と同じで国が半分、都道府県と市町が4分の1ずつみたいなことを言ってるんで、その辺に反発があるみたいなんですけど、知事の目から見て、政府のこういうやり方っていうのはこれ想定内ですか。
(答)全然想定内じゃないですね。全国市長会もそうですし、幼児教育無償化って国で掲げた中で全額国費でみてほしいというふうに言ってきたわけですから、実務に影響を与えないようにしてほしいと言ってきましたので、極めて唐突な案だと我々は思ってますから、よく地方の意見を聞いてほしいと。
(質)明日も言っていらっしゃる?
(答)明日、僕は担当じゃないんで言うか分かりませんけども、少なくとも今回6日、7日の提言した時に、根本厚生労働大臣との日程が調整が別、その日できなかったんで、別で今月上京した時に厚生労働大臣の所へ行きますから、そういう議論はちょっとせざるを得ないかもしれません。その時の状況によるかもしれませんけど。それだけじゃないですけどね。もちろん児童虐待とか社会的養護の話とかが中心なんですけど。まあ財源論についてはずっと自治体は言い続けてきたので、しっかり全額国費でやってくれよなと言い続けてきたのにこのタイミングで出てくるっていうのは、しかも実務の問題も相当例えば幼稚園で保育が必要っていうのを判断しないといけないという、今までに無いことをやるわけだから、実務も大変な中で、そっちの答えもあんまり出てない中で、財源論だけそういうの出されるとなかなか自治体としては受け入れ難いでしょうね。
了