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平成20年12月26日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成20年12月25日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目等

国庫補助事業の事務費の経理処理について(発表)
・2008年を振り返って(報告)

(知事)まず、国庫補助事業の事務費の経理処理に係る調査の結果について、ご報告をいたします。10月末の知事定例記者会見で申し上げておりますけれども、本県でも県庁内の各部局で不適正な経理が行われていないのか確認するということにいたしましたが、今回調査結果がまとまりました。お手元に資料があるかと思います。1ページは、11月に会計検査院が報告された内容となっております。2ページにつきましては、本県が今回行った調査の結果でございます。まず、今回行った調査の対象でございますけれども、会計検査院は国土交通省と農林水産省の国庫補助事業の事務費について報告をされましたが、しかもこれはその中で抜き出して調査をしたという話でありますけれども、本県の調査につきましてはこれに関連する公共事業関係部だけでなく、公共以外の該当部も対象といたしまして調査をしました。次に、調査の結果でございますけども、一覧に示してありますように、①の預け金、②の一括払い、③の差替えといった、裏金づくりにつながるような不正経理は、これは業者に対し調査した結果も含めまして、該当するものはありませんでした。また、過去に三重県でもありましたが、カラ出張とかカラ雇用についても改めて調査をいたしまして、そういった経理はありませんでした。一方で、不適切な処理である翌年度納入など、賃金・旅費の補助目的外支払いについては、該当がありました。その件数と金額は、8,447件、事業費ベースで約4,819万円となっております。これは、国庫補助ベースにおきかえますと、この金額の約半分程度になるのではないかと考えております。そして、このうち需用費の④翌年度納入と⑤前年度納入でございますが、物品購入について現年度の予算で支払ったにも関わらず翌年度に納入となったものでございまして、歳出の年度区分の取り扱いに誤りがあるものでございます。④の翌年度納入は418件、約1,240万円、⑤の前年度納入は3件、約7万2千円となっております。翌年度納入については、工事を伴う補助事業について、工事費の確定が事業の進ちょくの遅れなどから年度末になることが多く、その事業費は工事費と一体で決定されることから、年度末に確定した事務費の認められた枠を執行することにより、結果として翌年度納入が発生したものであります。それから前年度納入につきましては、3件、7万2千円と少額になっておりますが、これは前年度の支払いを忘れていたことによるものであります。次に、補助目的外支払いについてでありますけれども、需用費が410件、約500万円、賃金が27件、約1,438万円、旅費が7,589件、約1,632万円となっております。補助目的外支払いにつきましては、例えば補助金が未だ交付されていない年度途中には、補助事業ごとに補助金で使うべきものと県費で使うべきものを明確に区分せず、予算の総額に基づいて各費目に割り振り、執行します。こういった執行の後に、決算時期に本来の補助事業の支出科目に整理し直さなければなりませんが、そういった処理を忘れたり、誤って整理をしていたものなどであります。こういったことが発生した背景には、補助金に認められている需用費や旅費などを最大限活用できるとの意識が先行したことや、補助金の使い道の判断基準がこれまで明確に示されていなかったことが大きいと考えております。その結果として翌年度の納入が発生したり、補助目的どおりに厳密に区分せず財源を充当するといった結果となり、不適切な経理につながったものと考えております。こういったことに対応するため、例えば補助制度上、工事進ちょくの状況に関わらず早い段階で事務費を確定していただくなどの改善ができないのかどうか、また異なる事業へ財源を充当できるよう各補助金を大くくりにして活用できるように改善できないのかどうかなどにつきまして、今後国と協議していく必要もあるのではないかと考えております。なお、会計検査院の通知によりますと、先の12以外の都府県におきましても今後会計検査を実施するとされておりますので、その時点で国の判断基準の確認もしていきたいと考えております。以上、報告しました不適切な経理の内容について抜本的に改善するためには、全庁を挙げてその問題点の洗い出しを行いますとともに、県庁内でできる改善策と国への制度要望などについて検討を行うことが必要と考えております。このため、12月22日付けで庁内に総務部長を長とする「事務費にかかる経理の適正化検討委員会」を設置したところでございまして、事務費の適正な執行につなげていきたいと考えております。いずれにしましても、不正経理はなかったものの不適切な事例があったことを重く受け止め、県民の皆様におわびをいたしますとともに、今後の防止に努めていきたいと考えております。1つ目の報告事項は以上でございます。

続きまして、今年最後の定例会見ということでありますので、県内の出来事など、この1年を振り返って印象に残ったことについて幾つか申し上げたいと思います。昨年から既に、サブプライムローン問題や原油等への投機マネー流入などによります実体経済への影響が相当心配されておりましたところ、今年9月に、リーマン・ブラザーズの破綻に象徴されますアメリカ発の金融危機が世界各国に連鎖をし、その拡大と長期化が懸念される事態となっております。国内の状況を見てみましても、政局は混迷を極め、また経済情勢も、株価の乱高下や原油・原材料の高騰など、多くの国民に不安と混乱をもたらした1年であったと思います。このような状況の中で、比較的順調に推移をしてきた本県経済でさえも、ここにまいりまして県内企業の生産や設備投資などが減少し、有効求人倍率も約5年ぶりに1を割り込むなど、経済不安が本県経済に与える影響は確実に顕在化しつつあります。そこで私どもは先般、三重県緊急経済対策会議を設置いたしまして、具体的な対策に着手したところでございますが、これらの状況につきましては引き続き注視をしまして、所要の対策を講じていかなければならないと考えております。こうした喫緊の課題のほか、県内では県民の安全・安心を脅かす事件、事故あるいは自然災害など残念な事案もございましたが、一方で私たちにとっては明るい希望を与えるような話題もたくさんございました。8月~9月に北京オリンピック・パラリンピックが開催されましたが、両大会での三重県勢の活躍というのは、県内で最も明るい話題のひとつであったと言ってもいいのではないかと思います。オリンピックではまず吉田沙保里選手が2連覇されました。また小椋久美子選手の活躍とか、パラリンピックでは伊藤智也選手や齋田悟司選手らも大変活躍されました。三重県勢の皆さん方がこういった大舞台で偉業を成し遂げられ、私たちに大きな勇気と感動をもたらしたということに対しては、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。それからまた、県の未来づくりのチャンスづくりにつながるような話題も幾つかございました。まず2月に、新名神高速道路「亀山~草津田上(くさつたなかみ)」間が開通をいたしました。これによりまして、土・日曜日の伊勢自動車道の通行量が約2倍となりまして、関西圏を中心とする観光入込客数の増加が非常に期待をされているところでございます。3月には高度部材イノベーションセンターを四日市市に開設いたしました。県内の高度部材産業群が国際競争力を持ち、世界的なネットワークの中で自律的に発展していくためには、県内の産業構造を知識集約型に転換をし、次々とイノベーションが誘発される環境づくり、仕組みづくりを進めていくことが大変重要になります。そのため、この高度部材イノベーションセンターでは高度部材にかかる最先端の研究開発の促進や、中小企業の支援など、一体的な取り組みを開始してきているところであります。さて、4月には県の新しい組織体制がスタートいたしました。その中で、子ども関連施策を総合的・一体的に進めるために、こども局を設置いたしました。こども局では、子どもが自ら育つ力、「子育ち」支援を政策の新しい柱といたしまして、今年は「こども会議」を3回開催いたしました。この会議の第1回目には私も出席いたしましたが、子どもが自分たちの夢や思いなどを主体的に考え、おとなに対して発信してくる、そういうことで、おとなを巻き込んだ社会全体の機運を盛り上げることを目指す、正に未来づくりのための取り組みであると考えております。また、県の未来づくりということで申し上げますと、今年は新県立博物館整備に向けての取り組みも着実に進められた1年でございました。今年3月には「三重の文化振興方針」を策定いたしまして、先般も新博物館基本計画が承認されたところであります。今後も多くの方々にご意見、ご議論をいただきながら、県民の皆さんの新たな文化と知的探求の拠点となる新しい博物館の実現を目指しまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。最後になりますが、冒頭にも申し上げましたように、現在私どもを取り巻く厳しい経済状況に加えまして、地域社会におきましては所得など都市部との格差、あるいは超高齢化社会によります集落機能崩壊の危機など、地域で抱えます課題への対応もますます必要となっているところでございます。こうした地域課題を解決するためには、地域での絆づくりや、地域の資源を活用した付加価値づくりのための活動が不可欠となっております。私どもが進めております「美(うま)し国おこし・三重」の取り組みは、文化力を生かし、地域特性や資源に着目した自立・持続可能な地域づくりを支援するものでございます。今年は2月の実行委員会設立に始まりまして、11月の基本計画策定まで、来年のオープニングに向けて準備を進めてまいりました1年でございました。今、時代はあらゆる局面で大ピンチの時でございます。であるからこそ、チャンスに向けた取り組みもまた、極めて重要であると考えております。今年も残りわずかでございますけれども、新しく迎える平成21年におきましても、「美し国おこし・三重」をはじめ、チャンスにつながる県政運営を引き続き展開をしてまいりたいと考えておりますので、どうぞ来年につきましてもよろしくお願いを申し上げるところであります。私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(質)今の発表項目について幾つかお尋ねしたいと思います。まず経理処理の関係でお尋ねしますが、これは19年度分について全て調査をされたということですが、それ以前についても印象としては同様に、慣習的に行われていたというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)先程、こういう不適切な処理に結びついた状況についてざっと申し上げました。その中で申し上げましたように、補助金で認められている需用費や旅費、こういったことを最大限活用していくというような、そういう意識が、これは財政状況が厳しい時であればある程、職員としてはそういう意識が先行して強かったということがございます。そして、予算の総額に基づいて各費目に割り振り執行をしてきた、総額に基づいてやっていますから、そのために個々のことについてその処理をしていなかったというようなことが、例えば旅費の非常に多い件数などは、正にこれまでそういう中で行われていたのだということだと思います。年が明けまして、いつかは分かりませんけれども早い時期に会計検査院の検査も行われますので、そういったこともにらみながら今後の取り扱いについて検討をしてまいりたいなと、こういうふうに思っております。


(質)先程もお話がありましたけれども、不正ではないけれども意図的ではない、ちょっと悪質性という意味ではややそう高くない、その不適正な処理については、不適正は不適正ということで今後改めていこうということなんですけれども、これはどういう形でいつ頃完全に改めたいというふうに今、お考えなんでしょうか。
(答)先程申し上げましたように、「事務費にかかる経理の適正化検討委員会」を設置いたしまして、今日1回目の会合、会議をやりますが、実質的には年が明けてからいろいろな議論をその中でも検討していただこうと、こう思っているところであります。その中では先程申し上げましたように、例えば翌年度納入のように事業費の確定が年度末の本当にぎりぎりにならないと確定しない、例えばずっと年度末まで工事が続いている時に、まいりました補助金の中で事務費該当分にまで食い込むような事業というのがあるわけです。ですから事業費そのものをなかなか、年度末になる時までどこまで使っていいのか、事業費、事業そのものについて、工事費そのものについて不足を来たすということがないようにするために、事務費の確定が年度末になってくる、そういうことから翌年度納入というようなことが発生しているわけであります。しかし会計法上、それは年度内で処理をしなければならないというふうになっておりますから、実態として他の県でもこういう事例は多く、他の自治体でも起こっているのではないかなと、こういうふうに思います。そうでありますので、その辺はもう少し弾力的な運用というのも必要ではないかなと、こう思います。それから需用費とか賃金・旅費について、これは一括して大くくりに活用できるような、そういう運用の仕方もあるのではないかなというようなこともございます。国としては、予算の使い切りということについても公でそう締め付けてくるということだけではなくて、一応そういうことがこれまで暗黙のうちに求められてきているというようなこともありますだけに、そういったことも影響しているということがございます。したがいまして来年、年が明けて早めに、会計検査院の検査が残り全ての都府県で実施されますから、三重県においても実施をされるということでありますので、まずは今の基準について会計検査院としっかり確認、議論をしまして、あと、やはりそれでは解決のつかない課題が抽出されましたら、国への制度要望などを行っていきたいと、こういうふうに考えております。


(質)この処理、不適正な経理に絡んで処分に相当するような行為はなかったと考えてよろしいでしょうか。
(答)今度設けます検討委員会の方では、こういった問題点の洗い出しとかその背景になるもの、これをさらに検討をしまして、その上で改善策の検討を行っていくということになりますが、関係職員についてどういうふうな対応をするかということについてはその検討の結果を待って考えるべきことだと、こう思っております。


(質)会計検査院へは、この結果はいつ報告されたんですか。
(答)まだ報告しておりません。私どもは、前にも申し上げましたが、判断基準がなかなか明確でなかったのでいろんな情報収集をしましたが、なかなか分かりにくいということがありました。12の道府県につきまして11月に会計検査院の報告書が出ましたが、それを参考にしまして、補助目的外の基準の取り扱いというものについても、大体こんなものかな、という基準を設けて調査をしたところでございます。会計検査院には、私どもの県で調べました、これは全てを調べたわけでありますが、それにつきましては会計検査院の検査の時に、いろいろこちらの方としても個別に協議をしながら最終的には会計検査により確定するものではないかと、こういうふうに考えております。


(質)平たく言って、知事以下県庁幹部と言うか県職員も含めて認識としては、要は制度上の問題等もあり年度末うんぬんとか、補助金等が途中で確定すると、そういうことを含めての会計処理上の不備があって、全体にかつてあったようなカラ出張とかそういうものとは程遠いもので、その分ちょっと、罪と言われれば罪だろうけど、しかしそれは軽いという認識なんですか。
(答)県としては、県の支出が適正に行われているかどうかという点については、これまでの、例えば監査等でもそうでありますが、私どもとしてもそれは適正に行われているというふうに思っておりますけれども、今回の課題は財源充当に照らして適切かどうかということについて不適切な処理につながっているということであります。しかし、とは言いましても今回、こういうような形であったということについては大変、私としても遺憾なことであり、重大なものと受け止めている次第でございます。今後、会計検査院等、国との協議の中でしっかり詰めてまいりますし、検討委員会の中で改善策についても検討していきたいと、こう考えております。


(質)県単独予算等で、議会等でも何度も指摘があって、元々会計処理上、流用は原則禁止という話で、原則どころかほぼ禁止状態なんですけど、これの中には一部、当然流用と見られる処理の仕方があって、そこは多分おっしゃったように総額で全部使えるというような考えでやったわけですね。これはもう根本的に原点が間違っていると思うんですけど、その辺のことのご認識は今おっしゃったような、遺憾というふうに思われるわけですね。
(答)各部、各担当の方で、できるだけそれが一番、使い方として総額からいけばそうすることがいいのではないかというような、そういう意識があったとすれば、これについては今後そういった意識を改めるべく、きちっと対応していかなければならないと、こういうふうに思います。ただ、今回示されたものについても、どの辺まで許されていいのかどうなのかというようなことについて、国の基準についても見直しも求めていかなければならないと、こう考えております。


(質)あと確認ですけど、これ、要は11月の会計検査院の指示等に基づいて県も見習って、やられたのは部局としては農水商工部と県土整備部ですか。
(答)違います。


(質)2部局?オール県庁?
(答)オール県庁です。会計検査院は農林水産省と、それから国土交通省の関係、いわゆる県土整備部ですね、これにかかるところの、しかもその中で抽出した検査をやっているわけです。今回行いました件は全ての所で、抽出ではなくて全てについて調査をしたというのが三重県の調査です。


(質)部局も全部にまたがる?
(答)そうです。


(質)教育委員会、企業庁等もですか。
(答)教育委員会は入っておりますけれども、企業庁等、外部は入っておりません。企業庁も入ってますか。
(答:総務部)企業庁も入っております。
(答)企業庁も入ってましたか。
(答:総務部)調査の対象にしております。


(質)病院事業庁も?
(答:総務部)病院事業庁も入っております。


(質)じゃあ、本当の意味のオール県庁でいいですか。
(答)そうです。その点が他の、今まで会計検査院で発表されている12の数字と横並びで比較できないのはそういうところがあるということです。


(質)この中で例えば返還が必要だというような、個別に当たらないと分からないと思うのですけれども、ざっと何割程度あるかなという、感覚的なものでもいいのですけれども。
(答)それについては正に今度、会計検査院の検査が実施をされます時に、その確認をしていくということになると思います。


(質)そうしますとこれは不適切な処理というだけで、今の段階ではグレーゾーンであるという認識でいいのでしょうか。それで最終的に会計検査院が判断をすると。黒か白か。
(答)ですから私どもは、調査でこういう形で出てきたというところであります。目的としては、私どもはやはり仮にもグレーであってもいけないと、こう思います。グレーの中で白にできるものは白になっていくべきだと思いますし、だめなものはやはり改めていかなければいけない。今後改善をしていくために、他県でああいう指摘があったことについて、自ら確認をしたというところでありますから、今後その検討をしていく中で、あるいは国の会計検査院との確認作業の中で、私どもとしても判断していきたいと、こう思っております。


(質)旅費の補助目的外支払いで、完全に補助事業とは別目的のことだけで出張していたというのは、どれぐらいになるのでしょうか。
(答)今日、実はこの会見の後、そういう細かいご質問等もあるかと思いますので、総務部の担当の方から、皆さんのそういったご質問に答える場、記者会見の場を設けておりますので、その際にどうぞご議論いただきたいなと思います。


(質)国への制度改正の要求なのですけれども、具体的には翌年度納入の部分を指しておっしゃっているのでしょうか、それとも他の部分があったら教えてください。
(答)先程、両方に係るということを申し上げました。ただ、翌年度納入については、これは地方自治法の法律に基づくところであり、なかなかこれは他の府県でも同じだと思いますけれども、実態と法の求めているもの等のちょっと現状の、どうしても取扱上、乖離(かいり)が出てくるという課題があるかと思います。しかしその点についても、指摘はしていきたい、法律的にどう解決の仕方があるのかというようなことについては、私は分かりません。それからもう1つは、いろんなことで旅費を使っているわけでありますけれども、個々の旅費についてはその財源充当をきちっと明確にせずに、後で割り振るために、全く関係のないところのものが関係のない費目のところに充当したりとか、そういうことがあるわけであります。しかしご承知のとおり、例えば旅費などというのは、県全体でどれぐらいあるかと言うと、これは相当数あるというふうに考えられるわけであります。大体件数でいくと、旅費として挙がってくる件数は約70~80万件、この旅費として挙がってくる件数だけでもあるだろうということであります。そうでありますから、その会計処理をするというのは、かなり事務的にも合理的なやり方がないのかということは、やはり担当している者は考えるでありましょう。そういう意味では、大くくりのそういった処理の仕方ができるように認めてもらうとか、あるいは事務費が最後まで確定してこないということについてもっと早くその事務費について確定をしていく、そういう方法をとるとか、やはり改善の余地というのはそういう中にもあるのではないかな、というふうに思います。したがって、これも委員会の中でいろいろ今後検討していく中で、しっかりそういった点を国に対して要請をしていく点も出していきたいなと、こう思います。もちろん場合によっては知事会等でも、他の府県でも多分共通のこういった課題を抱えているのだろうと思いますので、そういったところでの問いかけもして、そういった全国知事会から提案していくというようなことも含めて、今後どれがいいのかということも考えていきたいと思います。

 

(質)それでは次の「この1年を振り返って」ということについてお尋ねします。 この1年もいろいろあったわけですけども、先日、今年の漢字ということで「変」、「変わる」という字が今年の漢字だということだったようですが、知事はこの1年を振り返って、思い当たる漢字あるいは言葉がもしあれば、教えていただけますか。
(答)私はいつも、知事になった時からずっとそうでありますが、「ピンチをチャンスに」ということを、ある意味で1つのモットーにしてきたところであります。しかし今年は、そういう意味では経済状況等も含めて大ピンチですよね。しかし、そういう大ピンチの時こそ、長期的な視点を忘れずにしっかり腰を据えて対応するということが極めて大事だと、こう思います。秋以降もますますそういう思いを強くした、というのがこの1年の一番の印象でしょうか。


(質)来年の抱負のようなものがあれば。
(答)これは年が明けてから申し上げるべきことなのかなと思いますけれども、いずれにしましても、年末ぎりぎりまで経済問題で大騒ぎしております。したがいまして、年が明けても緊急的な課題として経済雇用対策、これは政府の方でも来年度予算あるいは今年の補正予算も第2次が出されようとしているわけでありますから、国の施策と連携を取りながら、まずはこの問題に対応していかなければならないだろうと、こういうふうに思います。それから、来年は博物館もいよいよ基本設計等、建設に向けての作業が本格的に始まるわけでございますから、そしてまた「美し国おこし・三重」も、平成21年度はオープニングの年でございます。これまで平成17年に「文化力」についての勉強を始め、平成18年に「文化力指針」という政策に反映するためのツールを開発し、平成19年に第二次戦略計画策定の際にその「文化力」の指針によります指標を加えて、全ての政策を見直ししてきたところでございます。そういう中で、「三重の文化振興方針」も昨年できましたし、文化行政についても一応教育委員会に残さざるを得ないもの以外は一元化しましたし、先程申し上げましたように「こども局」という、これも教育委員会の分野に残さなければならないもの以外については、こども局に総合化しました。そういう意味で、「文化力」に基づく施策については着実に進んでまいりましたし、来年からはいよいよそういう博物館や「美し国おこし」というような、その代表となるような、そういう取り組みが本格的に始まりますので、来年は「文化力立県」、文化力による立県、立つ県ですね、この「文化力立県」の元年にしていきたいと、こう思っております。なお、常にピンチはチャンスに、ピンチの時こそ、なおのことチャンスに向けて長期的視点で県政運営に臨んでいきたいと、こう思っております。

 

(質)今年から定例会が年2回になりまして、知事は昨年などは事務当局の負担についてもだいぶ懸念されてらっしゃいましたが、この年2回を1年やってこられて、どんな印象をお持ちかということをちょっとお聞かせください。
(答)まず、三重県議会は全国でも議会の改革先進県として高い意識を持ち、これまでいろんな改革に向かってこられました。県政というのはやっぱり行政と議会、これは車の両輪のようなもので、しっかりやっていかなければなりません。特に近年は分権化、地方分権というようなこと等も言われ、地方の行政能力を高めていくということが極めて重要でございます。その中には、車の両輪である議会の能力も高めていくということがまた、とても重要なことであります。そういう意味で私は、まず全体的に議会が取り組んでこられているということについて敬意を表し、評価をしたいと、こういうふうに思います。私はいろんな議論の中で、私として意見を申し述べますが、それは議会の方での議論の行き過ぎ等があっては困る、例えば地方自治法とか規制を受けます関係法令について、それに触れるような、そういうものがあったのでは、私としては結果として県政全体の責任を、議会の提案であっても責任を取るという立場からは、かなりしっかり、そういった時には意見を申し上げなければならないということがあります。これは、かつて私が国会議員等、議員の経験をしてきた、そういった、「こうありたい」という思いではなくて、やはり法律を守らなければならないという、そういう立場から、しっかりとそこは申し上げてもきたところであります。もう1つ、私はまた県庁の職員を代表する立場でありますから、やはり議会の改革は事務処理に多大な影響をもたらしてくるわけでありますから、それが職員の過重なものになっているということについては、これは議会に対してまた注文をつけていかなければならない、というような立場でもあります。そういう意味では、改革のテーマについて議論をする立場でありますから、かなり厳しい目に言わないと向こうの譲歩を取れませんから、そういう議論の仕方はやりますけれども、私自身は結果としては大変評価を、これまでの議会の取り組み、改革については評価をしているところであります。2回制につきましては、基本的には2月・3月会議や6月会議や、9月会議や11月・12月会議といったような、1つの大くくりはこれまでの4回制と同じでありますが、しかし全国でもない、こういう2回制ということになったことによりまして、年度末の県税条例の改正、これは今までなら専決処分で済んだということがあります。これなどは国の法律が変わって、それに伴う変更でありますから、なかなかこれまでも否定するということはできないんではないかということでありましたが、県議会の開会中になったということで専決処分ができない、しかしそのために議会としてはやはり1つ1つを納得していくためにも、議論は議論として、やるべきものはやるというような、そういったことが出てきたわけです。それはそれで議論を深めるためには、また国に対して物を言う場合においても、これも有用なものではないかなと、こう思います。私としては、県庁の職員の事務負担も増えたところがあるかもしれないし、あるいは聞くところによると議会事務局の職員の負担はかなり増えたんではないかということでありますが、議員の皆さんにも、そういったことにも十分配慮をしながら、今後、いい県議会のあり方を追究していっていただいたらいいのではないかなと、こう思ってます。少なくとも、「美し国おこし」であるとか博物館のああいった議論もそういう中で、これまで以上に十分な議員の皆さんの討議もしていただいたんではないかなと、こういうふうに思ってます。

 

(質)県内の市町で、そこの税収の落ち込みとかを予測的に出した市もあるみたいですけど、県全体としては今どんな感じでしょうか。
(答)平成21年度の地方財政対策を踏まえまして、本県の一般財源収入について、まだざっとでありますけど少し見通しについてはじいたところでは、当初はもう、21年度の予算はとてももう組むことができないというような、かなり厳しい見方をしてきたところでございますけれども、先般から発表されております国の地方財源、特に交付税等の増額等がありました関係から、何とかぎりぎり予算編成に向けての作業ができるベースになってきたのかなと、こういうふうに思っているところでございます。ただ、県税収入については、これはまだこれから精査をしていかなければなりませんけれども、地方財政計画では法人二税が来年度は34.3%マイナスになるというふうになっているところであります。三重県にこの数字がそのまま当てはまるのかどうなのか、こういったところをきちっと精査していかなければなりませんけれども、もしもこの、国の34.3%ということにしますと、平成20年の950億円をベースにマイナスを掛けますと、マイナス336億円というような、そういう数字になってくるところであります。もちろん、しかしこの法人二税については、地方交付税による税収の補てんが75%あります。そうしますと、その補てんで来ると想定できるのは252億円ありますから、差し引きをしますと84億円程度のマイナスになるのかというようなことであります。しかしそのほかに、交付税としては今回地方重視という麻生さんの思いが、しっかり今回出されているところでございますから、そういう不足分あるいは元々県の財源不足額、こういったところへ今後しっかり当てはめながら対応していくということになろうかと思います。全体としては、この経済対策等に予定をされる予算というのがかなりあるわけでありますけれども、いろんな活用をしながら財源については今後調整し、来年度の予算編成に向けて進んでいきたいと、こう思ってます。

                                                  ( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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