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平成21年08月11日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成21年 8月10日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目等

・平成21年度「知事と語ろう 本音でトーク」の開催について(発表)
・第33回全国高等学校総合文化祭を終えて(報告)
・地方分権に関する政権公約の評価について(報告)
・全国知事会「この国のあり方に関する研究会」のメンバーについて(報告) 

(知事)それではまず、「知事と語ろう 本音でトーク」につきまして申し上げます。お手元にお配りいたしております資料のとおり、平成21年度の「知事と語ろう 本音でトーク」、これを10月から12月にかけまして4会場で実施をいたします。本音でトークにつきましては、知事に就任させていただきまして以来実施をさせていただいております。昨年度までの6年間で通算89回実施をいたしまして、延べ7,883名の方々にご参加をいただいております。また、843名の方々に県政への貴重なご意見、ご提案をいただいているところであります。今年度のトークにつきましては、たくさんの県民の皆さんにご参加をいただき、前向きで建設的なご意見を数多くいただきたいと、こう考えております。そういう趣旨から、今年度は、サブタイトルに「美し国三重の未来に向けて」を新たにつけさせていただきますとともに、複数のテーマを設定いたしまして、開催時間も拡大いたしまして実施をいたします。テーマは共通テーマ「安心して働き、暮らせる社会づくりを考えよう」を設定いたしまして、4会場すべての会場で意見交換をし、議論を蓄積してまいりますとともに、各地域の特性を踏まえました地域別のテーマ、これも設定をいたしまして、地域づくりの観点からの意見交換を予定しているところであります。また、活発な意見交換を行うために、事前に意見を募集いたしますとともに、よりテーマの趣旨をご理解いただけるよう、トークのポイントを各開催日の概ね1か月前にホームページで公開をいたしまして、トークにお集まりいただく皆さんと積極的な意見交換をさせていただきたいと考えております。なお、本音でトーク当日は、コーディネーターを4会場とも三重大学人文学部の石阪督規(いしざか とくのり)准教授に務めていただく予定をいたしております。開催日時・会場は資料のとおりでございますが、関係地域の方々に限らず、どなたでも、どの会場でも、自由に参加ができますので、たくさんの皆さんのご参加をお待ちいたしております。

 次に、先般開かれました第33回全国高等学校総合文化祭につきまして申し上げます。第33回全国高等学校総合文化祭を7月29日から8月2日までの5日間、県内15市町において開催をいたしまして、滞りなく終了することができました。伊勢市の県営サンアリーナで開催をいたしました29日の総合開会式には、秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下のお成りを仰ぎまして、515名の出演者が2,600名の観覧者の前で、高校生らしい発表や演技を繰り広げました。私も総合開会式を拝見させていただきましたが、真剣に取り組む生徒の意見、発表、そして眼差しがまたすばらしく、生き生きとした高校生の姿に感動を覚えたところでございます。開会式終了後、伊勢神宮内宮周辺で行いましたパレードでは、2,290名が勇壮なマーチングバンドの演奏や華麗なバトントワリングの演技等で、沿道の観客約8,000名を魅了いたしました。このほか、24の部門大会におきましては約19,000名の生徒が参加をいたしました。各部門それぞれに趣旨を凝らしまして、三重らしさを出すことができたと聞いております。三重の地から、高校生の新しい文化力を全国に発信できたことを喜ばしく思いますとともに、生徒実行委員会の高校生の皆さんをはじめ、大会に様々な形で参加をしていただきました多くの高校生、そして、様々な場面で御支援・御協力をいただきました皆様に、心から感謝の意を表するところであります。

次に、先般、全国知事会政権公約評価特別委員会が地方分権に関する政権公約につきまして評価をし、その結果を発表したところですが、これにつきましてコメントをさせていただきます。全国知事会政権公約評価特別委員会の地方分権に関する政権公約の評価結果につきましては、既に、8月8日、同特別委員長でございます古川佐賀県知事から発表されました。これについて私のコメントを申し上げたいと思います。今回の地方分権に関する政権公約の点数評価につきましては、先月、伊勢市で行われました全国知事会議での議論などを通しまして、国民的な関心が多く集まり、議論が高まりましたことは、まことに嬉しく、有意義なことでございます。結果として、各政党が、これまで以上に真剣に検討をされ、地方分権改革に関する具体的な方策を政権公約に反映されてきておりますことは、大いに評価をしたいと思います。私としては「現在、時代の峠」という認識の中で、今回の総選挙は、政権選択選挙としても、これまでになかったほど、重要かつ注目される選挙でございまして、また、この国の目指す方向をどう描き、変えていくのか、この国の命運がかかった選挙だと考えております。特に、今後、地方分権の推進の重要性は格段にその重要性が高まるものでありまして、各党の取り組みも、大筋、そのような観点からマニフェストに反映されてきておりまして、評価できるものだと考えております。なお、私自身も評価に参加をいたしましたが、個々の知事の評価点につきましては、特別委員会での議論として、全国知事会としての全体の評価に留めておくべきであるという強い意見がございますが、しかし、私の採点につきまして、情報公開請求による対応も考えられるということ、また、評価に参加した以上、その評価に責任を持つべきであるとの考え方から、公表をさせていただくことといたしました。お手元にその私の評価についてペーパーが行っているかと思います。これはあくまで地方分権にかかるところの評価点ということでございます。自民党が62点、公明党が63点、民主党が66点という結果になっているところでございます。正直、この点数を付けるにつきましては、どこをどういうふうに見ていくのか、知事会の方で示されている評価指標というのもあるわけでございますが、なかなかそれだけではその議論の外側にはみ出るようなものも多くありますから、難しさを感じておりました。しかし、一応点数で評価をするということで、私なりの見方でそのような評点を付けたというところでございます。この際、この地方分権に関し、また全体としての私の印象も付け加えさせていただきたいと、このように思います。私としては、先程も申し上げましたように、今日はまさに時代の峠の時であると、こう思っております。そして、政権選択選挙として誠に注目される重要な選挙を控えまして、自民、民主ともに全体として分かりやすさということを認識し、表現してきているのかなと、このように思っております。しかしながら、両党について、この国をどのような国にしていくのか、この国のあり方について、どのように考えていくのかという点については、ともに十分に見えていないということが残念なところでございます。自民党と民主党に限りまして、両党について少しコメントいたしたいと思います。まず自民党でありますけれども、政権公約につきまして私もずっと見させていただきましたが、自民党のこのマニフェストの冒頭の方に「国をメンテナンスしていく時代」という表記が出てまいります。これにつきましては、私は、今日が時代の峠の時でありますだけに、迫力不足をまず冒頭感じたところでございます。そして、これまで政権を担ってきた一番中心の政党でありますから、これまでの政策の失敗につきまして総括、検証をしていないということがございます。そういう意味では、自民党のマニフェストにつきましては、官僚や、あるいは族議員、あるいは業界等の影響というものが、その後の細かい観点を見てまいりましても払拭されていないというような感じを受けたところでございます。それから、自民党につきましては、地方分権に関するところで極めてやはり重大なのは、十分議論が進んでいないのに、道州制の導入を掲げまして前提にしているということについては疑問に感じるところでございます。しかし一方、消費税の引き上げというようなことを方向付けておりますことにつきましては、私は評価しているところであります。一方、民主党についてでありますが、時代の峠としての、次の時代の国の全体像までは、やはりこのマニフェストでは見えておりませんけれども、しかし、抜本的改革への意欲というものは感じられるものであると思っております。補助金の一括交付金化とか、直轄負担金の廃止、あるいはガソリン税等の暫定税率の廃止、こういったことなど改革への意気込みは感じるものの、一方で財源確保全体といたしましては、埋蔵金とか租税特別措置法の見直しなどを挙げておりまして、その確保には具体的に見えない、説得力に乏しいものであるという感じを受けました。それからもう1点、民主党のマニフェストにつきましては、産業政策についての国家的戦略がよく見えてこないということも感じたところでございます。いずれにしましても、そういった全体的な印象について申し述べましたが、いずれもこの地方分権については私としてはこれまでになかった地方分権への真摯な、真剣な記載をマニフェストにしようとしたことを強く感じているところでございます。しかし、今回いたしました点数については、これは全体の評価では決してないこと、それからこのことで政党支持というような側面を強調するというものではないということを強く申し添えておきたいと思います。

 次に4番目の項目について申し上げます。それにつきましては全国知事会の「この国のあり方に関する研究会」についてであります。去る7月14日、15日に三重県伊勢市で開催されました全国知事会議におきまして、私から提案をさせていただき、その設置について合意を得ました、全国知事会「この国のあり方に関する研究会」につきまして、このたび、研究会への参加知事が確定をいたしましたのでお知らせさせていただきます。参加知事につきましては、お配りしております「この国のあり方に関する研究会委員名簿」のとおりでございまして、私を含め22名の知事が参加いただくということになりました。なお、研究会の第1回会合についてでございますが、現在、全国知事会事務局におきまして日程を調整中でございます。私としてはできるだけ多くの知事さんにご出席をいただきたいと考えておりますので、調整をいたしまして、できましたら来月9月に開催できればと、こう考えているところでございます。私としては以上でございます。 

2.質疑応答

・発表項目等に関する質疑 
・木曽川水系連絡導水路について
・新博物館について
・関西広域連合について

(質)政権公約評価についてですが、3党とも知事の評価は60点台ということですけど、3党とも、まあ合格点かなという印象でしょうか。
(答)先程も申し上げましたように、非常に、時代の節目の重要な時の選挙であります。そしてこれまでの政策がやはり間違っていたのではないかということで、方向の修正が与党でもいろいろ議論され、そういった記載も見られるところであります。なおかつ、今後国民が希望を持って、安全・安心な社会をどう作っていくかということにつきましては、地方の果たすべき役割というものが極めて大きなところでございます。それだけに、地方分権の推進の重要性というものを抜きに、各政党も描けないというところがあると思います。なおかつ、全国知事会等での議論も通しまして、この地方分権の推進につきましては、その重要性をしっかり各党が受け止めて記載をしてきたということがあるかと思います。そういう意味で地方分権の推進に相当、各党とも力を入れてきているという証ではないかと、こう思います。

(質)民主党に関する知事の評価を見ますと、知事会としての平均点よりもかなり高くなってますが、その辺はどのように?
(答)実は、個々の評価につきましてはいろいろ考えまして、知事会で一応出している評価の基本というのもございましたし、それから一方で民主党などのマニフェストの記載は、これまで知事会が積み重ねてきた議論の枠を越えるものでもございます。そういう意味では、知事会の方で事前に予定をした評価の物差しだけでは評価しきれないということがございまして、そういったところを加味しながら点数付けをさせていただいたところであります。多分、他の知事さんの点数は分かりませんけれども、結果としてはどこにどれぐらい重きを置いて評点をするかということで、相当バラバラしているのではないかなと、私もそういう意味ではなかなか点数で表すこと自体も、何か数字遊びをやっているような感じにもなりまして、難しいなということをつくづく感じたところであります。しかしとにかく点数を付けて、その平均点で全国知事会として点数を公表するということでありましたので、私は表にありますような点数を付けたということであります。結果としてそれぞれがそういうふうになったということであります。

(質)民主党の評価をですね、減点項目がなかったら76点ですよね。減点項目で10点減点しているというのは満額の減点で、自民・公明の方は減点ゼロということなんですけども、それほど、満額の減点をするほど、民主党の地方財源の確保というのは知事にとっては不安なものだったんですか。
(答)地方財源の確保について、どういうふうに点数をしていくのかというのも、これも非常に、正直は悩んだところであります。ですから、減点しなかったところもその心配がないと言っているのではないけれども、しかし具体的にどこのところというのもなかなか挙げにくいところがございましたので、それについては記載をしなかったところであります。一方民主党につきましては、記載としてありますのは埋蔵金とか租税特別措置法の見直しなどを挙げておりますけれども、これは現在政権を担っているわけではありませんから、今の時点でその辺りをもっと明確にということを申し上げても難しい部分もあるのかなと、こう思います。しかし、そういった形でどこまで財源が確保できるのかなと、特にガソリン税の暫定税率の廃止なども打ち出しているところであります。そういう意味では不安を拭うことができない、民主党のマニフェストにおいては、そのことが最も、地方行政を預かる私としては心配なところでございます。例えば直轄事業負担金について、その事業負担金が廃止をされても地方交付税については減額しないというような記載はあるんでありますけれども、じゃあこういった道路事業につきまして、国の方の事業は直轄負担部分が付け加わりますから、今の事業量、事業費というものをベースに考えるならば、国の事業は相当減っていくということにもなります。そういったところが今後どう影響してくるのかということについても、なかなか見えないということがございます。したがいまして、三重県の県政推進を考えましても、この財源等に関するところはやはり不安を拭えないということで、一応10点という点数をそこに入れさせていただきました。マイナス10点ですね。今後、このマニフェストそのものにつきましては、どんどん進化し、そしてグレードを上げていっていただいたらいいのではないかなと思います。私は本来なら公示(知事は「告示」と発言していますが正しくは「公示」です)以降、18日以降、なるべく早く知事会としての評価をするのが本当はいいのではないかなと考えておりました。ただ特別委員会の方は、他のいろんな評価を今回しております所と、何か揃った形で打ち出すことができるように間に合わせたいということで、日程的に後へずらすということができないということで、そこのところは私としては、本来なら途中の議論もいろいろしながらも、最終的には公示日以降に、直後に正式な物を出すというのがいいのではないかと、こう思っておりました。しかし、それはともかくも、今後まだ選挙の公示までの日にちがありますから、もう少し手を入れてしっかりとした物にしていただくということは好ましいことだと、こう思っております。

(質)マニフェストを点数で評価するというのは難しいことだと思うんですが、点数で、知事たちが点数を付けますよということの方が政治的効果みたいなものが大きかったと思うんですが、政党が地方分権に対する要素を盛り込ませる圧力になったかなと思うんですけれども、知事としてはそうやって点数で公表するということの政治的効果みたいなものはあったと思われますか。
(答)一応、今までも実はこういう政権評価についてはやってはきているわけです。平成17年の選挙、あるいはその後の参議院選挙等でもやっているところでございます。しかし、今回ほど政権選択が迫られるような、そういう選挙というのはやはりなかったんだというふうに思います。それから、これまでは21世紀臨調等で作った物差しに合わせて特別委員会の方で評点をしていたということでありますし、評点に参加した知事さんも少なかった加減があったかと思います。今回は知事会が独自に、特に先般の伊勢で行われました全国知事会で、配点のあり方、あるいは特に、国と地方の協議の場の法制化、こういったことについて、非常に重きを置いた傾斜配分を考えていくべきだということで議論がなされまして、そういう意味ではかなり各党に与える影響、これは政党に与える影響も大きかったのではないかなと、このように思います。また橋下大阪府知事をはじめ、いろんな言動がさらに国民的な関心を高めたということもあるかと、こういうふうに思っております。いずれにしろ結果的にそのことは極めて好ましいことであり、これほど地方分権に大きな焦点が当たっている選挙というのはこれまでになかったのではないかなと、こういうふうに思っております。

(質)そうすると点数で評価したということよりも、点数の枠組みを自分たちで決めたということの方が影響が大きいと?
(答)そうですね、今までも評価を行ってきたわけでありますけれども、やっぱり時代の峠という、そういう節目に選挙がぶつかったということも、これはあったかと思います。それから、これまで以上に民主党に対する期待も評価も高まっておりますから、正に政権選択選挙となるんだというところも関心を集める背景の中に大きくあったと、こういうふうに思います。

(質)点数評価は今後も続けるべきだと思われますか。
(答)評価そのものについては、もっともっと点数の付け方やそういうのは工夫するところはあるのかなと思います。しかしながら、それにしてもそれぞれの知事の立場で評点をするというのはどうしても主観的にならざるを得ませんから、そういう意味ではそれぞれの個々人の、何と言いますか、思い、主義主張、こういったものも反映されてくるし、そして自分の経験からいけば、最後点数を付ける時は何か「エイ、ヤー」という感じも、迷ってしまうと、ないとは言えませ・ヒ。そういう意味では、厳格に点数を付けようという気持ちと実際の作業の難しさというのは強く感じます。だけれども、じゃあ他に分かりやすい評価の仕方があるのかというとなかなかありませんから、この点数評価については今後もこういったやり方でやっていくということにならざるを得ないのではないかと、このように思っております。

(質)政党支持という側面を強調するものではないということだとおっしゃってましたけど、減点部分を除くとかなり民主党の点数が高いということで、知事としては民主党の地方分権に関するマニフェスト、これに対する期待度というのはやっぱりこの3党の中では一番大きいということなのでしょうか。
(答)今までやはり地方分権を議論してきた時に、中央政府、特に官僚の抵抗があるとか、それから自民党政権ではまずは自民党が了解をしなければ、なかなか変えていくことができない。したがって族議員あるいは業界の力がどういうふうに働いていくか、こういったところがございました。でありますだけに、なかなか抜本的な改革というのは出てこない、打ち出せない、そういう背景が感じられるところであります。そういう意味では民主党はまさに抜本的改革を目指すのだということで、そういうしがらみというものは感じない状況でこのマニフェストに記載をしてきたという意気込みを感じるところであります。そういう意味で民主党の評価についてなかなか難しかったのは、民主党が今回挙げました評価項目、視点というのは、政府自民党が中心となって、そして地方分権推進委員会等いわゆるこれまでの政権が託してきたいろんな委員会等での議論、この中でわれわれ知事会としては地方分権の推進にかかる項目をどれだけそれを各党がマニフェストで反映しているかというようなところに重きを置いて採点をしようとしたわけであります。しかし、民主党はこれまでのそういった議論を飛び越えた中で抜本的な改革をやろうというようなことにして、マニフェストに出してきております。そういう意味では例えば補助金を廃して一括交付金化するというようなことは、これまで知事会が予定をした評価項目、視点の中には入ってこないわけですね。それをどういうふうに評価するのか、なかなかそれぞれで評価が分かれるかもしれませんけれども、私はそういったところのやはり意気込み、これまで地方分権を推進します推進しますといってもなかなか出てきていない、実現しない。そういう意味では自民党の冒頭の言葉にこの国をメンテナンスしていく時代だというのも、いかにも何か現状のいろんな影響を排除できない、何か自民党の苦悩が出ているような気がいたしたところであります。そういったところを私としてはいろいろこう感じながら評点を行いました結果が数字にこういうふうな形で私の場合は出たということであります。

(質)長い間選挙にたずさわれたご経験と、いつもと違って今回は各政党のマニフェストを直接検討されたわけですから、その中で今回の各政党マニフェストが有権者の投票行動につながるようなものだというふうにお考えになりますか、それともまだまだ足らず?
(答)それぞれによって評価の仕方というのは違うかと思います。特に私どもは地方分権という立場から評価をいたしましたけれども、国民はどこに力点を置いて見るのかということによってその評価のあり方はやはり大きく変わっていくのではないかなと、こう思います。例えばいろんな分野での評価の仕方がありますが、財政とか税制に重点を置いた時のその評価というものがどうであるのか、あるいは政権運営のビジョン、これに重きを置く人達の評価はまた相当違ってくるでしょう。外交あるいは安保というようなことになればかなりそれぞれの評価の仕方というのはばらつくところでありましょう。それから多くの国民は社会保障の問題であるとか、あるいは雇用、生活の問題、こういったところをこのマニフェストでどういうふうに感じるのかということもあろうかと思います。それからもちろん選挙でありますから、マニフェストは一つの基でありますけれども、各候補者あるいはそれを応援する人達がそれをどのように表現し訴えていくのか、その訴える力、あるいは訴え方、こういったものも大きく影響してくるのではないかなと、こう思います。

(質)一概には言えないということですね。
(答)と思います。

(質)国会運営をやられた時、そして市長やられて、で知事になられて、要は国でやっていたことというのはどっちかと言うと地に足のつかないふわふわしたもので、そこのところと実際の各県民と言うか、国民と言うか、市民と言うか、そこの元々求めているものとのギャップがあるのではないかということをずっとおっしゃってますが、今回のマニフェストそのものの中にはそういうものはお感じにならないですか。つまり、もっと生活とかそういったもの中心の本当はマニフェストの方がもっと有権者には分かりやすいのではないかとか。
(答)そういう観点というのは、私としてはこれまで強くこの国のあり方全体の姿として国がきちっとしたものを明示をすべきだと考えてきました。そういう意味では、中央での議論、これは与野党ともそういったものがほとんど見えなかったという状況です。今回、これまでの政策の失敗が国民生活に対して格差の拡大であるとか、貧困の固定化であるとか、子どもの格差の拡大であるとか、いろんな状況が出てきました。地方が疲弊をし、そしてコミュニティが崩壊をしかかって、集落によっては消滅の危機にまできている。そういう状況があります。それをいったいどういうふうにこの選挙を機に今のこの時代の節目にどういうふうに変えていくのか、これを本当は全体像をもっと分かりやすく示して欲しいという気持ちはあります。しかしその全体像はなかなか今回のマニフェストでは見えてこないというところであります。したがって今回の選挙並びに秋以降、中央政府がどういう方向を出して肉付けしていくのか、一方で私ども全国知事会もこういう時だからこそ、この国のあり方研究会を知事会で持とうということで、今後研究してまいりますから、そういう意味では必要な状況に応じて途中でも発信しながらなるべく早くこの研究会での中身をまとめていきたいなとこういうふうに思っております。

(質)民主党の方は財源の確保についてマイナス10点となっていますけども、当初で見ると自民と民主党で4点の差しかないことになるのですが、この差は大きいと見るべきなのか、ほぼ差はないと見るべきなのか、どう捉えればよろしいでしょうか。
(答)結果としてこうなったので、捉え方はそれぞれ皆さんがどう捉えるかということでありましょう。私としては3党とも60点を超えたとそういう感じでした。やはり各党とも地方分権についてはこれまでになく、大変力を入れて書いてくれたのだなというふうに思っております。ただ今後これも、変化が18日までにあるかもしれませんからね。ただもう一度それじゃあ18日に付け直すのかというと、そういうわけではありませんから。8月8日時点での私の評価であり、そして8日時点の全国の知事の総合点、いわゆる平均点、総括点が知事会が発表したものであると、こういうことです。

(質)選挙後はこのマニフェストに書かれていることを各項目がいかに実現されていくかということが大事になってくると思うのですけれども、この実現に向けて知事会としてはこう行動していくべきだというような考えがあればお願いします。
(答)当然政権を担うことになった政党はこのマニフェストを本当にどこまで実現するのかこれは厳しくチェックされるべきものだと、こういうふうに思います。とりあえずは来年の夏には参議院選挙がありますから、参議院選挙の時のまた各党マニフェストも出してまいりますが、今回出しているマニフェストについて、1年間ではありますけれども、評価をしていかなければならないと、こういうふうに思います。

(質)その評価というのは、また進捗状況を点数評価するみたいな形で?
(答)そうですね、そうならざるを得ないでしょうね。そして私どもも点数評価に加わった訳でありますから、加わった我々がもう一度評価をし直すということになると思いますね。

(質)あの60点というのは、まあ合格点なのか、それとも及第点なのか、どういった感じなのでしょうか。
(答)具体的なこの中身について合格点と言い切ってしまいますと気になるところがありますので、まだまだ努力をして欲しいところはあるけれども、しかし各党がマニフェストに努力をしてきたというこれまでの取り組みについても評価をすると、こういった表現で、合格とか不合格とかいうのは国民が選挙の結果として、どういう政党を政権選択として選ぶかという結果が示していくものだろうと、こういうふうに思います。ただ、これは地方分権についてのみの部分でありますから、そういう意味では全体評価というのには当てはまらないと、こういうふうに思います。

(質)「この国のあり方に関する研究会」について、今回、これは知事会事務局が全知事に一応参加の是非を何か文書か分からないですけど連絡して、集まったのがこの結果ということですか。
(答)そうです。返事のあったところはこういうところです。

(質)大阪の橋下さんが入られてないのは、分からないと?
(答)大阪の橋下さんとか、いろいろそれぞれの知事さんで参加できない、参加しないという意思表示もいろいろありました。大阪の知事さんからは返事はない?
(答:政策部)入らないと。
(答)入らないという返事を。

(質)あとあの当初、会長が入られるのじゃないかという話もあったように思いますが、麻生会長は入られないですね。
(答)このリストにありませんから、会長は会長という立場での関与はされると思いますけど、個々の議論には入らないということなのかなと思います。

(質)あと、確認ですけど、一応1年間ぐらいで目処でしたっけ?
(答)できましたら、今年度中にはなんらかの形でまとめていければなと、こういうふうに思います。議論がどれぐらい収れんできるのか、あるいはかなり拡散した議論ということになりますと、それをどういうふうな形でまとめられるのか、報告できるのかという、これはこれからやっていく中で出てくるそういう難しさというものも想定されますので、今後の議論、大変だと思っております。ただ一応のゴールとしては今年度中ぐらいにはまとめられないかなという思いがしております。

(質)年内じゃなくて、年度内ですね。
(答)今年度中。来年の3月ぐらいまでにということで、一応研究会そのものについても、研究会の存続期間といいますか、一応設置の期限を3月末ということにとりあえずおいてやっていきたいと考えております。

(質)あと、第1回9月という話ですけど、それは三重県でやられるのですか、それとも東京で?
(答)この研究会はまずほとんど東京での開催と、全国知事会の会館で、全国都道府県会館での開催ということになるというふうに思います。

(質)初回は少なくとも書面ではなくて、まあ一応皆さんご出席できる方は集まるという形をとられるわけですか。
(答)そうですね。できるだけ多くの知事さんが集まれる日にちを設定しようではないかということで、今、全国知事会の方で調整をいただいているところであります。

(質)委員長は野呂知事になるのですか。
(答)これは第1回をやります時に座長というのを決めるということになっております。会長からは「しっかり野呂さん、あんたが責任持って取り組め。」と言われましたけれども、一応最初の委員会の時にそういったことについても決定をしていくということになります。

(質)議論するテーマなんですけど、まずは何を議論すべきだと思われますか。
(答)これはそれぞれ知事さんによってそのテーマの提起の仕方が違うところがあるかもしれませんから、そういう意味では第1回目はテーマ等について、どういうふうなテーマでやっていくのか、あるいはスケジュール等についてもどういう形でやっていくのか、そういったことについて少し話を詰めていきたいなと、こう思っております。多分この国のあり方という意味では相当各分野がございます。一方で、知事会の自主研究で神野先生を中心にしたレポートもいただいております。ここにあります福祉国家像といったものは、その一つの範ちゅうの中に入ってまいりますけれども、さらにはやっぱり我が国の、希望を持って国民が過ごせるような社会というのは、生活の糧である雇用、そしてそれを確保していく産業ということを考えますと、我が国の今後にふさわしい産業構造のあり方というようなことも欠かすことのできない視点であろうかなと、こう思います。それから、いろいろ福祉社会のあり方だとかセーフティネットの再構築、こうあるべきだということを打ち出していく中では、おおよそどれぐらいの負担がその行政サービスを遂行させる上で掛かってくるのか、こういったことについても触れていかなければならないのではないか、そうでなければ責任ある議論にならないのではないかなと、こう思います。さらに言えば、やはり今日の最大の課題は、政治行政に対しての国民的な信頼がない、不信の輪が連鎖をして非常に今、閉そく感、不安を感じているということであります。そういったことにもどう取り組んでいくのかということがございます。今日の社会でいろいろ起こっている状況というものを考えていきますと、社会の安定、こういったことについても、絆を取り戻すというようなこともとても大事な観点ではないかなと、こう思います。そういうふうに見ていきますと、そういったテーマをどういうふうに取り上げ、どういうふうに議論をしていくのかということについては、かなりこれはスタート時点からの議論、大変なところがあるかなと、こう思います。そういったことをまずは9月に研究会を持ちまして議論を始めたいと、こう思っております。

(質)当然、道州制とかも避けては通れないですよね。場合によっては。
(答)実は、道州制もそれから地方分権の議論も目指すべきこの国の姿というのがあって、そしてその手段、あるいはその仕組みとして地方分権の推進なり、あるいは地方分権におけるでき上がっていく形というものを考えていくということが大事であります。したがってここでの研究会の議論は、あくまでこの国のあり方をどういうふうに描いていくかということであります。多分その議論の次の議論として、国の役割、それから基礎自治体の役割、そして都道府県がどういう役割をするのか、場合によっては都道府県はそれだったら必要ないではないかということもあり得るかもしれません。あるいは都道府県に一定の権限をさらに与えていくことによって、基礎自治体のいろんな課題を連携して広域的に解決していくという力にもなるでしょう。場合によっては、やはり県域をもっと越えた形での広域自治体を作ろうということで道州制といった形もあり得るかもしれません。いずれにしろこの国のあり方という姿を描いた次の議論にそれらはあるものかなと、こういうふうに思っております。

(質)徳山ダムの導水路の木曽川水系ですけど、河村名古屋市長は衆院選後見てというお話で、この前の愛知県知事の定例会見でも神田知事は割とそれについてちょっと批判的な感じだったんですが、野呂知事はどのようにお考えでしょうか。
(答)政権がどうなるかということではなくて、この導水路については、名古屋が名古屋市民のいわゆる水という関係から、名古屋市の利水事業がどうあるべきかということを判断されるべきでありますから、直接的に政権がどうということではないと、こういうふうに私自身は思います。名古屋市が今後最終的にどういうふうな形でどういうふうに議論していくのか、これはしっかり見守っていきたいと思います。それ以上のコメントはありません。

(質)ほぼ神田知事と似たようなご見解ということですね。
(答)基本的にはそうじゃないですか、名古屋市の問題であって国政全体にかかる議論というのとは、やっぱり名古屋市という特定の街においての水問題をどうしていくかということでありますから、むしろ国に影響されることなく名古屋市として判断していくべきことだろうと、こういうふうに思います。

(質)民主県連が新博物館の構想について提言を出すといった意向を示しているんですけど、これについてどう思いますか。
(答)正式にそういうようなことは伺っておりませんので、したがってそれならばそれで、出てくれば中身を見てみないと何とも言えませんけども。新博物館については、子ども会議もいよいよこれから始まってまいりますし、非常にそれぞれが博物館に対する期待、夢も膨らませつつあるのではないかなと、こう思います。私としてはやはり希望を持って生きられるそういう国を目指す際に、まさに子どもたちは私たちの希望そのものであろうかと思います。したがって、子どもたちへの夢である、子どもたちへの希望である、子どもたちへの投資は足らざるものはしっかりやるということは当然のことであると、こう思っております。

(質)関西広域連合について、留保されましたがこれについてコメントがあれば。
(答)関西広域連合につきましては、先般8月4日に第5回の本部会議が開催をされました。三重県からは、江畑副知事に出席をしていただきました。ここで一応申し合わせ書が、三重県は保留いたしましたけれども2府7県間で合意をされているということでございます。その申し合わせ書によりますと、関係府県によるさらなる検討・調整を行い、議会との十分な審議を行う中で、早期の規約案の上程に向けた具体的な準備を進めるとか、それからこのことに関して次回の本部会議で関西広域連合設立案を定めるものとするということでありますけれども、これまでの議論で一向に具体的にメリット・デメリットとか費用対効果の整理、こういったものが一向に出てこないまま、まず設立ありきという方向へ進もうとしているわけでありまして、そういう意味では三重県としては、県民になぜ広域連合に入るのか、入ってどういうメリットがあるのかというような説明が全くできないような状況でありますから、そういったことができるようにもっと十分な議論をしていきましょうよということを申し上げてきたところであります。今でも広域連携は非常に大事で既に広域連携いろんな取り組みをやっているわけです。連合議会まで作って関西広域連合にしなければならないというそういうメリット・デメリットが分からない状況の中では三重県は今入る、入らないという、そういった結論を出せるわけではありません。先般の会議では既に福井県と奈良県はもうとにかく最初から入るということはないということを強く言われているところであります。三重県におきましては、まだそういう判断ができないという形のままでございますので、今後関西広域連合で議論をしていく場、これはワーキンググループを作るということになっておりますので、このワーキンググループの議論には私どもも参加をしながら、もっとよく見ていこうということにしているところでございます。

(質)メリット・デメリットとか、費用対効果が分からなければそれまでは参加をしないということでいいですか。
(答)今回、一応この申し合わせ書に賛同している府県においても、一向にこういった中身が議論進んでいないのではないかという不満が強く出されているところでありますけれども、私としては、なんか設立ありきの前提で強く進もうとしていることについては、少し疑念を持っておりますので、三重県としてはより慎重に構えていきたいと、こう思います。そうでないと県民にも、それから県議会のほうも、非常にここの広域連合には注目はいたしておりますけれども、私どもも議会にも説明できないという点があると考えております。 
 

                                                            以上

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