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知事定例記者会見

知事定例会見録

平成22年4月8日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目等

・なし

2.質疑応答

・国際コンテナ戦略港湾への応募について
・伊勢湾フェリーの廃止届について
・国の交通体系について
・職員の飲酒運転について
・3月会議を振り返って
・救急搬送について
・名張市長選結果について
・鳥羽河内ダムについて
・国の新党結成の動きについて
・外国人参政権について

(質)昨日、東京に国際コンテナ戦略港湾について要望に行かれたということなのですが、あらためて四日市港が名古屋港と一つの港になって一体化して伊勢湾港としてやっていくことの意味と、指定への自信がありましたらお願いします。
(答)今回、国際コンテナ戦略港湾、これまでのスーパー中枢からいくとハイパー中枢ということになりますけれども、その指定につきまして、私どもこれまでスーパー中枢港伊勢湾として名古屋港と連携しながら取り組んできたところでございます。今回のハイパーにつきましては名古屋港が単独で当初申請をするということでしたが、私どもとしては、やはりスーパー中枢港においても、この伊勢湾が国から大きな期待をかけて指定を受けてきたこれまでの経緯、それからその後の取り組みもありますから、ぜひ連携して申請をしていきたいということで協議をしてきまして、その上で協議相整い申請をしたというところであります。ただ、私ども、日本全体で港湾政策については世界の状況から見て危機感を共通して持っているところでありますけれども、その中で我々スーパー中枢港伊勢湾としても今の厳しい現状に危機感を抱いているということから、この機会に思い切った将来への展開、こういったことを申請する計画の中に盛り込みたいということでございました。特に私ども中部、東海地域は日本のものづくりの拠点でございまして、中部地域だけでも製造品出荷額は全国の28%以上を占めている。約3分の1です。それから、そういう意味ではものづくりを中心に輸出を非常に盛んにやってきたところでありまして、コンテナに関しまして、その輸出は国全体の33.1%と、3分の1を占めているということでございます。そういう意味では、日本経済をリードしてきたこのものづくりの地域、これは世界もリードしてきた地域でもあるわけでございます。今後、時代、いろいろ変化ありますけれども、これまでの自動車とか旧来の産業だけではなくて、今後、航空機産業などはまだまだ大きな展開が期待されるところでありますし、また環境とかエコとか、そういった新たな分野の産業創造もこの地域から発信をしていかなければならない、ということからいきますと、今後も日本経済をリードし、また世界に十分な競争力を持った、そういう地域でなければならないと思っておりまして、そういう意味から、名古屋港とそれから四日市港、これを合わせました伊勢湾は、その背後圏をしっかり支える役割もあるわけでございます。今回の国際コンテナ戦略港湾につきましては、いわゆるトランシップのシンガポールだとか、いろんな世界で言われている、上海だとか言われているところの、ただ単にコンテナの取扱量を世界最大規模に伍するようにやっていくということだけではなくて、中部圏の最大の特色というのは、ものづくり産業、世界をリードし日本をリードする、そういうものづくり地域をしっかり支えるという意味では、産業ハブ港としての特色が最も強いところでございます。そういう意味で、今回、私どもとしては戦略港湾としてしっかり指定を受けられるように取り組んでいこう、そのためには将来一港化、すなわち一港化というのは名古屋港の管理組合と四日市港の管理組合が将来的には一本になるというようなこと、あるいは港の港域、これを、名古屋港と四日市港、それぞれ港域が今分かれておりますけれども、これも一元化する、その中で公設民営のマネジメントをやっていくということで、民間の活力も最大限生かしながら、その中でコスト縮減、あるいは日本の真ん中でもありますし、それから日本海に向けても一番列島の中でくびれた部分でありますから、日本海との連携も視野に入れながら集荷を拡大していくと、そういう計画を実は立ててきているところでございまして、そういう意味では、私は、国の要請する今回のハイパー中枢に、十分期待に応えられるものになるのではないか、当面は一港化に向けて、その前に一開港化という形で荷主さん等に対するコスト削減、あるいはサービスの向上・拡大に努めていくというようなことにしているところでございます。昨日の朝、民主党の愛知県それから三重県選出の国会議員の皆さま方にその説明をし、要請も申し上げたところであります。その後、民主党の副幹事長生方さんのほうに要望に参りました。午後は私はちょっとこちらの県の用務がありましたのでお昼で帰ったところでありますが、河村市長、それから四日市市の田中市長等においてはその後国土交通省のほうに行きまして、長安政務官に要請も行ったということでございます。しっかり私どもとしてはその趣旨を申し上げることができてきたと、こう思っております。なおスケジュール的にはまだ今後5月頃に2回目のヒアリングもあると聞いているところでございます。それからそのあと6月頃にかけて最終的な判断がなされるというふうに伺っているところでございます。

(質)4月3日に岡田外相が桑名に帰られたときに記者の囲み取材で、『三重県側もよく決断してくれた』というような発言をされていて、知事とも何回か意見交換されたというような話もあったのですが、当初何か懸案事項とか、懸念するようなことがあったのでしょうか。
(答)多分、岡田外務大臣がある意味で決断を評価していただいているのは、一港化を目指すということを視野に入れた今回の決断であるということだと思います。このことにつきましては、やはり名古屋港と四日市港というのが、規模があまりにも違うわけでございます。そういう意味では、この一体化をしていくという中で伊勢湾港がのみ込まれるのではないかというような、そういう心配をする方々が多くおられまして、これまでの議論ではなかなか一港化、すなわち管理組合を一本にしていくのだということまでの決断は難しい状況であったと思います。ただ、岡田外務大臣等の意見もございましたが、私自身も今後港湾行政について、大きく政権が転換をしていく中で、やはり世界の港湾のいろんな展開のニーズに私どもも応えることができなければ、やはり四日市港にとってもなかなか未来はないのではないか、そういう少し危機感を持つに至ってきておりましたので、そういう意味では四日市港にとって今の状況というのはある意味ピンチの状況であるなあと感じたところです。私はいつも『ピンチをチャンスに』ということを言ってきているところでありますが、そういうピンチの状況というのをしっかり受け止めて、これをチャンスに、将来のチャンスに結びつけていく、そのためにどういう方向を目指すべきか、そういう中で一港化ということについて決断をすべきだという気持ちに至りました。そこで四日市市長さんともすぐさまいろんな相談をいたしまして、そして名古屋港にも提示をして、今回の計画案がまとまったと、こういうことでございます。

(質)将来的に伊勢湾港として一港化されたときに、先ほどのみ込まれるのではないかという話がありましたが、四日市としての役割はどのように考えていらっしゃいますか。
(答)まず名古屋、四日市という所が他の地域と比べて優位であるということについては、まず日本の中心経済を担う産業ハブ港としての位置付け、これはほかとは特に違うところ、それから地価も非常に安い所でございます。そういう意味では、いろんな今後の投資に向けて名古屋港、伊勢湾というのは非常にそういう意味での有利性というものを持っているということ、それから名古屋、四日市の両港について、そういう意味では今後の投資対象として非常に有利な地域であるはずだということですが、特に四日市については今後のずっと長い先まで考えていきましても、実は名古屋港以上に非常に港の前の港域、海が非常に広がっているところでありまして、そういう意味では今後相当な港湾の展開が要請されたということがあったとしても、名古屋港でかなり限界が出てきた状況の中においても、四日市港の港の先はそれに十分応え得る、そういう意味でも他の東京湾や阪神と比べましてもいいのではないか、また四日市としてもそういう位置付けで役割を長い将来、先にわたって果たしていくことができると、こういうふうに思っております。

(質)懸念の部分で、およそ市町村合併とか全部そうなのですけど、結局アクセスの場合も津・松阪港でやってアクセス港でいきましたけど、これの港湾の場合も名古屋・四日市、そういう状態でいった場合に、仮に一開港の指定を受けた時に、後、その両港間の競争みたいなのが想定される部分もありますよね。その辺というのは事前の議論ではなかったのですか。
(答)これまでの展開がややまあコンテナ量を伸ばすということが、両港間の競争にも受け止められるような状況というのもあったわけです。四日市港は順調にコンテナ量を増やしてまいりましたが、その増やすということが結果的には名古屋港のコンテナを、名古屋港はもともと規模も大きいですから、名古屋港にとってはわずかとしても、それを四日市のほうが取ってきたというような状況もありました。しかし今日、要請されている両港連携の機能というのは、集荷量をより拡大していこう、それは例えば新名神だとかそういうのができまして、滋賀県というのは今、四日市、名古屋にとっては多分関西よりも非常に有利に展開できる所でありますし、それから今後日本海の敦賀の港で日本海側のい・・ネ集荷をし、それを名古屋港、四日市港へ持ってきて、そして外航航路に乗せていくと、こういうふうな展開もあるところであります。したがって集荷量全体のパイが飛躍的に伸びていく中で、両港がしっかりと連携して対応する、そのことは四日市にとっても極めて将来性の見込めるものではないかと、こういうふうに思います。それから一本化ということ、将来一港化を視野にということについては、これはただ単にこの三重県がどうだとか、愛知県がどうだとかいうことではなくて、まさに日本の中でこの連携した伊勢湾という港がどういう役割を果たしていくのか、またどういう役割を期待されているのか、世界に対してもどういう役割を果たすことができるのか、そういう視野をしっかり基本に持っておくということが大事だと思っています。

(質)これは四港議会はある程度了承されているわけですね。それともこれから議題に上るのですか。
(答)一港化ということについては、これまではなかなか、かなり難しい課題だなという共通の認識があった中で、今回思い切って一港化ということも打ち出したところであります。それにつきましては四日市港管理組合の議会に対しましても、皆さんに説明を申し上げているところであります。皆さんの理解も得られていると、こう感じております。

(質)現段階ではある程度理解を得られているという感じなのですね。
(答)はい、そう思っています。四日市港の議会も開かれて、その中でも少し議論として今後の方向についても少し申し上げました。ただ4月2日にヒアリングがありましたが、あの段階までは計画の資料等について公表をしてほしくないという国からの要請もありましたので、それについては、ばくっとした概略だけ申し上げたというような状況でございます。

(質)ということは一開港に関しては議会はOKで、その時に将来の一本化というところまで踏み込んでご説明されていたのですか。
(答)そうです。一港化というのはそういう意味合いであります。

(質)ということは、それについても理解をある程度示しているということですね。
(答)と思っております。

(質)具体的に将来一港化になった場合というのは、例えば管理組合も当然一本化になって、あと議会もそのとき、広域にするかどうかで議会があるないはあるでしょうけれども、その辺も当然一本化になってきて、出資、その管理者関係も名古屋市長とあと三重県知事になるのか、四日市市長が入るのかどうかとか、そういう具体的なことは、まだそこまでは検討されていないのですね。
(答)イメージとしてはそういうイメージになりますね。具体的に今後協議会の中で、今短期的にすぐできること、例えば一開港化だとか、そういったいわゆるとん税、特別とん税といったようなものを二重に徴収しているというようなことについて、やはり顧客へのサービス向上という観点から、一開港化という形で一本にしていくというような、そういったすぐできることがありますから、協議会の中で手順を踏んで協議をしながら、合意したものについて順次、実施をしていくということになります。一港化ということについては、今ご質問のあったようなそういうイメージを受けて、当然管理組合は一本化するわけですから、管理者はそれに出資をする地方公共団体の誰かがなるという形になりますし、議会のほうもその出資をしている団体から構成をする一つの議会にまとまるということになります。

(質)協議会というのは従来ある協議会ですか、それともこれ用につくった協議会ですか。従来からこの協議会はあるわけですか。
(答)今回の、このために協議会をこれからつくっていくと。

(質)これからつくるのですか。
(答)はい。

(質)いつごろ立ち上がる予定ですか。
(答)スーパー中枢港の協議会といいますか、それはございました。しかし、今後、私ども計画として出させていただきましたけれども、今後のハイパーに関する計画の進展につきましては、今後設置をいたします協議会で進めていくということになります。まだ、具体的には今後詰めていく状況であります。なおちょっと先ほど申し上げて、とん税、特別とん税、これ二重に徴収していると申し上げたのは少し誤りでありまして、入港料につきまして、これが二重になっている、すなわち四日市港に寄ってそれから名古屋港にも寄るという場合に、入港料を二重に徴収していると、これを当然スーパー中枢港伊勢湾として1つの港として顧客サービス向上のために、その二重徴収をなくそうと、こういう考え方でございます。少し訂正させていただきます。

(質)今後、協議会設置なのですけど、ただ6月頃に今回のハイパーの部分が決まるという話なので、逆に言えばそんなに延ばすわけにはいかないわけで、少なくとも今月見通しぐらいという感じでよろしいですか。
(答)今回の出している計画については、やはり今後名古屋港にとっても、それから四日市港にとっても極めて重要なことでございますから、まずは国のハイパーの指定を目指していくということでありますが、今後の両港の将来に向けてはきちっと詰めていかなければならないものだと、こう思っておりますので、着実に進展するように考えていきたいと、こういうふうに思ってます。

(質)裏を返せば、ハイパーの指定が仮になくても、両港の一本化、将来の一本化に向けて何らかのそういう窓口はつくっておこうという、そういうお考えなのですか。
(答)まだ、そこまできちっと意見を集約しているわけではありませんけれども、少なくともスーパー中枢港湾の指定については、これがそのハイパーが駄目になった場合にスーパーも指定を取り消してとかそういう事態になるということではありません。ただ、今日の皆さんの質問に対しましては、あくまで6月、その指定のときに伊勢湾が入らなければ国益に反しますよと、こういう主張をしておりますので、そういうスタンスの範囲でお答えをしたいと、こう思っております。

(質)鳥羽と伊良湖の航路なのですけれども、今後愛知県とも協力していきたい、存続に向けて活動していきたいということをおっしゃってましたけれども、先日愛知県知事が三重県と一緒に対策協議会をつくるのだというような発言を会見でされているのですけれども、それについての知事のお考えと、具体化へのスケジュールがありましたら。
(答)伊勢湾フェリーは今回、廃止をするという届けがなされたということで、実はこの伊勢湾フェリーにつきましては、道路に代わる交通手段だけでなく、鳥羽あるいは志摩、伊勢に関わる観光振興にも非常に寄与している航路でございまして、大変重要な役割がございます。したがいまして、県としては非常に重大なことであると、地域とともに実は重く受け止めているところでございます。実は愛知県、それから鳥羽市、田原市と連携をいたしました「鳥羽伊良湖航路対策協議会」、これは正式にはまだ仮称という扱いになりますが、これを立ち上げまして、航路の維持存続に向けまして協議をしてまいりたいということで、今愛知県あるいは地元の鳥羽等とも調整を、大体その方向については済ませてきたというところでございます。あと、国にも参画を要請してまいりたいと、こう考えているところでございますが、この協議会ができましたら、その中で航路の維持存続に向けた具体的な方策を検討をしていきたいと、こう考えているところでございます。できるだけ早くこの協議会ができるように担当部には指示をしているというところであります。

(質)この協議会は自治体レベルの協議会ということですか。
(答)そうです。今、メンバーとしては愛知県やそれから鳥羽市等が入ったそういう自治体の協議会ということになりますが、私どもとしては国に対しても参画を呼びかけていきたいと、こう思っております。

(質)この協議会の中で、維持存続に向けた方策で知事が何か提案されたいと思っていることはありますか。
(答)まだ、協議会はこれからでありますので、今ここで具体的にどうするかということについて申し上げる段階ではございません。しかし、三重県にとりましても、そして愛知県にとりましても大変重要な課題でございますから、そういう意味では協議会の中で、このフェリー会社等にもまずは聞き取りをしっかりして、今回の事態になったことについての調査をやっていくということとか、それから当然航路について、運行継続等を要請したり、いろんなその後状況を見ながら、判断をしながら、対応を考えていくということになろうと思います。

(質)仮にその公費うんぬんという、そういうふうなものを出しても、この航路は維持すべきだというふうに現段階ではお考えですか。
(答)先ほどもちょっと申し上げたように、協議会をまだ全然やっていない状況の中でありますので、今私どもがどうのこうのという具体論には少し入らせていただくのは無理がございますから、またこの協議会の検討状況を報告できるときに報告させていただきたいと、こういうふうに思っております。しかし、地元は当然航路存続を強く要請しているところでありますが、例えば高速道路の無料化と割引制度等が大きく影響をしたのかどうなのかというような原因もしっかり確認をしていかなければなりません。その上でどういう対策があるのかということについて、今後検討を進めていくことになろうかと思います。

(質)そこからちょっと離れて、全般関連しての話なのですけど、JRの県内の例の松阪までの線であるとか、それからこの伊勢湾フェリーであるとか、あるいは中空におけるJRの乗り入れの路線の撤退であるとか、どっちかと言うとグローバル化していく中で、その地方自身が、特に日本の国内の地方というのは逆に言ったら割を食っている部分がありますね。そういったもの全般に対して、1県知事とはいいながら、三重県知事として何かお考えはありますか。
(答)特に今の段階で言えるとすれば、今の政権は高速道路の無料化やあるいは料金上限制といったようなこととか、いろんな社会実験としての取り組みもやろうとしているところであります。一方で非常に公共交通機関へのいろんな影響が出てくるわけですね。今まである意味で少し均衡していたシステムの一部が大きく変化をするということになると、全体のシステムに変化を及ぼしてくるというようなことでございます。そういう意味では国交省のほうではいろんな社会実験を行って、来年の3月末ぐらいまでに実施するのを検証しながら、次の全体的な交通体系のあり方についてまとめていくとしているところであります。この全体的な交通体系というのは交通基本法みたいなそういった法案を目指すところなのだというふうにも伺っているところでございます。そういう中で全国でいろんな交通網に関する課題が出てきておりますので、そういう中でしっかり国としても受け止めて、新しいシステムの構築みたいな形に踏み出していってもらいたい、そう考えております。

(質)来年度、23年度向けの国への要望の中でその辺はある程度盛り込まれたりするのですか。
(答)当然、まだこれから準備をいたしますけれども、定例的にやっております、5月の国への提言・要望等につきましては、この伊勢湾フェリーについてはその中に入れるのか、あるいは特別に別記して取り出して要請するのか、そういったことも含めて国へ効果のある働きかけをやってまいりたいと、こう思っております。

(質)昨日、県立紀南高校の事務職員の方が飲酒運転で逮捕されていますけれども、それについてのコメントと、飲酒運転について病院事業庁の職員と県との裁判で、最高裁を受けて県の敗訴が確定していますけれども、飲酒の規定の見直しの状況について教えて下さい。
(答)まずは、昨夜、県立高校の職員が飲酒運転で逮捕されたということ、これにつきましては教育委員会から報告を受けておりますが、まだ、詳細について把握をきちっとしているわけではございません。しかし、飲酒運転というのは絶対にあってはならないことでございまして、職員に対しては繰り返し徹底を図ってきたところでございます。法令順守を率先すべき職員が逮捕されたということについては、本当に大変残念なことでありますし、また、県民の皆さんには申し訳ないことであると思っております。教育委員会に対しましては、飲酒運転を撲滅し、法令順守を徹底するよう改めて要請をしたところでございます。そのことに関連いたしまして、県の懲戒免職基準等の見直しについてのことでありますが、今回の件につきましては、これは任命権者であります教育委員会がまず行うというものでございますけれども、県として、全体としての整合性を図っていくということから考えますと、懲戒免職基準の見直しについては今検討しているところでございまして、できるだけ早く見直しを行っていきたいと、こういうふうに考えております。見直し内容につきましては、現時点では決まっておりません。

(質)県内マターで、県議会の3月会議、議長にもお聞きしたのですけど、その辺振り返られて何か思われることはありますか。
(答)3月の議会というのは、当然、平成22年度の予算を中心に新年度の県の行政推進のまず大枠と言いますか、基本が決まってくるというところでございます。大きな懸案事項としての県立病院改革、それから新県立博物館についてもずっとまだ議論が続いていたところですが、そのことについては県議会にご理解をいただき、そして議決をいただいたということで、大変な議会であったけれども、結果として、議会と私どもと思いをしっかり共有して結論を出すということ、良かったと思っております。これから雇用問題もまだまだ大変な状況でありますから、緊急の経済雇用対策もまず最重点としながら、県民しあわせプラン、第二次戦略計画の最終年として、それぞれの目標達成に向けてしっかり取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。

(質)議会と知事も参加されて、代表者ないし、あるいは向こうは全協なのか分からないですけど、そこである程度事前に話し合うというふうなことを前から要望されていますが、それはまだ進展はしていないのですか。
(答)今おっしゃっているのは、私がこれまで、議会改革等の議論をされている時に、少なくとも執行部側に大きな影響のある課題等が出てくる議題があるので、常設の、議会と執行部・知事との協議する場を作ってほしいと、こういう要請をしてきたところでありますが、それについては協議が必要なときにその都度設置すればいいということで、今日まで扱われてきているところです。今回も議会のほうではまだ当面そういう状況でいくという判断をされているところでございます。私どもとしては、何かもっといい知恵を出せればと思います。なお、もちろんその時々の話題につきましては議会での議論、あるいは全員協議会での議論、要請がありました際には、私どもはしっかりそれに対して対応したいということでございます。

(質)先日二次救急医療圏内と思うのですけれども、伊賀市での救急搬送しまして亡くなられた事件がありましたが、これに対する知事のお考えをお聞かせ下さい。
(答)大変私も残念な事態であったと、こういうふうに思っております。まず、ああいう救急等で対応がすぐにできなくて、ああいう事態になったということの背景でありますけれども、これはご承知のとおり、地域におきまして深刻な医師不足、そういった問題があるということでございます。県として、今、地域の皆さんと連携しながら医師確保に向けていろんな取り組みをやってきたところでございますが、今後も市町と連携しながらその取り組みを進めていきたいと、こう思っております。今回の救急搬送の件につきましては、昨年の10月に改正消防法が施行されたところでございまして、その中で各地域におきます救急搬送のルールを策定することとされているところでございます。三重県におきましても現在、消防機関、それから医療機関等で構成をいたします協議会、これは三重県救急搬送・医療連携協議会というものでございますけれども、ここにおきまして、地域と連携をしながら、今現在、非常に厳しい医療資源という状況でありますが、その厳しいのを前提に地域の実情に応じた救急搬送ルールを策定しようということで検討を進めていただいているところでございます。その検討の成果を具体的に今後実施をしていくと、いうことにしていきたいと考えております。

(質)関連なのですけど、その件で、伊賀の市長は伊賀地域でどうしても輪番制の中で救急を受けとれない、できるだけ中勢、要は津でとれるような体制を県には要望したいというふうなことをおしゃっているのですけど、津も当然救急が厳しい状況の中で、そういった伊賀市長からの要望に対してはどのようにお応えしていくのですか。
(答)県の担当部のほうに伊賀市のほうからご要請があったということを昨日東京から帰ってからお聞きいたしました。実は先ほど申し上げました改正消防法、この中で、そういった救急搬送のルールを策定するようにうたわれているということで、今、三重県でもその救急搬送ルールについての策定に向けた協議・検討を行っているところだと、こういう説明を申し上げ、それについてはしっかり理解をされていたというふうに伺っているところであります。私としては、しかしこれをなるべく早く策定できるように担当部には言っているところでございますが、いずれにしろ現状の医療資源というものについてはどの地域につきましても非常に限られた状況、厳しい状況というのがございます。したがいまして、その搬送ルールを策定する中で、今の現状の中でもより効果的に効率的に運用するためにどうしていったらいいのか、例えば、症状だとか科目だとかというような状況に分けてそのルールを整理をしていくとか、いろんなことを医療関係の皆さま方にもご意見を伺いながら議論を進めているというふうに伺っております。そういう状況について、伊賀市のほうは改めてご認識を深めていただいてきたというふうに伺っております。

(質)医療資源が限られているということに関してなのですけれど、伊賀市と名張市は今後、救急の集約化というものも検討しているというふうに聞いているのですが、このあたりの救急体制のあの地域における集約化に関して知事はどのようにお考えですか。
(答)三重大学の内田先生を中心に検討会が設けられ、検討が進められているというふうに伺っているところでございます。私はやはり伊賀地域で上野市民病院と名張市民病院、これがより連携して地域の医療サービスをより効果的に提供できるようにしていくと、特に救急医療にどう対応していくというようなことについてもしっかり連携をとっていくということが大事だと、こう思っているところでございます。そういう意味では、今後、一体化を含めたいろんな検討が進められておりますので、県としてもその中でできるだけしっかり支援をしていきたいと、県としての役割もその中で果たしていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。

(質)先の名張市長選結果について何かご感想は?
(答)これは名張市民の皆さんの選択であります。私としては引き続き3期目を担うことになった亀井市長にまずはお喜びを申し上げますとともに、いずれにしろ大変厳しい地方行政の状況であります。名張市においてもそういう意味で大変でありますけれども、今後ともしっかりお取り組みをいただきたいと思いますし、県としてもしっかり連携をして取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。

(質)亀井さんはもうあいさつに来られたのですか。
(答)まだ私はお目にかかっておりません。上京したり、いろいろ留守にしていた状況がありましたので、また、いずれお目にかかる機会もありますし、何よりも前々からよく知っている市長でありますから。

(質)前回の会見のすぐ後だったと思うんですけど、国土交通省の個所付けが発表されまして、紀勢道とか北勢バイパスについては予算が付いていたと思うんですけど、検証対象になっていた鳥羽河内ダムが、概算要求が9,700万に対して3,441万円ですかね、かなり最低限しか付かなかったということで、知事のご感想をお願いします。
(答)まずは国の事業としてやっているダムについては、これは事業主体が国でありますから、国のほうでダム政策についてどうするかということ、このことについて国の判断が基本になるということはやむを得ない状況です。しかし、県営ダムのような地方が事業主体になるようなダムについて、当初そういったダムについても全てについて、国のほうは一旦凍結をするなり、見直しの対象にしていると、こういうことでございましたけれども、地域主権ということからいっても、そういう意味では主体になるべき地方を差し置いて国が勝手に対応していくということについては法律上無理があるというようなことで、地方のダムについては今の法律に対して法律違反にならない形の対応をしなければならないということで、当初鳥羽のダムについても国の補助については凍結されるのかと思っておりましたけれども、一定量が付いたというところでございます。県としては、しかし今後こういったダム等に対しての考え方が整理をされていく中で、しっかり地域とも、地元とも連携を図りながら、その対応について今後決めてまいりたいと、こう思っているところであります。当初付かないと思っていた予算がああいう形で付いたということで、今後の議論・検討にゆだねられていると、こういうふうに感じております。

(質)国の話であれですけれども、新党「たちあがれ日本」とかをつくる動きが出ていますが、これについては知事はどうお考えですか。
(答)私は、平沼さん、与謝野さん、あるいは園田さんやああいった方々について、私も国会議員の時から存じているところでございます。それぞれの皆さんとそんなに親しかったわけではありませんけれども、自民党に在籍しておりました当時を振り返りましても、いささか主張とかそういうものの違いが感じられた方々が、今度一緒にやられるということでありますので、私としてはその状況を見守っていきたいと、こう思っております。特にコメントとして出すものはありませんけれども、自民党が昨年あれだけしっかり立派な負け方をしたところでありますから、そういう意味では、かつて細川内閣ができた時、一時的に自民党も下野しましたけれども、今回の選挙の負けっぷりはそう簡単に今の自民党が政権に戻るということは考え難いところであります。それだけに野党経験の少ない自民党の中でいろんな動きが出てくるということはあり得ることなんだろうなと、こういうふうに思っております。民主党の支持率も下降線をたどってきているというような状況で、政治の混迷がまたぞろ起こってきてということについては、私は非常に心配もいたしております。そういう中でのひとつの動きだということで見ていきたいと思っております。

(質)政党の繋がりで話しますけれども、来年知事選挙ということで、知事も出られるかどうかは別としても、知事だったらどういう政党に支持をしたいか、具体的な政党名じゃなくてもいいですけど、どんなお考えですか。
(答)私が、どういう社会が今後の日本の中で望ましいかということについては、いろんな形で申し上げてきたところであります。国のほうは必ずしもそういった方向、同じベクトルを向いていなかったという中にあっても、新しい時代の公とか文化力といったような施策展開を目指しながら、少なくとも三重県においては限られた状況の中にあっても、少しでもそういった方向を目指したいと取り組んできたところでございます。今新政権が誕生した後、これまでの自民党を中心とする政治への反省も込めて、この国について大きく変わろうということで、いろんな議論もされているところでございます。それから社会の中ではいろんな格差問題、歪みの問題等があり、つい最近ではNHKが無縁社会という番組を放送しておりましたけれども、昨年放送した35歳問題に引き続き国民にかなり反響を呼んでいるのではないかなと、こう思います。無縁死というような孤独な死に方をしていく人が全国で年に32,000人もおられる、自殺者に等しい数の無縁死の状況が出ているとか、そういう状況がございます。したがって、かつて一億総中流と言われたこの日本が、いつの間にか大変な、私としては、残念な危機的な状況に今は陥ってきている。しかし、国民から見れば、いろんな政争でいろんなことが言われる以上に、自分たちの周りにあるそういった社会の歪み、課題、こういったものに政治が、あるいは行政がどう応えてくれるんだ、どうしてくれるんだ、そういう強い思いを持っていると思いますね。そういうことにしっかりと応えていくということが大事だと思っております。したがって民主党がいろんなこの国のあり方を変えていくというふうな、そういうことに対して、ただ単に野党が反動的に対応をするというのではなくて、私としてはこの時代の大きな峠を、与野党共通したひとつの認識の中で、次の時代を描いて欲しいなと、こう思っております。具体的には知事会で、私の強い思いからお願いをし、設置をしました「この国のあり方に関する研究会」、これで今検討しているところで、間もなく、少しイメージがつかめるようなものを出していきたいと、こう思っておりまして、5月ぐらいにはほぼ中身をまとめられるようにしたいと考えているところであります。そういったものをまずは国政がしっかり取り組んでいただくということが大事でありますから、そういう方向へ政治がいってもらうことを強く期待をしております。

(質)全国知事会で外国人の参政権について、知事は条件付きで賛成という形なのですけど、全体には反対論がかなり多かったのですが、それについて率直な感想を手短にお願いします。
(答)かなり微妙な課題でありまして、各知事さんが、非常に慎重な言い回しをしている方、これがまず圧倒的に多いなというのを感じました。強い反対論を述べられる方もありました。確かに我が国においては、かつての植民地時代等の歴史を振り返りながら、在日外国人につきましてはいろんな課題を持ってきた、あるいはこれまでの経緯があったと、そういう状況があります。また北朝鮮は拉致問題等もあり、そして日本にとっては大きなひとつの脅威でもあり、我々は国民保護法等においてもそういった近隣諸国の動きに対しても注意深く対応をしていかなければなりません。そういう意味では憲法の国民主権という課題だけでなく、安全保障だとかいろんな議論で、外国人参政権の議論についてはまだ議論が熟していないということが言えるのではないかと、こういうふうに思います。したがいまして私もそういう意味では、すぐこれを拙速にやるということではなくて、慎重な議論が大事だということを申し上げたところでございます。しかしそれを前提としながら、今後のあるべき方向等につきましては、例えば諸外国においても、相当、こういう地方での参政権については認めてきている国が多く出てきているところであります。これは特に先進諸国等で見ていけばいいわけでありますが、例えばスウェーデンでありますと3年以上居住した人については地方の参政権が得られております。デンマークも同じであります。オランダにおいても5年以上居住した外国人については参政権が与えられております。それから、そのほかのEU諸国につきましてはEU市民に対して地方参政権を与えているという例もあります。それからニュージーランドについては、これは1年以上居住している永住者に対して地方参政権だけでなくて、国政選挙においても参政権を認めているということ、それからロシアにおいても永住者に対して地方の参政権を認めている。それから韓国も永住資格取得後3年以上たった人に対して地方参政権を認めております。アメリカにおいては一部の地域、一部の市で地方参政権を認めている所があると、こういうふうに聞いているところでございます。そう考えてきますと、やはり民主主義が発展してきているいろんな国々においては、その地域に住んでいる外国人に対しても地域経営について参画できる道を模索し、それを実現してきているというような、そういう国際的な状況がございます。それから一昨日、外国人の地方参政権について知事会で議論をしました中で、熊本県の蒲島知事のほうからもご意見がございましたが、この参政権問題は実はデモクラシーの歴史でもあるということを言われておりました。選挙権の所得制限ということを撤廃する時にも、また女性の参政権が認められた時においても、あるいはアメリカなどで黒人の参政権が議論をされた時にも、少なくともそういう民主主義・デモクラシーが一歩踏み出していく時にそういった議論が必ず出てくるのだということを言われておりまして、そういう意味で熊本の知事さんも、方向性としては外国人の参政権を認める方向でいいのではないかとおっしゃっておられました。私もそういう意味で将来の方向としてはそういう方向に行くのが必然のことなのだろうと、こういうふうに思っておりますが、当面はまだ議論が熟しておりませんから、そういう意味ではしっかり国民的議論をして結論をあげていくということが大事だと思っております。


                                                           以上

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