知事定例会見録
平 成 25 年 12 月 26 日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・1年を振り返って(報告)
質疑項目
・発表項目に関する質疑
・安倍政権発足から1年の評価
・川上ダム建設事業の検証
・安倍総理の靖国神社参拝
・米の産地偽装行為
・河村市長のSL構想
・来年度政府予算案の閣議決定
・来年度の重点テーマ
・少子化対策への取組
・新県立博物館の公文書館機能
・天皇誕生日宴会の儀
・海女文化の世界文化遺産登録
・障がい者雇用にかかるアンテナショップカフェ
・外食メニューの適正表示研修会
・県議会の選挙区調査特別委員会
・猪瀬都知事の辞任
・知事の政治資金パーティー
発表項目等
(知事)それでは、今年最後の定例会見ですので、今年1年を振り返ってということで、少し所感を述べたいと思います。今年は任期3年目であったわけでありますけれども、3年間の中で特に充実した1年で、特に遷宮というのがありましたので、今年に向けて様々準備をしてきた、そういう部分もありますから、そういう準備に伴って充実した1年だったなあと思っています。国内外で印象に残った出来事としては、まずやはり東京オリンピック・パラリンピックが決定したこと、要望も行きましたけどもレスリングがこのオリンピックの種目に残ったということ、非常によかったなと思っています。それから印象に残ったこと、国内外でいきますと、楽天ゴールデンイーグルスが日本一になったこと、やはりこう何ていうか球団創設9年で、絶対的な力とか持っていなくても努力をすれば思いはかなうという、そういうのを証明したような感じがしています。それから、あとフィリピンや伊豆大島あるいは県内でも台風18号がありまして、そういうこれまで経験のない豪雨とか台風の被害が頻発したということについても非常に印象に残っています。県内の印象に残った出来事を少し申し上げたいと思いますけども、まず今年は、毎年総理が1月4日に、来年は1月6日ですけども、参拝されますが、今まで、最近は森総理より後は官邸で記者会見をされてから神宮に参拝されるということでありましたけれども、今年から、神宮で参拝をされ、そして神宮で年頭記者会見を行われるというふうに、森首相以前のスタイルに戻していただいたということは、伊勢から日本の総理の仕事のスタートがされるということは非常によかったなあと、そういう会見が復活したというのはよかったなあと思っています。特に今年県内で印象に残ったことというのはやはり、何をおいても第62回式年遷宮の遷御の儀を中心とした様々な行事が行われたということについてであります。20年に一度のこの時期に、得難い経験を様々させていただきましたが、ご当地の知事であるということの責任感と喜びと、そういう両方を感じる1年でありました。その効果もあって、観光という面においては、非常に順調に推移したかなあと思っています。この4月からスタートしました観光キャンペーンの1つの重要なコンテンツであります「みえ旅パスポート」も、直近では13万部を超える発行もなされていますので、そういう意味では伊勢のみならず県内への周遊という意味でも、一定の効果があったのではないかなと思っています。それから印象に残った出来事というか、自分たちは実施に移したわけですが、9月28日に日本橋に三重テラスをオープンしたということについては、直近でも13万人の方にお越しをいただいておりますので、順調な滑り出しをしたかなあとは思っておりますが、様々な課題もありますので、日々前進、改善しながら取り組んでいかないといけないなあと思っています。それから今年はみどりの愛護のつどいがあり、それに伴い、皇太子殿下にご来県をいただきました。そして熊野古道馬越峠をお歩きいただいてというようなことであります。非常に、来年の熊野古道世界遺産登録10周年に向けて弾みのつくことだったと思いますし、沿道の殿下に対して手を振られる皆さんの様子を拝見させていただき、非常に喜んでいただいていた様子を見て、そういう元気と勇気を与えていただいた殿下に大変感謝をしているところであります。併せて、皇室の関係では私は先般も陛下の誕生日の宴会の儀に参加をさせていただいたわけですが、今年は直接お話しをさせていただく機会がすべてあったわけではありませんが、合計で陛下に5回、今年はお会いさせていただきましたので、そういう意味では自分の人生にも残る節目となった年だったなあと思っています。それから、あとは吉永小百合さんが神島を訪問していただきましたけども、49年振りにお越しいただいて、地域の皆さんが吉永小百合さんの来訪を楽しみにしていた、あるいはその時の思いというのは非常に深いんだなあということと、吉永小百合さんの周りにいる皆さんに対する配慮であるとか、オーラであるとか、そういうものを非常に感じた時でした。それから今年は日台観光サミットを開催させていただきました。過去最大規模でありましたし、また県内全般にいろんなコースに行っていただきましたけども、それぞれにおいて市長さんや町長さんをはじめ多くの皆さんがおもてなしをしていただいて、極めて高い評価を得た日台観光サミットであったので、非常に成功したと思っています。それから今年も海外ミッションをたくさん行かせていただきましたが、ブラジル訪問、これは非常に印象に残りました。様々なミッション、それぞれに有意義なんですけども、今回は特に行政機関同士というよりは、向こうでアテンドをしていただいたりおもてなしをしていただいたのが県人会の皆さんでありまして、そういう地球の反対側、乗り換えを合わせると30時間かかる場所に、三重県を思って、そして三重県の人たちの代表を喜んでいただく、そういう三重県の故郷を思う方々がいらっしゃるということに熱い思いを持たせていただきましたし、そういう方々を大切にしていかなければならないなあと改めて思ったところであります。一方で、そういう様々いいお話もあったわけですが、残念なこととしても、朝日町の女子中学生の殺害事件があって、未解決のままで県民の皆さんに不安感を与えているというようなこと、あるいは米の産地偽装や食材の不適切表示というような事案がが発生してしまったこと、あるいは24年にも衝突事故がありましたが、今年も第十八栄福丸の衝突事故が起こったと、大変残念なことがあったと。あるいは障がい者の雇用率が全国最下位であったり、あるいは国体の成績が41位であったりというようなことで、まだまだ道半ばのものもたくさんあったなあというふうに思っています。一方で、国の議論への参画や提言実現という意味では、これまでの2年間にも増して成果を挙げることができたのかなと思っています。少子化の関係の交付金はもとより、就任以来ずっと提言し続けてきた南海トラフの特別措置法、今回成立をいたしましたし、また景表法の関係の都道府県知事への権限移譲については来年の通常国会に出されるということ、それからブラジルのビザの緩和については一部報道でもありましたけれども、外務省の中でもその方向で進めつつあるというようなこと、それから地方の博物館の独立行政法人化を可能にするという規制緩和、あと来年ですけれども、農地法とか、農業に関する規制の緩和というか合理化というか、そういう部分についての議論に参画をさせていただいたというようなこと、来年、農地法の議論が本格化してきますので、そういう部分にも参画できたことはよかったかなと思っています。そういうようなことが今年1年を振り返ってですけど、来年は任期の最終年ですし、仕上げをしっかりしていかないといけないということと、40歳になりますので、さらに違う人間味を、深みを増していかないといけませんので、日々精進をしていかなければならないなと思っているところであります。冒頭、私からの報告は以上です。
発表項目に関する質疑
○1年を振り返って
(質)たくさん出していただきましたが、知事として印象に残った、いいこと、残念なこと、1つずつ、最も印象に残ったことでいうとどれになるんでしょうか。
(答)やはり遷宮が一番、遷御の儀のみならず遷宮全体関連において、が印象に残りました。自分自身がそういう得難い経験をさせていただいたということはもちろんですけども、多くの方から東京在住や関西在住の方、あるいは名古屋在住の方とかもそうですけれども、こんなに今まで遷宮のことを知らなかったし、盛り上がるということがなかったので、非常によかったという、そういう三重や伊勢というものを発信できたというようなこと、それから今回は私いろんな所で申し上げてるんですけど、「民」の力というのかな、テレビカメラの技術や皆さんのカメラの技術の発達もそうですし、あとはお白石持行事も地元の皆さんがシステマチックにやっていただいたり、外宮前にいろんな店舗を民間の人が出していただいたり、ほんとに民間の力によっての今回の盛り上がりだと思っていますので、そういう意味では今までとまた様相が違うのかなと、そういうようなことも含めて印象に残ったひとつは遷宮であります。残念なことは、どれがというのはなかなか申し上げにくいところではありますけれども、こういう観光で、遷宮でやってるさなかに、米の産地偽装であるとか食材の不適切表示があったという、三重県に観光に来る動機の2番目が「食」を求めて来ていただいていますので、大変残念であったと思うし、早期の信頼回復や再発防止の策をとらなければならないと、そういうふうに思います。
(質)プライベートでは、この1年間で最も印象に残ったのは何でしょうか。
(答)今年ですか、プライベートでですか。そうですねえ、息子が日に日に、これというのは特段ないんですけど、はいはいから歩けるようになったり、「パパ」と言えるようになったり、「じぇじぇじぇ」と言えるようになったりとか、そういう日々進化をしていく、成長していく姿が印象に残ったというか、何というのかな、人をいとおしいという感情というのかな、こういうのってなかなか今まで感じたことのない感情だったですね。守ってあげなければならないというか、自分がその人のためにいなければならない存在であるというような、そういういとおしいという感情というのかな、そういうのを日に日に感じるような、子供に対して思う、そういう意味では新しい、今までの人生にない経験をさせていただいてるなあと思いますけど。
(質)奥様をいとおしいと思う感情とはまた別ということでしょうか。
(答)別ですねえ。妻の場合、いとおしいというか、そういう人生のパートナーとしての、どっちかというと僕の場合は、愛情もさることながら、尊敬というか、そういう部分が妻に対しては大きいですけどね。よくやってると思いますよ、ほんと今、仕事もやりながらシンクロも教えたりしながら子育ても家事もやってますからね。
その他の項目に関する質疑
○安倍政権発足から1年の評価
(質)少し国政のことに関してお伺いしたいんですけれども、ちょうど今日で安倍政権発足から1年になると思うんですけれども、安倍政権への評価を簡単にお願いいたします。
(答)元々、経済の再生というのを掲げて政権がスタートしていますので、そういう意味では株価も1万6,000円台ですし、為替も100円台ということでありますから、そういう意味では評価され得るものだと思います。それが全国津々浦々まで届くようにと総理はおっしゃっておられますので、これからの課題のひとつは全国津々浦々にというようなことなんだと思いますが、マクロ指標などを見てもそれは一定国政の経済再生を掲げてということでは評価できるんではないかなと、そういうふうに思いますけど。
(質)その一方で、特にアジア、韓国と中国の関係なんですけど、どちらに原因があるのかはさておき、あまり正常ではないような状態も見受けられるんですが、そのあたりに関してはどのように考えてらっしゃいますか。
(答)窓口はオープンだと、総理は常々おっしゃっておられますし、今まさに言われたように、どっちに原因があるかというのはいろいろあると思いますから、でも対話はオープンでやっていくという、こちらから扉は閉ざさないという姿勢を持ち続けていただきたいと思いますし、あらゆる機会をとらまえて働きかけは進めてほしいと思いますけど。確かに良好な状態とは言えないと思いますけど。こういう時は、でも何ていうか、草の根の交流とか、文化の交流とか人的交流というのを民間ベースで我々がしっかりやっていくというようなこととかも大事かなあと思いますけど。
○川上ダム建設事業の検証
(質)川上ダムのことで、ちょっとお伺いしたいのですけど、昨日、伊賀市の方で岡本市長が、最初は建設見直しを表明されて諮問機関を立ち上げたりとかして、昨日ではダムの水が必要だということで建設に承認したような形なのですけど、この市長のまず判断についての感想と、改めて県の川上ダムに対するスタンスを教えてください。
(答)県としましては従来から早期に検証を終えて、一日も早く本体着工をしてほしいという姿勢に終始一貫変わりがありませんし、特に、今回、台風18号で伊賀地域が非常に大きな被害を被った、その中で、私も伊賀に行って、地域の皆さんからは川上ダムがあったらこんなことにはならなかったんだというような強い声などもたくさんいただいた中でありましたので、今回、市長がそのようにご判断いただいたことは安心しましたし、評価されるべきだと思っています。一方でご心配の向きもいろいろあろうかと思いますから、今後しっかり地域住民の皆さんと対話を進めながら進めていく必要があると思いますし、我々も国や水資源機構に、早期に検証を終えて本体着工に早く進んでほしいということを強く働きかけをしていきたいというふうに思っています。あと利水のこともさることながら、建設した場合の市の財政負担と、撤退した場合の撤去費とかもいろいろ含めた市の財政負担とを比較考慮されて、撤退された場合の方が大きな財政負担になるというしっかりとした論拠に基づいたシミュレーションもされているということも、今回のご判断の中で大きな要素だったと思いますし、そういう形でのファクトに基づいたご判断でありますから、それは財政状況厳しい中で重要なご判断をされたと思いますね。
○安倍総理の靖国神社参拝
(質)安倍総理大臣が今日靖国神社を参拝するという発表を今されたそうですけど、靖国参拝について知事の所感をお願いします。
(答)それも私人としてご参拝されると思いますので、それについて私がどうこう申し上げることはありませんし、人の心、私人として行かれるわけでありますから、人の心の問題でありますので私が言及するものではないと思いますし、私も私人として参拝をさせていただいてますけども、私の場合はこれまでの英霊に対する個人的な敬意と感謝と、そういう思いでありますけどね。
(質)今回のことに関して、また中国とか韓国とかが一定のリアクションがあるのかなと思うのですけど、海外の国がそういうことに対して、いろいろ反応することに対しては、知事はどのようにお考えなのでしょうか。
(答)私人としてね、なんというのですか、私人とはいえ総理大臣ではないかというのは、それは理解はできなくはないですけども、私人として参拝されている人の心の問題について、外交問題としていろいろおっしゃるのはいかがなものかと思いますけどね。
○米の産地偽装行為
(質)三瀧商事等の米の偽装問題なのですけど、その後の調査の進捗状況は今どのようになっているのでしょうか。
(答)何度か直近でも再度の調査にも入っていますし、引き続き情勢の、得た情報の分析や追加的なものを進めています。特にミタキライスにおいての在庫がやはりはけていくまでは、しっかりと監視・調査を進めていかなければなりませんので、引き続き関係機関と調整しながら、協議しながら進めていきたいと思います。
(質)調査、ミタキの在庫はけるのも含めて、どれぐらいまで目処としてかかりそうでしょうか。
(答)できる限り早くとは思っていますけれども、来月の中でどれぐらいの状況かというのが一つ見極めるポイント、来月は、1月は一つ今後どれぐらいまでかかるのかというのを見極めるために重要な時期だと思っています。
○河村市長のSL構想
(質)名古屋市の河村市長がSLを走らせたいというのずっと言い続けてまして、関西線でSLをというようなことをどうも言い出しているようで、河村さんいわく近隣自治体の一部とはもう協議を始めてるというご説明をされていますが、この件についてまず知事ご自身が協議なり説明なり、何か一言話があったかどうかも含めて、まず打診があったかをお聞かせいただきたいのと、この構想についての率直な感想なり、所感なりをお願いします。
(答)まず河村市長からその話があったかどうかについては、熱く語られました。わざわざ何回もすれ違いながらも携帯にお電話をいただいて、何の、そんな重要な話があるのかなと思ってたら、そのSLの話をいただいたのと、あれなんやったかな、中経連か何かの会合でお会いした時も、隣に座ってそれについて熱く語られました。ですので、終始、市長の思いは理解をしましたが、具体的にどうするのかというのについては、我々、交通担当の部署から向こうの交通担当の部署に問い合わせたんですが、市長から何も聞いてないとおっしゃっていましたので、ちょっと、具体的にどうするのかというのは、まだ分かりませんが、財政負担を伴うようなこととかはちょっとなかなか難しいと思いますけれども、何か観光とか誘客に繋がるような取組をするのであれば、費用対効果考えて対応はしたいと思いますけどね。個人所有のSLを関西線とか持ってきて1回か2回か、時期決めてか、何か走らせてみるという、「D51がよー」って言うてたから、そういうご主旨なんだと思いますけど、確かに北名古屋市とか幾つかの市長さんにはお話ししたとおっしゃってましたけどね。
(質)構想自体についてはどういう受け止めですか。
(答)費用対効果がちょっと分からないので、何を目指すのかというのにもよりますけども、様々な仕掛けをするということは面白いことだと思いますが、そこに行政資源をどれだけ、人的、財政的にも含めて投入するかというのは、やはり費用対効果、目的とか見ないといけませんので、それ見てから判断したいと思いますけどね。でも熱くは語られました。
(質)政治家というのは、ある意味、夢を語るというのも仕事の一つだとは思いますし、そういう意味では河村さんというのは非常にそういう夢を語るトップの方だと思いますけど、そういう意味も含めて、やはり魅力ある物を作ろうということについては一定の評価はあってもいいと思うのですが、その点近隣の行政のトップから見て、ご自身はこういうことしなきゃいけないとか、こういうふうにしたいということを含めてどう受け止められますか。
(答)そういう名古屋城のこととかもそうですし、一定のご関心の高い分野についてそういう夢を語られるということは面白いと思うし、河村流だなあというふうには思います。しかし、それを、やはり夢は実現してなんぼだと思うし、実現しなきゃ意味がないと思うので、そういう意味では、それを行政のトップとして費用対効果含めてどこまでやるかということについては組織一体として、よく河村市長は「俺はやりてえんだけどよ、市役所がやってくれないんだけどよ」とおっしゃいますが、それを組織としてどうコミットするかということはよく精査される必要があるのかなと、だから、個人として夢を語るということについては評価をしますけども、実現することにおいては、よく精査が必要だと思ってますし、先ほど河村流と言いましたので、僕はまた違うやり方というか、組織の長としてはまた違うやり方で、河村さんみたいにしたいなとは思わないけれども、それは別に否定的にという意味じゃなくて、やはり違う味を出していかないといけないのかなとは思います。
○来年度政府予算案の閣議決定
(質)一昨日、政府予算案が閣議決定したんですけども、これについてまず全体の感想と、あと地方財政改革についての今回の受け止めと、あと県が提言された中で、国として受け入れられたこと、または、もしくは県として強く要望したにもかかわらず、なかなか理解が足りなかったものというのをお願いしたいと思います。
(答)今回の政府予算案全体については、必要な部分、あと何というかな、私は一定の評価をしています。その評価している理由の幾つか、1つは何というのですかね、税収よりも借金で収入を賄う方が多いというような状況が一時期続いていましたが、そういう異常な状況が解消されたということが一つ重要だと思います。それでも借金の比率が高いので、それは県政においてもそうですけど、今後の財政健全化のためには更なる努力が必要だなというふうに思っています。それから、あとは負担がっていう話は結構ありますけれども、一方で、税も含めて高所得のとこから税率を上げて、低所得の方へ対する給付を行ったりというようなことも、一定の配慮もありますので、それは評価されてもいいのかなと思っています。あと地方財政対策については、一般財源総額で0.6兆円増ということでおっしゃっておられますけども、ふた開けてみますと、消費税が上がります、で人件費削減した分を戻します、などなど考えると実は地方としては減収になるのですよね。だから地方財政対策については厳しい予算であるというふうに考えています。加えて別枠加算も削られましたけれども、これから総務省においては、地方のそういう実務を考えると、あれ別枠加算は税収がこんだけ増えるから、別枠加算こんだけ減らしてもええやろという単純な構図で今回減額されてると思うのですけど、今申し上げたように全体としては消費税のこととか人件費の戻りとかいろいろあって減収になるという、地方の実情を踏まえた折衝をしっかり総務省は代弁してやってほしいと思うし、財務省に財政論だけで負けてもらうと困るなというふうに思っています。それから三重県が要望していたことなどについて、少子化の交付金というのが新たに創設されたというのは非常に大きいことだと思いますし、あと公共施設の老朽化対策などの防災安全交付金が前年度並み、微増しています。これはやはりこういう部分について、「公共事業は全てが悪だ」的な議論をされる方も時々いらっしゃいますけれども、我々特に伊勢湾台風から50年経って様々な公共土木施設が老朽化している中で、メンテナンスについて、地方の実情に合わせて使える防災安全交付金というのが微増であるもののちゃんと措置されているということは、非常に、我々も要望してきましたし、評価されるポイントだと思ってます。我々が要望していったのに、なかなかうまくいきませんでしたねということについては、先ほどの地方財政対策についてはもう少し頑張ってほしいなというようなことがありますので、その辺りかなと思ってます。あとは道路の関係が、公共事業がほぼ前年並みで少し、微増ということになってますが、そこで、個別の箇所というものがまだ出ていませんので、我々ミッシングリンク、特に大泊からの部分のミッシングリンクの新規事業化というのを強く訴えてきておりますので、まだ予断許さない状況だと思ってますので、ここの勝負というのをしっかりかけていかないといけないなと思っているところです。
○来年度の重点テーマ
(質)今度は来年もしくは来年度のことに関して少しお伺いしたいのですけれども、知事の考える重点テーマというのはどんなことになるのか少しお考えをお願いします。
(答)来年度は経営方針でも示させていただいてますとおり、予算の関係でいうとやはり、次の20年に向けて、遷宮が終わって少し、今手を打っておかなければならないこと、例えばそれは少子化の対策であったり、あるいはグローバルへの対応ということで、教育もそうですし、水産業や畜産業の成長産業化というようなこともありますし、それからあとは今回観光で、遷宮で成果を得たものを更にブランド力をアップしていくというようなこと、このあたりが重点的なテーマになろうかと思いますし、合わせて先ほど申し上げたような公共土木施設の維持、それから河川の堆積土砂の撤去、そういうものについてはしっかり取り組んでいきたいと思いますし、あと額はそんな多くありませんけれども、今回の食材の不適切表示や米の産地偽装を踏まえた監視体制を強化する予算というのを盛り込んでいく、そんな予定にしています。あと重点テーマ的に言うと来年の大きなトピックは、1つは博物館が4月にオープンするということ、それから7月から熊野古道世界遺産登録10周年のキャンペーンをやるということですので、特に博物館については、当面2、3年は特に県内の皆さんにたくさん来ていただくような、県内の皆さんへのPRというのをしっかりやりたいと思います。僕が就任して6月、全協で説明した博物館の建設続行の時にも言ったのですけど、三重のアイデンティティというかね、三重の県民のアイデンティティとして博物館大切にしたいというふうに思っていますから、三重県民の皆さんに一人でも多く来ていただくようなPRの取組をしていきたいと思います。
○少子化対策への取組
(質)先ほど少し触れられましたけど、少子化対策について伺いたいのですが。知事もご自身の子どもさんをいとおしいということもありましたけれども、やはり来年、相当力を入れられるかなと思うのですが、県として、パワハラへの理解とか学校教育とかいろんな策は練ってられるようですけど、具体的にどんな取組を進めていきたいか、その辺の意気込みをお願いします。
(答)やはり今まで少子化対策、平成2年に1.57ショックというのがあってから、国も取り組んできましたけれども、歯止めがかかってない状況と。それは子育て支援という部分には特に注力してきましたが、その前提となる今の少子化の原因の、要因の一つでもある結婚の部分とか、妊娠、出産、子育て、こういうのを切れ目なくどう支援していくかということ、それから働き方の部分についてどう支援していくかということが大事だと思っています。特に妊娠を、医学的な知識というものについて、男女共に知らなかったというようなケースが、例えば不妊治療に行かれている方々が、そういう卵子が老化するとかそういうようなことについて知らなかったというようなことがありますので、いわゆるライフプラン教育というような形で中学校や高校などで展開していきたいと思っていますし、あとは妊娠、出産したお母さんを孤立させないような保健師さんなどのケアみたいなことも含めてしっかりやっていきたいと思っています。メニューはたくさんありますし、あとは男性の育児参画をもう少し進めていく、そのために働き方を変えていくようなこととか、そういうことにも注力をしていきたいと思ってます。
(質)現状としては三重県が全国の中で、先進的なところがあるのか、そ・黷ニもまだまだ遅れているという認識なのか、いかがですか。
(答)それは何で見るかということなんですけども、合計特殊出生率自体は全国1.41人で三重県1.47人なので全国より低いということではありませんけれども、これまで子育ての分野以外のところは不妊治療の部分とか妊娠レスキューダイヤルとか、そういう部分については一定先進的な部分、あとは発達障がいの部分とかで先進的な部分がありましたけど、切れ目なく支援していくという部分については、まだそういう完成型がありませんでしたので、そういう部分、切れ目なく支援をしていくんだということの観点で取組をこれから進めていきたいと思いますけどね。
○新県立博物館の公文書館機能
(質)先ほど博物館の話で、ミエゾウとかああいう、いわゆる博物館的なものは目を引きやすいと思うのですけど、今度の新しい館には公文書館の機能ができるということで、三重県は去年公文書の改ざん問題もありましたが、あの中にできる公文書館の機能というのをどんなふうに考えているのか改めてお願いします。
(答)やはり、先ほど三重のアイデンティティと言いましたけど、やはり様々な材料を持って、人それぞれみんな価値観が違うので、どういう材料を見た時に何かを感じる、物を感じるというのは人それぞれでありますから、そういう意味で三重県の歴史とか、これまで辿ってきた道、そういうものを知ることができる公文書館という、1つの材料として、その他の収蔵品と共にセットであるというのは、非常に重要な位置付けだと思いますし、その他の公立博物館でどれぐらいそういうのが整備されているのか分かりませんけれども、非常に意義があることだというふうに思っています。
○天皇誕生日宴会の儀
(質)先ほどの宴会の儀ですけど、どんな感じだったんでしょうか。
(答)宴会の儀は総勢400人ぐらいの方がご参加されていまして、ひな壇というのか、前に陛下を取り囲んで皇室の方がおられて、で、三権の長、大臣が並んでおられて、私はその前から2列目ぐらいの所に座らせていただきましたので、非常に前で、近い所で陛下のお言葉を聞かせていただきましたし、その雰囲気を味わわせていただくことがありました。直接陛下とお話しさせていただくことはありませんでしたけれども、陛下の方からは国民の健康と幸せを祈っているとそういうお言葉をいただきました。大変ご健康そうであって、私も安心をしたところでありますし、ああいう場にお招きいただいたことは大変光栄に思っておるところであります。
(質)今回は直接お話しする機会はないんですね。
(答)はい、直接はありませんでした。
○海女文化の世界文化遺産登録
(質)あと海女文化の関係ですけど、一応韓国が単独で世界遺産登録を目指すという話があるみたいなんですけど、この辺は、韓国メディアの報道ですけど、要は本家本元は韓国で日本とかそれは違うというような、ちょっと差別的な表現もしているのですけど、その辺は、今後手を携えてっていうのはあり得るのですか。
(答)我々もいろいろファクトも確認をしていまして、いろんな向きがあるようですね、韓国の中でも。我々は直接の窓口である駐名古屋の韓国総領事館に問い合わせもしましたところそういう動きというのはないということもおっしゃっておられました。韓国独自でということはなく、日本と手を携えてやっていきたいという見解も示されていますので、また先般、鳥羽に来られた済州(チェジュ)道の道議会議員の方も済州道の方は行政の取組が遅れていて、三重県とかはそういう行政の取組が進んでいるので参考にして一緒にやっていきたいというようなこともおっしゃってましたので、でも一方で、韓国内にそういう、うちが本家本元でうちだけでというような論があるのも事実だと思いますから、我々としてはそういう、せっかくのことですので、変に対立をというよりは、なるべく手を携えてやっていくというような方向で考えていますし、そのスタンスについては海の博物館の石原さんはじめ関係者の皆さんと共有をしているスタンスでありますので、我々としてはなるべく手を携えて進めるということで考えています。
○障がい者雇用にかかるアンテナショップカフェ
(質)あと、障がい者カフェ、名称は別個に作るみたいですけど、ステップアップでしたっけ。
(答)はい。ステップアップカフェ(仮称)。
(質)キャリアアップ、違う、ステップアップか。
(答)はい。
(質)で、この場所の選定含めて、ちょっと経緯をお話しいただきたい。
(答)雇用創造懇話会、昨日もやらせていただきまして、その下で、実際どういう機能を持たせるべきなのかというようなこと、で、県内にどういうリソースがあるのかというようなことを専門的に7回ぐらいですかね、専門部会設けて議論をしていただきました。で、現地調査もたくさん行っていただいて、現場も回った中で今回の場所選定となっていったわけですが、場所選定の中では、ネットワークを形成しやすい場所であること、一定の集客が見込めること、で、採算のことなども考えて安価な家賃であること等を考慮した上で、あそこの場所が候補として挙がってきたというようなことであります。
(質)場所名はいいですけど、最終的には5つぐらい、何個ぐらいに絞られたのですか。
(答)最後ですか。
(質)場所です。
(答)最後は、僕が見たのは3つ。その前に何個か候補は見ましたけど、最終決定する段で比較考慮した民間商業施設みたいなのがあと2つあって、それと今回の場所と。マルバツ付けてなんかやりましたけどね。
(質)あそこの場所なら家賃等はいらないわけですか。
(答)ほんの少しですけどかかります。
(質)ランニングコストは一番低いのですね?
(答)そうですね。あと、あそこの総合文化センター全体で100万人くらい人は来てますので、そういう集客というか、部分も考慮に入れていますけどね。
(質)100万人というのは美術館入れて100万人じゃなくて、総合文化センター、図書館で100万人?
(答)そうです。総合文化センター、図書館、何やったかな。そうですね。
(質)昨日の資料50万4,000人じゃなかったですか。
(答)50万人はね、あれ多分コンサートとかに来ている人のやつを引いて50万人です。
○外食メニューの適正表示研修会
(質)あと、来年度の食の安全のための検査体制っていうか監視体制分で、予算をお付けになるって話を先ほどされていましたけど、知事の思いが必ずしも現場で生きているとは思わない部分があるのであれですけど、業者を集めてのコンプライアンス研修で、1回目は公開で、2回目以降は頭撮りだけの秘密会になっているんですが、で、理由は、1回目参加した業者の方々がメディアがいると自由な発言ができない、逆に言ったら、「うちはこんなグレーゾンすれすれのことやっているけどどうなのよ」とそういうことも聞きたいという話かもしれないですけど、間違いなく税金でやっているわけだから、1回目は公開で、仮に2回目形を変えるならば、少なくともメディア側の意見なりも本来聞いて、その上で勘案して、それを非公開にするか公開にするか決めるべきだと思うんですけど、その辺の話は知事のところにはないですよね。
(答)2回目こうしますという相談はありましたけどね。1回目で質問する時とかに、まさにグレーというか、そういうようなことを率直に聞きたいという方がおられたということがあって、こうするんですという相談はありましたけどね。それを、こういうふうにするので、メディアの皆さんと相談するというところまでは僕は聞いていないですけどね。一定の相談はありました。
(質)2回目以降は実質的な非公開というのは、それは是とされますか。
(答)消費者庁の講師が来て、そして、今それぞれ不適切な表示があったら自分たちで自主公表してっていう、一定の社会的制裁というのを受ける可能性があるような部分ですので、業者の皆さんがピリピリされているというか、緊張感を持っておられるというのは理解できるので、是とまではしないものの、やむを得ないのかなと思いますけどね。
(質)でも、19年、20年の時、前回も同じような形で甘さを見せたから、逆に言ったら同じことが繰り返されるという見方もあるわけで、本来、秘密会する本来の意味的なものもないと思うんですけど、例えばグレーゾンの意見聞いたからって、その業者を全面に出してやるメディアもほぼないと思うので、本来は、そこのところは県の説得の問題だと思うんですけど。
(答)まあ、そうですな。あとは、消費者庁の意向とかもあったのかもしれませんけどね。そこはちょっと私聞いてないですけど。
○県議会の選挙区調査特別委員会
(質)あと、昨日、選挙区調査、県議会の、実質的に27年は現行のままっていうふうなことがほぼ決まって、あとパブコメ取るという話なんですけど、県議会のこととは言いながら、県議会と二元代表制になっているわけですから、知事の率直なご感想はどうですか。
(答)県議会でご議論いただいたことなので、僕は評価をどうこうするという立場にはないにしても、一定の減員になったりする、削減、定数が減になったりするところとかもあると思いますので、そうであっても、しっかり県民の皆さんの声が届くように努力をしていただくということとか、あるいは、こういうふうになぜこうなったのかということの説明などもよくしていただくということが大事なのかなあとは思いますけどね。
(質)行政の長のお立場で、三重県の代表者は三重県知事でしかなくて、三重県議会議長ではないので、例えば、昨日の案の中で出ていたような、本則書き込みを4年先のものを盛り込むというようなことに関しては、実際、条例とは言いながら、法規上、結構問題あると思うんですけど、その辺は行政の長としてどうお考えですか。
(答)レアなケースではあると思いますけどね。それが是か非かというのはちょっと、なかなか、例えば何て言うんですかね、書いといて何年後かに見直しますというのもたくさんあるわけでありますから、先のものを書いたからあかんということでもないと思いますけど、レアケースだとは思いますけどね。
(質)見直すっていうのを入れ込むのは、これは事例もあっていいですけど、要は、こうしなければならないという義務的に書き込むわけじゃないですか。それが本来、例は少ないですよね、というかほとんどないですよね。
(答)我々で言うと、書いといて施行日がすごい後ってことですからね。そういうケースは確かにレアではあると思いますけど。それをいいとか悪いとかというのは議会の皆さんのご判断ですから、今回、私がどうこうという問題じゃないですしね。
(質)でも、総務省から事情を聴きに来たら、知事のところに来るんですよね。
(答)まあ、そうですかね。議会のご判断でということで。
○猪瀬都知事の辞任
(質)あと、猪瀬都知事が辞任されましたけど、率直なご感想を。
(答)東京オリンピック、パラリンピックの誘致が決定してから間もなくでありましたので、そういう意味では残念ではありますけれども、借り入れ問題に関する説明で疑念を払拭できなかったということとか、組織委員会の準備とかですか、が、ちょっと遅れていたということなどで、そういうご判断をされるのは、やむを得ない部分があるのかなというふうには思います。一方で、後任の方、もちろんオリンピック、パラリンピックしっかりやっていただくということもさることながら、やはり東京さえよければいいというのではなく、地方も含めて協調して手を携えて、一緒に日本の発展を図っていくという姿勢を持った方になっていただくとありがたいですけどね。
(質)猪瀬さんの政治家としての金の集め方云々というのは、やっぱりはたから見てて、それはまずいという感じですか。
(答)あのやり方ですか。
(質)はい。
(答)まあ、それはまずいんじゃないですか。不透明な形でもらっといて、それを記載していないということでしょ。
(質)うっかりミスでは済まない?
(答)うっかりミスではないと思いますね。
○知事の政治資金パーティー
(質)関連してじゃないけど、知事が来年1月20日に東京でやられる政治資金パーティーなんですけど、ここに大道会という後援会名が入っていますが、これは現在県内にある鈴木英敬後援会との兼ね合いというのはどういう形になっているんですか。
(答)私の理解では、東京を中心に、呼びかけ人は県内の方ですけども、東京の方でご支援いただく方に、声をかけていただいているという整理だと思っていますので。
(質)県内にある鈴木英敬後援会、鈴鹿で最初に発足したような、それを統合したのが大道会に変わったということじゃない?
(答)ということじゃないです。
(質)ということは、大道会は別組織?
(答)そうです。はい。
(質)で、会長が浜田益嗣さんで赤福さんなんですけど、これの経緯というのはどういう感じですか。
(答)そういうのを作りたいぞと言っていただいている方々でご相談いただいて、浜田会長に打診していただいたと私は聞いています。
(質)で、益嗣さんのネームが、東京辺りではかなりあるからということですか。
(答)私が直接こうしてくれと言ったわけではないので、そういう会を作ってという皆さんの中でご相談いただいて、浜田会長にということですので。
(質)だから、当然、合法的な形のものだと思いますけど、思うというか事実そうなんですけど、大道会の大いなる道というのは総理への道ということなんですか。
(答)いやいや。なんかね、論語かなんかにあるらしいんですよ、意味が。なんかちょっと私、聞くの忘れましたけど、聞いたけど忘れちゃいましたけど。そういうのではなくて、よく分からないですけど、例えば和して同せずみたいな、そういう意味のあるなんか言葉らしいです。ちょっと私聞いてないですけど。
(質)まあ、益嗣さんの好きそうなネーミングですけどね。浜田さんがお付けになった、それとも後援会の皆さんが?
(答)皆さんでご相談されたということです。
以上