現在位置:
  1. トップページ >
  2. 県政・お知らせ情報 >
  3. みえDATABOX(三重の統計) >
  4. みえDATABOXからのお知らせ >
  5. Hello!とうけい >
  6.  Hello!とうけい♪vol.288 ガチャが外れる確率は? ネイピア数eを用いた確率計算
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 政策企画部  >
  3. 統計課  >
  4.  分析・情報班 
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
令和07年05月28日

三重の統計 - みえDataBox

【Hello!とうけい】Vol.288 ガチャが外れる確率は? ネイピア数eを用いた確率計算

 令和7年5月28日掲載

 みなさんがゲーム、特にカードゲームやボードゲームを遊ぶ際、確率を考えない事は無いでしょう。勝つか負けるか、どれだけ勝てそうかを考えるときには、必ず確率を計算して行動を決めていると思います。
 しかし、そういった身近なものでありながら、確率については何となくでとらえてしまっていることが多いものです。特に、ネイピア数eと呼ばれる数と、確率の計算との間に密接な関係がある事はあまり知られていないと思います。
 今回は、当たる確率が低いガチャを回した場合の当たりが出る確率を計算し、ネイピア数eとのかかわりも合わせて紹介したいと思います。

 コインの表が当たりの時、2回投げて当たりが出ない確率は、2回とも裏が出る確率ですから、2分の1を2回かけ合わせて4分の1です。当たる確率が2分の1といっても、2回投げれば必ず当たるわけでは無いのが重要です。
 ではサイコロで1の目が当たりの時、6回振って当たりが出ない確率はどうなるでしょうか。
サイコロを振って1が出る確率は6分の1なので、一度振って当たりが出ない確率は6分の5です。6回振って当たりが出ない確率は、6分の5を6回かけ合わせて46656分の15625です。計算すると0.335ぐらい、3分の1ほどは当たりが出ないことになります。
 それでは、ここに常に1%の確率で当たりが出るガチャがあるとします。このガチャで当たりを出すには何回回せば良いでしょうか。なお、当たる回数は考えず、当たりが出るか出ないかで考えます。直感的には100回回せば1回くらいは当たりが出そうな気がします。しかし、当たり確率1%のガチャを100回回しても当たりが出る確率は100%にはなりません。
 当たりが出る確率を計算するにはどうすれば良いでしょうか。ガチャを1回回して外れる確率は1から当たる確率の1%を引いて99%、つまり100分の99です。100分の99を100回かけ合わせればガチャを100回回した時に全て外れる確率が出せますから、それを1から引けば当たりが出る確率がわかります。しかし、100回もかけ合わせるのは大変です。簡単に大体の確率がわかる方法は無いでしょうか。

               コインサイコロガチャ

 こうした計算に便利な数として、ネイピア数と呼ばれる数があります。アルファベットのeと表記するこの数は2.7くらいになるのですが、実はe分の1、つまり大体2.7分の1、計算すると37%くらいというのが、当たる確率の分だけガチャを回した時に当たりが出ない確率の上限になります。当たる確率が低いガチャをその確率の分だけ回した時に当たりが出ない確率は、元々の当たる確率が低いほど増えていきますが、その確率は37%を超えることはありません。
 6分の1を6回振った時に当たりが出ない確率が34%くらいだったので、100分の1を100回回した時の当たりが出ない確率は34%と37%の間になります。実際に計算すると大体36.6%になります。50分の1を50回回した場合は36.4%くらい、25分の1を25回だと36.0%程です。つまり、当たる確率が2~3%以下であれば、その確率の分ガチャを回した時の当たりが出ない確率は、大体36%から37%、当たりが出る確率は1から出ない確率を引いて、63%から64%くらいだと考えれば良いことになります。

  ネイピア数eについての説明

 ネイピア数eについてもう少し詳しく説明します。
 ここでは少し数学の記号を使います。
 まず、『当たる確率』をn分の1とします。               ⇒    1/n
 次に、『外れる確率』を1から『当たる確率』を引いた数とします。 ⇒ 1-1/n
 最後に、『n回引いた時に当たりが出ない確率』を、
 『外れる確率』をn回かけ合わせた数とします           ⇒ (1-1/n)^n
   ( )~n はn回かけ合わせるの意味、数学ではn乗と呼びます。
 この時ののnがとても大きい数の時(当たりにくいガチャをたくさん回す時)
 の当たりが出ない確率の上限がe分の1となり、大体37%になります。
 ちなみに、(1+1/n)^nはeになります。こちらは大体2.7です。
                                          数学者

 当たり確率1%のガチャを100回回した時の当たりが出ない確率は37%くらいとわかりました。
 では、このガチャを200回回した時に当たりが出ない確率はどれだけでしょうか。こちらは100回の時の確率がわかっていれば簡単です。つまり当たりが出ない確率が37%のガチャを2回回したと考えれば良いのです。この確率は37%を2回かけ合わせて大体13.5%、7から8分の1といったところです。意外と高いのではないでしょうか。
 300回回した場合は37%を3回かけ合わせればよいので、ほぼ5%、20分の1となります。300回回しても当たらないなんて異常なほど運の悪い人に思えますが、周りに1人くらいいてもおかしくはありませんね。

 ネイピア数eを用いた計算は統計学でもとてもよく使います。
 数式でこの数を見かけたときに、「これはガチャを回す時の確率の数だ。」と思ってみれば、少し親しみが湧いてくるのではないでしょうか。

            

 三重県の統計情報は「みえDataBox」でご覧いただけます。

   次回のHello!とうけい♪vol.289は、令和7年7月23日(水曜日)掲載予定です。
 お楽しみに!

本ページに関する問い合わせ先

三重県 政策企画部 統計課 分析・情報班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎2階)
電話番号:059-224-3051 
ファクス番号:059-224-2046 
メールアドレス:tokei@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000299539