(日 時) 令和7年7月1日(火) 13:20~14:10
(場 所) プレゼンテーションルーム
(参加者) 県)知事、総務部長、総務部副部長(行政運営担当)、総務部副部長(財政運営担当)、
総務課長、行財政改革推進課長、人事課長、福利厚生課長、管財課長、デジタル改革推進課長
組合)中央執行委員長、副中央執行委員長、書記長、書記次長、中央執行委員
(進 行)コンプライアンス・労使協働推進監
(議 題)・ライフ・ワーク・マネジメントの推進について
・Mieるビーイングの推進について
(知事)
ライフ・ワーク・マネジメントについては、総論的に言えば改善してきているが、各論的に言うとまだまだ改善されていないところもあると考えている。
最大の課題は仕事をどう減らしていくかだが、今までも議論してきたがなかなか難しいと考えている。若手職員に負担をかけないようにしながら、仕事を減らしていく方法について皆様の御意見をいただきながら進めていきたい。
先日、「『明日の県庁』創造チーム」を発足したが、第1回ミーティングでは、民間からの中途採用職員から「前の組織と今の組織のいいところをミックスして良い県庁にしていきたい」との意見があるなど、前向きな意見が多かったが、「管理職になりたいかと問われるとそうでもない」という発言もあった。いかにして「なりたい」という気持ちを持っていただくようにするのかが大事である。三重県の中だけで議論するのではなく、他県での先進事例があれば、チームの職員が出張し、意見交換を行っていただきたいとお願いしている。様々な意見を取り入れていきたいと考えているので、皆様からも忌憚ない意見をいただきたい。
(委員長)
時代が変わり、職員数も少なくなり、マンパワーが足りていない状態。業務を減らしていくには、労側、使側の両方から提案、検討することが必要。若手職員だけでなく、管理職等も含め、様々な視点で意見を出してもらい、議論することが大事。
中央労使協働委員会で話し合うことにより、部局労使協働委員会や職場労使協働委員会での議論を加速していただければと考えている。
(議事「ライフ・ワーク・マネジメントの推進について」、「Mieるビーイングの推進について」)
※行財政改革推進課長から資料に沿って一括説明
1 令和6年度ライフ・ワーク・マネジメントの進捗状況について
(1)意識、組織風土改革の推進
〇職員アンケートのLWM項目の満足度 目標:R5実績以上
・ライフ・ワークの充実に向けた雰囲気の醸成:R6実績 3.27点(目標 3.28点以上)
・充実した働き方、生き方:R6実績 2.76点(目標 2.78点以上)
<検証>
・所属長と職員が定期的に対話する仕組みが定着することにより、ライフとワークの充実に向けた雰囲気は一定醸成できている。
・今後も職場内の対話やコミュニケーションを活性化させる必要がある。
(2)ライフ・マネジメント支援の推進
➀年休取得日数 目標:16日以上 R6年間実績:16.2日(R5実績:15.8日)
➁男性職員の育児休業取得率【取得期間:1週間以上】 目標:90%
R6実績:94.57%(R5実績:81.08%)
③職員アンケートの休暇取得項目の満足度 目標:R5実績以上
休暇の取りやすさ:R6実績 3.42点(目標3.49点以上)
連続休暇の取得:R6実績 2.81点(目標2.83点以上)
<検証>
・職場での支え合いや計画的な休暇の取得等を推進した結果、年休取得日数が向上し、休暇取得の満足度も一定確保されるとともに、男性の育児休業取得率も目標を上回っている。
・職員アンケートについては前年度より低下しており、引き続き、職場内の対話を十分に行い、職員が主体的に休暇を取得できる体制を整えていく必要がある。
(3)ワーク・マネジメントの推進
①時間外勤務時間(1人あたり)
目標:平成25年度の時間外勤務実績から30%削減 →154時間/人
R6年間実績:181時間(R5実績:174時間)
②超長時間勤務者数(500時間超え)
労使で令和2年度に設定した令和6年度の目標人数 0人
R6年間実績 188人(R5実績:220人)
<検証>
・時間外勤務は、奥能登豪雨や南海トラフ臨時情報対応等の突発的な事案が発生したが、前年度比4%程度の増加に留まった。
・超長時間勤務者は目標未達だが前年度の85%程度に収まっている。
・今後も業務見直しを進めながら、業務の平準化に努めるとともに、所属を超えた部局単位での業務見直しや業務削減に積極的に取り組んでいく。
2 令和7年度Mieるビーイングの推進について
趣旨:これまで取り組んできた「ワーク・ライフ・マネジメント」の取組の成果を基盤としつつ、以下の3つの柱に沿って、職員の「ウェルビーイング」と組織全体のパフォーマンスの一層の向上に向けて取り組む。
1 職員がやりがいをもって生き生きと働ける職場環境づくり
・職員アンケートの仕事のやりがい項目の満足度:前年度実績(2.78点)以上
2 業務改善・業務の効率化による仕事の進め方改革
・DX業務改善支援窓口への相談案件のうち、業務改善・業務の効率化に結びついた割合:
前年度実績 (79.37%)以上
・所属を越えた部局単位での業務改善・業務の効率化を実施した
部局の割合:100%
3 職員の心身の充実
・職員アンケートの心と体の健康項目の満足度:前年度実績(3.02点)以上
・超長時間勤務者数:前年度実績(188人)以下 ※R7目標:90人以下
※これまで取り組んできた「ライフ・ワーク・マネジメント」の定着状況を確認するため、以下の項目については、R2~R6年度平均値を目安として、モニタリングを行う。
○年休取得日数 年間15.4日
○時間外勤務時間数(特例除く) 174時間
※付記
男性職員の育児休業取得率については、三重県特定事業主行動計画の目標として、90%(2週間以上取得)
(以下、発言は○が労側、●が使側である。)
○時間外勤務は所属長の命令によってすべきものであるということを徹底していく必要がある。例えば、15時や16時までに時間外勤務の予定を入力することをルール化し、時間外勤務を予定している職員に対して、周りの職員がフォローすることで、時間外勤務を改善できないかということが部局労使協働委員会で議論されていた。対策の一つになるのではないかと考えている。
特例業務は、安易な適用が許されるものではないが、一方でサービス残業は当然あってはならない。早い段階から手を打って対策を講じていくべきある。
●昨年度は、8月を時間外勤務の事前命令の取組期間とした。所属長の命令により時間外勤務をするということは浸透してきたと思うが、引き続き所属長の承認を受けて時間外勤務をするということを徹底していきたい。また、時間を決めて、時間外勤務の事前申請をする取組を広めていくことで、各職員が計画的に仕事を進める意識付けにもつながると考えるので、取組を継続していきたい。
特例業務は、特定の職員に負担が掛かるということもあり、災害など突発的なものに限定的に解釈している。また、部局内での応援、部局内が無理であれば全庁的な応援を検討したうえでの最後の手段という認識を引き続き持っていきたい。
〇ライフ・ワーク・マネジメントの取組の中で、男性の育児休業の取得率については全国的にも高くなっており、労使で取り組んできた結果と考える。育児や介護との両立支援制度が整う一方で、職員からは、職場環境が厳しいという意見がある。人材不足の中であるが、誰もが働きやすい職場づくりが一層求められている。今の三重県庁には、仕事の余白、つまり仕事を詰め込みすぎないことが必要である。仕事の余白を作るためにどうすればいいのかを労使協働で真摯に議論し、これまでにない自由な発想を持った取組を進めていきたい。
●Mieるビーイングの推進の趣旨には、各職員の働き方や理想の環境、抱えている背景を「見える化」し、職場内で共有したうえで、お互いが理解し助け合うということもある。職員が、介護休暇、育児休業等を取得することは、どこの職場でも起こり得ることであり、それに備えて、日頃から協力体制の構築、お互いを理解し合う風土づくりを進めていきたい。あわせて業務改善、業務の効率化の取組も必要であり、Mieるビーイングの推進を通じて労使で取り組んでいきたい。
〇総務部で窓口受付業務に関する全庁調査をしたと聞いている。調査結果はどうだったか。
●昨年度末に行った全庁的な調査から、勤務時間(8時30分から17時15分)で受付をしている窓口もあれば、異なる時間帯の窓口もあり、混在していることが分かった。今後は、窓口受付時間の中で、どの程度の利用があるかを追加調査したうえで、全庁的にどのように運用していくのが望ましいのか労使で検討をさせていただきたい。また、窓口受付時間を短縮する場合は、代替手段をどうするのかという点についても引き続き検討していきたい。
〇窓口受付時間を短縮すると県民サービスが低下するのではないかという意見もあり、丁寧に調査をしていただいたうえで、労使で議論をさせていただきたい。
〇勤務間インターバルについて、労使協働委員会小委員会で協議をしているところであるが、時間外勤務が恒常化している職場では、この取組だけでは不十分であり、並行して業務削減に取り組む必要がある。
●勤務間インターバルについては、繁忙期で時間外勤務が続いてしまう場合に、どのように分散させるのか議論をし、見直していく必要がある。現場の声を教えていただいて見直しを進めていきたい。
〇恒常的な時間外勤務がない職場であれば、1日ずらせば状況が改善されるが、恒常的な時間外勤務ある場合は、1日ずらせばリセットボタンを押すのは土曜日・日曜日になる。まずは、業務削減を行い、恒常的な時間外勤務を無くす努力を行うとともに、職員の労働安全衛生上、勤務間インターバルが必要であるという両面からの議論が必要である。
●『明日の県庁』創造チームでも、「余裕がない」という意見があった。余裕には、質的な部分と時間量の部分があると思うが、時間量の部分について、大きな視点に立ち取組を考えていく必要がある。
●業務改善には、BCPの手法が一つの参考になる。業務を減らそうとするとそれに立ち塞がる人がおり、業務が減らない。どうしてもやらないといけない業務を積み上げていき、何が必要な業務なのかを考えていくのがよい。労使で議論をさせていただきたい。また、業務を減らすことは難しいため、部局間異動も含め多忙な部署に職員を配置することも考えられる。
〇仕事に追われていると、業務改善しようと思わない。余裕や余白ができる土壌づくりが大切。公務はすべて必要な業務なので、削減していくのは容易ではない。業務削減は、予算や職員定数の削減につながるとの考え方があり、この考え方を改める必要がある。
〇余白の要素には、仕事の余白、体の余白、心の余白の3つがあると思う。仕事の余白は、業務削減、体の余白は、例えばDX等の手法によりどこでも仕事ができるということ、心の余白は、もし自分がミスをしたとしても誰かが助けてくれる、皆で一緒に仕事ができるということ。この3つが揃っていないと本来の余白ではない。業務手順の見直しだけでなく、働く場所や精神的な観点からも議論することで余白ができるのではないか。
●時間外勤務が多く体が辛いということはなくても、先に心が追い込まれるという話を聞く。職員が心に余裕を持って仕事をしていただくためには、周囲のサポートやコミュニケーションがあるということを実感してもらうことが必要。上司にあたる職員には、そういうことを意識するよう伝えているが、伝えきれていないところがあるので、引き続き手法等を考えながら進めていきたい。
一方で、自ら余白を作ることも大事。自分から余白をつくる取組として、創造活動チャレンジを始めている。自分の業務を効率的に処理し、自分のやりたいことにチャレンジしていこうと思っていただけると良い。
●仕事、体、心のうち、心が一番大事。「なぜ心に余裕がないのか」を組合から聞いていただけると職員の本音が出てくる可能性もある。労使で取組を進めてはどうか。
〇Mieるビーイングを推進するにあたり、職員満足度アンケートの回答率を上げていく必要がある。現状、職員満足度アンケートの回答率は6割程度であるが、意見が改善に繋がったということが見えると、より意見が出てくると思うので、回答率を上げるための取組を進めていきたい。
●職員満足度アンケートは10数年実施してきており、職員の認知度は高い。アンケートの回答が何に使われているのか、どのように改善につながっているのかが見えると回答率の上昇につながると思うので、取組を検討していきたい。
〇これまでの課題の中でフィードバックが出来ていないものもあるが、今後も新たな課題が生じてくるので、前に進めていかないと課題が山積していく。労使協働で三重県庁を良くしていくため、労使協働委員会の場等を通じて、課題に対する検討や対応をお願いしたい。