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令和04年10月04日

2022(令和4)年度 人権学習指導資料等活用のための講座(8月)報告


 三重県教育委員会では、県発行の人権学習指導資料等の効果的な活用を促進するための講座を実施しています。
 今年度は、遠方の方にも参加していただきやすいように、また感染症対策の観点から、三重県人権センターでの集合型研修とオンライン型研修を組み合わせた形式で実施しました。『人権教育ガイドライン』『人権教育サポートガイドブック』『みらいをひらく』『みんなのひろば』『気づく つながる つくりだす』の人権学習指導資料等を使いながら、「部落問題」や「子どもの人権」、「外国人の人権」等について参加者と一緒に考えました。それぞれの講座ではグループワークを取り入れ、参加者どうしの交流の機会を多く持ちました。

 以下、その概要を報告します。

 この講座は3日とも同じ内容で、「子ども理解を深めるために大切なこと」をテーマに実施しました。
 初めに子ども理解についての認識を共有するため、「どうして子どもを理解するうえで生活背景を知ることが大切なのか」について説明をしました。それを受けてのグループワークでは、保護者と対話することや家庭訪問の大切さ等についての意見が多く出されました。次に子ども理解を深めるうえで個別的な人権問題について学ぶことが必要であることや、教育的に不利な環境のもとにある子どもに焦点を当てて取組を進めることが重要であることを確認しました。講座の最後には、今後どのような実践を行っていきたいか、どの
ようなことを職場で還流しようと思ったか等について交流する時間を持ちました。                    
 
【参加者アンケートより】
〇子どもを理解するために、どのようなアプローチがあるのかを考えるきっかけとなりました。また、グループ
 ワークによって、これまでの子どもたちと自分との関わり方を振り返り、これから子どもたちとどのように関 
 わっていけばよいのかを考えるきっかけとなりました。常に子どもに寄り添える教師でありたいと、強く感じ
 る講座でした。

〇様々な校種の先生方の実践等について交流でき、とても勉強になりました。『人権教育サポートガイドブッ 
 ク』等、今まできちんと見たことがなかったのですが、教育に活用できる内容がたくさんまとめられており、
 これから活用していきたいと思いました。

〇日常の教育活動を丁寧に行い、大切にしたいと感じました。また、個別的な人権問題について理解を深める必 
 要性を感じています。本校では個人ではなくチームで共有し考え行動しているので、今後も続けていきたいと 
 思います。久しぶりの対面の講座でいろんな刺激と元気をいただきました。

〇先生方の実践や仲間づくりへの思いを聞くことができてよかったです。自分が行っている取組への思いも聞い 
 ていただけてありがたかったです。自校に帰ったら、今日学んだことを生かして2学期の取組につなげていき
 たいと思いました。子どもたちが安心して過ごせるように、保護者と協力していきたいと思います。グループ
 ワークを取り入れての講座がとてもよかったです。

〇グループワークで、様々な校種の先生と意見が交流でき、子どもの実態等が聞けてよかったです。悩みを共有 
 し、ベテランの先生方に相談に乗ってもらうこともできてよかったです。2学期からは、子どもたちの生活背 
 景をより深く知るために、日々のコミュニケーションを大切にしていきたいと思いました。

〇子ども理解について、多くの学びが得られました。特に、個別的な人権問題については、自分で勉強するには
 どこか取り掛かりづらいなと感じていたのですが、理解しておくことで子どもの困り感に気づくことができる
 視点になると知りました。また、子どもを理解しようと努めている先生は、子どもも相談しやすくなると気づ
 くことができました。子どものためになれるよう、これから勉強していきたいと思います。

〇子ども理解に必要なことを、実体験を交えながら学ぶことができました。教員をはじめたばかりの頃と比べる
 と、よりしっかりと理解できる内容が増えました。なかなか自主的には学び直すことができないなか、このよ
 うな講座はよいと感じました。

 「子どもの人権」についての講座では、被害者や加害者、観衆、傍観者からなるいじめの構造について確認し、人権学習指導資料『みらいをひらく』を活用した授業と授業を行う際のポイントを提案しました。そして「いじめの認識」を深めるための授業や「いじめを見逃さない、起こさせない」子どもを育むための授業づくりについて、それぞれの意見を交流する時間を持ちました。
 「女性の人権」についての講座では、自分自身のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に気づくことの大切さについて、『みらいをひらく』や『みんなのひろば(小学校高学年版)』を用いて、体験的な活動(女性の社会参加の割合を色別カードで確認する等)を取り入れながら
確認しました。そして子どもがアンコンシャスバイアスに気づき、社会にある問題を解決していくための授業づ
くりについて交流する時間を持ちました。

【参加者アンケートより】
《子どもの人権》
〇一人ひとりができることをすると、いじめは生まれにくくなり、大きくならなくなることを知りました。身の 
 まわりのいじめに対して「小さなNO(ノー)」が出せる子どもを育てていくために授業や日々の取組を積み
 重ねていきたいと思いました。SNSでの人権侵害を生まないために自分の知識を向上させるとともに、話し合 
 いやロールプレイを取り入れていきたいです。

〇「いじめられる側にも責任がある」ということについては、それが間違いだということは自信をもって伝えら
 れると思っていましたが、補助資料を読んでさらに理解が深まりました。「理由」と「責任」を切り離して考
 えること、絶対に正当化できないことを子どもたちに伝えていきたいと思いました。「いじめを誰に止めてほ
 しいか」というアンケート結果で「友だち」と答えている子どもが予想以上に多いことに驚きました。これま 
 でいじめについての授業をあまりしてこなかったので今回学んだワーク等を活用して、いじめを止める手立て
 はたくさんあること、その中から自分ができることをしたらいいんだよということを伝えていきたいと思いま 
 す。

〇校種の異なる人の話を聞けてよかったです。「仲裁者」になるのはハードルが高いと感じる子どもも多くいる 
 と思うので、「相談者」や「通報者」になる選択肢もあると聞けてほっとしています。いじめに対して「でき 
 ることの選択肢を増やしていけるように」というのがわかりやすかったです。自分が何か問題に直面した時
 に、解決に向けた行動の選択肢を増やしていくことにもつながると思いました。

〇どのような理由があろうと、「いじめは許されない」とは理解しているものの、いじめられる側にも非がある 
 と主張する子ども(保護者も)に、どのようにアプローチしていくのかを考えさせられました。また、これまで 
 は「仲裁者」の育成に力を入れていましたが、「相談者」や「通報者」も同様に育成するという、新しい視点 
 に気づくことができました。

《女性の人権》
〇男女間の格差は重要な問題だと再認識するとともに、無意識の言動に気をつけたいと感じました。教師として
 不適切な発言、子どもにアンコンシャスバイアスを形成してしまうような発言はしてはならないと思いまし 
 た。またそのような発言・行動に自分で気がついた場合に、しっかりと訂正や謝罪を行える教職員でありたい  
 と思います。

〇教育現場は、たしかにいわゆる女性の先生が多く、社会とのギャップを感じにくいだろうなと感じました。自 
 分自身も感じていないので、洗濯洗剤や家電のCMでいわゆる男性が多いのに、全く気づきませんでした。CM
 やアニメ、おもちゃ等、身近なところにたくさんヒントがあって、社会の動きを感じました。私は、低学年の 
 担任ですが、「女性だから好きなスポーツはサッカーだと言えない」という子がいます。今日のお話を参考 
 に、人権学習を進めていきたいっと思います。

〇自分自身の中にも性別による役割意識が残っているように思いました。ジェンダーフリーに生きていけるよう 
 に、まわりにも伝えていけたらと思います。おもちゃやマンガ等でも、だんだんとジェンダーフリーな状況に 
 変わってきていることに気づかされました。

〇「男女」について考える授業は毎年学校でも取り組んでいますが、見慣れた『みんなのひろば』でも、具体的 
 な場面を想定して教えていただけたので、授業のイメージがとても膨らみました。特に本人の意識に関するこ 
 とだけでなく、差別事象に出会ったとき、それをただす発言ができる子どもを育てるという大切さにも改めて 
 気づきました。グループワークの中で考えを整理していくことができました。性差によって選べなかったこと 
 が選べる社会になってきています。選んだ先でいきいきと生きていける社会をめざして、子どもに伝えていく
 べきことを正しく伝えていきたいと思います。


  
 「障がい者の人権」についての講座では、人権学習指導資料『みらいをひらく』を活用し、障がい者の自立に必要なことは何なのか、心のバリア(障壁)を含め、社会にある様々なバリアを取り除くためにはどうすればよいのか等の問題提起を行い、障がい者をはじめ、すべての人が住みよい社会の実現に向けて、意識の変革と環境整備の大切さについて確認し、今後どのような取組を行っていくかについて交流する時間を持ちました。
 「部落問題」についての講座では、今年度作成した『部落史研修資料』や教科書記述の変遷を見ながら、部落
史に対する認識が変わっていること、それに伴って教職員として学び続けなければいけないことを確認し、どの
ように実際の指導に結び付けていくかについて交流する時間を持ちました。また、人権学習指導資料『みらいを
ひらく』に掲載している「統一応募用紙」を題材にした授業づくりでは、制定に関わった人々の思いに触れ、状
況を変えるために行動することの大切さに気づかせることが重要であることを確認しました。

【参加者アンケートより】
《障がい者の人権》
〇これまでの自分の経験を振り返ることで、知らず知らずのうちに、心のバリアを作っていたことに気づきまし
 た。子どもたちも知らず知らずのうちに心のバリアを作っているかもしれないと思いました。2学期以降、講 
 座で教えていただいた、フライ人とウォーク人の学習を通して、当事者視点で考えることの大切さを考えてい 
 きたいと思いました。

〇10年後、20年後、世の中の障がいに対する考え方が今と変わっていなければなりません。そのために教職 
 員として「心のバリア」が誰にでもあることを理解して、学習に取り組まねばならないと思います。また、今 
 回は自己決定の意思をまわりが理解しやすい人の話が例でしたが、自己決定したことをまわりが理解しにくい 
 人たちにとって住みやすい世界について考えていくことも大事だと思いました。

〇社会的障壁は当事者を生きづらくさせるものだと改めて感じました。障がいには明確にわかるものやわかりに 
 くいものなど様々です。だから自分自身の勝手な思い込みや判断で動くことはよくないと思いました。当事者 
 視点をもって自分から動ける人になれるよう、2学期から子どもたちと一緒に考える機会を大切にしていこう 
 と思います。

〇”Nothing about us without us"は、「障がい者」とひとくくりにして決めつけてしまってはいないか、当事 
 者一人ひとりの言葉を聞き、困り感を理解することの大切さについて気づかせてくれる言葉であったように思 
 います。私に存在する心のバリア、このバリアが様々なものを不必要に区別し、差別を生み出しているのかも 
 しれません。このことに気づき、自分の言動を考えるきっかけにしていきたいです。ここで学んだことを子ど  
 もに伝え、一緒に考えていく時間を作りたいと思います。

《部落問題》
〇2学期に取り組む人権学習をどう進めていこうか悩み、本研修を受講しました。知識のアップデートができ勉 
 強になりましたし、資料を活用するうえでの留意点も教えていただき、2学期以降のヒントになりました。部 
 落問題を表面上だけの学習に終わらせるのではなく、子どもが身近な問題として捉え、「おかしいことはおか
 しい」と声をあげる力を身につけられる授業になるように工夫をしたいと思います。

〇学生の頃の学習だけでは、資料にあったような「部落問題は昔あったこと、今はない」や「差別されていてか 
 わいそう」といったイメージを抱いたままだったかもしれません。教職についてからは今日を含め、様々な研 
 修の中で、正しい認識を持つことができました。子どもに指導するときに近現代の学習を充実させる必要があ 
 るとわかり、教える立場にある者としての責任の大きさを感じました。

〇グループワークの中で「みんなが」「昔から」というのが差別につながっていくという事に気づきました。
 「統一応募用紙」に係わる学びから、人権問題を自分事として捉え、みんなで取り組むことで社会を変えてい
 くことができるということがわかりました。「進路保障は同和教育の総和である」という考えから、私たち
 は、子どもがこれから進んでいく先を常に考え、教育していかなければならないと感じました。

〇部落問題を自分事として学んでいくためには、どのように伝えていけばよいか考える前に、私たち自身が知識 
 をアップデートしつづけ、古い情報を正しいものだと思っている子どももいることを前提に授業を行うことを 
 大切にしたいと思いました。また統一応募用紙については小学校では扱いませんが、同じグループの中高の先 
 生のお話を聞き、部落問題や女性、性のあり方等に係わるあらゆる差別に対して1つ1つ丁寧に子どもに伝え 
 ていくことで、子どもはおかしいことや間違いに気づく視点を持つことができると思いました。

 前半の「災害と人権」や「高齢者の人権」「犯罪被害者の人権」等の様々な人権問題について扱った講座では、人権学習指導資料『みらいをひらく』をもとに、個別的な人権問題についての情報や当事者の思い、授業のアイデア等を提供し、これらの人権問題に対して、日々の教育活動の中にどのような形で学習の機会を位置づけていくのかについて交流する時間を持ちました
 後半の「外国人の人権」についての講座では、外国につながる子どもが抱えさせられている課題について確認しました。そして、改善のために学校でできる取組を、『みらいをひらく』や『みんなのひろば』、『気づく つながる つくりだす』のワークシ―トを活用しながら、
提案しました。

【参加者アンケートより】
《様々な人権問題》
〇今回取り上げて話していただいた5つの人権問題の中には、自分が現在直接の当事者になっていない問題もあ 
 りますが、「いつ関わることになるかわからない」「いつ、どんな立場になるかわからない」ため、こういう 
 事実・現状があるということを、まず知ることが大切だと思いました。みんなで意見を交流し、考えや思いを 
 交流することが人権学習の第一歩になると感じました。

〇カレンダーが活用できると思いました。1単位時間を使って取り組むことは難しくても、「今日は何の日?」
 のような感覚で話していくことで人権感覚を育むこともできると思いました。北朝鮮の拉致問題については、 
 拉致を行った当局と民間人をきちんと区別して考えることの大切さが分かりました。

〇実際に取り組んだことを具体例で出していただき、非常にわかりやすかったです。自分一人の意見だけでな
 く、グループワーク等を交えることで、他者の意見を聞くことができ、「そのような考え方もあるのか」と納 
 得しました。また、様々な知識を得ることができ、有意義な時間となりました。

〇いくつかの人権問題に分けての研修内容でしたが、根本的なところは「知らない(無知)」ことにあり、「知 
 らない」ことで不安になったり、偏見をもったり、排除したり、攻撃対象を作ったりしてしまうのだなと感じ 
 ました。私たち教える側が正しい知識をもち、また知識をアップデートしながら子どもたちにどう伝えていく 
 かを考えたいです。

《外国人の人権》
〇外国籍の子どもたちの文化を知ることや進路を保障することができるように、日々もっともっとわかりやすい 
 授業を心掛けていきたいと思いました。知らないということが、知らず知らずのうちに誰かを傷つけているか 
 もしれないので、たくさんのことを知ることの大切さを改めて感じました。

〇「他国の文化を知らない」「自分たちとは違う」といったことから差別的な発言が生まれてしまうのではない 
 かと思いました。2学期は外国語の時間で異文化理解につながる授業をしたいと思います。また、何気なく発 
 している言葉が差別や偏見につながることもあるので、自分自身も含め子どもたちには「それっておかしくな 
 い?」と感じとれるようになってほしいと思いました。

〇外国人の人権の講座では異文化を理解することの難しさを感じることができました。また異文化を理解するに 
 はお互いが相手のことを知ろうという感情がないといけないと思います。「相手は何を考えているのか?」
 「隣の人はどんな人だろう?」というようにまわりの人に関心をもてる、無関心にならないようなクラス運営
 をしていきます。

〇個人の文化的背景や育ってきた環境を考慮しながら子どもと接していかないといけないことを改めて考える 
 いい機会になりました。身近にいる外国籍の子どもに対しての接し方を改めて考えるよい機会となりました。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 教育委員会事務局 人権教育課 調査研修班 〒514-0113 
津市一身田大古曽693-1(人権センター内)
電話番号:059-233-5520 
ファクス番号:059-233-5523 
メールアドレス:jinkyoui@pref.mie.lg.jp

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