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みえ国際協力大使 堀川佳澄さんからの活動報告

赴任国:ベリーズ 職種:小学校教育 2015年9月派遣

はじめに

 2015年9月より青年海外協力隊として中米のベリーズに派遣されている堀川佳澄です。職種は小学校教育で、ガリフナ族の文化継承を目的とした小学校に勤務しています。
 ベリーズという国をご存知の方は少ないのではないでしょうか。1981年にイギリスから独立した比較的新しい国です。面積は日本の四国とほぼ同じくらい、人口は約30万人の小さな国です。メキシコ、グアテマラの隣にあるカリブ海に面した多民族国家で、メスティーソ、クレオール、マヤ族、ガリフナ族と色々な民族が共存しています。私はその中のガリフナ族と共に日々過ごしています。
 今回は、ガリフナ族の文化、そして1年間の私の活動内容について報告させていただきます。
 

ガリフナ民族の文化

 任地であるダングリガにはガリフナ族と呼ばれる人々が集住し、大きなコミュニティを形成しています。ガリフナ族とは中米カリブ海沿岸に移住してきたアフリカ系の人々のことで、ベリーズ人口の約9%です。赴任先のダングリガでは約80%の人がガリフナ族です。また、ガリフナ文化はその独自性ゆえ2001年UNESCOにより世界無形文化遺産宣言を受けました。ガリフナ独自の国旗もあり、黄色、黒、白がガリフナを象徴する色です。ガリフナ族の人々は陽気で、歌とダンスが大好きです。赴任校でも、音楽が流れると教員も生徒も自然とダンスをしています。
 

音楽とダンス

 ガリフナ音楽で使用する主な楽器はドラム、マラカス、亀の甲羅です。ギターを一緒に演奏することもあります。ドラムはプリメロ、セグンドという2種類のドラムがあり、亀の甲羅は木魚のように裏側を叩きリズムをとります。ガリフナ音楽はダンスと密接に関係しており、ダンスに合わせて楽器を奏でています。ダンスは腰を上手に使って踊っています。

 
      ガリフナ音楽チーム
 

伝統舞踊

 「ジャンクヌ」という伝統舞踊があります。このダンスは、腰を振るのが中心のガリフナダンスとは違い、両膝につけたたくさんの貝殻を鳴らすように小刻みにジャンプして踊るのが特徴です。この踊りの起源は、歴史的に奴隷として白人に虐げられていたことから、その白人を馬鹿にするように踊ったのが始まりとされています。衣装は白いお面、全身も白い服で覆い、両膝には貝殻がついているものです。男性のみ踊ることができます。


 ジャンクヌダンサー
 

料理

 ベリーズ料理では、ライス&ビーンズが有名ですが、ガリフナでは「Hudut」という民族料理があります。ココナツミルクのスープにピッグテール、魚、ゆで卵、色々な野菜を入れ、プランテーン(料理用バナナ)を杵と臼で潰したものと一緒に食べるスープです。プランテーンを潰す作業は力がとても必要です。また、キャッサバ芋を擦ったものとシナモンなどの色々な香辛料を一緒に煮たキャッサバドリンクもおいしいです。
 

     ガリフナ料理


 ガリフナ族がベリーズに入植した11月19日、Garifuna Settlement Dayは休日になっており、ダングリガをはじめ色々な地域でお祭りが開催されます。Garifuna Settlement Dayの週は、Ms.Garifuna Contest、パレード、ガリフナ歴史クイズ大会など様々なイベントが開かれます。私の赴任先はガリフナ文化を学ぶことができる唯一の学校です。教員も生徒も自分の文化に誇りを持ち、自信に溢れています。自分の文化を楽しそうに語る彼らから得るものは大きいです。日本の文化について改めて考えるきっかけにもなりました。


     Ms.Garifuna Contest   
 

1年間の活動報告

 2016年9月、ベリーズに派遣され1年が経ちました。ベリーズの学校は9月に新学期、6月に卒業式があります。配属先のグリシコミュニティ小学校はガリフナ文化の継承のためにガリフナ協会によって設立された学校です。英語、スペイン語、ガリフナ語の3カ国語を教授し、国歌もガリフナ語で斉唱することなどの文化教育を行っています。教員は全員ガリフナ族、生徒も80%がガリフナ族です(他民族はマヤ族の生徒がクラスに1,2人います。)


     グリシコミュニティ小学校


私が担当している教科は以下の3教科です。 

算数

 ベリーズの小学校は小学校卒業の際、PSEと呼ばれる試験があります。この試験の結果で行ける高校が決まり、将来なれる職業もほぼ決まってしまいます。落第すると高校には行けず、働かなくてはならなくなります。働き先は重労働にあたるオレンジ農園での仕事が主だと聞きました。算数のテストはもちろんあります。そのことから、低学年への算数の基礎能力向上のため、また教員への算数指導能力の向上のため派遣されました。
 この一年間、教員と共に、算数の授業をより効果的にするための授業づくりを一緒に行ってきました。主な内容は、教員と共に算数の授業案と視覚教材作成、スタンダード1,2年生(小学1,2年生)の授業でのチームティーチングです。
 当初、授業内容は、チョーク&トークが主流で、生徒は教員の話を聞いてノートに写すのみの授業でした。計算演習などもほぼなかったことから、教員と共に授業内容を見直し、演習問題を作り、授業改善をしてきました。任期後半には、三重県から寄付していただいた算数セットの使い方を教員と共有し、視覚教材として授業を行っていく予定です。活動を通して、生徒の理解度向上、テストの点数向上のために教員と一緒に考え、議論して授業を作っていくという過程が重要だと思いました。任期後半も赴任先のニーズにあった活動をしていきたいです。
 また生徒に対して、基礎計算能力向上のために、四則計算のドリル作成、九九暗記の支援を行ってきました。ベリーズではインファント(幼稚園)からかけ算を教えていますが、生徒はあまり理解していません。授業の5分間、かけ算の100マスドリルの実施、休み時間にかけ算に挑戦できるようポスターを作成しました。

    
                         
 

 図工、体育は各学年週一回あると時間割には書かれていましたが、行われていませんでした。理由としてPSE(全国統一小学校試験)の科目ではないこと、また教え方がわからないということでした。任期前半の1年間は日本の紹介も兼ねて図工では折り紙を中心に指導、体育ではダンスが好きな民族なのでソーラン節を指導しました。
 

図工

 折り紙の指導。紙をきれいに折るということが初めてで初めは苦戦していました。回数を重ねるにつれて、きれいに折ることができるようになってきました。最終目標は鶴です。教員にも一緒に作ってもらい、任期終了後も続けてもらえたらと思っています。また、折り紙のほかに、絵画コンテストにも参加しました。

 
       
 

体育

 ソーラン節の指導。覚えが早く、楽しそうに練習してくれました。この一年間は隊員のみで授業をしていたので、新学期からは、任期終了後も続けてもらえる授業を教員と共にしていく予定です。


 

さいごに

 三重県のみなさんから算数セット、折り紙の寄付をいただき、無事ベリーズに届けていただきました。ありがとうございます。教員一同、生徒も喜んでいました。算数セットを早速使ってみたいと言ってくれる教員もいて、現在使い方を共有中です。生徒も算数ブロックに興味津々でスタンダード1,2年生(小学1,2年生)の授業で使用しています。任期後半、あと1年で算数セットを用いた授業の仕方を教員と共に共有し、授業向上につなげていこうと思います。
 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 雇用経済部 国際戦略課 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁8階)
電話番号:059-224-2844 
ファクス番号:059-224-3024 
メールアドレス:kokusen@pref.mie.lg.jp

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