令和3年、三重県と中国河南省の友好提携35周年を記念して、県が主催する高校生動画交流会や、河南師範大学とのオンライントークなど、若者同士のオンライン交流が行われました。
県内高校で、県主催の交流イベントとは別に自分たちでオンライン交流を開催し、若者同士で相互理解を深める取組がありましたのでご紹介します。
県内高校で、県主催の交流イベントとは別に自分たちでオンライン交流を開催し、若者同士で相互理解を深める取組がありましたのでご紹介します。
実施日、場所
令和3年11月4日(木)
三重高校(三重県松阪市)・洛陽外国語学校(河南省洛陽市) 両校情報教室
交流開催の経緯
三重高校はこれまでも「Global Link」活動の一環として、オーストラリア、中国、ドイツの姉妹校と積極的な国際交流活動を行ってきました。今回の洛陽外国語学校との交流は、独立行政法人国際交流基金・日中交流センターの「日中高校生対話・協働プログラム」の一環として行われました。洛陽外国語学校とは昨年度も交流会を実施しましたが、わずか数か月間の交流では理解が進みませんでした。今年度も引き続き、お互いの学校や生活、考え方などをより深く理解したいとの声が高まり、日中交流センターの仲介や調整などの協力を得て、今回の交流が実現しました。
交流会の様子
6つのグループに分かれた参加者は緊張した様子もなく、自然な雰囲気で交流会が始まりました。お互いの学校の様子を伝え合い、時々笑い声も混じる中、活発な会話が賑やかに飛び交いました。話題は多岐にわたり、人気アニメやアイドルの話をする一方で、高校生らしく学習時間や具体的な学習内容、日本語の使い方、将来の目標などに及びました。時にはお互いの意思疎通が難しい場面も見られ、中国語や英語を交え、さらにiPadを取り出して画像を見せるなど、工夫をしながらの交流でした。1時間の交流会は瞬く間に過ぎ、次回の交流を約束して、交流会を終えました。オンライン交流会の様子(三重高校)
オンライン交流会の様子(洛陽外国語学校)
生徒の感想
中国の高校生との交流会を通して「分かりやすい日本語」を使うことの難しさを実感しました。洛陽外国語学校には、何年も日本語を勉強していて流暢に日本語を話す方もいましたが、その一方でまだ勉強をし始めて数年しか経っていなくて基本的な日本語しか分からない方もいました。そのような方と話をする時、ただゆっくりと話をするだけではなく、方言を使わずに正しく標準的な日本語を使うことや省略して話さないなど、たくさんのことを意識して話す必要があり、相手側が理解し易い日本語を話すことがいかに難しいかを知りました。
共通の文化背景がないからこそ、話し方や言葉選びに気をつけて正しく伝えなくてはならないと実感しました。
交流会を何度か経験し、教育体制や学校での制度、文化の違いが最も印象に残りました。
中国の方々は、私たちが当たり前だと普段気にも留めないクラブ活動や制服に興味を持っていて、「そうしたものは中国にはないから」と話すので、より理解してもらえるように自分の来ている制服を見せたり、所属している部活動について詳しく説明したりしました。
中国の学校では私たちが朝家を出る時間にはすでに勉強を始めていると聞き、日本の高校生との意識や取り組み方の違いにも驚かされました。自分と同じ年齢の方々が厳しい学校生活を続け、気概を持って毎日を過ごしているなど新しい発見がいくつもありました。