水郷県立自然公園のあらまし
水との歴史を物語る水郷風景
指定日
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昭和28年10月1日
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面積
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6,842ヘクタール
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市町
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桑名市、木曽岬町
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自然美
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多度山、輪中風景、木曽三川、千本松原
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動植物
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多度のイヌナシ群落、ツブラジイなどの常緑広葉樹の森、ギフチョウ
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歴史的
建造物 |
多度大社、宇賀神社、七里の渡し跡
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木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)河口部の沖積デルタ地帯と、養老山地南端の多度山(403メートル)を含めた区域です。
およそ160年前、日本の研究に偉大な足跡を残した博物学者シーボルトが江戸へ上る途中に称賛したところで、今も川岸、中州、低湿地にはヨシ原など水生植物群落が拡がり、堤防のマツ並木や舟溜りの川舟が詩情あふれる水郷風景をつくっています。多度山上公園は木曽山川や伊勢・濃尾両平野の巨視的眺望にすぐれ、山麓には勇壮な奇祭「上げ馬神事」で名高い多度神社や字賀神社が、ツブラジイなどの常緑広葉樹の森に鎮まっています。
河口部一帯は古来、しばしば氾濫と災害の歴史を繰り返してきたところで、水との長い付き合いのなかで生まれた輪中集落は有名です。現在、かつての長島輪中の東端にはわが国屈指の湧水量を誇る近代的温泉郷が開け、また揖斐川河口の近くには、東海道五十三次の「七里の渡し」跡や「住吉浦」が昔日の面影を宿しています。上流には宝暦治水と称され、薩摩藩士たちの汗と涙による築堤工事の偉業を伝える治水神社が祀られ、千本松原が整然と保存されています。