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令和02年11月19日

アニサキス症

 アニサキスは、アニサキス亜科幼虫(Anisakidae)の総称で、その成虫はクジラ、イルカ等の海棲哺乳類を宿主として、これらの胃に寄生しています。
 アニサキスの虫卵は、海棲哺乳類の排泄により海中へ放出され、孵化した幼虫が中間宿主としてオキアミに寄生し、これを魚介類が摂食し、さらに海棲哺乳類による捕食を経て、最終的にその体内で成虫になることでアニサキスの生活環を形成しています。
 アニサキス症は、人が魚介類を生食又は生に近い状態で食することにより、アニサキスを生きたまま摂取し、それが胃、腸等から組織へ侵入することで、みぞおち(心窩部)に激しい痛み、嘔吐等の症状を呈します。
 平成30年以降、アニサキスを病因物質とする食中毒事件は、ノロウイルスやカンピロバクター属菌によるものを超えて、患者数こそ少ないものの、全国的に最も多く発生していますので注意が必要です。

 

県内状況

 県内のアニサキスによる食中毒は、過去10年間でも2件でしたが、令和2年に入ってから伊勢保健所管内だけで3件も発生しています。
 これらの事件は、いずれも飲食店で発生しており、原因食品を調査中のものもありますが、何より深刻なのは調理従事者がアニサキスの危険性を認識し、魚介類を冷凍する等の予防的な措置を講じながらも、食中毒事件となっていることです。
 なお、全国的には、県内と状況が異なっており、平成25年からアニサキスを病因物質として個別に取り扱っていますが、同年からノロウイルス及びカンピロバクター属菌に次ぐ食中毒の原因であり、平成30年にはこれらを抜いて、それ以降はアニサキスによる食中毒が事件数の3割以上を常に占める状況にあります。また、以前には、季節的に12月~3月の寒気に多いともされていましたが、近年では通年で発生しています。

予防方法

 アニサキスは、熱に弱く、70℃以上で瞬時に死滅しますが、低温に強くて酸にも抵抗性があります。
 アニサキスによる食中毒を予防するためには、魚介類の調理・加工において、次の3点を守って調理・加工するようにしてください。
 なお、シメサバの調製で使う程度の食酢での処理、塩漬けのほか、醤油又はわさびを付けても、アニサキスが死ぬことはありませんので注意が必要です。

魚介類の中心まで十分に加熱すること

 アニサキスは、60℃で1分、70℃以上では瞬時に死滅します。ただし、魚介類を加熱したとしても、この熱がアニサキスに到達しないことには効果を発揮しません。
 魚介類の表面を炙るだけでは、アニサキスが死滅しないおそれがありますので注意してください。

魚介類の中心まで十分に冷凍すること

 アニサキスは、冷凍処理することで感染性を失わせることができますので、魚介類を-20℃以下で24時間以上冷凍することは有効な方法のひとつです。
 しかし、このような温度及び時間を保持するためには、魚介類を凍結させるまでに数時間以上を要すること、冷凍庫の扉の開閉、霜取り機能の稼働等による庫内の温度上昇があること等を考慮に入れる必要があり、これらを適切に管理するためには専用の冷凍庫を設けることも検討してください。

魚介類を十分に確認して除去すること

 アニサキスの虫体の多くは、長さが2~3cm、幅が0.5~1mm、白色で少し太い糸のように見えることから、目視で取り除くことができる場合もあります。また、可視光線又は紫外線を魚体に照射することによって、アニサキスを発見する方法もありますが、光源等の設備が必要になります。
 また、アニサキスは、魚介類の腹腔内(内臓)又は筋肉に寄生しており、魚介類が死ぬことで内臓から筋肉へ移動することが知られていますので、漁獲後すみやかに内臓を除去することもリスクを低減させる方法です。

原因食品

 国内の原因食品としては、サバ類が最も多く、その他にイワシ類、カツオ類等のほか、北海道ではこれらに加えて、サケ類、イカ類等でも報告例があります。

症状

 アニサキス症は、発症部位で胃アニサキス症、腸アニサキス症又は消化管外(腸管外)アニサキス症に分けられますが、そのうち90%以上を胃アニサキス症が占めています。また、その症状の程度によって、劇症型(急性)と緩和型(慢性)にも分類することができます。
 劇症型胃アニサキス症の場合は、アニサキスが寄生した魚介類を生で食べて、8時間以内から10数時間後にみぞおち(心窩部:しんかぶ)の激しい痛み、悪心及び嘔吐を生じます
 劇症型腸アニサキス症の場合は、数時間から数日後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状等を示し、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
 緩和型の場合は、自覚症状を欠くことが多く、胃壁や腸壁に肉芽腫が発見されて、摘出された肉芽腫内部に虫体の断片が見つかることで診断を確定する例が多くなっています。
 劇症型と緩和型の違いとしては、過去に感染して感作された人の場合は再感染した時に強い即時型過敏反応を起こして劇症型となり、初感染の場合は異物反応にとどまるために軽症で経過して緩和型になると考えられています。

参考

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本ページに関する問い合わせ先

三重県 伊勢保健所 保健衛生室(衛生指導課) 〒516-8566 
伊勢市勢田町628番地2(伊勢庁舎1階)
電話番号:0596-27-5151 
ファクス番号:0596-27-5253 
メールアドレス:nhoken@pref.mie.lg.jp

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