ごあいさつ
三重県知事 野呂 昭彦 |
森林は、私たちにおいしい水やきれいな空気など多くの恵みを与え、洪水や土砂崩れから私たちを守り、森林の栄養分は、水を通して農作物や海の魚を育んでいます。また、二酸化炭素の吸収・貯蔵による地球温暖化防止など地球環境の保全にも貢献し、木材は、少ないエネルギーで生産できる再生可能な資源として見直されてきています。
これまで、森林は農山村の人々の営みの中で適切に管理され、私たちは、木材をはじめ森林からの恵みを有効に利用して生活を営んできました。しかし、木材価格の低下、需要の減少などによる林業の採算性の悪化から手入れ不足の森林が増加しており、私たちの暮らしへの影響が懸念されています。
このような中、平成17年10月に「三重の森林づくり条例」が制定され、森林を健全な姿で次世代に引き継いでいくために、豊かな三重の森林づくりの実現に向けて取り組んでいくことになりました。
今、県では、一人ひとりができることから参画し、みんなで力を合わせて地域をより良くしていく「新しい時代の公」の実践のもとに、県民が主役となって築く「みえけん愛を育む“しあわせ創造県"」づくりを進めています。そして、こうした社会の実現に向けて、人や地域を元気にする「文化の力」を政策に生かしていきたいと考えています。今回策定した「三重の森林づくり基本計画」では、このような考えのもと、力強い林業を目指すとともに県民の皆様と一緒に森林づくりを進めるための、中長期の目標や森林づく・閧フ方針を定めています。
この計画の策定を契機に、多くの方々に様々な形で森林を守り育てる取組へご参加いただき、「木の文化」を培い、森林と人との絆や森・川・海を通した地域の絆を強くして、“みえけん愛"を育む森林づくりを皆様とともに進めていきたいと考えています。
最後に、計画の策定にあたり、貴重なご意見をいただきました三重県森林審議会の委員の方々や県民の皆様に深く感謝いたします。
平成18年3月