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第1章 トピックス

Ⅰ 緊急雇用・経済対策について

 平成20年秋以降、米国発の世界的経済危機により、本県の雇用経済情勢は、深刻な影響を受けています。
 このため、県では、平成21年5月「平成21年度三重県雇用・経済対策推進方針」を策定し、これまで6次にわたる緊急雇用・経済対策を講じてきました。
 森林・林業分野においては、平成21年度に、雇用対策として「緊急雇用創出事業臨時特例基金」や「ふるさと雇用再生特別基金」を活用し、山林境界の明確化、森林整備の推進、放置竹林の整備、県産材の販路拡大といった諸課題に対応しつつ、雇用機会の創出に取り組みました。
 その結果、緊急雇用創出事業で346名、ふるさと雇用再生特別基金事業で23名の失業者を新規雇用しました。
 また、経済対策として、国の「経済危機対策」と連動した治山事業・林道事業の前倒し執行に取り組むとともに、「森林整備加速化・林業再生基金」を活用し、路網整備、木材加工流通施設等の整備(17施設)、地域材を活用した公共施設等の整備(4施設)などを地域で一体的に進め、森林資源の徹底した活用による林業・木材産業の再生に取り組みました。

【雇用対策による取組】

 

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放置竹林の整備

 

【経済対策による取組】

 

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地域材を活用した公共施設(保育園)

木質バイオマス利用ボイラー

Ⅱ 森林GIS(地理情報システム)の再整備

 平成13年に導入した森林GISについて、導入後の森林・林業を取り巻く状況変化により生じた諸課題に対応できるよう、再整備を行いました。
 森林GISとは、森林簿と森林計画図を対応づけて森林情報を効率的に管理し、更に空間解析をすることができるシステムです。
 効率的・効果的な森林施業を行うためには、森林資源の把握や路網計画などを検討して、森林の団地化を進めていく必要があり、その際に森林GISの活用が期待されています。
 新しく整備した森林GISは、情報精度の向上を図るためデータの修正機能を強化したものとなっており、今後、市町・森林組合と連携をし、業務を通じて得られる情報も活用するなど、森林情報の精度向上を進めます。

【新森林GIS】

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表示画面例

表示画面例

 

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表示画面例

Ⅲ 「一之瀬地域森林整備推進協定」の締結

 森林は国土の保全や地球温暖化防止など重要な役割を果たしており、その中で水源地の森林は、水資源の確保などの水源のかん養機能の発揮と併せて、木材利用による地球温暖化防止や地域経済への貢献などの役割が期待されています。
 水源地の森林の多くが間伐時期を迎えつつあるなかで、水源かん養などの公益的機能の持続的発揮と木材資源の有効活用の両立を図るため、効率的な路網整備や施業集約化により低コスト化を図りながら適切な森林整備を行うことが求められています。
 このような中、地域連携により効率的な森林整備を推進するため、度会町、一之瀬地域林業推進協議会、いせしま森林組合、独立行政法人森林総合研究所森林農地整備センター、三重県の5者が、平成22年2月9日に森林整備協定を締結しました。
 この整備協定に基づき、森林共同施業団地を設定し、整備に必要な路網の開設や高性能林業機械の導入、施業の集約化によるコストの削減を図りながら、5年間に約950haの森林整備を進めていくこととしています。

【締結式】

【対象地】

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Ⅳ 三重県のスギ・ヒノキ人工林における長伐期施業に対応した林分収穫表の作成

 近年、県内の人工林は長伐期化傾向にありますが、これまでの施業技術は柱材生産に主眼を置いた短伐期施業のためのものであり、長伐期施業に適用することはできません。そのため長伐期施業に対応した森林管理技術の確立が求められており、特に成長予測、資源量把握に不可欠な林分収穫表の作成は急務となっています。そこで、三重県独自の長伐期施業に対応した林分収穫表を作成しました。

  • 長伐期施業に対応した林分収穫表のねらいと特徴
  1. 林分収穫表とは、成長条件が似た地方で、ある樹種の同齢林が標準的な方法で管理された場合の、平均樹高、平均直径、本数、材積など林分因子の基準的数値を林齢ごとに示した表です。通常は地位別に作成され、将来の成長量、収穫量の予想、現存資源量の把握、標準的な施業や密度管理などの指針に用いられます。
  2. これまで三重県における最新の既存収穫表は、昭和58年に作成された「三重県民有林スギ、ヒノキ人工林林分材積表及び収穫予想表」でしたが、これは林齢80年生までしか対応していませんでした。
  3. 作成にあたり、三重県全域の高齢人工林からスギ45林分、ヒノキ48林分を選定し、毎木調査を行いました。このデータに既存収穫表作成に用いた若~壮齢林データを加え、スギ194林分、ヒノキ198林分のデータから林齢150年生までの収穫表を樹種別、地位別に作成しました。
  4. 作成した収穫表では林齢150年生までの収穫予測や資源量把握が可能であることから、長伐期化傾向にある県内人工林の管理を進める上で有益なツールになると考えられます。
  5. 作成した収穫表と作成方法の詳細は、三重県林業研究所ホームページで公開しています。

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【作成した林分収穫表の直径と幹材積(スギ)】

作成した林分収穫表の一例(スギ地位指数SI=18;地位区分Ⅱの中心線)

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Ⅴ 提案型集約化施業と木材流通合理化の取組(がんばる三重の林業創出事業)

 三重県は、尾鷲ヒノキ等の木材の優良材生産地(林業の先進地)として全国的にも認知されており、かつては、木材単価が高いため、林家→素材生産業者→木材市場→製材業者の分業が成り立ち、個々の細かい分野でお互いに利益を配分する流通形態が発達していました。
 しかしながら、優良材需要の減少や木材価格が下落したことから、個々の事業体が利益を配分していた木材流通形態は、全国的にも遅れたものとなり、林家はもとより素材生産業者、木材市場、製材業者等が非常に苦しい経営に陥っています。
 この状況から抜け出すために、平成21年度に「がんばる三重の林業創出事業」を創設し、路網や機械化等の基盤整備や施業の集約化による低コスト生産体制の確立や現在の木材需要に即した流通形態の構築など、三重県林業の再生に向けた取組を始めました。
 これまで、県内7つの地域に森林組合が中心となった地域林業活性化協議会が設置され、森林所有者に対して施業の内容・収支等を提示し施業の働きかけを行うことによる集約化や路網と高性能林業機械を組み合わせた低コスト作業システムの導入による生産性の向上、原木の直送などによる流通の効率化の取組を進めた結果、21年度に48団地において提案型施業により176haの間伐、約16,000m3の間伐材の搬出・利用が行われました。
 協議会では、引き続き、木材安定供給のための山側の生産体制の整備や需要者と生産者を結びつける仕組みの構築に向けた取組を進めていくこととしています。

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【集約化に向けた地区説明会】

【森林所有者に森林施業プランの提示 】

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【高性能林業機械による集材】

【合板工場行きトレーラーへの積み込み】

Ⅵ 「三重の木」の利用促進に向けた取組

 「三重の木」認証材の県内の出荷量は、平成17年度 4,290m3、平成18年度 5,137m3、平成19年度 8,416m3、平成20年度 8,740m3と順調に推移してきました。平成21年度は、金融危機以降の住宅着工率等が低迷する中、ほぼ前年並みの8,668m3を出荷し制度の定着とともに一定の評価を得てきています。 
 平成21年度は、「三重の木」利用推進協議会が継続して実施した、「三重の木」認証材に関するホームページの更新、住宅見学会の開催、パンフレット等の作成、新聞・雑誌広告の掲載等の普及・啓発活動などに対して支援を行いました。
 また、「三重の木」認証材の一層の利用促進を図るために、各地域における「三重の木」認証事業者を中心とした研修会、住宅相談会など、「三重の木」認証材の利用拡大の取組や複数の認証事業者が協働して行う、「三重の木」認証材に関するPR活動について支援を行いました。
 県内金融機関に、一定量の「三重の木」認証材の使用による住宅ローンの金利低減の実施を働きかけ23金融機関の協力をいただきました。各金融機関、三重県、「三重の木」利用推進協議会が「三重の木」利用促進宣言書に調印し、より多くのご利用をいただくよう広報に努めています。
 平成19年度に三重県と関東圏木造住宅ビルダーとの間で締結した、「「三重の木」の利用の促進に関する協定」に基づき、関東方面への「三重の木」の販売の拡大に取り組むとともに、企業活動の中で「三重の木」認証材の使用が拡大していく取組が行われるよう働きかけを行っていきます。
 環境保全、地球温暖化の防止、地元林業の振興などを目的として「三重県木材CO2固定量認証制度」を創設しました。この制度は、三重県産材を使用した住宅の建築、店舗・事業所の内外装や備品の整備及び木材製品を購入した場合、そのCO2固定量を認証するものです。認証制度は「企業・団体認証」と「個人認証」に分けて行い、「企業・団体認証」は平成22年3月1日から、「個人認証」は平成22年4月1日から申請の受付を行っています。

「三重の木」利用促進宣言書調印式

三重県木材CO2固定量認証マーク

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Ⅶ 森林環境教育にかかる取組の充実

 県では、県民の皆さんが、自発的に「森林づくり」や「木づかい」に取り組んで頂けるよう、「森林とのふれあい・学び事業」を実施しています。
 平成21年度は、昨年度に実施した森林環境教育に関する県内小中学校のニーズ調査結果に基づき、20校の小中学校に対して、体験・学習プログラムづくりへの支援や、指導者とのマッチングなど、総合的なコーディネートを進めるとともに、森林環境教育のモデルづくりとして「森林の活動体験教室」を 16回開催したほか、学習フィールドづくりとして、地域のPTAやボランティア団体と協働し、学校林の整備活動を2校で支援しました。
 また、「県民の森」などの公的な森林公園施設等においても森林環境学習のモデルづくりとなる「森林の活動体験教室」を7回開催したほか、森林環境教育の指導者を養成することを目的とする「森林の学習指導者養成講座」を5回開催するなど、小中学校の学校林や公的森林施設を中心に、県内の森林環境教育活動の活性化に向けた取組を進めています。

【森林の活動体験教室】

 

 

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間伐体験(大河内小学校)

菌打体験(内部東小学校)

間伐体験(明小学校)

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森林の学習(三浦小学校)

キノコの学習(亀山森林公園)

ベンチ作り体験(上野森林公園)

【指導者の養成】

 

【学習フィールドの整備】

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森林の学習指導者

養成セミナー(上野森林公園)

学校林整備(花之木小学校)

Ⅷ 「森林文化」「木の文化」の振興に向けた取組の推進

 多くの県民のみなさんが、その暮らしの中において森林や木とのかかわりの大切さを認識し、「森林づくり」や「木づかい」といった多様で豊かな森林や木とのかかわりを一人ひとりの生涯を通じて持っていただけるよう、県では、「森林文化」及び「木の文化」の振興に向けた取組として、広く県民のみなさんを対象に、森林や木とふれあい、その文化にふれていただけるような機会づくりを進めています。 #
 平成21年度は、20年度に引き続き、フォトコンテスト、木工作品コンテスト、地域での木工教室等を開催するとともに、その入賞作品を県内の県立施設等において展示することで、広く県民のみなさんの森林や木とのふれあいを促進しながら、森林や木と人とのかかわりも感じていただけるように、その機会づくりを行いました。 【右写真:フォトコンテスト2009、森林とふれあい部門最優秀作品】

 また、Mieこどもエコフェアなど各種イベントへの出展や、木づかい達人による木づかい教室など、木づかいの技の実演会を開催し、森林や木とかかわりを持ちながら、生活されている方々の営みにもふれ、森林や木の文化を感じていただける機会づくりにも取り組んでいます。

【木工教室&木工作品コンテスト】

【Mieこどもエコフェア】

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木工教室&木工作品コンテスト入賞作品

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【木づかい達人】

 

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尾鷲ひのきの

マイ箸づくり教室

チェンソーアート実演会

Ⅸ 「企業の森づくり」の推進

 多様な主体による森林づくりを促進するため、平成18年度から「企業の森づくり」に取り組んでいます。県は、社会貢献の一環として森林整備を考えている企業に対し、資金や労働力を求めている森林を紹介し、協定期間や森林整備内容をコーディネートすることで、双方のマッチングを進めています。
 平成21年度は、新たに4カ所の「企業の森」が設定され、県内の契約地は18カ所(77ha)となりました。リーマンショックによる経済不況により、企業の社会的貢献に翳りが見られる中、「企業の森」を契機として観光や商工分野での交流が進んだ例もあり、今後の活動の広がりに期待がもてる結果となりました。

  • 新たに「企業の森」に取り組み始めた企業

企業名

フィールド

活動内容

面積(ha)

三菱重工業冷熱事業部

紀北町

広葉樹植栽

1.1

城南建設

松阪市

ヒノキ植栽、間伐

10.3

JAバンク三重

津市

広葉樹植栽

0.4

JAバンク三重

名張市

広葉樹植栽

10.0

 

 

21.8

 

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三菱重工業の植樹活動(紀北町)

城南建設の植樹活動(松阪市)

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JAバンク三重の植樹(津市)

JAバンク三重調印式

Ⅹ 三重のもりづくり月間の取組

 平成17年10月に制定された「三重の森林づくり条例」では、県民のみなさんが森林のもたらす恩恵についての理解を深め、森林づくりに参画していただけるよう、毎年10月を「三重のもりづくり月間」と定めています。この期間中、森林づくりに関するイベントを県内各地で開催しました。
 中央行事として、平成21年10月3日(土)に、松阪市のウッドピア松阪で、「三重の森林(もり)と木づかいフェア」を開催し、約 4,600人の方々に参加していただきました。このフェアにおいて、森林フォーラム2009を開催し、作家の三浦しをん氏と県内の若手林業従事者との対談が行われました。また、高性能林業機械の実演など、県民の皆さんに森林・林業について学んでいただいたほか、木工教室、森林の恵みの試食や物産販売など、34団体の方々に出展していただき、森林や木にふれあうことのできる様々な催しが開催されました。
 また、地域行事として、森林の働きに関する講話や木工教室など、森林、林業、木材について考えたり、体験したりする「森の講座」を県内7地域で開催し、678人の方々に参加していただきました。

【三重の森林と木づかいフェア】

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木工教室(竹細工)

三浦しをん氏の対談

きのこの試食・販売

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四日市

松阪

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伊勢

伊賀

尾鷲

熊野

本ページに関する問い合わせ先

三重県 農林水産部 森林・林業経営課 森林計画班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁6階)
電話番号:059-224-2564 
ファクス番号:059-224-2070 
メールアドレス:shinrin@pref.mie.lg.jp

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