平成25年度第1回三重県立図書館協議会の概要は以下のとおりです。
1 日時 平成25年6月26日(水曜)14時から16時まで
2 場所 三重県立図書館読書振興室
3 出席者 井村正勝委員、岡田香委員、小野芳孝委員、岸葉子委員、桑野みゆき委員、坂倉加代子委員、
佐藤ゆかり委員、高倉一紀委員、速水亨委員、福山光幸委員
4 内容
(1) 図書館長挨拶
(2) 平成24年度アクションプログラムについての検証
(3) 平成25年度アクションプログラムとその進捗について
(主な意見)
・以前行っていた「ビジネスサポートサービス」の現在の動きはどうなっているのか。
→1階閲覧室で継続してビジネス情報コーナーを設けているが、現在は関連講座を開催しておら
ず、PRが十分にはできていない。
・障がい者サービスの展示にて、点字の本を置いているが、視力障がいなどで、点字が読めない方に関
しては、どのように取リ組んでいるのか。
→録音機器「DAISY」図書の貸出サービスを9月に開始予定である。
・数字として入館者数、貸出冊数が増加したとのことだが、お客様の満足度も必要ではないか。
→数値目標として、イベントの満足度をアンケートにて確認している。
・県民満足度に関して、県立図書館では県民モニターへのアンケートを過去2回行っている。平成20年
度以降は行っていなので、今年か来年度にぜひやってほしい。これにより、図書館非利用者がなぜ図
書館を利用しないのか、また県立図書館に求められる役割は何かなどの声が聴けるのではないか。
・先進的な全県域へのサービスの取り組みとして、インターネットの活用を強化してほしい。目録や検
索ツールなど、あるものはインターネットで全部公開してほしい。
・検索ツールの作成について、特別にコーナーを設けるなど、アピールをするとおもしろいのではない
か。
(4)「文化交流ゾーン」を構成する各施設の連携強化について
(主な意見)
・指定管理者制度の導入に関しては、県立図書館が現在まで直営で独自に運営してきた意味をしっかり
考えないといけない。
・新しい取り組みに期待して指定管理者制度を導入するなら、県関係者のいない完全な民間の組織で運
営するぐらいでないと駄目である。
・文化に対しては県がしっかり責任を持つべきである。普遍的で平等な文化の提供をどこまで担保でき
るのか。指定管理者制度の導入によって、県の責任の放棄になりはしないかという危惧がある。
・施設の連携は必要だが、コスト削減を理由に指定管理者制度を導入すれば、将来に大きなツケを回す
ことになる。スウェーデンの作家リンドグレーンは、経済不況により各地の図書館が合併、縮小され
る問題が起こった時、将来の大きな損失につながることを危惧したという象徴的な話がある。
・県立図書館が指定管理者制度を導入すれば、県内の市町立図書館への影響が非常に大きい。
・現在の資料保存計画など、長期間に渡る計画が途切れてしまうことを懸念する。専門性、計画性、継
続性を担保できる運営手法が本当にあるのか。
・図書館は市場原理になじまない。お客様が増えれば増えるほど、蔵書や職員を増やさなければならな
いのが図書館である。有料の文化施設と一緒にして制度の導入を考えるのはいかがなものか。
・図書館が無料であるのは、地域の住民自治を保障する機関として存在するからで、義務教育が無料で
受けられることと同じである。そういった不採算施設に指定管理者制度はなじむのか。
・指定管理者が自治体に対して意見を主張することは難しい。図書館の自主性を維持できるのか。
・図書館の基本的な部分を踏まえたうえで、文化交流ゾーンの中で図書館はどういう役割を果たすの
か、文化交流ゾーンをどういうものとしてデザインするのかを考えるべきである。
・創意工夫を生かした組織運営や経営努力が予算に反映される仕組みの導入などは、指定管理者制度で
ないとできないものではない。
・県の担当者と指定管理者との間の意思疎通がうまくいかない例もあるので、ゾーンの一体感を求める
のであれば、なおさら直営にすべきである。
・MLA連携は必要だが、それは個性ある組織が協力し合うことによって、個性を失わず相乗効果を生
み出すのが本来の姿である。今回の連携では、図書館の個性が消されてしまっている。
・図書館に絶対必要な部分を明らかにしたうえで、庶務など他の施設との共通部分を整理することはで
きるのではないか。
・子どもたちと本をつなげていくためには、一定期間で変わっていく指定管理者では困る。
・協議会委員の意見を提言として県に伝えてはどうか。
5 会議の公開・非公開
会議は公開で行いました。傍聴者1名、取材者1名でした。