1 日時 令和7年5月13日(火曜日) 18時00分から20時05分まで
2 場所 三重県庁 講堂棟講堂(津市広明町13番地)
3 概要
令和7年3月中学校卒業者の進路状況を共有し、令和8年度高等学校募集定員総数の策定について協議を行いました。
募集定員総数は、本協議会の公私比率等検討部会(以下「部会」)の提言「令和9年度までの募集定員の公私比率等について」をふまえて策定することとされていますが、県私学協会から、国における令和8年度からの「私立高校の授業料実質無償化」の動きをふまえ、「私立高校の募集定員を令和7年度のまま維持すること」、「令和8年度に予定されている部会の設置を今年度に前倒しすること」について「申出書」が提出されたため、これら2点の取扱いについて協議しました。このことについては、委員からさまざまな意見が出され、第2回協議会で引き続き協議することとなりました。
なお、第2回協議会については、具体的な策定方法や募集定員に協議が及ぶことも想定され、会議を公開することによって、率直な意見の交換や意思決定の中立性が損なわれる恐れがあるため、三重県情報公開条例に基づき、非公開で開催することについて会長から提案があり、了承されました。
主な意見は次のとおりです。
<全日制計画進学率について>
○ 令和6年度と7年度は、それ以前と比べて12月進路希望調査と実績進学率の差が大きくなっており、
希望する進路を実現できなかった中学生が増えているのではないか。(辻委員)
○ 中学生の進路希望状況をより詳細に把握し、募集定員の策定に反映できるよう、12月進路希望調査の
あり方も検討する必要があるのではないか。(高木委員)
○ 計画進学率と実績進学率の差が大きくなれば、それだけ欠員が多く生じることになり、財政的な面から
も好ましくない。計画進学率ができるだけ早期に実績進学率に近づくよう検討するべきではないか。(寺
本委員)
○ 計画進学率と実績進学率の差が以前より広がっていたことから、令和3年度の部会で計画進学率の算出
方法の見直しを行ったものである。実績進学率を取り入れるようになった令和5年度以降も、12月進路
希望調査と実績進学率の差に大きな変化が見られないことから、令和8年度も予定どおりの算出方法で進
めることとしてはどうか。(大屋副会長)
○ 中学生の希望をより重視すべきであると考えるが、計画進学率の算出方法については、令和3年度の部
会で議論され本協議会でも了承されたものとして尊重したい。ただし、計画進学率が適切かどうかについ
ては、今後も毎年度検証していくことが大切である。(諸岡委員)
<令和8年度募集定員総数の策定について>
○ 提言は、部会において丁寧な協議を重ねた結果であり、これまでどおり提言に沿って募集定員を策定す
べきである。(萬井委員)
○ 私立高校の定員を維持したとしても、提言で令和9年度に見込まれるとされている公私比率から大きく
外れることはないため、「申出書」については理解してほしい。(寺本委員)
○ 令和8年度からの「私立高校の授業料実質無償化」により、所得制限があった令和2年度の就学支援金
制度の拡充の際と比べて、私立高校への進学希望者は大きく増加することが予想される。(神崎委員)
○ 県立高校と私立高校それぞれが特色のある多様な教育を行っていることから、授業料実質無償化によ
り、県立から私立に志願者がどの程度流れるかは、令和8年度以降の入試結果を見ないとわからないので
はないか。(井上委員、諸岡委員)
○ 「私立高校の授業料実質無償化」は、中学生が経済的な制約を受けずに私立高校を選択できるようにす
ることが趣旨であると捉えており、これまでのように私立高校の募集定員を減ずることはその趣旨にそぐ
わないと考える。(中西委員)
○ 提言を守ることは大切であると認識しているが、私立高校の募集定員をこれ以上減らすことは、経営の
面でも成り立たなくなることを理解してほしい。(高木委員)
○ これまでの協議会や部会においても、子どもたちが自分たちの進路が私学の経営に左右されていると誤
解しないよう、中学生の進路保障、県民の理解という視点で議論してきたはずである。(井上委員)
○ 中学生にとっては、県立・私立とも大切な選択肢であり、私立高校の募集定員を維持することにより、
本来私立高校が減らすべき定員まで県立高校が減らすことになるのはおかしいのではないか。(市森委
員)
○ 県立高校と私立高校がそれぞれの都合で募集定員を策定していると捉えられないよう、あくまで子ども
ファーストで議論すべきである。他府県の策定方法についても情報提供してほしい。(服部委員)
○ 高校を取り巻く環境の変化により、全日制高校への入学を希望する中学生の割合に変化が生じることも
想定して議論を進めることが必要ではないか。(大屋副会長)
〇 さまざまな意見がある中、本日合意するのは難しいように見受けられるため、本日の意見を整理し、必
要な資料を追加したうえで、次回引き続き協議することとしてはどうか。(中根会長)
<部会の前倒し設置について>
○ 当時の部会の想定よりも高校を取り巻く状況は大きく変化しており、その検証のためにも前倒しで部会
を設置し、議論を始める必要がある。(高木委員、辻委員)
○ 令和8年度募集定員の策定方法が決定していない段階で、部会設置の是非について議論することはでき
ない。(諸岡委員)
○ 授業料無償化の影響は、少なくとも令和8年度入試の結果が出ないとわからないことから、仮に部会を
設置したとしても、令和7年度中に結論を出すのは難しいのではないか。(市森委員)
○ 部会を前倒し設置するか否かについては、令和8年度募集定員総数の策定方法と関連するため、次回あ
らためて協議することとしてはどうか。(中根会長)