1 日時 令和7年11月18日(火曜日)19時00分から21時19分まで
2 場所 県伊勢庁舎 402会議室
3 概要
これまでの協議をふまえ、「令和7年度伊勢志摩地域高等学校活性化推進協議会のまとめ」(最終案)について協議し、令和10年度入学者選抜(令和9年度実施)から南伊勢高校度会校舎と志摩高校の募集を停止し、県立高校(全日制)9校を7校に再編して、学びの充実を図るとの方向性をとりまとめました。
主な意見は次のとおりです。
(学びのあり方について)
○ 誰一人取り残さない教育の視点から、多人数の中で学ぶことが苦手な子どもたちへの支援が大切である。多様な子どもたちが充実した学校生活を送ることができるよう、子どもの学びのグランドデザインを策定し、安心して学べる高校の実現をめざしてほしい。(中村委員・黒坂委員)
○ 中学校現場では、2校が募集停止となれば、学び直しを希望する子どもたちは一体どこに進学したらよいのかとの不安が広がっている。15年先を見据えた方向性としては理解できるが、今後も普通科でゆったりと学び直しができる県立高校があればよいと思う。(作野委員)
○ 次期学習指導要領でも重視される、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させていけるよう、きめ細かい教育の観点も方針に取り入れてはどうか。(劒山委員)
○ 来年度から、地域の3校が全学年で1学級規模となる。その高校では、教員数がさらに減少することとなり、子どもたちへの教育が十分行き届かなくなるのではないかと懸念している。また、学校数を維持することで各校の小規模化が進むと、各校の魅力を高めることもできなくなる恐れがある。(奥山委員)
○ 令和4年度の協議会のまとめの際にも議論があった、伊勢志摩地域について学び、伊勢志摩地域全体で子どもたちを育てていこうという「伊勢志摩学」の方向性を改めて盛り込む必要がある。(中村委員)
○ 小規模校を維持することによって、これまでの協議で大切にしてきた進学ニーズに応える高校や、多様な学びの選択肢が維持できなくなり、他地域への流出が加速するのではないかと危惧する。断腸の思いだが、募集停止を決断すべき時期に来ているのではないか。(田中会長)
○ それぞれの高校が持っている役割を放棄するのではなく、集約された高校にその機能を引き継いでいくことが重要である。単に地域の学校を残してほしいというだけではなく、柔軟な学びの環境を整えるという発想で検討することが大切である。(舟戸委員)
○ 社会に出た後も人間関係を構築する力は重要であり、コロナ禍で育った子どもたちには、オンラインを活用した学びだけでなく、多様な人や価値観の中で学ぶことが求められる。また、高校進学により長くなる通学時間を有効活用することも学びの機会の1つと捉えることができる。(尾崎委員)
○ 私立高校授業料の実質無償化が進められる中で、改めて公立高校の役割を考えながら、再編の議論を進める必要がある。(矢野委員)
(配置のあり方について)
○ 子どものニーズや学科の特色などを把握している高校現場の意向を勘案した上で、教育環境を整備すべきである。今後は、他府県の先進事例も参考にしながら議論できるとよい。(舟戸委員・中村委員・奥山委員)
○ 再編により、遠くの高校に通うことになる子どもたちへのサポートが重要であり、校舎制やサテライト施設とすることも手立てとなりうるのではないか。また、再編後の通学時間の変化なども追跡調査しながら検討を進める必要がある。(中村委員・劒山委員・黒坂委員)
○ 地域の経済団体としては、地域に高校があることの経済効果は大きく、なんとか募集停止とならない代替案を考えてもらいたい。(山本委員)
○ 今後、高校でも35人学級編制などが実現し、協議会の方向性の見直しが必要となったときには、柔軟な枠組みで対応してもらいたい。(中村委員)
○ 協議会の方向性として、「募集停止とし」や「整理統合する」といった表現はきつい印象を与える。協議会としては、もう少し柔らかい表現が望ましい。(矢野委員・舟戸委員)
○ 地域の学校の存続を望む意見はあるが、小規模校の限界についても議論されてきた。学校の機能をどのように引き継ぐのかを議論するためにも、曖昧な方向性では何も進んでいかなくなるのではないか。また、募集停止となっても、その高校に在籍する生徒にとって魅力ある高校となるよう、全力でサポートしていくことが大事である。(舟戸委員)
(その他)
○ 協議会として大切にしてきた考え方や方向性がしっかりと伝わるよう、また、協議会の立場から柔らかい表現となるように加筆修正し、最終的な「協議会のまとめ」を会長と副会長によりとりまとめることとしたい。(田中会長)