ガザミ
ガザミ
伊勢湾での外卵雌(腹肢に卵をつけた雌)の出現期は4月上旬から9月中旬で、孵化期は5月中旬から9月中旬とみられています。ガザミは多回産卵で、同一産卵期間中に小型雌は通常2回、大型雌では3~4回続けて受精卵を産出します。
ゾエア期、メガロッパ期の浮遊生活の後、稚ガニ(甲幅3~3.5㎜)となり、さらに5回目の脱皮で幼ガニ、それから12~13回脱皮して成ガニとなります。
愛知県では、6月までに孵化した早期発生群は脱皮を繰り返しながら成長し、年内には平均甲幅120㎜、平均体重100g以上となり交尾を行い、2年目は2回脱皮して甲幅182㎜、体重425gに成長します。また、7月中旬から下旬にかけて発生した晩期発生群は2年目の7月から8月中旬にかけて成熟し、交尾します。これらの個体は8月上旬で雄は平均甲幅141㎜、平均体重185g、雌は126㎜、108gとなるようです。
参考文献:
- (財)海洋生物環境研究所
1991.ガザミ、沿岸至近域における海生生物の生態知見、貝類・甲殻類・ウニ類編:407-442. - 愛知県水産試験場
1974.愛知県産ガザミの生態、愛知水試研究業績C輯、第6号、48pp. - ガザミ種苗生産研究会
1983.ガザミ種苗の量産技術、(社)日本水産資源保護協会:129pp. - (社)日本水産資源保護協会
1981.ガザミ、水生生物生態資料:242-245.