1.発表事項
平成20年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況について
2.発表内容
平成20年における北勢地域の地盤沈下は僅かであり、近年の沈静化傾向に変化はありませんでした。
また、同地域内の地下水位は、観測井戸において全般的に概ね上昇傾向にあります。
○地盤沈下の状況
当県の北勢地域における地盤沈下の状況を把握するため、関係機関と協力し、年1回の水準測量を実施
しています。
平成20年の測量結果は次のとおりです。
・観測水準点 125地点
・1cm以上の沈下水準点 0地点(平成19年は0地点)
・沈下を示した水準点 67地点(全観測点の54%)
・年間最大沈下量 -0.65cm 木曽岬町源緑輪中
・過去5年間における累積沈下量の最大値 -2.43cm 桑名市多度町福永
・昭和36年~平成20年の累積沈下量の最大値 -158.1cm 桑名市長島町白鶏
(ただし、桑名市長島町白鶏については、沈下は昭和60年以降沈静化しています。)
北勢地域の地盤沈下は、昭和47年から昭和49年をピークに昭和59年まで年間1cm以上の沈下量
を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたり年間1cm以上の沈下域を形成しました。しかし、昭和6
0年以降は異常渇水のあった平成6年を除いて地盤沈下は沈静化傾向にあります。
○地下水の状況
当県では、地盤沈下と密接に関連のある地下水の状況を把握するため、関係機関と協力し観測井戸24
箇所での地下水位について年間を通して観測しています。
その結果、測定した24箇所の内20箇所で水位が上昇しています。また、当該年に下降を示した井戸
についても、長期的に見れば水位は上昇傾向にあります。
3.今後の対応
地盤沈下は沈静化傾向にありますが、当該地域は、異常渇水による一時的な地下水位低下でも沈下が拡
大する軟弱な地質であることから、今後も水準点、地下水位の観測及び地下水揚水量の規制を行い、注意
深く監視・観測を続けていく必要があります。さらに、東海三県にまたがる「濃尾平野地盤沈下防止等対
策要綱(昭和60年4月26日地盤沈下防止等対策関係閣僚会議決定)」に基づき、関係機関と協力の
上、広域的な対策を推進します。