三重県立図書館では、本年3月から5月にかけて、県民の皆さんに東日本大震災を改めて考えていただく取り組みの一つとして、写真家松原豊氏が岩手県大槌町で撮影した作品による写真展を、県内の市町立図書館等との共催により開催しました。
このたび、松原氏の地元である津市美里町の図書館のご協力により、全点展示による写真展を開催します。これまでの展示では、三重県立図書館での展示以外ですべての作品を一度にご覧いただくことができませんでしたが、津市美里図書館では全30点をご覧いただけます。
この写真展を通じて、東日本大震災により大きな被害を受けた岩手県大槌町の時間の流れを、そして震災を記憶する機会になればと思います。
●展示概要
期間 平成24年6月3日(日曜日)から6月25日(月曜日)まで
場所 津市美里文化センター 1階ロビー(津市美里図書館入口前)
内容 写真家松原豊氏が岩手県大槌町で撮影した写真(30点)の展示
●松原豊写真展「大槌町/2011夏・2012冬」について
市町村合併により消えてしまった三重県の「村」の光景を、「村の記憶」として写真に記録してきた松原氏は、昨年8月に初めて大槌町を訪れ、東日本大震災から復興に向けて立ち上がろうとしている大槌の人々や傷ついた大槌の光景を写しました。今年1月、松原氏は再び大槌町を訪れ、夏に出会った人々との再会を通じて、半年後の大槌町の様子を写してきました。
この写真展は、本年3月1日から5月13日までの間、三重県立図書館をはじめ県内の31の図書館で開催され、今回の津市美里図書館が32か所目の展示となります。
●松原豊(まつばら ゆたか) 氏 プロフィール
写真家。1967年三重県生まれ。津市(旧美里村)在住。東京写真専門学校名古屋校(現 名古屋ビジュアルアーツ)卒業後、アシスタントを経て独立。NAGI、kalas など地域文化誌の撮影に携わるかたわら、村を記憶する「写真師」としての撮影をライフワークとする。2010年、写真展「村の記憶」を三重県立美術館、多気町立勢和図書館で開催。2011年6月1日、写真集『村の記憶』を月兎舎より出版。同年9月には新宿ニコンサロン、11月には大阪ニコンサロンにて写真展「村の記憶」を開催。名古屋ビジュアルアーツ非常勤講師。公益社団法人日本写真家協会会員。