1.発表事項
平成24年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況について
2.発表内容
濃尾平野における地盤沈下の状況を把握するため、東海三県地盤沈下調査会(三重県ほか二県一市、国
の機関及び学識者で構成)の構成機関が協力して、水準測量を継続的に実施しています。
三重県北勢地域(桑名市、四日市市、木曽岬町、川越町及び朝日町)の124地点において水準測量を
行ったところ、年間1cm以上の沈下を示した地点は観測されず、近年の地盤沈下の沈静化傾向に変化は
ありませんでした。
また、同地域内の観測井戸の地下水位についても、全般的に上昇(回復)傾向となっています。
○地盤沈下の状況
・観測水準点 124地点
・1cm以上の沈下水準点 0地点(平成23年は1地点)
・沈下を示した水準点 36地点(全観測点の29%)
・年間最大沈下量 0.99cm(桑名市深川町)
・昭和36年~平成24年の累積沈下量の最大値
158.4cm(桑名市長島町白鶏)
北勢地域の地盤沈下は、昭和47年から昭和49年をピークに、昭和59年まで年間1cm以上の沈下
量を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたる沈下域※が形成されました。しかし、昭和60年以降は
異常渇水のあった平成6年を除いて地盤沈下は沈静化傾向にあります。
※沈下域:隣接する3点以上の水準点の年間沈下量が1cm以上の地域
○地下水の状況
地盤沈下と密接に関連のある地下水位の状況を把握するため、中部地方整備局と協力して北勢地域内
22箇所の観測井戸で水位を観測しています。
その結果、22箇所のうち、12箇所の観測井戸で水位が上昇しました。なお、下降を示した井戸につ
いても、長期的には地下水位は上昇傾向を示しています。
3.今後の対応
北勢地域の地盤沈下は沈静化の傾向にありますが、南海トラフ巨大地震等に伴って発生する津波などの
自然災害の潜在的危険性が高い地域であることから、同地域における地盤沈下の状況について観測・監視
を継続的に行っていきます。
また、今後も東海三県地盤沈下調査会において関係機関と連携・協力し、広域的な調査及び対策を実施
することとします。