平成28年2月16日、三重県生活環境の保全に関する条例の規定に基づき、潮満商事株式会社(伊勢市竹ヶ鼻町字潮満361番地3 代表取締役 藤本 行治)から、同社敷地内において六価クロム及び鉛による土壌汚染が発見された旨の届出がありました。
1 内容
事業者が、同社敷地内において自主的に土壌146地点、地下水10地点で調査を実施したところ、次のとおり土壌溶出量基準値及び土壌含有量基準値を超過していました。
【六価クロム化合物】2地点で基準超過
土壌溶出量 深度1.0m地点で最大0.16mg/L
〈基準値0.05mg/Lの3.2倍〉
【鉛及びその化合物】2地点で基準超過
土壌含有量 表層(最大深度0.5m地点)で最大690mg/kg
〈基準値150mg/kgの4.6倍〉
2 原因と対策
六価クロムについては、過去に当該事業所の敷地内に生コンクリートの製造事業所が存在していた履歴があり、当該製造工程の排水経路と汚染範囲が一致することから、生コンクリート製造過程における排水に起因するものと考えられます。
一方、鉛については、当該事業所の敷地内においてはんだの使用履歴があるものの、はんだの使用場所や保管場所と汚染範囲が一致しなかったことから、汚染の直接の原因は不明です。
汚染区域は、既に、関係者以外の立入禁止措置がなされています。また、地下水汚染はありません。事業者は今後速やかに当該事業者により汚染土壌を掘削除去し、清浄な土壌と入れ替えを行う予定です。
県は事業者に対して、適切な措置が実施されるよう指導していきます。
3 届出内容の問い合わせ先
潮満商事株式会社
管理部 課長 奥出 啓太
電話 0596-36-3120
4 参考
(三重県生活環境の保全に関する条例 関係条文)
第七十二条の四 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
○六価クロム
クロムは主としてクロム鉄鉱として産出されており、地殻表層部には重量比で0.02%程度存在しています。自然界に存在するクロムの原子価は、ほぼ三価のものに限られます。
生コンクリートの原料であるセメントの製造過程(焼成)においては、三価クロムが酸化されることで六価クロムになる場合があります。
六価クロムは、発がん性があるとされ、高濃度の場合は皮膚に付着した状態を放置すると皮膚炎や腫瘍の原因になることがあります。また、六価クロム化合物は、顔料、染料や塗料に使われるほか、メッキや金属表面処理、酸化剤などに使用されています。
○鉛
古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。また、かつては水道の給水管材料として広く使われていました。
鉛は、地殻の表層部には重量比で0.0015%程度、広く存在するため、地質等に由来するものも発見されます。そのため、人の組織等にも通常存在しますが、高濃度の鉛では貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状があらわれます。また、無機鉛化合物では発ガン性があるとされています。