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平成30年03月14日

簡易的環境影響評価書に対する知事意見を述べました(サクシードヒルズ西方(にしかた)宅地開発事業)

 事業者である株式会社サクシードインブェストメント(代表取締役 瀬古 恭裕)から送付のあったサクシードヒルズ西方(にしかた)宅地開発事業簡易環境影響評価書(以下「簡易評価書」といいます。)について、知事が環境保全の見地から意見を述べるにあたり三重県環境影響評価委員会へ諮問していました。同評価委員会からは、平成30年3月12日に審議結果の答申がありましたので、平成30年3月13日付けで、下記のとおり簡易評価書に対して知事意見を述べました。
 なお、知事意見、桑名市長意見及び住民意見については、平成30年3月19日から平成30年5月2日まで、環境生活部、三重県立図書館、情報公開・個人情報保護総合窓口及び桑名地域防災総合事務所において閲覧に供します。

(事業概要)
 ・準対象事業の名称:サクシードヒルズ西方(にしかた)宅地開発事業
 ・事業者の名称:株式会社サクシードインブェストメント
         代表取締役 瀬古 恭裕
 ・準対象事業の種類:住宅団地の造成
 ・準対象事業実施区域の位置:桑名市大字北別所字谷山3番 他
 ・準対象事業の規模:14.2ha

※簡易評価書について
 平成28年の三重県環境影響評価条例の改正により、各種造成事業については、対象事業の規模要件の1/2以上の規模の事業を準対象事業として位置づけ、簡易的な手続き(方法書手続きを省略し、主に文献調査の結果に基づく予測・評価を実施)による環境影響評価の実施を、事業者に義務づけました。住宅団地の造成事業については、対象事業の規模要件は20ha以上であるため、10ha以上の事業が準対象事業に該当します。
 簡易評価書は、通常の環境影響評価手続きにおける準備書に相当する図書として位置づけられています。
 なお、当該事業は、条例改正後、初の準対象事業の案件となります。



 以下、知事意見を掲載します。


(総括的事項)
1 簡易的環境影響評価は、主に文献調査の結果に基づき予測及び評価したものであることから、現地調査の結果に基づく環境影響評価と比較して予測の不確実性が大きいことに留意し、事業実施の際に予測結果と異なる状況が発生した場合には、適切な措置を講じ、可能な限り環境影響の回避または低減に努めること。

2 当該事業実施区域は閑静な住宅街に隣接しているため、各環境要素に係る規制基準値や指針値等を遵守し、環境保全措置を徹底するだけでなく、工事の計画や進捗状況を常に情報提供する等、地域住民とコミュニケーションを十分図り、事業を進めること。

3 事業の実施にあたっては、環境保全対策に関する最新の知見を考慮するとともに、最善の利用可能技術を導入するなど、より一層の環境影響の低減に努めること。

4 措置報告書の作成までに、詳細な工事内容及び施設概要が明らかとなり、予測、評価及び環境保全措置に変更を生じる場合は、それら工事内容等を反映した措置報告書を作成すること。


(個別的事項)
1 騒音
(1)建設機械の稼働に伴う騒音の予測結果は、事業実施区域の境界上において規制基準値以下であるものの、隣接する閑静な住宅街においては、比較的高いレベルの騒音に長時間曝露されることによる影響が考えられるため、工事計画の決定にあたっては地域住民と十分協議を行い、理解を得ながら事業を進めること。
(2)伐採樹木の現地破砕による騒音影響について、調査、予測及び評価を必要に応じて行い、その結果を措置報告書に記載すること。
(3)環境保全措置として掲げられている「住居地域に隣接する竹林については、工事期間中は、極力、緩衝施設帯として残存させ、工事の最終段階で伐採するなど、騒音の発生を抑制する。」については、十分な騒音防止効果が期待できないため、適切な表現に改めること。

2 水質、地下水
 大規模出水時に洪水等が発生しないよう、調整池の容量を十分確保するとともに、調整池の堆砂状況を定期的に確認し、必要に応じてしゅんせつを行う等、適切に管理すること。

3 地形、地質
(1)当該事業実施区域及びその周辺には多くの活断層が存在しているため、事業実施にあたっては、ボーリング調査等により未知の活断層の分布の把握に努めること。また、当該事業の利害関係者に対して、活断層の存在について十分な説明を行うこと。
(2)谷部を盛土造成する事業計画であることから、地盤及び盛土の安定性が確保された計画であることを確認したうえで、事業を進めること。

4 陸生動物、陸生植物、水生生物、生態系
 桑名市指定天然記念物であるヒメタイコウチは、土壌の水分量のわずかな変化により生息できなくなる可能性が大きいことから、事業実施区域の南側の生息地の保全のため、桑名市の担当課と密に連携し、当該生息地への供給源となる湧水及び表流水の状況把握に努めるとともに、可能な限り水量が維持される施工方法とすること。

5 歴史的文化的な遺産
 事業実施区域には、高塚遺物散布地及び高塚山下遺跡が含まれるため、事業の実施にあたっては、桑名市の担当課と協議のうえ、必要な措置を講じること。

6 その他
 事業実施区域の周辺住民から、工事の実施時及び施設供用時における交通事故の多発等を心配する意見が寄せられているため、各意見について、事業者として誠実に対応すること。

関連資料

  • 環境アセスメントパンフ(PDF(1MB))

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 環境共生局 地球温暖化対策課 環境評価・活動班 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2366 
ファクス番号:059-229-1016 
メールアドレス:earth@pref.mie.lg.jp 

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