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平成30年10月30日

簡易的環境影響評価書に対する知事意見を述べました((仮称)三重県(南伊勢町)太陽光発電所新築工事用地造成事業)

 事業者であるクラウドバンク・エナジー発電事業1号合同会社(代表社員 日本クラウド証券株式会社 職務執行者 橋村 純)から送付のあった(仮称)三重県(南伊勢町)太陽光発電所新築工事用地造成事業に係る簡易的環境影響評価書(以下「簡易評価書」といいます。)について、知事が環境保全の見地から意見を述べるにあたり三重県環境影響評価委員会へ諮問していました。同評価委員会からは、平成30年10月26日に審議結果の答申がありましたので、平成30年10月29日付けで、下記のとおり簡易評価書に対して知事意見を述べました。
 なお、知事意見、南伊勢町長意見及び住民意見については、平成30年11月5日から平成30年12月19日まで、環境生活部、三重県立図書館、情報公開・個人情報保護総合窓口及び南勢志摩地域活性化局において閲覧に供します。

(事業概要)
 ・事業者:クラウドバンク・エナジー発電事業1号合同会社
      代表社員 日本クラウド証券株式会社
      職務執行者 橋村 純
 ・事業実施区域:南伊勢町迫間浦及び相賀浦地内
 ・事業の規模:面積 約19.7ha
 ・事業種類:宅地その他の用地造成事業
 ・事業計画:土地を造成し、太陽光発電事業(約7MW)を行う。

                       記

(総括的事項)
1 簡易的環境影響評価は、主に文献調査の結果に基づき予測及び評価したものであることから、現地調査の結果に基づく環境影響評価と比較して予測の不確実性が大きいことに留意し、事業実施の際に予測結果と異なる状況が発生した場合には、適切な措置を講じ、可能な限り環境影響の回避または低減に努めること。

2 太陽光発電は、地球温暖化対策を推進するための再生可能エネルギーとして位置付けられているところであるが、環境面や災害面から事業実施を不安視する住民意見が認められることから、資源エネルギー庁策定の「事業計画策定ガイドライン」や、本県策定の「三重県太陽光発電施設の適正導入に係るガイドライン」に基づき、自治体や地域住民とコミュニケーションを図るなど、不安の払拭に努めること。

3 事業の実施にあたっては、環境保全対策に関する最新の知見を考慮するとともに、最善の利用可能技術を導入するなど、より一層の環境影響の低減に努めること。

4 措置報告書の作成までに、事業計画について可能な限り確定させるとともに、詳細な工事内容及び施設概要が明らかとなり、予測、評価及び環境保全措置に変更を生じる場合は、それら工事内容等を反映した措置報告書を作成すること。

(個別的事項)
1 大気質、騒音、振動
 早朝や夜間等の時間帯における工事用車両等の走行について配慮するとともに、交通量が短時間に集中することのないよう計画すること。

2 水質、水生生物
(1)除草剤等の使用の有無を措置報告書に記載するとともに、使用する場合は水質に関する予測、評価を行うこと。
(2)大規模出水時に洪水等が発生しないよう、調整池の容量を十分確保するとともに、調整池の堆砂状況を定期的に確認し、必要に応じてしゅんせつを行うなど、適切に管理すること。
(3)事業実施区域の周辺の利用者及び周辺海域の漁業者に対する濁水の影響が懸念されることから、環境保全措置を十分に検討すること。
(4)事業実施区域周辺に生息する水生生物に対する濁水の影響が懸念されることから、環境保全措置を十分に検討すること。

3 地形及び地質
(1)土砂災害の発生による影響を及ぼさないよう、人家や人家立地見込み地周辺への法面の形成を避けること。
(2)事業実施区域に造成される斜面の高低差が大きい計画となっていることから、斜面や調整池の崩壊により周辺に被害が生じないよう、事業終了後も含めた安全性の確保に配慮すること。

4 陸生動物
(1)生息が確認されている鳥類について、工事の実施に伴い、営巣後に繁殖を中断することのないよう、繁殖期を把握のうえ、適切な工期を設定すること。
(2)サシバやハチクマなどの猛禽類について、営巣を開始する前に工事開始時期を設定することにより、営巣放棄等繁殖への影響を回避するなど、「猛禽類保護の進め方(改訂版)」(平成24年12月、環境省自然環境局野生生物課)を参考とし、環境保全措置を検討すること。

5 陸生動物、陸生植物、水生生物、生態系
(1)大規模な森林伐採が行われ、生物多様性への影響が大きくなると考えられるため、その影響を可能な限り回避・低減することを検討したうえで、森林や草地のまま改変せずに残す場所が極力大きくなるようにすること。
(2)動植物に対する影響について、工事の実施時だけでなく、施設の供用時も含めて評価するとともに、事後調査の実施を検討すること。
(3)盛土、切土に伴って、地下水の流れが変化することが考えられるため、事業実施区域周辺の湿地環境に極力影響を与えないよう、必要な措置を行うこと。

6 陸生植物、生態系
(1)シイ・カシ二次林は遷移が進むことで潜在自然植生であるミミズバイ・スダジイ群落に近い形になるうえ、生態系としてみたときには昆虫や動物の貴重な生息空間であることから、シイ・カシ二次林の重要性を認識したうえで、予測及び評価を行うこと。
(2)緑化については、種子の流出による下流域への影響が考えられるため、可能な限り在来種を使用する計画とすること。

7 生態系
(1)生態系の典型性注目種について、現存量の多い植物群落についても対象とすること。
 また、予測及び評価にあたっては、注目種等への影響についてだけでなく、これらで代表される生態系全体に対する影響についても検討すること。
(2)サシバが事業実施区域内で頻繁に確認され、攻撃行動も見られることから、現状、営巣を行っていなかったとしても、今後、営巣場所として利用する可能性があるため、営巣場所となった場合も考慮したうえで事業による影響を予測及び評価すること。
(3)改変区域はフェンスで囲われることから、典型性注目種として選定したニホンジカに対する環境保全措置である「樹木伐採計画範囲の遵守」及び「造成裸地や造成法面の緑化」は不適切であるため、環境保全措置を再検討すること。

8 景観
(1)事業実施区域は伊勢志摩国立公園に含まれているため、主要な眺望点からだけでなく、様々な視点から眺望された場合を考え、施設の配置等を検討すること。
(2)近隣の民家・集落からの眺望が考えられるため、調査地点として追加することを検討すること。
(3)太陽光パネルからの反射光による景観への影響について、予測及び評価することを検討すること。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 環境共生局 地球温暖化対策課 環境評価・活動班 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2366 
ファクス番号:059-229-1016 
メールアドレス:earth@pref.mie.lg.jp 

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