平成２９年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況を公表します

　濃尾平野における地盤沈下の状況を把握するため、東海三県地盤沈下調査会（三重県ほか二県一市、名古屋港及び四日市港各管理組合、国の機関及び学識経験者で構成）の構成機関が協力して、水準測量を継続的に実施しています。このたび、平成２９年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況がまとまりましたので発表します。

１．発表内容
　三重県北勢地域（桑名市、四日市市、木曽岬町、川越町及び朝日町）の９１地点（延長＝２２２ｋｍ）において水準測量を行ったところ、年間１ｃｍ以上の沈下を示した地点は３地点であり、近年の地盤沈下の沈静化傾向に変化はありませんでした。
　また、同地域内の観測井戸の地下水位についても、上昇（回復）傾向となっています。

　○地盤沈下の状況
　・観測水準点　　　　　　　　　　　９１地点
　・年間１ｃｍ以上沈下した水準点　　　３地点
　　　桑名市長島町白鶏：沈下量１．２８ｃｍ
　　　桑名市長島町松蔭：沈下量１．２１ｃｍ
　　　木曽岬町源緑輪中：沈下量１．０１ｃｍ
　　［沈下を示した水準点　　　　　３５地点（全観測点の３８％）］
　・昭和３６年から平成２９年までの累積沈下量の最大値
　　　　　　　　　　　　　１６１．９２ｃｍ（桑名市長島町白鶏）
　北勢地域の地盤沈下は、昭和４７年から昭和４９年をピークに、昭和５９年まで年間１ｃｍ以上の沈下量を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたる沈下域※が形成されました。しかし、昭和６０年以降は異常渇水のあった平成６年を除いて地盤沈下は沈静化傾向にあります。
　　※沈下域：隣接する３点以上の水準点の年間沈下量が１ｃｍ以上の地域

　○地下水の状況
　地盤沈下と密接に関連のある地下水位の状況を把握するため、中部地方整備局と協力して北勢地域内２２箇所の観測井戸で水位を観測しています。
　その結果、平成２９年は１４箇所の観測井戸で水位が上昇しました。なお、下降を示した井戸についても、長期的には地下水位は上昇（回復）傾向を示しています。

２．今後の対応
　北勢地域の地盤沈下は沈静化の傾向にありますが、南海トラフ巨大地震等に伴って発生する津波などの自然災害の潜在的危険性が高い地域であることから、同地域における地盤沈下の状況について観測・監視を継続的に行っていきます。