濃尾平野における地盤沈下の状況を把握するため、東海三県地盤沈下調査会(三重県ほか二県一市、名古屋港及び四日市港の各管理組合、国の機関及び学識経験者で構成)の構成機関が協力して、水準測量を毎年実施しています。このたび、令和6年における三重県北勢地域の地盤沈下の状況がまとまりましたので公表します。
1.発表内容
三重県北勢地域(四日市市、桑名市、木曽岬町、朝日町及び川越町)の129地点(延長=19
0km)において水準測量を行ったところ、年間1cm以上の沈下を示した地点は観測されません
でした。
同地域内の観測井戸の地下水位については、上昇(回復)傾向となっています。
○地盤沈下の状況
・観測水準点 129地点
・年間1cm以上沈下した水準点 0地点
[沈下を示した水準点 105地点(全観測点の81%)]
・昭和36年から令和6年の累積沈下量の最大値
163.94cm(桑名市長島町白鶏(ながしまちょうはっけ))
同地域の地盤沈下は、昭和47年から昭和49年をピークに、昭和59年まで年間1cm以上の
沈下量を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたる沈下域※が形成されました。
令和元年には桑名市長島町南部地域において15年ぶりとなる沈下域が観測されましたが、令和
2年以降は観測されていません。
※沈下域:隣接する3点以上の水準点の年間沈下量が1cm以上の地域
○地下水の状況
地盤沈下と密接に関連のある地下水位の状況を把握するため、中部地方整備局と協力して同地域
内21箇所の観測井戸で継続的に水位を観測しています。
その結果、令和6年は14箇所で水位が上昇しました。
なお、下降を示した井戸についても、長期的には地下水位は上昇(回復)傾向を示しています。
2.今後の対応
令和元年は少し変化が見られたものの、長期的には同地域の地盤沈下は沈静化傾向であり、令和
6年においてもその傾向は大きく変わらない結果となりました。濃尾平野においては、南海トラフ
巨大地震等に伴って発生する津波や、気候変動に伴う海面上昇に対して関心・警戒が高まってお
り、高潮・洪水・内水氾濫及び地震災害等の潜在的な危険性が高いことから、地盤沈下の状況につ
いて、長期的な視点から観測・監視を継続して行っていきます。