三重県総合博物館(MieMu)では、日本固有種で、木曽川に生息する国の天然記念物であるコイ科タナゴ亜科の純淡水魚である「イタセンパラ」を水族展示します。イタセンパラは秋のこの時期に産卵し、オスはメスに求愛するために美しい紫色の婚姻色をだします。今回は文化庁、環境省の特別の許可を得て展示しますので、ぜひこの機会に生きたイタセンパラをご覧ください。
1 展示期間
令和元年9月27日(金)から10月14日(月・祝)までの開館時間中
2 展示物
・イタセンパラ10匹程度
・解説パネル
3 展示場所
三重県総合博物館2階 エントランス(津市一身田上津部田3060)
どなたでも無料でご覧いただけます。
4 イタセンパラについて
(1)生態
コイ科タナゴ亜科魚類に属し、一生を淡水で過ごす純淡水魚です。タナゴ類は生きたイシガイ科の
淡水二枚貝類の鰓内に卵を産み込むという特徴的な産卵様式を持っております。
イタセンパラは秋に卵を産み、子は貝内で越冬して、翌春に貝から泳ぎ出てきます。
(2)分布
木曽川(愛知県、岐阜県、三重県)、淀川(大阪府)、万尾川(富山県)に生息しています。
今回展示するイタセンパラは、木曽川産の個体を環境省が保護して増殖した個体です。
(3)法律による保護
国の天然記念物や、国内希少野生動植物種に指定され、国により許可なく採集や飼育が禁止されて
います。また、日本のレッドリストでは、野生に生息する種としては最も絶滅の危険性の高いランク
である「絶滅危惧ⅠA類」に指定されています。
(4)三重県総合博物館との関係性について
当館の北村淳一学芸員は、コイ科タナゴ亜科魚類の生態を専門とし、国土交通省中部地方整備局と
環境省中部地方環境事務所が所管する「木曽川水系イタセンパラ保護協議会」の委員に委嘱され、
木曽川水系のイタセンパラの生態研究や、保護・増殖・生息場所管理について助言を行っています。
また、イタセンパラの生態に関する論文2編が学術雑誌に掲載されています。