三重県総合博物館(MieMu)では、津市の鳥居古墳(とりいこふん)から出土した押出仏(おしだしぶつ)や、大来皇女(おおくのひめみこ)との所縁も指摘されている名張市の夏見廃寺(なつみはいじ)出土の塼仏(せんぶつ)を収蔵しています。今回はそれらを展示し、古代の仏教文化の一端を紹介します。
1 期間:令和4年5月7日(土)から7月3日(日)までの開館時間中
2 場所:三重県総合博物館3階 実物図鑑人文コーナー(津市一身田上津部田3060)
※どなたでも無料でご覧いただけます。
3 主な展示品
・銅板押出一光三尊像(どうばんおしだしいっこうさんぞんぞう)
鳥居古墳から出土したもので、奈良時代前期の作品と考えられます。押出仏とは、薄い銅板を押し出
して仏像の姿を浮き上がらせたものです。表面に施された鍍金がよく残る優品で、三重県の文化財に
指定されています。
・塼仏吉祥天立像(せんぶつきっしょうてんりゅうぞう)
同じく、鳥居古墳からの出土で、奈良時代後期の作品と考えられます。塼仏とは、仏の姿をレリーフ
状にあらわした板状の焼き物です。この吉祥天像は、奈良の唐招提寺(とうしょうだいじ)に伝来す
る吉祥天の押出仏と酷似していることで知られています。三重県指定文化財に指定されています。
・夏見廃寺出土塼仏
夏見廃寺は、名張市夏見に所在した古代寺院で、発掘調査で金堂跡の周辺から多くの塼仏が出土しま
した。奈良時代前期の作品で、三重県指定文化財に指定されています。