三重県総合博物館(MieMu)の開館10周年を記念した展覧会第3弾として、令和6年10月5日(土)から、第38回企画展「刀剣 三重の刀とその刀工」を開催します。
刀剣は、かつて「武士の魂」とまで称され、武器としての役割はもちろん、日本の文化とも深く関わってきました。本展覧会では、三重を代表する刀工、桑名の千子村正(せんごむらまさ)の作品をはじめ、鍵屋の辻(伊賀市)の仇討ちで立ち回った荒木又右衛門(あらきまたえもん)の所用の刀など、三重県ゆかりの刀剣59振りを中心に、全69振りの刀剣を展示します。刀剣の美と技術をご堪能ください。
1 展覧会の概要
(1)期間:令和6年10月5日(土)から12月1日(日)まで
休館日:毎週月曜日(ただし、月曜日が休館の場合は火曜日)
10月7日(月)、15日(火)、21日(月)、28日(月)
11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)
(2)観覧時間:9時から17時まで(最終入場は16時30分まで)
(3)会場:三重県総合博物館3階 企画展示室(津市一身田上津部田3060)
(4)観覧料:【企画展のみ】一般1,000円、学生600円、高校生以下無料
【基本展示とのセット券】一般1,200円、学生720円、高校生以下無料
(5)展示内容
プロローグ 映像/刀を作る
現在、新たに美術刀剣類を作成する場合、文化庁の研修を修了している必要があります。三重県内では、この資格をもった刀鍛冶(刀匠)は角谷健一郎(すみやけんいちろう)さんただ1人です。角谷さんの刀剣作成の過程を、実物の材料や道具とともに映像で紹介します。
第1章 歴史に見る刀剣
古墳時代の墳墓から出土した副葬品の大刀(たち)や、日本三大仇討ちとして有名な江戸時代の鍵屋(かぎや)の辻の決闘で荒木又右衛門(あらきまたえもん)が使用した刀を中心に、刀剣の歴史を紹介します。仇討ちの様子を描いた浮世絵や、同じく日本三大仇討として有名な忠臣蔵の題材となった討ち入り事件で主要な役割を果たした大石内蔵助(おおいしくらのすけ)の所用の刀、明治維新以後の政府が発した廃刀令(はいとうれい)が記載された公文書なども展示します。
第2章 三重の刀剣と刀工
南北朝時代の終わりごろ、現在の三重県桑名市に本拠を構えた村正(むらまさ)の千 子(せんご)派に始まる一門の刀づくりはその後幕末まで続きます。江戸時代になると、県内各地で刀づくりは盛んに行われました。中でも田丸(度会郡玉城町)では、くらしの道具をつくる野鍛冶(のかじ)の仕事をしながら独学で鍛刀(たんとう)を修めた永貞が多くの優品を世に送り出しました。ここでは、三重で作られた刀の数々をその刀工とともに紹介します。
第3章 三重にまつわる刀剣
射和(いざわ)(松阪市射和町)の竹川竹斎(たけかわちくさい)は、農政や国学にも通じ地域の振興に尽力し、勝海舟(かつかいしゅう)とも深い交遊関係を有するなど、幕末から明治にかけて幅広く活躍した伊勢商人でした。その竹斎が当時高い評価を得ていた刀工大慶直胤(たいけいなおたね)に依頼して作成した刀や薙刀(なぎなた)を紹介します。また、射和の伊佐和(いさわ)神社には、地元の森田忠左衛門尉(もりたちゅうざえもんのじょう)が、奉納した刀剣なども伝わります。三重において作られた刀剣、また、三重の地に伝世した由緒ある刀剣などを紹介します。
第4章 拵(こしらえ)の美
刀剣の外装のことを「拵」といいます。鞘(さや)、茎(なかご)を入れる柄(つか)、鐔(つば)には、どれをとっても美術工芸的な要素がちりばめられています。ここでは特に三重を代表する拵である、「桑名鐔」や「亀山鐔」を紹介します。桑名鐔は、鋼鉄地に透かしや絵模様を低く浮き上がらせる薄肉(うすにく)彫りが施されていることが特徴です。一方、亀山鐔は、銅と鉛の合金である砂張(さはり)を彫りこんだ模様に流し込む、流し込み象嵌(ぞうがん)が施されていることが特徴です。
エピローグ 技術の継承と刀剣の未来
我が国の伝統工芸の粋を結集し制作されたものが、刀剣でありその拵です。刀剣には長い年月をかけて培われた技術が、そして日本の歩みが詰まっています。
これらの刀剣は今、刀工ら担い手の激減により岐路に立たされています。エピローグでは刀剣の未来とその担い手について考えます。
(6)主催:三重県総合博物館
(7)特別協力:公益財団法人日本美術刀剣保存協会協力団体三重県支部
(8)協力:近畿日本鉄道株式会社
(9)後援:三重県博物館協会、歴史街道推進協議会
(10)助成:独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人岡田文化財団
2 関連イベント ※参加費はすべて無料です。
(1)事前申込が必要なイベント
1)記念講演会
日時:令和6年11月3日(日・祝) 13時30分から15時まで
※受付開始は13時から
講師:福井款彦(ふくいよしひこ)(元熱田神宮文化研究員)
演題:「三重の刀剣 ゆかりの刀とその刀工」
会場:三重県総合博物館3階 レクチャールーム
申込:事前申込(10月13日(日)まで) 定員80名
※1通につき、最大4名様までお申し込みいただけます。
※小学生以下の参加には保護者の同伴が必要です。
2)初心者のための刀剣取扱講座
日時:令和6年10月14日(月・祝)、11月23日(土・祝)
いずれも13時30分から15時まで
講師:公益財団法人日本美術刀剣保存協会協力団体三重県支部
会場:三重県総合博物館3階 レクチャールーム
申込:事前申込 各回定員6名
※1通につき、1名様のみお申込みいただけます。
※18歳未満の方の参加には保護者の同伴が必要です。
要 件:登録証のあるご自分の刀をご持参ください。お手入れの道具も可能ならばご持 参ください。登録証がない場合、または登録証が持参された刀剣類と異なる場合は、ご参加いただくことはできません。
3)日本刀相談会
日時:令和6年10月19日(土)、29日(火)、11月8日(金)、17日(日)
いずれも14時から16時まで
対応:公益財団法人日本美術刀剣保存協会協力団体三重県支部
会場:三重県総合博物館3階 レクチャールーム
申込:事前申込 各日とも4件まで(1件あたり30分ずつ)
※18歳未満の方の参加には保護者の同伴が必要です。
※お申込みいただいた方以外に同席される方は2名様までとします。
※参加希望日を第3希望までご記入ください。時間は当方で指定し参加者に
抽選の結果とともにお知らせします。
要件:刀剣類をご持参いただく場合は、必ず登録証も合わせてご持参ください。登録証がない場合、または登録証が持参された刀剣類と異なる場合は、ご相談をお受けすることはできません。なお、この相談会は、各刀剣類の金銭的な価値をお伝えするものではありません。
※各イベントの締切日(3週間前)までに電子申請または往復はがきにてお申し込み
ください。
※電子申請は、当館ホームページのイベント案内からお申し込みください。
アドレス https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/84927046739.htm
※代表者の氏名、住所、年齢、当日連絡が取れる電話番号、保護者の同伴がある場合
は保護者名を、同席される方がある場合も同席者名を、それぞれご記入ください。
※応募者多数の場合、抽選となりますので予めご了承ください。
【申し込み・問い合わせ先】
〒514-0061 三重県津市一身田上津部田3060 電話:059-228-2283
三重県総合博物館 「刀剣展(イベント名)」 係
(2)事前申込不要のイベント
1)ギャラリートーク
日時:令和6年10月6日(日)・10月20日(日)・11月10日(日)・
11月24日(日)
いずれも11時からと14時からの30分程度
会場:三重県総合博物館3階 企画展示室
申込:不要(ただし、企画展の観覧券が必要)、当日受付
※イベントの開催時間までに企画展示室前にお集まりください。
3「刀剣乱舞 ONLINE」コラボ企画
協力:刀剣乱舞ONLINE
期間:10月5日(土)から12月1日(日)まで
内容:PCブラウザ&スマホアプリゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』とのコラボレーションが決定。刀剣男士「千子村正」とのコラボ企画を実施予定です。コラボ企画の詳細が決まり次第、当館のホームページやSNSなどでお知らせします。
※「刀剣乱舞 ONLINE」とは
名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた「刀剣男士(とうけんだんし)」。あなたは彼らを率いる「審神者(さにわ)」となり、歴史を守る戦いに出ます。短刀、脇差、打刀、太刀、大太刀、薙刀、槍、剣の計8種の個性豊かな刀剣男士を集めて育て、あなただけの部隊を結成!様々な合戦場を攻略していく、刀剣育成シミュレーションゲームです。累計ユーザー数1,300万突破!本コラボ企画では、刀剣男士の「千子村正」が登場します。